京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3664  結集例会 岳連事業 京都府下一斉清掃登山大会

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比叡山出発

 

 

2017年6月4日(日)

【メンバー】CL穐月大介、岳連担当 西田和美、中尾諭、岩波宏(御家族2人)、松井篤、井上純子、山本浩史、上坂淳一、奥野淳子、A.T、米山佳秀、辻春見、粟田直和、高橋幸三郎、土井司、小西幸一郎、崎山康治、塩見孝浩、江村一範、山形 真知子、水岩雄一、YN

計24名(内非会員2名)

【行 程】晴れ

叡山ケーブル八瀬駅乗車9:30発=ケーブル比叡10:00(清掃開始)〜水飲対陣碑10:30〜12:15瓜生山(昼食)12:50〜白幽子旧跡13:20〜北白川・バプテスト病院(清掃終了)13:40

 

【記 録】25期 穐月大介

毎年恒例の清掃登山も今年から結集例会となりました。掃除のために24人も集まっていただき大変感謝致します。そのせいか今年は例年になく良く晴れしかも涼しく気持ちの良い一日となりました。まだ新緑と言って良い緑のトンネルとその間からは京都市内、さらには大阪・六甲山まで見渡せました。ゴミさえ持っていなければ、いやゴミを持っていてさえ気持ちの良いハイキングとなりました。

朝、ケーブル八瀬駅の前で軍手、ゴミ袋、腕章の三点セットと岳連と当会からいただいた補助金でケーブルの券を支給。ケーブル比叡で自己紹介をし清掃に出発しました。

ゴミは道沿いにはほとんど落ちていませんが、少し道から外れると結構な量が拾えます。結局バブテスト病院の前で集積したときはゴミ袋10袋と一斗缶、ポリタン、看板などがつまれました。

年に一度ではありますが、ただ掃除をするためだけに山に入るこの山行は日頃山にお世話になっている私たちにとって大変意義深い行事だと思います。来年もよろしくご参加下さい。

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塵との遭遇

 

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瓜生山山頂

〈個人山行〉京都百名山シリーズNo.24三国峠

平成29年6月3日(土)

 

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写真1: 道なき尾根を這い上り3等三角点「出合」(525m)に達した

 

 

三国峠(776m)と名乗るが峠ではなく歴とした山である。京都府側は京都大学の演習林となっているので許可なく立ち入ることはできない。福井県側のおおい町名田庄出合をベースに出合尾根からシンコボ(811m)を経由して永谷川を下る周回縦走を行った。

 

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【メンバー】 山本浩史L(車)、F、土井司(車)、梅村重和、塩見孝浩、YN             計6名

【行  程】 桂川駅6:00=(京都縦貫道)=園部IC=6:48道の駅スプリングひよし7:00=8:00名田庄出合8:15~9:21出合三角点9:33~11:44シンコボ12:17~12:54野田畑峠~14:05三国峠14:20~14:35 P767~15:37滝~16:49名田庄出合16:58=18:13スプリングひよし19:32=園部IC=(京都縦貫道)=20:15桂川駅

【登山データ】 晴れ時々曇り 歩行15.4㎞ 8時間34分 延登高1,219m 延下降1,219m 2座登頂

 

今回の山行は名田庄側からの未登ルートを物色していると3等三角点「出合」(525m)を辿ればシンコボを通り若丹国境尾根に到るルートが見いだせたので、永谷川へ下りるルートと合わせて少々長めの山行を計画した。体力・技術力★2つとして参加者を募ったところ2人の希望者があり計画書を提出した途端、3名がドタ参し6名の山行となった。土井さんに車の提供をお願いし2台の車で出発した。スプリングスひよしでYNさんをピックアップし162号線で堀越峠を越えた。

福井県おおい町名田庄の奥の奥、久田川を遡り出合集落跡にある出合小学校跡に車を止めた。永谷川の林道を歩き出合三角点への尾根に取付こうと斜面を見上げると、急傾斜過ぎてとても取り付けそうにない。尾根の先端を回り込んで耕作地跡の電柱の横から取付いた。徐々に右に寄り尾根に乗って這い上った。国土地理院の点の記によると、明治23年6月に出合集落から登り埋標したと記されていた。他はネットを検索しても記事はなく127年前の記録だけを頼りに計画したが道形はなく1時間程掛って出合三角点に達した。下草もさほどではなく、然したる苦労はなかった。

シンコボまでは未だ長い。地形の変化を注視し現在地の把握が重要で、ルートファインディングの力が試される山行だ。2.5万図に打たれた標高点が目標で比較的なだらでP532、P507、P467と確認し進んで行った。標高点620はピーク性がなく特定不能でP728を越えると傾斜が強まりシンコボ(811m)に到った。3等三角点「永谷」があり壊れた山頂標識が転がり透明の小さなプレートが掲げられていた。

昼食休憩を取り、明瞭な道を辿り東のピークに乗り上ると若丹国境稜線で右側が美山の京大研究林のエリアとなった。稜線は美しい山毛欅林で足元はイワカガミの葉っぱが覆っていた。3週間前の鉢ヶ峰登山の際は終りかけのイワカガミを見たがもう花期は過ぎ来年を待たなくてはならない。右手の京都側に稜線と並行して緩やかな谷が走っている。由良川の源流の一つで上谷に合流する流れで野田畑谷の上流のようだ。山毛欅林の中、何とゆったりして風景だろう。

明瞭な道になったのでロクに読図をしていなかったらいつの間にか野田畑峠に達していた。水溜りのような池がありその先で円弧を描くように野田畑谷が南下している。急傾斜を這い上り、シンコボとほぼ同じ標高のピークに達した。略折り返すように北に進路を変えP767のすぐ手前で小鳥の囀りが聞こえた。異常に近い距離で見まわすと木に開けられた穴の中から聞こえる。どうやらキツツキの雛がいるようだ。先を進んでいた皆も戻ってきてこの愛らしい囀りを聴いた。親鳥が戻って来るまでにとそっとその場を離れた。

P767は帰りに通る尾根が分岐する。この先は地形が複雑になり細かい変化が2.5万図から読み取れない。山毛欅林の底に双子の池があり何とも感じがいい。乗り上った三国岳(776m)は静かな山頂で3等三角点「三国峠」が設置されていた。丹波・若狭・近江の三国境だがピークは丹波(京都)側に飛び出している。山頂からは百里ヶ岳武奈ヶ岳が望めた。下りは谷を短絡してP767に登り返した。分岐が分からないので確実な山頂まで戻ったが結果的には麓を巻けばよかったようだ。

黄色いテープが頻繁に現れ辿って行くと何時しか違う尾根に入ってしまったようだ。標高700mの尾根分岐点で右に行くべきところを左に入ってしまったようだ。しかし黄色いテープが続いていたので下りられるだろうとそのまま下った。やがて黄色いテープも無くなりコンパスの示す方向に従い下って行くと傾斜が強まり永谷川の枝沢に降り立った。枝沢に沿って下って行くと落差10m程の滝に出くわした。垂直に切り立っているので、高巻いて永谷川に降り立った。野田畑峠への登山道が合流し、林道終点に到った。

左手に6m程の滝を見てさらに進むと廃村永谷に到った。打ち捨てられた廃屋が朽ちて倒壊寸前だった。中にはお寺の跡もあり、嘗ての生活の跡が余りにも侘しい。お寺の前には道路開通の記念碑まであったのに・・・帰って調べてみると昭和60年(1985)にダム計画により廃村なったが、ダム計画そのものが廃止になったにもかかわらず住人は戻ってこなかったと云う。同じような運命をたどったのが出合集落(昭和49年廃村)と挙原集落だった。永谷からの林道沿いには電線の外された電柱が残っていた。

3.8㎞の林道歩きで出合小学校跡に戻り8時間34分の周回登山を終えた。60㎞走行してスプリングひよしに立ち寄り、温泉で汗を流した。桂川まで帰った4人でイオン桂川の中国料理で反省会をして22時過ぎ解散した。

 

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写真2: 三国峠北麓に双子池がある

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写真3: 三国峠(776m)山頂にて、3等三角点「三国峠」がある

№3663 京都外周ウォーク⑤ ~小出石八幡から大原の里山を歩く~ リーダーポイント例会

2017年5月 28 日(日)

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【参加者】CL崎山康治、山形真知子 以上、会員2名

【天候】曇り後晴天 午後暑くなる 

【行程】小出石公民館前9:10出発小出

八幡宮9:15【境内に樹齢500年のあ

すなろの大木】-国道367号を北上

登山口9:35(プレハブ小屋の南)谷沿

いの細道を東南に辿る魚の子山麓

10:10休憩-最短のルートが見つから

ず南下して県境の尾根に取り付き東に

戻る魚の子山( 552m)10:25【眺

望なし。随分高い位置にも標識】県境

の尾根筋を林道と離合しながら南下

P53110:45→小出石越⒒:05休憩

香立峠11:30P503⒒:50-一級基準

点·三級水準点→P630⒓:35→送電鉄

塔下:45休憩·昼食【琵琶湖と小出石

方面の眺望あり】:15大尾山( 681

m)13:30小野山(670m14:15【小

さな標識が下がっているのみ】伐採

⒕:40休憩【琵琶湖方面の展望良好】

仰木峠(573m⒕:50—京都トレイル

京都バス停戸寺15:35

【歩行距離等】

歩行距離:12km

所要時間:6時間25

累積標高差(+):884m

累積標高差(-):948m

【感想】

 59期 山形真知子 5月だと言うのに、暑い日が続く中、久しぶりの爽やかな1日でした。府県境を歩く例会に、ワクワクして、前日より地図とにらめっこをして参加しました。

取りつきで、九輪草が出迎えてくれました。おまけに、小鹿が山肌を駆け抜けて行きました。しばらくすると道が消え、期待していた薮こきのアスレチック。自然と戯れる楽しさは、何者にも代えがたい物があります。尾根に出るまでの僅かな時間ですが、体力の衰えた私にはステキな遊園地です。

尾根に出れば、ルンルンだと思っていたのですが、何か所か、リーダーから頂いた磁北線の入っている地図が役立ちました。近郊の低山だと、侮ってはいけないと痛感致しました。(やっぱり、磁北線は入れておくべきですね。)

                57期崎山康治 今回の山行は魚の子山·大尾山·仰木峠を結ぶ府県境の尾根道を辿るコース            

【伊香立峠】    でした。

中越から如意ヶ岳に至る京都·滋賀の府県境には恐竜の骨のように両府県を結ぶ峠道があり、魚の子山はその尾根筋の北端にあります。名前に惹かれて立ち寄りましたが眺望が無く三角点があるだけでした。

木立の中の落葉の道を迷いながらも気持ち良く辿って到着した、大原古知谷と伊香立を結ぶ伊香立峠は東西両斜面の底にあり山道が複雑に交わっていました。ここには「古知谷13仰木峠」の標識があり仰木峠の「古知谷1仰木峠」まで続いています。

   その南の503mのピークの近くには  尾根道に大津市作成の一級基準点·三級水準点の円形標識が埋められて

【基準点·水準点】 いました。

いくつかの急斜面を経て到着した今回の最高地点、大尾山(梶山、童髯山)は、大原から見ると比較的大きな山容ですが頂上は琵琶湖方面が少し展望できるだけで、大原三千院に下りるルートとの分岐点のような感じでした。仰木峠直前には広大な伐採地があり植林されていますがまだ50㎝位で180度展望でき、休憩に良いところで、ビューポイントの少なかった今回のコースのボーナスでした。

腰折れを2

「伊香立や鯖も潜るか木下闇」

「大尾山息継ぐ途中の若葉風」

 

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〈個人山行〉京都百名山シリーズNo.23 八ヶ峰

平成29年5月27日(土)

 

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写真1: 八ヶ峰山頂にて

 

八ヶ峰(800m)は若丹国境尾根にある展望の良い山。新緑の山毛欅林は清々しく気持ちの良い尾根が続く。八ヶ峰からオバタケダン(729m)に到る国境尾根を歩き主会縦走を行った。

 

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【メンバー】 山本浩史L(車)、中尾論、土井司                                                                         計3名

【行  程】 桂川7:00=8:33八原・笠谷橋8:42~9:28知井坂峠~9:42八ヶ峰9:53~知井坂峠10:06~10:30 P772~11:14 P721~11:28 P720 11:51~12:18送電鉄塔~12:42オバタケダン12:55~13:17タケガタン~14:05前谷尾根取付=15:02八原・笠谷橋15:06=15:15自然文化村河鹿荘16:10=園部IC=(京都縦貫道)=沓掛IC=17:23桂川

【登山データ】 晴れ 歩行15.7㎞ 6時間20分 延登高1,075m 延下降1,075m 3座登頂

 

八ヶ峰の登山口は麓の案内板に3ヶ所案内があり、五波峠、名田庄染ヶ谷の家族旅行村、そしてここ知見八原の笠谷橋の傍らからの登ることができる。案内板には登山道途中にスキー場跡の表示があり、こんな山中に嘗てスキー場があったことに驚かされた。しっかりした登山道を歩き高度を200m程上げると水場があり、傍らにはクリンソウが咲いていた。ギンリョウソウもあちこちに顔を出し、イワカガミの葉が光沢を持って敷き詰めたようになっていたがもう花期を過ぎ花を見ることはできなかった。

スキー場跡と思しき緩傾斜と潰れた小屋を見て登り詰めると知井坂峠(712m)に到った。2.5万図には単に「知井坂」とだけ記され峠を現すよりも其処に到る「道」のことを示しているようだ。嘗ては峠の道沿いだったのだろうが峠が洗堀で掘り下がったためか、稜線の高い所にお地蔵さんがあった。赤い前掛けを付けてもらい今も旅人の安全を守っているのだろう。広い林道跡を東に進むと登山道が右に分岐し稜線に乗り上った。送電鉄塔を過ぎると登山口から丁度1時間で八ヶ峰(800m)山頂に達した。2等三角点「八ヶ峰」が設置され、青葉山(693m)を始め北から東方向の展望が得られた。休憩していると五波峠方向から男性が一人登ってきた。挨拶を交わし知井坂峠に戻るがピストンを避け堂本方面への道を少し下り直下を巻く林道を経由して峠に戻った。

若丹国境稜線に乗り出し北西へと進んだ。オバタケダンまで行くがそれは遥か先だ。若丹国境稜線は山毛欅の新緑が美しく、下草のない稜線は清々しく気持ちよく歩ける。途中に山名のある山はなく、2.5万図に打たれた標高点がチェックポイントで地形の変化を辿り常に現在地を把握して進んだ。先ずはP772で山名があっても良さそうなピークで展望も少し得られた。次はP721で大畠谷川支流の源頭を大きく回り込むようにして進んだ。P721は展望もなく通過した。稜線から始まる谷の源頭部は夫々いい感じにRを描き鹿の遊び場のように緩やかに始まる感じのよさだった。

そろそろ昼食にしたいがオバタケダンまで行くのは難しく、P720の展望の利かない山頂で昼食を取った。朝は晴れていたが寒気が入っているようで雲が多くなってきた。じっとしていると寒さを感じ20分程の休憩で先に進んだ。送電線が頭上を越え稜線には送電鉄塔が建っていた。切り開かれて展望が利き、これから行くオバタケダンやタケガタンを見ることができた。地形が複雑に変化し国境稜線が90°左に曲がり急斜面のピークに取付く、その鞍部に干上がりそうな池があった。

道中、真新しい標識で「←堀越峠」や「←頭巾山」など書かれているが随分先の地名が表示され混乱を引き起こしそうな表示だった。オバタケダンの直前で「←オバタケダン」「柵野坂→」の指導標があり国境稜線が鋭角的に北西に跳ね上がっていること知れた。

オバタケダン(729m)山頂は、3等三角点「盛郷」があり西側が開かれヤマボウシが白い花を付けていた。暫し休憩し長老ヶ岳などの姿を確認した。此処からは国境稜線を離れ南丹市美山町のエリアとなった。歩き出した途端にブナの林ではなく松やエゾユズリハの嫌な植生に変ってしまい。踏み跡も確認できずこの先どうなることか・・・ でもしばらく進むと植生は落ち着いてきた。タケガタンはオバタケダンより14m高い743mあり期待していた展望は得られなかった。

南に下ると送電巡視路らしき道が現れ稜線の左側を巻くように進んで行くが上空を送電線が横切った処で途絶えてしまった。送電巡視路ならば送電鉄塔を通っていないのが変で、諦めて予定ルート通り急斜面を下って行った。谷が近づくと傾斜は益々急で木に摑まりながら這い下りて行った。どうにか谷に達し林道となり谷の合流地点でしっかりした西畑前谷林道となった。西畑集落入口の橋に鎖のゲートがあり車は侵入できない。空き家の目立つ集落は田植えの済んだばかりの水田と耕作放棄田圃が入り交ざるが山里は長閑な風景を醸し気持ちが良い。府道369号線に出ると黒くなった雲から俄雨が降り出し杉の木の下で雨宿りをするとすぐに止んだ。

駐車地点に戻ると他に車はなく登ったのは我々だけだったようだ。温泉を求めて河鹿荘へと移動し汗を流した。周山街道の渋滞を避け園部へと抜けて京都縦貫道で帰路に着いた。イオン桂川の中国料理で反省会をして解散した。

 

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写真2: 若丹国境稜線の新緑の山毛欅林を行く

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写真3: 送電鉄塔よりタケガタン(743m)を望む

No. 3659 裏比良 猪谷(ししだに) 沢登り

2017年5月14日(日)

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【メンバー】LA.T、SL秋房伸一、上坂淳一、藤井康、織田直子、高橋秀治、高橋幸三郎、土井司、TS、TW、他体験1名 計11名

【天候】快晴

【行程】5月14日 坊村8:30〜横谷林道(車デポ)〜猪谷出合9:30〜入渓10:00〜第1ゴルジュ出口6m10:30〜第2ゴルジュ入り口8m〜第2ゴルジュ深い釜3mで怪我発覚12:30〜少し沢を下り北東方向の急斜面を登って登山道に復帰14:30〜横谷林道15:00〜車デポ地


【記録と感想】51期 A.T
前回比良の沢に登ったのは、確か貫井谷を登ったのが最後だっただろうか。
比良の沢をいまさら一本一本塗りつぶしていこうというつもりは無いが、八幡谷と猪谷はなんとなく興味がある沢である。
そこで、新緑祭でせっかく近くまで行くという機会に恵まれたので、以前に猪谷に登りたいと秋房さんがおっしゃっていたので、お誘いして遡行することになった。
新緑祭に関係する例会が無かったこともあって、参加者が次々名乗りをあげてどんどん参加者数が増える。
しかし上坂さんや秋房さんをはじめ高橋さん等、頼りになるメンバーにご参加いただけるので、何とかなるだろう、何とかならなければ撤退するのみ、ということで増えるに任せていると、最終的には11名の大所帯となった。

5月14日【快晴】
坊村で皆さんが作ってくださった朝ごはんを食べながら、藤井さん達を待つ。
昨晩は遅くまで飲んでいたので非常に寝不足で、天気もドンヨリとして曇っており、全く沢登りをしようという気が起きないが、例会として表明した以上、訳もなく中止というわけにも行かない。
幸い、藤井さん達が坊村へ到着する頃には日が照ってきて、いかにもそれらしい天気になり安心である。
坊村駐車場で一旦荷物や人員を分けて、三台の車に乗り込んで横谷林道へ。
車を横谷林道にデポして、猪谷へ向かう。
猪谷の入り口にはずいぶん古いワンボックスの車が捨ててあるが、苔むして、屋根には立派な草が生えていて、ちょうど車が植木鉢か盆栽の様になっている。
蛇谷に打ち捨ててあるワンボックスの廃車もなかなかの趣があると思うが、こちらの廃車は苔や植物と相まって芸術的なセンスを感じるほどの見事な出来栄えである。

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堰堤をいくつか越えて入渓。
少し歩くとすぐに小さな滝があらわれるが、高さは無いものの乗り越しの部分が少し厳しい。
お助けヒモを出して通過するが、その後の滝も、11人もいると通過にはけっこうな時間を要する。
寒いので絶対水に浸かりたくないと思い、深いところは無理矢理登攀したりしながらやりすごして行く。
第一ゴルジュをこえて、第二ゴルジュに入ったところ、1mくらいの釜の深い小さな滝を越えた辺りで、下から何か叫んでいるのが聞こえたので見ると、織田さんがうずくまっている様で「指を怪我した」という様な誰かの声が聞こえたので、遡行は中止して下山することにする。
すでに滝の上に登っていた四人で右岸をいったん登り返し、ロープで下の織田さんのところまで戻り、撤退の旨伝えて先に下りていただく。
上坂さんが最後に懸垂下降で下りてくるのを待つが、下降したあとロープが屈曲して下りて来ないので、これの回収にずいぶん時間を食ってしまった。
しかも上坂さんが滝壺にルベルソ4を落としてしまった様だが、結局見つけることは出来なかった様で諦める。
エスケープは、計画していた通り右岸を登って登山道まで登り返すことにするが、岩盤があってはいけないので第1ゴルジュと第2ゴルジュの間あたりまで沢を下降して登り返すことにする。
滝を1、2個下りた辺りで第2ゴルジュ入り口の8mの滝を懸垂下降しようというところで、上坂さんが「懸垂下降するよりもここから右岸を上がってしまった方が良いのでは」と言われ、たしかに右岸は見える限りは歩いて上がれそうなので、その地点から登り返すことにする。
急傾斜を、木の根などを踏みながら登って行くと、やがて人工林になり、そこをさらに登って行くと立派な登山道に出た。
登山道をてくてく歩いていくとあっさりと林道に出る。
ずいぶん苦労して時間をかけても、登山道を歩くとすぐという。沢登り岩登りはだいたいそんなものである。
30分も歩くと車のところに無事戻ってこられた。
織田さんの指だが、本人は「大丈夫だ」と終始言っておられ、遡行を続行しましょうと言っておられ、本人も明るかったので、思ったより軽度の怪我だったかなと思ったが「動かせるようなら骨折ではないです」と二度ほど織田さんに言ってみても、二度とも指を動かそうとはしなかったので「これは骨折しているのでは」と思った。
後日織田さんが病院へ行かれたところ、けっきょく骨をプレートで固定する手術をすることになったようで、全治に6ヶ月以上はかかるとのこと。

この怪我の原因としては、お助けヒモを掴んだときのもので、お助けヒモはスリングに一度手首を輪に通してから掴まないといけないのだが、慌てていてスリングを指で掴んでしまったからだということである。
自分も強く引っ張り上げたりしたので、もしかすると最初の滝から我慢しておられたのかもしれない。
今後は、スリングに手首を通すという注意は、これまで以上に徹底して呼びかける様にしたい。
それにしても怪我をした織田さんには申し訳ないが、天気も良く、みなさん明るい方ばかりで、久しぶりに上坂さん、秋房さん高橋さん達とご一緒に沢登りも出来たし、実に楽しい一日となった。織田さんには申し訳ないが。
猪谷も、途中までとはいえ、見上げると先までずっと滝が続いていて、とても美しい良い沢だなと思ったので、また来年にリベンジしたいと思う。
ルベルソ4の欲しい人「我こそは」と思う人がいたら、第二ゴルジュの滝壺にルベルソ4が落ちていますので拾いに行くと良いと思います。(上坂さんにはその後、また別の某所谷底で拾ったルベルソ3を差し上げた。)

【感想】48期 上坂淳一
 さしぶりのA.T例会は、手ごわい滝をサクサク突破し、難渓猪谷をまるでハイキングでもするかのような遡行でした。エスケープでさえも何事もなかったかのように終え、お風呂とソフトクリームまで満喫の一日でした。
リーダーの手腕はもとより、同行の皆様も逞しく、賑やかで楽しかったです。
終了点までは到達できなかったことは、また次回のお楽しみにしたいと思います。

【感想】 52期 秋房伸一
 久しぶりの比良の谷。比良全山縦走の時、イクワタ峠北峰手前の猪谷の源頭があり、それは長閑な景観なので、その下はどうなっているのかと興味があった。

 シーズンの初めということもあって、ヌメリはひどくなく、リーダーがロープを張ってくれたお陰で、怖いところもなく、滝の直登を楽しめた。お助けの出番も多くあり、「団体競技」としての沢登りを満喫できた。

 事情により、途中で撤退することになったが、私は、さほど大きな滝もなかったことでもあるし、そのまま懸垂下降をしながら沢を下るのかと思っていたが、リーダー判断で、登山道まで詰め登った。人数と安全を考えると、登ってよかった。「道に迷ったら、谷を降りずに、登り返す」というのが、登山の基本だが、今回は道迷いではないが、登り返しの実践的トレーニングにもなって有意義であった。

 下山後の風呂で、ヒルが太ももに付いていたのは、想定内ではあるが、やはり嫌だったのと、下降でドボンしたからか、ニコンの防水30mスペックのカメラが、浸水して壊れてしまったのは、残念な要素であった。

【感想】53期 髙橋秀治

A.Tリーダーとは蛇谷遡行以来の沢例会とあり参加させて頂きました。第2ゴルジュ途中の滝で巻き道を探しに登り最後の一手が出ずに途方に暮れていた時に、上からお助けを出して頂き無事難無く通過できた時、入会当時に演習林の中のツボ谷遡行をご一緒願い、最後の滝は巻かずに登りましょうと言って頂き、必死にロープにしがみついた事を懐かしく思い出しました。また沢例会は、参加者皆で助け合い遡行してく例会ですと入会当時に秋房さんから教えて頂いた事も再度実感できた例会でした。

上坂理事長をはじめ、久しぶりに皆さんの笑顔にふれ充実した一日を過ごせありがとうございました。

 

【感想】56期 土井

五月晴れの中、今年初の沢登りで期待を込めて入渓、

滝と新緑がよくマッチし大変綺麗で気持ちのいい沢でした。

しかし手ごわい滝が次から次へと現れ、お助けなしではクリアできませんでしたが

いとも簡単に登っていくA.Tリーダーの技術の高さにあらためて関心した次第です。

この沢は私の再度チャレンジしたい場所に加わりました。

皆さん、機会があればご一緒させて下さい。

追記:ヒル担当からは卒業できたようです。

 

【感想】57期 TW

やっぱり沢は楽しいなぁ、と思った山行でした。

怪我をされた方がいるのに、パーティーの足を遅らせ、残念ながら一番足手まといになっていたのは私なのに。こんなことを書くのは不謹慎かもしれませんが、それでもやっぱり沢は楽しいなぁ、と。

寒くて暗いゴルジュから見る、明るい緑や空。織田さんが確実な足どりで滝を登る姿に感心したり、身体の重さがないみたいにスイスイと先頭を登るA.Tさんに感動したり。

高橋さんが教えてくれたルートやコツを忘れず進めば、こわい滝でも案外登れることができて、驚くやら嬉しいやら。ご一緒させていただいた皆さまにはご迷惑をおかけし、助けてもらってばかりでしたが、満喫させていただきました。

A.Tリーダー、ご一緒させていただいた皆さま、どうもありがとうございました。

 

【感想】59期 TS
沢登りにはまだ早過ぎると思ったが、我慢できず参加した。足首辺りまで水に浸かっているうちは快適だった。しかし、水を被ってウエットスーツの中に水が入ると寒かった。
猪谷には小滝が連続する中に、約7mのやや大きな滝がある。小滝を超えていくのは楽しく、大きめの滝は私にとっては少し難しい課題だった。しかし、A.Tさんの登りを観察して、真似すれば登ることができた。いい勉強ができた。
比良山系の他の沢もこんな渓相なのだろうか?すべての沢に入ってみたい。

 

【感想】57 織田
悪渓に部類に入る猪谷、前日の雨もあり滝の水流に岩場から剥がされるんじゃないかと行く前から心配してました。入渓すると暗いゴルジュの中でも少し入る光が緑を美しく際立たせ、体を動かす内に怖さはなくなってきました。沢登りも雪山も危険な所ですが、人が比較的少なく厳しく美しい自然の中に身を置かせて頂いてる感じが私は好きです。沢登の一番好きなところは、身体全体を使って自然の中で遊ばせてもらえるところかなと思っています。手足を使ってる間に童心に帰っていきます。テンション上がりすぎないように気をつけています。しかし、今回自分の不注意のせいで遡行を断念せざるを得なくなりました。皆さん楽しみにされていたのにと思うと申し訳ない気持ちで一杯でした。また来年リベンジしましょうとリーダーや上坂さんが仰って下さることが大変嬉しく、また参加された皆さんの温かい援助やお心遣いに感謝致します。

 

【感想】56期 高橋幸三郎
今回初めて訪れた猪谷は、次から次へと息をつく間もなく滝が現れ変化に富む大変楽しい遡行だったと思います。また遡行中は渓流の背後に折からの新緑が映え、なかなか見応えのある風景を堪能いたしました。ただ事前にNETからの情報から予想していた通り小生にとっは少々、手強い沢だった事もあり緊張するような箇所もありましたが、同行の皆様の適切な手助けもあり、お陰さまで無事に下山する事ができました。

 

【感想】57期 藤井康司

ガイドブックに「悪い谷」の部類と記されていたので、どんなところかと思っていた。確かに渓相は暗く、流木、虫の類も多かったが、小滝が連続し緊張感あふれる醍醐味のある沢だった。水しぶきの中にホールドを探しにいったり、ロープやお助け紐の安心感もあり、シャワークライムを存分に楽しむことができた。

 

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