京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3743  白馬大雪渓から白馬鑓温泉山行き

2018年7月13日(金)夜 ~16日(祝)

 

【メンバー】L 高橋秀治、小泉賀奈子、鹿嶽眞理子、土井 司、会員4

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【行 程】

13日:各自宅周辺ピックアップ→京都東→21002430道の駅安曇野松川()

14日:0500道の駅→0600二股駐車場→0700猿倉~0800白馬尻~大雪渓~1230白馬岳頂上宿舎(幕営

15日:0700幕営地~0730白馬山荘~0830白馬岳~小蓮華山~1200白馬大池テン場(幕営

16日:0630白馬大池テン場~0930栂池自然園駅→二股駐車場→入浴→京都

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【感想】56期 土井司

> 山肌には白い雪渓、雲一つない真っ青な空。これぞ7月のアルプスといった風景の中大雪渓を目指し猿倉をスタート。大勢の登山者に混じり1時間弱で白馬尻に到着。小休憩の後いよいよ大雪渓に突入。

> 10年程前に来たときは小屋の前から雪渓歩きしたが、今回は10分弱登山道を登ってから雪渓に入る。これで雪の量は例年並みとの事であり、10年前は多かったのか、10年間で大きく縮小したのかたぶん温暖化の影響で後者であろうと思われる。

> 雪渓歩きは直射日光を受けながらの急登歩きで汗が噴き出すが、ときおり吹く風が冷たく気持ちいい。途中後ろを振り向くと登山者が延々と数珠つなぎになって登ってきており、芥川龍之介蜘蛛の糸を連想させられる。長い雪渓を登り切り途中水が流れている個所で頭に水浴びすると最高に気持ちよく、これを見ていた他の登山者も同様に浴びていた。

> テント場へ着くと超過密でイモ洗い状態。斜面、トイレマンホールの上などいたるところに立てており、これから察すると山小屋の中は想像を絶する状態であったであろう。

> 白馬の稜線からは立山連峰、後ろ立山連峰、頚城山域、志賀高原富山湾能登半島、更には佐渡島、また能登半島方面に沈む夕日、頚城山域から昇る朝日などなど絶景を満喫した。ただ残念であったのは槍温泉への登山道が通行止めになっていたのと小屋の営業が725日であった為、目的の半分である露天風呂からのご来光を拝めなかったことである。「もう一度おいで」ということなのかも知れない。

> 高橋リーダーをはじめご一緒下さいました皆様、楽しい語らいと美味しい食事など素晴らしい山行、更には下山後のサプライズにも楽しんでいただきましてありがとうございました。尚、次回では蕎麦粒山という食事のできるお店にご案内いたします。

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【感想】 52期 小泉賀奈子

 高橋リーダーから、海の日連休に白馬大雪渓と鑓温泉を巡る山行を計画していると聞き、すぐに参加を申し込みました。されど、海の日連休は梅雨が明けていない年が多いので、テント泊は難しいかなと期待半分でいたのですが、なんと3日間快晴に恵まれなんともラッキーでした。お花畑は色とりどりの高山植物が咲き誇り、頂上宿舎のテン場からは沈む夕日も昇る朝日も堪能することができまし た。雪崩の危険があるため、鑓温泉へのルートが通行禁止になっていて、なくなく大池をめぐるルートに変更。鑓温泉に入りたかったなあ、と残念ではありましたが、気持ちの良い稜線に、目を楽しませてくれる可憐な高山植物と時折姿を現す親子のライチョウ。遠くに見える剣岳鹿島槍ヶ岳の雄姿。のんびりゆっくり大自然を満喫できる、贅沢な3日間でした。栂池のさるなしソフトは絶品!下山後は、16日が入浴料半額になるという十郎の湯で湯浴み。幻の蕎麦「粒山」にも行けたし、土井さんの情報ツウには驚くばかりでした(いろんな意味で!)。高橋リーダー、ご一緒してくださった皆様、ありがとうございました。とても楽しいテント泊でした。

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【感想】 54期 鹿嶽眞理子

 スイス・ドイツの旅からの帰国の翌晩出発ということもあり、しばらく申し込みを躊躇していましたが、どうしても白馬に行きたくて申し込みました。直前の大雨(といっても私は体験していないのですが)が嘘のような晴天続きで抜群の景色と可愛い高山植物を楽しむことができました。夕日も朝日も拝むことができ、最高でした。雷鳥にも三度もであい、特に親子連れがかわいいでした。残念ながら鑓温泉小屋への道が不通となってしまい、白馬大池周りで下ることになりましたが、こちらのコースもなかなか素敵な稜線歩きで良かったです。土井さんの前に行ったという温泉も蕎麦屋もなかなかの案内をしていただき、新たな伝説ができた旅でした。

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【感想】53期 高橋秀治

 以前から登りたかった白馬大雪渓。雪渓の上では降りてくる冷気が身体を包み込んでくれる。そして延々と続く人の隊列。

「らく」と叫び声が聞こえ、見上げるとはるか先を大きな石が転げ落ち、時折岩から石が剥がれ落ちる音も聞こえる。雪渓歩きを思う存分楽しみ、次に待っていたのは、テン場まで続くお花畑。5時間以上重いリュックを背負い、汗だくになって登って来た事もこの景色を見ると忘れるくらい実に素晴らしい。

 初めて夏場の夕食を引き受ける事になり、「夏の山飯」等で検索していると、「ご飯を炊きたい、野菜が欲しい」等の声が聞こえそうな気がして、麻婆ナス丼と麻婆春雨丼にしようと決めた。しかし、5月の蝶ヶ岳ヒュッテの炊事場で食べておられた「豚の角煮丼」が忘れられず、それに変更する。そもそも麻婆ナス・麻婆春雨と2日間も同じような夕食を選ぶ事がおかしい()

さらに調味料類の準備等食担は想像以上に労力を強いられた。

 白馬三山を縦走して白馬鑓温泉に浸かりながら望むご来光を見る事も出来なかったが、2日間テン場でまったりした時間を過ごし、稜線からの雄大な景色や色とりどりの高山植物を十分楽しめた山行きでした。そして、何よりも皆さんの笑い声が終日途切れる事のない素晴らしい23日のテント泊例会でした。

皆さんありがとうございました。

 

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〈個人山行〉 劔岳 源次郎尾根と立山三山

2018年7月8日(日) ~9日(月)

【メンバー】CL AT、辻博史  会員2名

 

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【Ⅱ峰を越えてⅠ峰へ】

 

【行程】

8日(日)室堂バスターミナル8:30~雷鳥平キャンプ場9:18~劔沢キャンプ指定地11:20~平蔵谷12:30~Ⅱ峰15:30~Ⅰ峰16:00~劔岳本峰16:35~17:15前劔~18:00一服劔~劔沢キャンプ指定地19:00

9日(月)劔沢キャンプ指定地5:50~別山6:48~雄山8:45~一の越山荘9:24~ロッジ立山連峰10:54~室堂バスターミナル12:30

 

 

 

【記録と感想】51期 AT

 初日、雨の中源次郎尾根を登るが、Ⅰ峰に上がる頃には予報通り天候が良くなってきて、我々で独占の劔岳山頂では、素晴らしい絶景に感動!

 

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二日目、朝から快晴なので立山三山を縦走して帰る。昨日から絶景につぐ絶景で胸一杯になりながら帰京。

 

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すばらしい山旅をありがとうございました。

 

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No.3741  京都外周ウォーク⑬ 経ヶ岳・イチゴ谷山を歩く

2018年6月30日(土)

 

【メンバー】

CL 57期 崎山康治

【行 程】

6月30日 曇り時々晴れ午後雷雨

昼気温26度 湿度80%

8:50自家用車で久多川合町到着、9:06

高島市営バス乗車=9:16桑原橋バス停

到着~地蔵堂前(トイレ有)9:30出発

~登山口~[丹波越え]~P622m~

10:55三国岳・経ケ岳分岐、小休止~林

道出合~11:20林道別れ~11:30経ケ岳

889m小休止~イチゴ谷山北麓~12:20

ブナ等倒木の平地、休憩・昼食12:45~

13:10 イチゴ谷山892m小休止

13:30中峰~13:30P909m小休止~

14:10鉄塔2か所下~14:25P865m~

15:15P685m~15:30小川への分岐~

16:00柴ヶ谷~16:10小川シコブチ神社

前(県道出合)~床鍋橋バス停~

16:30久多川合町到着

【歩行距離等】

歩行距離:12km

所要時間:7時間00

累積標高差(+)927m(-)992m

【記 録】57期崎山康治

久多川合町の県道・府道分岐点で高島市営のマイクロバスに乗車し、桑原橋バス停で下車(運賃220円)。

針畑川の桑原橋を右岸に渡り、トイレ前を通り地蔵堂手前からロープを張った山道に入る。間なしの「経ヶ岳登山口」の標識を過ぎたところから谷川の小橋を渡り登山道を南に登る。急坂を交え、イワウチワ、ユズリハ、ブナ、杉などの樹間を進み、北方の連山を振り返りながら「丹波越え」の標識のある三国岳との分岐点の峠に到着。

休憩後、南の斜面を登り降りして東進し、「経ヶ岳1㎞」の標識から林道に出る。しばらく林道を歩き「経ヶ岳0.5km」の標識で林道と別れユズリハの中を進み経ヶ岳に到着。

眺望はなく、休憩後、緩急のあるユズリハの坂を平良谷源のイチゴ谷山北麓まで下る。獣害防止ネットに沿って、経ヶ岳を振り返りながら南に登り、ブナなどの倒木が並ぶ平地に着き休憩。

昼食後東に登りイチゴ谷山に到着。ここも眺望はなく、小休止後緩やかな尾根道を南に向い台杉の古木の立つ中峰

 

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 [中峰の古木]

を通過し、P909m地点に着く。ここは南の眺望良く、朽木の連山にかかる雲や送電線を遠望する。

南東から雨雲が近づくのを見ながら雨具を着けて出発し、送電線の鉄塔を2か所潜り、685地点あたりから雷雨の中を南から東に弧を描く形で雑木林の緩やかな尾根道を急ぐ。途中で北に折れて滑りながら小川(こかわ)への急坂を下り、「小川・シコブチ神社0.5km」の標識から西に下り、柴ヶ谷の林道に至る。濁流の谷川に沿って東に向かい小川の県道出合に到着。雨上がりの県道を針畑川に沿って久多川合町まで戻る。

 【感想】57期 崎山康治

  今回のコースは、朽木と久多の境の尾根歩きで、①丹波越え、②経ヶ岳・イチゴ谷山・中峰と辿る比較的緩やかな府県境の尾根道、③尾根筋と別れて小川に下る急坂の3つにわけられ、変化がありました。イワウチワ、ユズリハの緑が鮮やかで風雪に耐えた台杉も見られましたが、眺望が良いところは一部でした。

2時過ぎからは雷雨があり滑りながらの下山となり、靴には蛭が数匹付いていました。夏は着替えと蛭除け、虫除けが必需品だと改めて思いました。

行き帰りにバスを利用する場合は、帰りに梅ノ木から17:18発の出町柳行きのバスに乗る必要があり、久多川合町に4時には戻りたいところでしたが、30分ほど超過してしまいました。休憩時間の短縮が必要でした。

腰折れを2句

「梅雨晴間谷に五線譜浮かびおり」

「連山に雷雲を見る朽木谷」

 

【ルート図】

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No.3736 猪谷(裏比良)沢登り

2018年6月9日(土)

 【メンバー】CL・AT、SL 秋房伸一、藤井康司、TW、織田直子、土井 司、辻博史、TS  会員8名

 

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 ↑第一ゴルジュ入口の滝をリードするTSさん

 

【行程】

9日(土)京阪三条出町柳8:00=猪谷林道9:40=ワリ谷出合13:20=ヒジキ谷出合16:00=遡行終了点16:30=車デポ地18:10=京都

 

【記録と感想】51期 AT

 去年の5月、新緑祭のあと、比良山の猪谷を遡行しようとしたが、途中で織田さんの指が骨折してしまい、撤退することとなった。

その後織田さんの指の怪我は治ったものの、指は少し曲がったままという気の毒なことになってしまう。

今年も新緑祭の季節になったが、そんなこともあり、織田さんがもうやる気がないのであれば、止めておいてもよかろうと思っていた。

そこで織田さんにお会いした機会に「また行きますか?」と尋ねたところ、「行きます!」と即答だったので、それではと今年も例会を実施することとなった。

例会には去年のメンバーから上坂さん、W高橋さんと見学者の計4名が抜けたメンバーに、辻博史さんが新たに加わったという顔ぶれ。

梅雨の最中で天気がどうなることかと思っていたが、当日は晴天となった。

午前8時に出町柳に集合して、車をデポし林道に入ったのが9:40分頃。

去年と同じように、林道に打ち捨ててある芸術的な廃車を横目にしばらく林道を歩いて入渓地点。(この廃車は先日廃車になった上坂さんの車と同車種なのではないかという話になった。)

前回のことがあったので、事前にアッセンダーを使った登り方の確認などを行ってから入渓する。

前日までの雨で増水しているかと思ったが、増水していることもなく、むしろ去年のほうが水量多かったかもしれない。

入渓後しばらく歩くと滝が連続するので、TSさんにリードしていただく。

皆さん去年より動きがスムーズで、前回より少ない時間で通過出来たので(人数が少ないからということもあるが)、今回はうまくいきそうな予感。

順調に進み、すぐに前回上坂さんのルベルソ4が落ちた淵のある、第二ゴルジュ入口の滝までやってきた。

以前の印象では、ここにくるまで多くの滝を越えたという印象を持っていたが、二度目に来ると「まだこんなに出だしの方だったのか」と驚く。

前回はまだ、まったく進んでいなかったわけである。

「この淵に上坂さんのルベルソが落ちている」という旨を皆に告げるが、誰も拾いに行こうという者がいないので、先に進むことにする。

そのあとも小滝の連続で、登るのに難しい滝は無いが登攀に不慣れな方も多く、安全のためロープやお助けスリングを頻繁に出して進む。

そのため、遡行スピードは遅くワリ谷出合で13:20頃。

ネジレ滝に着いたのが15:00頃となった。

ネジレ滝は事前にこの沢の核心部だという記述を見ていたのだが、見るからに簡単そうだったので、TSさんと「これはロープを出すまでもない。お助けヒモで充分なのではないか」という話をしていたのだが、そこはまだまだ未熟者。実際に左岸の壁に取り付いて見ると、逆層気味でホールドに乏しく見た目より案外手強い。

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そのためホールドをよく探しながら、ジャミングステミングキョンといろいろ小技を使って慎重に登った。(もっと水量が乏しい時なら水流の溝状からステミングで容易に抜けられそう。もしくはカム(ナッツ)とアブミがあれば、左岸のクラックを使いもっと早く容易に抜けられるかもと思った。)

 

 

ネジレ滝を抜けるとすぐにヒジキ谷出合。

その先が穏やかになっている猪谷と比べヒジキ谷は入り口に大きな岩がゴロリと転がっていて薄暗く、こちらの方が楽しそう。

次にまた来る機会があればこちらから遡行してみたいが今回は時間もなく割愛。

猪谷の方へ進むと小滝が連続し、やがて水量が少なくなって遡行終了となった。

谷を詰めて源流まで歩くが、地蔵峠まで歩こうと思っていたら少し詰めすぎて、峠を行き過ぎたところで谷の右岸の稜線にある登山道に合流。

怪我もなく、無事に遡行終了出来てよかった。皆様のおかげです。

少し休憩して、しっかりしたブルドーザーの作業道を、時間も遅いので少し早歩きで車まで戻った。

車のデポ地まで戻ったのが18時10分。

出発が遅かったとはいえ、けっこう遅くなってしまった。

去年の人数で下手に奥まで行っていたら、ヘッドランプで下山となっていたところかもしれない。(それはそれで、思い出深くなって面白かったかもしれないけど。)

 

  

【57期 藤井康司】

今日はほぼ一年ぶりの沢登り。昨年途中撤退した比良猪谷だ。前回は渓相の暗さに何か邪悪なものを感じたが、今日は梅雨晴れに緑が映え気分上々、同行のみなさんとの話もはずんだ。渓は、広狭と中小滝が間断なく連続し、飽きることはない。沢やバリエーションの自然の内奥に入っていく感じが好きだったのだが、今日は登攀自体も楽しめた。ありがとうございました。(ロープで安全確保してもらい、随所でお助け紐を出してもらったお陰です。)

 

【感想】57期 織田直子
とうとうこの日が来ました。一年前、この沢で骨折して以来の沢登
また来年リベンジしましょうの言葉を励みにリハビリ通い。リベンジする機会を作って下さったリーダー本当にありがとうございます。皆さんの足を引っ張ったらどうしようと思って参加してましたが、今回無理やったら来年あると思って無理しないようにとお言葉を頂いて心が軽くなりました。
沢登は登攀苦手な私にとっては全身運動、普段しないような格好して筋肉痛になりますが楽しいです。お助け紐に頼りっぱなしで登ったとは言えないですし、カロリーも消費してないですが、通過しているだけで達成感がありました。
今回、TSさんがトップを何度かされてるのを見て何度も凄いなーと思いました。TSさんがまだクライミングジムに通われる以前、雨が降る中でご一緒したことを思い出しますとTSさんのストイックさに脱帽です。次は藤井さんでしょうか?
リーダーがいないと登攀できない沢登でしたが、TWさまはじめご一緒して下さった皆様のタフさを改めて感じ、いつもながら沢山助けて頂いていることに感謝しています。またどうぞ宜しくお願い致します。
最後になりましたが、疲れている中、運転して下さった土井さん、TSさん本当にありがとうございました。

 

【感想】57期 TW

昨年、自分の力では全く歯が立たなかった猪谷。前日が雨だったため、ドボドボで暗―いゴルジュを寒さに震えながら歩くのか…と覚悟をしていたのですが、 当日は穏やかな青空。谷は明るく、ヌメヌメもなく、ゴルジュに差し込んでくる光が新緑を輝かせている景色がとても綺麗な良い沢でした。悪沢と言われているけど、来てみないと分からないものだなぁ、とつくづく思いました。そして何より、昨年と比べて少しは自分で登れるようになった手ごたえを感じられたのが、気持ちを明るくさせました。リードしてくださったATさんやTSさんの一挙手一投足をじっくり見て、そのルートをなぞるようにいくと、自分の力でも登れる事に驚きました。お助け紐やロープを出してもらい、メンバーの皆様からアドバイスを頂き、リードのお二人のおかげで登れたようなものですが、それでもとても嬉しかったです。上手い人は動きに無駄がなく、丁寧に、易しいルートを選びとって登るのだなぁ、と感動しました。

無事に楽しく遡行を終え、リベンジを果たした織田さんとハイタッチをし、とても満ち足りた気持ちになりました。今回も皆さまに助けて頂いてばかりでしたが、やっぱり沢は楽しいなぁと感じた一日でした。鮮やかなリードやお助け紐で何度も助けてくださったATリーダー、感謝しています。ご一緒して頂いた皆さま、本当にありがとうございました。

 

【感想】土井 司

4、5日前の天気予報では時雨れる予報から前日には持ちこたえる予報に変更になる。曇りの中(渓谷であるから空は狭いが)覚えのある川を上っていく。時折さす陽射しに新緑が眩しい。水温は冷たくない。小さな滝が次から次へと現れ、困難な場所はATリーダー、TSさんからのロープを頼りによじ登っていく。ノーロープで登っていく両名には、ただただ尊敬する。途中、巨木に感動し大滝に圧倒され、滝の途中では固まりながらでもなんとか沢を詰めあげた。二年越しでの目標達成である。いずれは自分の力だけでと思うが、還暦を超えた者としては夢のまた夢。皆さんに頼る事を前提に、次はどの沢へいこうかと考えている次第である。

リーダーはじめご同行いただきました皆さん、ありがとうございました。また、お世話してやってください。

 

【感想】52期 秋房伸一

 もっとこぢんまりした藪谷かと想像していましたが、アスレチック感覚満載で、そこそこスケール感もある魅力的な沢でした。

 お助けヒモが大活躍なのも、チーム感があって良かったです。高巻きもせずにすみましたが、これもリードして頂いたお陰です。

 下山も、すごく楽ちんでした。皆さん、ありがとうございました。

 

【53期 辻博史】

小滝が連続する沢との事でしたが、山行前日の雨で水量が多かったのか、思っていた以上に立派な小滝が連続して続く、面白い沢でした。

それぞれ登りごたえがあり、どれもが直登するもので大満足しました。

皆で無事に上り、下山できてよかったです。

ご同行いただきました皆様、ありがとうございました。

 

【感想】TS

梅雨の合間の晴になった。遡行中、時々新緑の間から青空が見えた。

猪谷の距離は短く、渓は大きくないの短時間で終了するだろうと予想していた。しかし、難しい滝もあった。高さは約5~7mでそれほど高くはないが、ホールドが乏しく、進路に岩が覆いかぶさったりしていた。

「リードしてみますか?」とATさんに問われた。心の中で、「そんなん恐いし、落ちたら痛いし、粋がってやらん方がええに決まってる。せやけど、こんな機会はない。恐かったら、途中で止めたらええやん。」と頭の中に字幕が流れた。初めてリードをした。確保無しで登るのは怖かった。疲れた。取り付く前にオブザベーションして、読み通りであったり、無かったり。それが楽しかった。「登った!」という充実感がある。支点の構築を教えてもらって、自分がセットしたロープで後続の人が登ってくる。歩みは遅いが、少し進歩した。私は登攀なんてとんでもないと思っていた。ここまで指導してくれた先輩方に感謝する。

 

 

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〈個人山行〉京都百名山シリーズNo.51~53 魚谷山・岩茸山・岩屋山

平成30年5月26日(土)

 

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写真1: 魚谷山山頂にて

 

祖父谷川を挟んで東西にある山を無理に繋げて山行を計画した。東の尾根にある魚谷山(816m)は「いおたにやま」と称し“万之丞山”との別名もある。一方西の尾根の岩茸山(811m)、岩屋山(680m)はこれと云った特徴のない山で桟敷ヶ岳の南に位置している。

 

【メンバー】 山本浩史L、塩見孝浩、藤井康司、梅村 重和

【山  域】 京都府京都市北区

【行  程】 桂川6:00=7:10持越峠7:18~7:57 P470~8:41惣谷山~9:26 P711~10:00魚谷峠~10:11魚谷山10:44~10:56魚谷峠~11:26オ梅谷出合~11:43足谷出合~13:00岩茸山13:17~13:53薬師峠~14:15岩屋山14:35~15:04 P564~15:40 P517~16:23持越峠16:31=17:17はなの湯19:38=20:19桂川

【登山データ】 曇り 歩行20.3㎞ 9時間05分 延登高1:476m 延下降1:476m 4座登頂

 

惣谷山尾根への取付きは雲ヶ畑だが駐車場所を考慮して持越峠(394m)をスタートとした。府道107号線を歩き雲ヶ畑白梅橋へと下り尾根の先端から取付きを探そうとしたが持越橋を渡ってすぐに作業道の入口があり入って行った。最初は微かな道があったがやがて無くなり斜面を這い上って稜線に達した。急登が落ち着くとP470に達し、展望のない薄い踏み跡の稜線を更に進んだ。惣谷山(633m)に達すると3等三角点「惣谷」が置かれ山頂標識も掲げられていた。北上を続けると尾根の東側、惣谷を上って来た林道が寄り添いピークを一つ越えると登山道は林道に吸収された。

林道を500m弱進むと前方にP711の大きな山体があり林道は西を大きく迂回しているので、林道を離れ尾根を直登した。少し登ると東側が開けた所があり、貴船山(716m)を望むことができた。複雑な稜線を尾根通しに進み再び林道に下り立つと1.5㎞程は気楽な林道歩き、西側が開けた場所があり桟敷ヶ岳(896m) から岩茸山(811m)に続くなだらかな尾根や愛宕山(924m)から地蔵山(950m)の稜線が見え、その手前には半国高山(670m)も確認できた。

魚谷峠(759m’)は林道の交わる広場があり魚谷と松尾谷方面へと続いている。魚谷山へは再び登山道となり400m余りで達した。魚谷山(いおたにやま816m)山頂には3等三角点「柳谷」が設置されているが展望はない。かなり早めの昼食タイムを取り魚谷峠へ引き返した。惣谷林道に戻り少し引き返すとオ梅谷林道が分岐し下って行った。ヘアピンカーブで谷を渡る処にクリンソウを見つけた。2株だけだが輪生するピンクの花は愛らしい。その後谷を見ると彼方此方にピンクの花を見つけることができた。

オ梅谷が祖父谷川に合流する処で山屋らしき男性が車を止めてウロウロしていたが意味不明、会釈をして通り過ぎた。祖父谷川の道は林道ではなく府道61号線で祖父谷峠部分が未開通。登山道で越えて向こう側にも同じ番号の府道が続いている。この府道を1.6㎞歩き足谷出合に到った。入口には小屋があり鉄製の門が設けられていた。ベニバナヤマシャクヤククリンソウの自生地で保護されている。小屋の横をすり抜け林道に入るとZ型に高巻いて高度を稼いだ。険しい谷には長いナメ滝が俯瞰された。やがて谷道になって林道終点に達するとクリンソウの数が半端じゃなく、しっかり保護活動が行われているようだった。谷筋の道を進むと徐々に谷が狭まり険しく歩き辛くなってきたので東側の稜線に這い上がり足谷源頭部のピークに達した。

少し下った鞍部が谷の収束点でその西側の尾根を直登した。少し登ると登山道が現れた。登山道を辿り尾根の張出しを超えると巻道となりどうも岩茸山に向かっていないようなので登山道を離れ斜面を這い上り岩茸山(811m)に到った。暫し休憩し南西の稜線を辿り縦走路を進んだが此方も踏み跡程度だった。やがて山頂を巻く正規の縦走路に合流し薬師峠へと下って行った。途中地形図には西谷を下る道と岩屋不動に達する点線道が描かれているが確認することはできなかった。

薬師峠(591m)には六体地蔵があり、6体の石仏が並んで安置されていた。此処を下ると岩屋不動で駐車場はあるが参拝者にしか車は置かせない。薬師峠の先は踏み跡も定かでなく10分程登ると3等三角点「岩谷」に到った。「岩屋山649m」の標識が何枚か設置されていたが、此れは間違いでピーク性のない登り斜面に設置された単なる三角点でこの背後の680m程の最高所が岩屋山山頂である。山頂には「火ノ用心」のプレートにマジックで「ここは岩屋山です」と書かれ間違いを指摘していた。

縦走路から西に飛び出した山頂から分岐点に戻るとやかんがぶら下げられ目印になっている。岩茸山からの縦走路は鴨川と清滝川の分水嶺でどちら側も京都市北区に属している。分岐から少し下ると突然雉の親子と遭遇した。雛は一散に逃げ親鳥は雛を守ろうと羽を広げて地面を駆け回った。100m余り標高を下げると地形図には寺谷と岩屋不動の一本南の谷を結ぶ道が描かれているが道形は認められなかった。564m標高点に到ると「P564」と書かれた小さなプレートが掲げられていた。

南東に400m余り進むと地形図には善福谷から雲ヶ畑岩屋川に到る峠道が描かれているが、此れも道形は認められなかった。縦走路も曖昧で、何故か雲ヶ畑岩屋川方面に踏み入れてしまいコンパスを合せると略逆方向を指しているので早めに気付いて事なきを得た。最後の目標地点P517にも例の標高点プレートが掲げられていた。展望良く魚谷峠から北の狼峠への稜線が見通せた。

P517の先にも要注意点があり尾根の繋がりを何気なく歩いていると西へ西へと回って行き枝尾根に入ってしまった。縦走路は何とも分かり難い斜面で後半になって立て続けにルートミスを犯してしまった。持越峠に近づくと伐採で開かれた展望地が何か所かあり惣谷山や岩屋山が望め、比叡山(848m)の姿がしっかり見えるようになってきた。

朝歩き出した時、持越峠の下山点は階段のある個所しか不可能で東に急斜面の縁をトラバースし峠に戻ることができた。今日の立ち寄り湯は、壬生「はなの湯」、京都に北の方に住む藤井さんも梅村さんも一緒に行った。入浴後は反省会をして解散した。

 

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写真2: クリンソウ オ梅谷林道にて

 

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写真3: 岩茸山(811m)  岩屋山分岐南展望地より