京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No. 3646 夜間登山と大文字山ビバーク

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【メンバー】L長野浩三,AT,比留間照幸

【タイム】2017年4月1日21時 銀閣寺集合~21時40分 大文字山三角点・ビバーク

4月2日6時30分 三角点~7時 銀閣

【天候】晴れ

【記録&感想】46期 長野浩三

 恒例の大文字ビバーク例会だが,今回は銀閣寺からの登山となった。40分ほどで三角点に到着。

 前回の12月のビバークよりも気温は高いが風が強く,体感温度は前回よりも低い。

 キムチ鍋で宴会をしたが,寒くて震えた。

 たまたまATさんが会のテントの補修が完了したのでロッジで受領して持っていたので,「テントで宴会をしよう」とか「テントで寝よう」とかいう意見が出されたが,「それではビバーク例会の趣旨が没却される」との反論,「ビバークといってもシュラフを使うのであれば元々ビバークとはいえない」との再反論等,喧々諤々の議論がなされ(酔っ払ってのぐだぐだの議論です。),結局,各自好きに寝ることになった。長野は露天,比留間はツェルト,ATはテントでそれぞれ寝た。朝方はかなり気温が低く,顔が冷たくて目が覚めた。

 相変わらず夜景はすごくキレイだった。

 比留間さんはだんだん装備を減らしていっているとのことなので,そのうちシュラフなし,ツェルトのみのビバークをしてくれることと思う。

 今後も装備点検会の前の日にはビバーク例会を企画したいと思うので,是非ご参加を。鍋もうまいし,夜景もきれいですよ。

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【感想】51期 AT淳

参加者少なそうだったのでなんとなく参加表明をしたが、前日雨降っているし、当日も朝から寒くはげしくやる気がなくなり、「長野さんに地面がぬかるんでいそうだけど例会やりますか?」というメールを打ってみたが、じゃあやっぱり止めとこうか、ということにはならず、やる気満々のようなので仕方なく行く事になった。

仕事終わって大阪から帰り、時間ないのでバイクに乗って修理に出していた山岳会のテントをお店で受取り、返す刀でそのまま銀閣寺へ。

いつものように鍋をやって酒を飲むだけかと思っていたら、比留間さんは本気で主旨通りビバークの練習に来ている様で、会の広いテントをたてて中にお招きしたが頑なに拒否されてしまった。

風よけの為に比留間さんの方にテントを置いただけでも一喝されてしまい、たいへん恐縮した。

何でも訓練を重ねるごとに段々装備を減らしていく計画らしく、最終的には裸一貫で寝るというところまで鍛えるそうで、感心した。

自分もはじめは頑張って風に耐えながら鍋を食べてお酒を飲んでいたが、著しく体温が下がってきて生命の危険を感じたので、止む無くテントの中に緊急避難して寝袋に半身入りながらお酒を飲むことにした。

 

夜も更け、早く寝ないと生命の危険があるので、歯を磨いて寝袋にくるまるが、4人用テントに1人なので室温も少しひんやりしており、このままでは生命の危険があると判断しストーブをたく。

暖かさでウトウトしてきたころでストーブを切って就寝。

よく寝られたが朝も早くて睡眠不足。

こんなところでテントを張って朝飯を食べているのは人に見られると異様かと思ったが、早朝から登ってくる人々も個性的な人が多く、我々の様な集団でも何の違和感もない。

長野さんからいただいた高級なお酒がアルコール度数60度?くらいだったので、頭が少しズキズキして生命の危険を感じたが、暖かいココアを飲んで事なきを得る。

 

次回もやるということで、寒いし寝不足になるので自分は次回は勘弁願いたいと思うのだが二人の同調圧力で次回も出席することになるのだろうか。

【感想】57期 比留間照幸

いや~寒かったです。風って寒いですね。改めて思いました。本当にビバークとなったとき、風が強いとかなりヤバイです。

装備的にはツェルト&シュラフのなんちゃって装備ですが、シュラフがなかったら、多分眠れなかったはずです。雨が降ってたら、低体温症にもなってたかもしれません。

やっぱり安全登山は心がけたいです。

それにしてもテントが出てきた時には誘惑に負けそうになりました。

ATさんのいたずら心に、危うく鍋パーティーで終わるとこでした。

なんだかんだで第2回目も楽しかったです。ありがとうございました!

 

 

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〈個人山行〉京都百名山シリーズNo.18 弥仙山

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写真1: 孫谷三角点の尾根より杉山(697m)、宇野ヶ岳(694m)、赤岩山(669m)を望む

 

平成2941()

 

(664m)は嘗て女人禁制の霊場だった。尖山で丹波槍と異名がある美しい山。登山ルートは水分神社からのコースが一般的だが丹後峠か孫谷三角点をの尾根を歩き、改心の道から大又三角点の尾根を歩く縦走を行った。

 

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【メンバー】 山本浩史(単独)()

【行  程】 桂川6:35=沓掛IC =(京都縦貫道)=綾部安国寺IC 7:34大又7:407:55丹後峠~8:02孫谷三角点~9:20弥仙山三角点~9:43弥仙山10:0510:22於与岐町三角点~(回遊コース)~11:21大又三角点~12:00大又12:0812:23たかすみ温泉光の湯13:27=千代川IC=(京都縦貫道)=沓掛IC15:31桂川

【登山データ】 曇りのち晴れ 歩行10.0 4時間20 延登高826m 延下降826m 1座登頂

 

前日から降っていた雨も明け方には止み徐々に晴れてきたが気温はこの時期にしては低めのようだ。綾部市於与岐町大又の伊佐津川の分岐点にある駐車場に車を止めた。府道74号線を歩き丹後峠に達し舞鶴市との市境尾根に這い上がった。道は無く急斜面を木に摑まり乍ら登り切ると4等三角点「孫谷」(303m)があった。昭和476月に設置された三角点で点の記によると同じルートを登り選点したようだ。

汗をかきそうなのでシャツ1枚になって先に進んだ。稜線に道は無いが泥濘んで鹿の足跡が人の歩いた踏み跡のように明瞭に続いていた。雑木の枝が張出し何度も帽子を脱がされたが藪漕ぎと云うほどの問題はない。ただ急斜面が泥濘み歩き辛いのは致し方ない。谷の源頭を回り込むように350mのピークに乗り上ると小広い山頂で南の斜面に送電鉄塔が立っていた。次のピークは541mの標高点で同様の道が続いていた。北側の谷が収束する頃稜線に獣害防止ネットが張られ西から北側の展望が利き、大江山(832m)や由良ヶ岳(648m)の姿が確認できた。P541からは樹林越しに弥仙山が姿を見せたがこの先もスッキリと姿を現す個所はなかった。

次のピークは3等三角点「弥仙山」(599m)で平成21年に登った時はここまで足を伸ばした。嘗て歩いた道は随所に赤テープがあり来る人がいるようだ。鞍部を過ぎた所で水分神社からの道が合流し漸く登山道となった。北側斜面の残雪を踏み回り込むようにして弥仙山東尾根の先端に到ると綾部市睦合町日置谷から来る改心の道が合流した。直登路を登り弥仙山(664m)山頂に達した。狭い山頂には金峰神社が鎮座し神社の石段に腰掛け休憩した。樹林に覆われ展望は殆ど無かったが前回来たときは雨で社殿の軒下で食事をしたことを思い出した。

下山は西側にある鳥居を潜り正規の参道を通り改心の道分岐に到った。この先も前回歩いた道で急斜面をジグザグに下り傾斜が落ち着いたころ舞鶴市の池内川に下る道が分岐した。鹿除けネットの向こう側に道があり注意していないと見過ごしてしまいそうだった。改新の道を南下し576mのピーク4等三角点「於与岐町」に到った。東側にも踏み跡が続いているようだった。

P571は西側を巻いているがピークに立ち寄った。市境は東の稜線へと逃げて行くが其方にも踏み跡が見られた。北側には踏み跡が認められなかったが南への下山時は踏み跡があったので市境尾根への道のようだ。次のピークの南端で縦走路は西に90°向きを変え改新の道回遊コース分岐に到った。回遊コースは西に進み尾根を乗越して谷間の林道経由で水分神社に到る道で、この道に入り谷に下りる処から稜線をそのまま進み大又三角点を目指すのが今日のコースだ。

尾根の張出しに到ったので分岐かと思って進んだ処は一本手前の尾根で少し進んでおかしいことに気付き引き返した。また人道は無くなり獣道を辿って進んだ。4等三角点「大又」(398m)は訪れる人もなくひっそりしていた。点の記によると水分神社の先から三角点峰北尾根を登ったと記録があったが今日は尾根は西に続いていいるのでP340の先で北に下ることにした。植生は竹林となったが竹が倒れ放題で非常に歩き難かった。道がないので北への転換点の見極めが難しくGPSの力を借りて現場の状況を見て歩き易そうな所を選んで下った。結果的に谷間に入り獣道を行くのが歩き易いようで獣道を辿った。大又集落の田圃の縁に飛び出し弥仙山を眺めて12時丁度に駐車地点に帰り着いた。

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写真2: 弥仙山(664m)山頂には金峰神社がある

 

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写真3: 登山口の大又集落より弥仙山(664m)を望む

No. 3644 近郊での岩登り練習

2017年3月26日

【メンバー】CL・AT、長野浩三、中村惠子、織田直子、ST、藤井康司、他非会員1名 計7名

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【天候】曇りのち雨

 

【記録と感想】51期 AT

GWの明神岳のアイゼントレーニングを兼ね、初級向けにロープワークの練習会を行った。

最初は金毘羅でと思っていたが

いつもの金毘羅でやるというのもなんだかつまらないなと思い、そういえば他会のK橋さんが獅子岩へ行っているのを拝見したのを何となく思い出したので

そうか獅子岩という手もあるなあと思い、急遽行先を獅子岩に決める。

獅子岩は以前に一度だけ、沢の遡行途中についでに登ってみたので、なんとなく全体像もわかっている。

例会参加は全部で8人と大人数になったが、直前に水岩さんは高熱を出され、参加できなくなった。

 

まずは獅子岩の頭まで歩き、そこから懸垂下降の説明・練習のあと、じっさいに懸垂下降で沢筋に下り、そこから獅子岩に登ってマルチピッチの練習。

 

登りはじめに雨が降ってくるが、あまり雨脚も強くないので構わず登る。

N川くんにセカンドビレイの練習をしてもらうため、同じビレイ点で説明しながら登るので、終了点に6人も7人も集まって狭い。

リードできる人間も3人なので1人登って2人ビレイ。また1人登って2人ビレイ、最後にロープをフィックスして長野さんに登ってきてもらうという、すごく無理やりな登り方。ふつうに登る時は、まずこんな変な登り方はあり得ませんので参加の方は誤解なきよう。

2ピッチ目から目と鼻の先にあるてっぺんまで行きたかったが、登ってる間に雨も強くなってきてやむなく懸垂下降で撤退。

荷物をまとめてそそくさと帰る。

 

獅子岩を使った訓練はとても実践的だったし、雨が降り悲壮感も出て、本番の様な感じが出て良かったと思った。人がいないのも良い。

次回こういうことをやる機会があったら、また獅子岩を利用させてもらおうと思った。

 

ただ、途中から雨が降ったのと人数が多すぎた関係で、ひとつひとつを丁寧に説明する時間がなくなってしまったのは残念。

登攀時には、本当はもっと注意すべき点がたくさんあります。

 

【感想】57期 織田直子
朝の集合時、人身事故の影響で電車が止まってしまい、もしかしたら参加できないかもと思って新快速の中にいました。
それが、参加出来てしかも雨の中のスラブを冬靴で登るという貴重な経験が出来き大変充実した練習会となりました。お待ち下さったリーダーと皆さまのお陰です。本当にありがとうございました。
またリーダーの丁寧な説明が凄く分かりやすく久しぶりの懸垂下降のセットが比較的スムーズにいきました。
長野さんが雨が降ってきたことにより帰りたいと仰っていたのと逆に登って行かれるリーダー。皆で狭い1、2ピッチ目の終着地点に並んだ時は、こんな光景なかなかないだろうなと笑えました。
常に、ビレイや色々な確認をして下さるリーダーや長野さん、中川さん、運転して下さった藤井さんSTさん、心強い存在の中村さん、本当にありがとうございました。楽しかったです。

 

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【感想】46期 長野浩三
雨が降ってきた中のスラブ登攀は正直テンションが下がった。ATリーダーが登っていくので仕方なく登ったが,登れば登ったでだんだんテンションが上がった。がやっぱり雨じゃないときに来たいと思った。懸垂下降はみなさん無難にやれていたと思います。また,おつきあい下さい。

 

【感想】   54期 中村惠子
久しぶりの外岩でしたが、リーダーが懇切丁寧に懸垂下降の仕組みやギアの使い方を 教えていただき今まで以上に、よくわかりました(あまりの理解力の悪さにちょっと呆れられていましたが)。またマルチピッチを体験でき、今回少しマルチピッチの仕組みわかった気がしました。今までシングルピッチしかしたことがなく、マルチピッチのことは、知らなかったですが、とても楽しかったです。
ずっと壁ばかり見てましたが、振り返ると眼下に琵琶湖が見えて景色がとてもきれいでした。今回獅子岩の頂上に行けなかったので、今度は是非行きたいと思いました。

 

【感想】 57期 藤井康司

来月末の明神岳に備えて参加した。午後から雨が降り出し、バケツのような冬靴で獅子岩のスラブを登れるのかと思ったが、何とかなってしまったのには自分でも驚いた。(ロープなしでは2~3度滑落していたが、、)アイゼンをはく機会はなかったものの、リーダーにはギアの安全性能や弱点など一から教えてもらい大変勉強となった。

 

【感想】 59期 ST

私にとって今までで、最も実践的な岩登り練習だった。自然の岩の中からホールドを自分で探して、今回ほど長い距離を登ったことはなかった。
2ピッチ目を登ったところのテラスはまともに立てないくらい狭かった。「これ、落ちるで」と思った。下を見ると長いスラブだった。「落ちたら途中で止まることは絶対にない・・・」と考えたら、家族の顔が浮かんだ。ほんとうに怖かった。その状況でATさん、長野さんに「ビレイを絶対に外さないで!」と言われた。ここでやっと、本当に自分の中にビレイの大切さが刻まれた。今までは甘く考えていた。「先ず、ビレイ!」これを自分のリズム、習慣にしようと思う。
懸垂下降は左右の手で交互にロープを送るとスムーズに降りることができ、スタンスは肩幅より広げると体が安定することがやっと分かった。

 

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No. 3646 荒島岳

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メンバー】L長野浩三,TS

【タイム】2017年3月11日3月11日(土)7時山科駅→10時勝原スキー場→12時30分シャクナゲ平(幕)、テント設営,雪洞堀り            

3月12日(日)6時48分テン場出発→8時荒島岳→8時40分テン場9時→10時勝原スキー場,みらくる温泉入浴,ヨーロッパ軒でソースカツ丼の昼食,スーパーで水羊羹購入,帰京

【天候】両日とも晴れ

【記録&感想】46期 長野浩三

 百名山荒島岳登山を企画した。前の週の半ばころから降雪があり,積雪がかなりあったが,出足が遅いので踏み跡があると見込んだ。そのとおり,踏み跡はかなりしっかりしておりスノーシューは車に置いて行った。踏み跡が踏み固められており,約2時間30分でシャクナゲ平到着。

 暴風壁を作ってテントを設営。スノーソーが威力を発揮した。雪山テント泊にはスノーソー,スコップが欠かせない。

 その後もちが壁で半雪洞を作ってツェルトを被ってみた。本格的な雪洞は2時間くらいかかるが,半雪洞なら15分くらいでできる。

 午後3時ころからはテント場で宴会をした。夜はキムチ鍋であったまり,午後9時ころまで宴会をして就寝。

 翌日は5時起きで,昨日のキムチ鍋にうどんと肉を入れて朝食。7時前にテント場を出発して荒島岳へ。アイゼンがよく効く程度に雪も固かった。

 荒島岳山頂からは360度の見晴らしですばらしかった。虹もでていた。気温もあまり低くなっておらず,最高の雪山登山日和だった。

 テント場に戻って撤収し,下山。下山路も踏み固められて適度に緩く,膝にやさしかった。

 下山後はいつものみらくる温泉に入り,ヨーロッパ軒でソースカツ丼を食べて,福井の冬の名物水羊羹をスーパーで購入し,帰京した。

 荒島岳はお手軽で雪山の雰囲気も十分あり,楽しめた。雪洞堀などもでき,また来たい。今度は日帰り・軽装で登って,みらくる温泉に泊まって宴会というのもいいかもしれない。

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【感想】59期 TS

京都山科駅から、約2時間30分で登山口のある勝原スキー場に到着する。近い。

登山口から20分ほど登ると眺望が開ける。嬉しくなってくる。約2時間で幕営シャクナゲ平に到着。雪洞練習もした。雪洞の中で一夜を過ごすのは心細いだろうと思った。そうはなりたくない。

天気は良く、風もないのでテント外で一杯やった。素晴らしい雪景色を肴に飲むのは、至福の時間だ。夜は、よく眠れた。雪山、テント泊にも慣れてきた。

翌日、頂上を目指して出発。雪は締まって、トレースもあるので歩き易い。もちが壁は程よく緊張する急登だった。ピッケルを持って、アイゼンを履いているのだから、これくらいあった方がいい。頂上は360度の眺望。北陸の山々が見える。来てよかった!ここから見える山にも登ってみたい。

帰りに食べた、ヨーロッパ軒のソースかつ丼が美味しかった。

近い、景色がいい、雪がたっぷりある、程よい難度、ヨーロッパ軒に行ける!ので、また、絶対に行きたい。次はパリ丼を食べる。

 

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〈個人山行〉京都百名山シリーズNo.19 頭巾山

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写真1: 林道の上を枝谷の水が流れる

 

平成29年3月9日(木)

 

頭巾山(ときんざん871m)は若丹国境尾根にある水の守り神の山である。丹波綾部市南丹市、若狭のおおい町に跨る。伝説によると弘法大師が雨乞の祈祷を行ったとされている。毎年4月23日には山頂の許波伎神社で大祭が行われ麓の3市町の人々が訪れる。今回は失われた古道尼来峠から頭巾山を目指し周回縦走を行った。

 

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【メンバー】 山本浩史(単独)(車)

【行  程】 桂川7:06=沓掛IC=(京都縦貫道)=京丹波わちIC=8:49永谷出合9:10~9:23尾根取付き~9:48尼来峠~10:32 P761~11:06 P765~11:30尼来峠分岐~11:46頭巾山12:05~12:17尼来峠分岐~12:37 P650~12:51三合目分岐~13:20 P515~13:36尾根取付き~13:46永谷出合14:07=14:27あやべ温泉仁王の湯15:27=千代川IC=(京都縦貫道)=沓掛IC=17:18桂川

【登山データ】 小雨 歩行10.4㎞ 4時間36分 延登高1,002m 延下降1,002m 1座登頂

 

同行者がなく単独行なので出発を1時間繰り上げた。綾部市山家から府道1号線で上林川、支流の古和木川に沿って走り府道から林道となり古和木川が尽きて永谷と迫沼谷に分かれる処に車を止めた。林道はまだ続くが枝が張出したりして車を傷付けずに進むことは難しい。小雨が降り続き雨具を着て歩き出した。2.5万図には迫沼谷方向にだけ林道が続いているが地図にない永谷方向がメインの道のようだ。迫沼谷の流れは林道の上を流れている。此の奥地でも桜が咲き美しい。東側の尾根にあるP382の張出しを半周回り込むようにして林道を進むと左岸に渡った。堰堤があり高巻いて過ぎると河原に下りる道が分岐し林道も川の中を渡っている。飛び石伝いに渡渉し枝谷との間に生じた尾根に取付いた。

尼来峠は嘗て綾部の郡是製糸(現グンゼ㈱)が盛んな頃、女工哀史野麦峠の如く女工さん達が越えた峠として重要な道だったようだ。その跡を辿りたいが取付いた尾根には道形は殆ど無く時々現れる踏み跡も獣のものでしかないようだ。全く違うところを登っていたのかどうか・・・ 帰って調べてみると永谷をもう少し進むと「←尼来峠」の指導標があるようなので南から回り込んで行くのが正しかったようだ。

下草もなく歩き易い尾根を登り若丹国境尾根に達すると薄れて判別が難しくなった標識に「尼来峠北古和木分岐」と辛うじて読み取れた。2.5万図によると尼来峠は南に200m程の鞍部に記されている。この地点は如何にも古道の峠という感じを醸していた。お地蔵さんもあったようだが気が付かず残念だ。またの日に尼公峠方面に縦走してみたいものだ。

若丹国境尾根は此の辺りでは南北に伸びている。所々にテープがあり稀に人が入っているようだ。踏み跡はあったり、なかったりで複雑な稜線に地図読みの醍醐味を味わえた。尼来峠のすぐ南のP564を越えて次の目標はP761だがその前に無名のツインピークを越える。この辺りはしっかりルートファインディングをして進まなければ曲がり角を見過ごすことになる。P761は登り応えのあるピークで東側の谷には十分な量の残雪を蓄え春未だ来の様相だった。晴れていれば北側の展望が利きそうだ。

折角登ったが100m以上降下しなければならない。途中の小ピークでは90°向きを変えるので要注意だ。登り返すとP765で略元の標高に戻っただけだった。略直線的に南下し頭巾山西尾根との結節点P820に到ると古和木川支流の行谷からの明瞭な登山道と合流した。此の辺りはイワカガミやイワウチワの群落で一月ほど後に来れば花が見られそうだ。頭巾山までは後800mで、山頂直前でおおい町側の野鹿谷(のかだに)へ降りる道が分岐し、「野鹿の滝→」の指導標があった。落差30mの滝でR162の名田庄道の駅辺りから道路で入れるので観光客も来るようだ。

頭巾山(871m)は遠くから見ると山容が修験者の頭巾に似ているというのが山名の由来で弘法大師が雨乞の祈祷を行ったとの伝説がある。山頂に若狭遠敷の許波伎神社の祠と避難小屋があったが避難小屋の方は倒壊していた。若丹国境で丹波側が綾部市南丹市美山町の市町境でもあり3年前には美山町福居から登ったことがある。霧が濃く展望は一切なかった。前回は晴れていて青葉山等を見ることができた。雨の中神社の庇を借りて昼食休憩としたが風があり霧雨で屋根の効果はなくすぐに体が冷えてしまった。

来た道をP820まで戻り国境尾根と分かれて行谷登山道へと入って行った。なだらかな稜線で合目表示の指導標には頭巾山までの距離が記されていた。P650を越えると大岩が稜線に横たわり山毛欅の大木も目に付く。暫く行くと三合目で登山道は西の尾根へと下って行った。古和木川の駐車地点に下りるため稜線をそのまま進んだ。小ピークに乗り上ると西の稜線上に3等三角点「故屋岡」(506m)があり気になったがピストンするしかないので諦めて90°折れて東に進んだ。山頂部の先端の下り口を注意深く見極め北北西へと下った。

登り返してP515に到ると後は北に下り尼来峠の尾根分岐を目指した下った。下に林道が見えたが断崖になっているようだ。左に振れて緩やかそうな所から林道に下り立った。駐車地点に戻り登山を終え振り返ってみると今日は誰にも会わなかった。京都でもこんなに奥地があるのかと思う程林道を走って到った。上林の綾部温泉に出るまで13㎞もあった。入浴後は時間も早いので帰路は一般道を千代川まで走り、渋滞区間だけ高速を使った。

 

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写真2: 頭巾山(871m)山頂には許波伎神社の祠がある

 

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写真3: 永谷登山道三合目から先の稜線は再び道が無くなる