京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

[No.2949] 南アルプスの名峰: 甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳

・・・「日本の山・高さ順100峰」か「日本100名山(深田久弥)」と考えチェックしてみるとあまり行けていないのに驚いた。どちらを目安にするかは今のところ定かでないが「甲斐駒、仙丈」はいずれの目安をも満たしているので個人的欲求による例会企画となったわけである。

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(写真:仙丈ヶ岳頂上 3033m)

[No.2949]2009年8月7日(金)~9日(日)

南アルプスの名峰: 甲斐駒ヶ岳仙丈ヶ岳

【参加者】(CL)四方宗和、(SL)秋房伸一、野沢邦彦、富岡慶子、AT、向 昌宏 合計6名

 ※(個人山行合流)寒川陽子

【天候】7日~9日:曇り一時雨

【行程】

・先発(四方、野沢、向)7日8:30 京都駅八条口=13:00仙流荘=(バス)=15:00北沢峠~15:10北沢駒仙小屋(幕)

・後発(秋房、富岡、T)7日20:15京都駅八条口=24:20仙流荘(幕)8日 5:50仙流荘=(バス)=6:50北沢駒仙小屋(全員)

8日(甲斐駒)この日の行程は沢筋を登り尾根道を下った。

7:30出発~7:52仙水小屋~8:20仙水峠~9:47駒津峰~11:03-23摩利支天~12:00-13:05甲斐駒ヶ岳(寒川合流)~14:08駒津峰~14:55双児山~16:05北沢峠~16:15北沢駒仙小屋(幕)

9日(仙丈)この日の行程は尾根筋を登り沢筋を下った。

4:50出発~7:30小仙丈ヶ岳~8:48-9:10仙丈ヶ岳(寒川離脱)~9:30仙丈小屋~10:08馬ノ背ヒュッテ~10:23仙丈藪沢小屋~11:43北沢峠~11:53-12:40テント地(撤収)~12:50北沢峠=(バス)=13:50-14:50仙流荘(温泉入浴の後、解散)[52期 秋房 記]

【リーダー所感】

 この例会を企画したのは全く私の個人的なものであった。66歳になりようやく自由な時間が取れるようになった今、これからの10年15年を趣味の中心に「山登り」をおいて行こうと考えた。そこで永らくかかわっていた「山登り」(山岳会)に一つの目安(目標)にするには「日本の山・高さ順100峰」か「日本100名山(深田久弥)」と考えチェックしてみるとあまり行けていないのに驚いた。どちらを目安にするかは今のところ定かでないが「甲斐駒、仙丈」はいずれの目安をも満たしているので個人的欲求による例会企画となったわけである。

 以上のような企画であるので交通費と安全性から考えて1~2名の参加者があればと考えていたが5名の参加者を得て少し例会らしくなった。

 少人数を想定していたので「共同装備」、「共同食料」はリーダーの私が担当したが、ここで少し驚いたことがある、と云うのも最近は合宿、例会が人数にかかわらず個人単位での参加が通常化しているらしい。古い会員にはすぐには理解できないと思うがたとえば「テントはマイテント」、「食事は個々で」と云うやり方である。私も数年前に丸山君、水梨さんと3人で御岳に行ったことがあるがそれがこの形式であった。いわゆる「合宿、例会の核家族化」である。

 この形式は確かに気楽ではあるが寝床と釜を同じにし連帯感を強めるには物足りない。私は登山は社会生活を凝縮した物でここでのテント生活マナー、食料計画と準備、食事時の団欒などが社会ででも役に立つと考えている。

 今例会の参加者はT、秋房、向の3人が新人であった(他は野沢、富岡)。秋房君はかなり山慣れしているがT、向の両君にとっては良い経験になったのではないかと思う。と云うのも7月末の「夏山合宿」では核家族形式の合宿で各自テントで夕食を済ませその後リーダーの小さなテントに集まり連絡事項などを話し合ったんだとか。

 今回は私が共同装備、食料を考えたがこれは正解であったといえる。3人の新人には共同装備のおいてある場所、共同食料の内容と量(多くも少なくもなくごみも出ない)などを知り、研究願いたい。

 甲斐駒ヶ岳はなかなか骨のある山であったが仙丈ヶ岳は緩やかな尾根通しの登山道は南アルプスの山々の眺望はもとより富士山、北アルプスなど大パノラマを目にしながら歩け私が歩いた山々で確実に3つの指に入る山歩きであった。

 最後に横岳~鋸岳~甲斐駒ヶ岳と歩いて来た寒川さんと合流、丸1日行動を一緒できたのも我々の例会にアクセントをつけてくれた。

(6期 四方宗和)

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(写真:仙丈ヶ岳をバックに)

【感想:甲斐駒~仙丈を歩いて】

入会して2か月、2つ目の大きな山行きとなりました。初日は移動とキャンプのみのゆったりとしたスケジュールで、体力的に助かりました。翌朝、野沢さんと将棋対決(あえなく敗退でしたが・・)。後発組も早めに到着し、準備も整い、いざ甲斐駒へ。普段目にしないシラビソ(?)やコメツガの林を眺めながら仙水峠につくと目の前には魔利支天が!!あそこかと気合いを入れなおす。てくてくと登り、いよいよ直登ルートとの分岐点。直登側は混雑している様子で、私たちは巻道ルートに。

足もとに気をつけながら魔利支天ヘと進む途中、ハイマツの群落で、雷鳥との声!これは見なければと思い、急いで探す。いた!

本物だ!!と初めての雷鳥に感激。もっとよく見たいと追えば追うほど逃げてくれる。それでも程よい距離の岩の上でじっと周囲

を警戒してくれたので、じっくり見ることができました。こちらの呼びかけに首をかしげるところなどすごくかわいかったです。

ひとりだったらずっと見てたかも・・。その後も花崗岩のもろい砂地を歩き、甲斐駒山頂に到着。残念ながらガスに覆われ眺望はききませんでした。しばし鋸岳から来る寒川さんを待つ。1回だけ返ってきた「ほほほーい」の返答に、返答だったのか、幻かと、考える・・。そうこうしている間に視界に寒川さん登場。無事合流して下山へ。帰りは駒津峰から別ルート。これが結構な下りで下れど下れどたどりつかない。やっとかとの思いで北沢峠へ。ちょこっとビールをいただき、カレーをつくる。手作りはやはりおいしかったです。食材などあらゆるものを準備いただいた四方リーダーに改めて感謝です。

 さて3日目。今日こそは眺望をと期待しつつ出発。すこし上ると見晴らしがききだし北岳に、昨日の白い甲斐駒、褐色の鋸岳、色鮮やかなキャンプサイトと、素晴らしい景色が見れました。花々と天然林もすばらしい。天気がよければ本当に最高ですね。今までの疲れが吹き飛びました。小仙丈岳につくと、甲斐駒とは対照的な仙丈岳がお出迎え。山頂では、チシマギキョウ(?)などの植物もたくさんあり、楽しめました。写真もたくさんとってきたので帰ってから(これから)調べてみます。

(52期 向 昌宏)

【感想:甲斐駒ヶ岳仙丈ヶ岳を歩いて】

 南アルプスへの山行はこれが初めてのことなので、とても楽しみにして臨んだ山行でした。キャンプ場へ到着すると、先発隊の野沢さんと向さんが将棋をさしていて、二人の対局の決着が付いたところで(野沢さんが勝利したようです)甲斐駒ヶ岳へ出発。

 仙水峠へ来ると甲斐駒ヶ岳がドーンと姿を表したので、このときはじめて「おおーアルプスへやってきたなぁ」という気持ちになりました。

仙水峠から甲斐駒ヶ岳へ行く道は僕の靴の裏が減ったせいで滑るのか、それとも岩が滑るのかはよくわからないですが、岩に足を乗せるとみょうに滑ってとても歩きにくかったのが印象的でした。

 甲斐駒ヶ岳の山頂付近までくると、酸素が薄くて、山頂へ到着するとかなり疲れてしまったので、寒川さんが鋸のほうからやってくるのを待つあいだ、しばし昼寝をしました。寒川さんが甲斐駒山頂へやってくると同時に(ほんとうに同時に)雨が降り出したので、「すごい!寒川さんが雨雲を連れて歩いてるというのは本当の話なんだな」と思いました。(噂に聞く事故からの、鋸岳リベンジおめでとうございます。)

 初日に歩いた甲斐駒ヶ岳が想像以上に疲れたため、翌日の山行は覚悟して臨んだのですが、翌日の千丈ヶ岳はそれほど大きく疲れることなく登ることが出来ました。昨日の甲斐駒とはうってかわり、大きなカールのあるとても優しい山容で、僕はこういう優しい姿をした山が好きなので、この千丈はとても好きになりました。千丈から見えた他の南アルプスの山々、いつか登ってみたいものです。

今回は荷物も軽いので、もっと楽々の山行が楽しめるものとなめてかかっていましたが、実際には脚が筋肉痛になるほど(比良全山縦走でも筋肉痛にならなかったのに)疲れてしまったのはまったく予想外でした。 というより、疲れたのは初日の甲斐駒ヶ岳のほうだけで、千丈のほうはそれほど疲

れることはなく、いつも通りのそこそこという疲れかただったのですが。

それにしても甲斐駒ヶ岳はどうしてああも疲れてしまったのか?

あとからコースを考えてみても、体力的にそれほどハードなコースとも言えないと思うのですが、どうしてだかかなりボロボロになってしまったのでした。酸素も薄かったし、コンディションの問題でしょうか。

そんなボロボロになったあとに帰ってきてキャンプ場で食べたカレー、格別でした。とてもおいしかったです。(そしてもちろんビールも)これだから山登りはやめられないです。

(51期 T 記)