京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.2907 横山岳-関西百名山シリーズNo.16-

金曜日に寒冷前線の通過で激しい雨が降った。土曜日は強い寒気は流れ込み日本海側に雪を降らせ湖北横山岳も雪が積もった。日曜日は曇りの天気予報だったが、回復が早く快晴となりサラサラの新雪を蹴立てて忘年の山行を楽しんだ。

yokoyamadake.jpeg

【日程】2008年12月7日(日)

【行程】京都駅6:28=京都南IC=(名神北陸道)=木ノ本IC=木ノ本駅8:00=白谷登山口8:20-59~東尾根登山口9:46~東峰13:26-33~横山岳14:12-28~鳥越峠15:50-16:01~白谷登山口16:44-55=北近江の湯17:18-18:35=木ノ本IC=(北陸道名神)=京都南IC=京都駅20:00

【参 加 者】9名

【歩行データ】 歩行9.1㎞ 7:45 延登高 964m 延下降 964m 2座登頂 曇りのち晴

 

--------------------------------------------------------------------------------

前日からの雪で北陸道木ノ本ICから北はチェーン規制が敷かれていた。ICを下りてすぐの木ノ本駅でT辺車、S原車と合流し横山岳白谷登山口に向かった。杉野集落で国道303号線から分れ網谷川を遡る林道に入るとたちまち積雪があり登山口駐車場では10センチ積もっていた。新雪の絨毯に突っ込み車を止めると、S原さんの車(トラック)が付いて来ていない! 100mほど手前の越地谷林道の分岐で「タイヤが空回りして前に進めない。」とSOS。救援に駆けつけ皆で押して何とか駐車場にたどり着いた。

アクシデントで出発は30分ほど遅れたが、T辺リーダーを先頭に東尾根登山口へと網谷林道を進んだ。すると登山口を前にK西さんがリタイアを表明、一同驚いたが、ベテラン登山家の自己判断を尊重し惜しみながらも受け入れた。ペースが早かったのと軽トレッキングシューズですでに靴下が濡れだしたことが原因だったようだ。前者はこの後、必然的にゆっくりになったので問題はなかっただろうが、氷点下の気温では足が濡れるのは辛く賢明な判断をされたようだ。それでも登山口から少し上まで様子を見に後から来て引き返された。

東尾根登山口からの登山道は新雪を蹴立てて進む。中腹以上は雲の中で徐々にガスの中へと入って行った。しかし暫くすると上空に青いものが見え出した。

標高900mで東尾根に合する。250mこの尾根を下ったところに3等三角点「阿曽谷」(865m)がある。探索に行きたいところだがこの雪では発見は難しそうなので諦めた。東尾根に乗りなだらかに西へ進む。この頃には空が澄み渡り、樹林帯で展望は利かないが真っ青な空に雪の付いた木々が映え山頂への期待が高まってくる。積雪は40~50センチになり先頭のラッセルはT辺リーダーからT田さん、O野さんとパワフルな女性陣が努めてくれTCは一番後ろから楽ちんに付いて行った。

東峰(1,131m)山頂での昼食を目指していたが時刻は12時を過ぎた。標高1,090m位だったのだろう、前方を見上げると顕著なピークでこれぞ東峰だと思い昼食にした。食後ミッションのため地図をよく見ると東峰はまだ先に見えるピークのようだ。でも展望がいいのでミッション1「金糞岳を山座同定する」を行った。金糞岳は南西方向に存在感を持って聳える標高1,317mの山、直線距離で8.5キロほどの位置にあり、明確に同定することができた。風はなく、空はこれ以上ないと言う位の快晴となった。周りの山にはまだガスがまとわり付くいているが、これほどの天気になるとは誰が予想しただろうか。

ミッションが終わり本当の東峰を目指し西に進んだ。山頂にはしっかりと横山岳の新しい標識と東峰の古びた標識が建っていた。改めて金糞岳を見て、ミッション2:「横山岳(西峰)登頂時刻を予想する」を行なう。時刻は13:33、皆に到着時刻予想し14:00から14:30までの予想時間がでた。

西峰への稜線は展望良く、周りの山の雲は増々少なくなり遠望が利くようになった。S原さんが「そむぎやま」と教えてくれた鋭鋒は20万図には「蕎麦粒山(1,287m)」とあり、そのまま「そばつぶやま」とも読ませるようだ。天狗山の左奥に見える山は真っ白で雄大、地図がないのでこれは白山だと勝手に決めていたが帰って調べてみるとそれは御嶽山で白山はその左の方で雲に隠れていた。南に目を転じると賤ヶ岳、その向うは琵琶湖、竹生島が浮び、その後は比良山系で武奈、蓬莱、比叡まで望むことができた。

こんな景色に皆感激立ち止まることしばしば、いよいよ横山岳に到着、時刻は14:12ロスタイム2分を差し引くとT辺さんがぴったり正解、リーダーの面目躍如だった。南の展望は開けているが、怪しげな展望櫓からは北方の展望が得られ順番に登ると皆、雪に大はしゃぎ、T田さんは感極まって雪原にダイブ! テンションは上がりっぱなしだった。

当初計画では12:10登頂の予定だったので2時間も遅れている。車の立往生と50センチもの積雪では仕方がない。予定していた墓谷山への縦走は諦め、鳥越峠から越地谷を下りショートカットすることにした。南尾根の傾斜は急で標高が下がるにつれ雪が腐れ落ち葉と共に滑りやすく、時間が掛かってしまう。標高730mくらいの所に「望横ベンチ」と表示があり最後の横山岳が素晴らしい。

myokoyamadakemap.jpg

 

墓谷山(738m)との括れは鳥越峠(標高500m)で時刻は既に16時、暗くなるまでに下りなければならない。峠から下る越地谷(こえちだに)の傾斜はさらに急になりそうなのでアイゼンを付けた。その効果でほとんど足を滑らせることなく下ることができた。左右の谷が迫り尾根が落ち込むころに砂防ダムが見えてくると越地谷林道終点。林道の先には金糞岳が夕焼けに染まっていた。

未舗装の越地谷林道から網谷林道に出るとそこはS原さんの車が立ち往生した所。アスファルトに10センチほど積もっていた雪も既になく道端の残雪を選んでアイゼンを履いたまま歩いた。白谷登山口で首を長くして待っていたK西さんに迎えられ横山岳山行を終えた。

立ち寄り湯は北近江の湯、木ノ本駅の南方にある。大きなリゾート施設で日帰り温泉の他、宿泊もできるようだ。ただ一寸高い(\1,200)。ここで解散し一般道で帰るT辺さんとS原さんと分かれ一路京都へと走った。

《山紀行663》 

 

--------------------------------------------------------------------------------

【感想】 6期 H.K.

~横山岳大失敗の巻~

雪が10~15センチ積もり今日は天気も良いので雪山気分を味わえると、気持ちがわくわくうれしさでいっぱいでした。

ところが、林道を歩き出して20分ほどで前に付いてゆけない私がおりました。汗はタラタラ息ははずむは、このピッチではみんなの足を引っ張るのでは?。横山岳への取り付き点もまだなのに、少したちどっまったところで、結論をくだす。私は下で待ってます。と。心配そうにメンバーのみんながゆっくり登りましょうと声をかけてくださいましたが、足もとも濡れているので迷惑をかけてはいけないのできっぱりとあきらめることにしました。皆に前にすすんでもらい見送ることとする。後から、ゆっくり、ゆっくり東尾根の登り口をみんなの跡をたどる。話し声が聞こえている間ほんの少しでも後ろをたどることにする。尾根筋を登ってゆくみんなに行ってらっしゃい、と声かけをして駐車場まで雪を楽しみながら戻る。10時45分。

地図を広げ横山岳の地形を頭のなかで思い描きみんなは今どのあたりだろうか、雪はかなり深くラッセルをしているのでは、予定の時刻通り進んでいるだろうか、と思いを巡らしているうちに12時お昼です。小春日和の中温かいので外で食事をする。

午後から何もしないのはつまらないので、雪だるまをこしらえようと直径70センチ程のおお玉を2個こしらえたが重くて重くて重ねることをあきらめる。まだまだ時間があるので白谷登山道への道を行く。ここも林道で前日に入った車のあとをたどる。30分ほど度歩いたところに白谷登山口の標識がある。ここから引き返すこととする。誰にも会わないたった一人の静かなひと時を過ごす・駐車場で2時15分。まだまだ時間があります。

もしかラッセルに時間をとられた場合鳥越峠から下って来るかもしれないと思いコエチ谷登山口のほうに行く。駐車場からは鳥越峠は尾根に隠れて見えないので峠が見えるところまで行こうと歩き出す。すると、谷筋から林道にかけて猿の足跡が多数ある、群れで移動したのだろう杉林の中に消えていた。集団で遠くから見られているようで気持ちが悪い。少し開けたところまで行ったが、鳥越峠は見え無かった。猿が出てきたら怖いので急いで駐車場に帰る。3時15分。

まだ日が照り温かい。掲示板をみて花の種類もたくさんあり5月には地元の山岳会の人たちが山開きをしたり活動をされているようだ。4時、日が傾き始め気温も下がってきた。車の中に入る。歌を歌ったり、手帳に今日の顛末を書いたりして時間を潰す。もうそろそろみんなも近くまで帰ってきているだろう。明るいうちにトイレにいっておきましょうと靴をはいたとたんはき替えた靴下がジュワーと濡れてしまいました。ああーなんたることか。周りが薄暗くなりかけのころみんなが元気に帰ってこられました。心細くなりかけていたときだったのでよかった、よっかた。安心しました。

反省点 ①雪山への心構えができていなかった。(今日に雪が降るだろうとゆう甘い考え。雪がつもっているなんて)、②靴が夏山用であった。(靴下の替えを持っていてもダメ)

アイゼンを持って着るもの、手袋予備あり、靴下予備あり。肝心の靴が夏用で話になりません。以上、K西の失敗談です。

 

--------------------------------------------------------------------------------

【感想】 25期 T.S.

木之本駅で待ち合わせて、登山口に向けて出発しました。杉野までは、除雪車が入り走り易かったのですが、私のトラックが林道の急坂で止まってしまい前車が見えなくなり、一人取り残されました。携帯でその事を話すと、山本さんが、戻ってこられ、荷台にあった、スコップや左官鍬で雪掻きをしてもうごきません。再びメンバーを呼びに行かれ、徒歩で来て押してもらった御蔭様で、どうにか登山口にたどり着きました。あと300メートルという所でした。

直前まで、仕事が忙しく、参加する事にためらいがあったのですが、雪山の清々しい空気にふれたとたん、今までの迷いが、嘘のように、雲散霧消しました。天気も、気持ちと同じように晴れ亘りました。青空と霧氷のコントラストが、なんとも言えず美しく、本当に参加して良かったと思いました。疲れも出ず、翌日からの仕事にも張り合いがあります。皆さんのおかげだと感謝しています。

 

--------------------------------------------------------------------------------

【感想】 36期 Y.T.

晩秋から初冬の山のつもりが新雪山行になった。登るにつれて天気も良くなってきた。風が無いので暑いくらいだ。青空をバックに木々の枝に積もった雪がきれいだ。

東峰からの展望も良く、南には金糞岳が大きく見え、その尾根の右端が己高山。伊吹山はこの稜線に隠れている。その右には琵琶湖、ずっと向うが比良のようだ。

北方は蕎麦粒山、三周ヶ岳、三国岳、能郷白山だと思うが、一部雲の中で特定しづらい。遠くの白いピークは白山かもしれない。北西に見えるのは若狭湾?美浜の海岸?

今日は金糞岳がずっと見えていた。大きくて存在感があった。この日の横山岳は我々だけだった。思いがけない冬山を十分に堪能できた。関西百名山シリーズの今年の締めくくりとして最高だったと思います。

 

--------------------------------------------------------------------------------

【感想】 40期 K.N.

膝まであるフカフカ新雪に足を取られ、慣れない感覚にすっかり参ってしまいました。滑るは、こけるは…おまけにバテるは。結果、皆さんの足を引っ張ってしまい、申し訳ありませんでした。 『荷物、持とうか?』優しいTCのお言葉に涙が出そうでした。

ひっぱり上げてもらった山頂からの景色は最高でした。青空を背景に雪の花を枝いっぱいに咲かせた木立の美しいこと!遠く白山も望めました。(実は御嶽山だった。・・・TC注釈)

下山にはこれまた激下りのお土産付きで、とうとう私の脚はヘロヘロに。非常に思い出深い、今年最後の百名山でした。

 

--------------------------------------------------------------------------------

【感想】 48期 M.K.

前日からの寒波で、雪景色が見られるのではないかと期待が膨らむ。網谷林道から雪道で、登るに従い積雪が多くなり横山岳山頂付近では60cm位、しかもサラサラの雪で最高に楽しい稜線歩きでした。天気が快方に向かい、空の色が水色に、やがて真青に変わりブナの樹氷がキラキラ輝いて素敵でした。誰もいない東峰山頂の雪原は広く樹木が無いので360度の展望で、特に私たちが歩いたトレースと堂々とした金糞岳の景色が1番のお気に入りです。皆がハイな気分で楽しめた最高の1日でした。

関西百名山シリーズに参加させて頂き、今年一年で沢山の山に登る事ができました。それぞれに思い出多い山行でした。企画から手配全てして頂いたY本さん、ご一緒して頂きました皆様ありがとうございました。

 

--------------------------------------------------------------------------------

【リーダー感想】 44期 K.T.

前日から雪が降り、寒くなるだろうとは思っていましたがまさかあれほど積もっているとは思いませんでした。でもほんとに粉砂糖みたいなパウダースノー、澄み切った青空で夢の国のようでした。下りのずるずる滑りにはちょっとまいりましたが素晴らしい一日でした。私はほんとにリーダーとは名ばかりでなにもできず、みなさん、すいませんでした。またすべてにお世話していただいたY本さんには心より感謝してます。ありがとうございました。またよろしくお願いします。