京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.2966 平成21年度 遭難救助訓練 (実践編) 比良山系

今回は「24時間経っても下山報告がない」ことから、遭難対策委員会の設置~捜索~救出までの一連の流れを踏襲した

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No.2966 2009年11月14日(土)~15日(日)

平成21年度 遭難救助訓練 (実践編) 比良山系

                               18期 才内 茂

 

【参加者】CL才内茂、四方宗和、加藤一子、篠原利孝、中尾諭、畑中里子、豊田幸宏、野沢邦彦、丸山弘、富岡慶子、山本憲彦、田辺久美子、松井篤、上坂淳一、山本浩史、寒川陽子、戸田和樹、奥野淳子、AT、秋房伸一、小泉賀奈子 計21名

【天候】晴

【実施内容】

今回は「24時間経っても下山報告がない」ことから、遭難対策委員会の設置~捜索~救出までの一連の流れを踏襲した。

14日(土曜日)「富岡理事宅」

18:50(想定:家族への連絡) 19:00遭難対策委員会の設置(理事等集合) 19:10(想定:堅田警察・京都岳連へ連絡) 20:00会員への連絡・召集 21:00捜索ルート(想定:カラ岳通過のメールがあった)・メンバー等体制確立 21:30参加会員への集合場所等連絡 21:45準備完了

 

15日(日曜日)

9:00 志賀駅集合・ミーティング 9:30車4台に分乗し出発 捜索開始 (各捜索隊のコースタイムは別紙) 12:20遭難者発見、応急処置後金糞峠まで搬送 12:22(想定:堅田警察へ連絡) 13:00(想定:警察ヘリにてピックアップ) 13:15(想定:堅田警察へ状況報告とお礼) 14:30比良駅へ下山 反省会を行い 15:00解散

 

【個人山行の計画ルート】

JR小松駅9:00~ヤケオ山~釈迦岳(昼食)~カラ岳~スキー場跡~北比良峠~金糞峠~南比良峠~荒川峠~中谷出合~JR志賀駅

【会員への第一報内容】

昨日(13日金曜日)比良山へ個人山行にいった山本憲彦さんが下山時刻を24時間過ぎても連絡ありません。14日19:00に遭難対策救助委員会を設置しました。明日、早朝よ捜索隊を出動する予定です。行動できますか?

【参加会員への第二報内容】

志賀駅に9時までに集合してください。装備は日帰り装備+レスキューパック+呼子(笛)+無線機(保有者のみ)

 

【ミーティング内容】

①状況報告と捜索隊メンバーの決定

体制:現地本部  才内・上坂

捜索隊 1班 

ルート 

中谷出合~荒川峠~南比良峠~金糞峠

メンバー CL四方、田辺、秋房

捜索隊 2班 

ルート 大津ワンゲル道~釈迦岳~北比良峠~金糞峠

メンバー CL加藤、山本浩、寒川

捜索隊 3班 

ルート  ダケ道~北比良峠~金糞峠

メンバー CL丸山、奥野、小泉

捜索隊 4班 

ルート  神爾谷~北比良峠~八雲ヶ原~金糞峠

メンバー CL松井、中尾、野沢

捜索隊 5班 

ルート  堂満東稜道~堂満岳~金糞峠

メンバー CL富岡、畑中、T

                     注:アンダーラインを引いた者は、アマチュア無線資格保有

 

 

②定期報告時間の設定  毎時 15分(無線機・携帯による交信)

③装備の確認  搬送可能な装備の確認(カラビナ・テープ・ツエルト等)

 

【反省会の内容】

アマチュア無線資格保有者が少ない 

 常時開局することで他の捜索隊の行動が判る。

 携帯電話では不感知の場所がある。(無線機との併用がベスト)

 尾根を越えると無線機の中継ポイントがいる。

資格取得に向けた計画を立てる必要がある。

②笛は大変有効であった。(声よりはるかに範囲が広い)

③搬送方法が理解できた。

 各個人ができるようになることが必要

④GPSは有効な捜索アイテムであった。 (経度・緯度が瞬時に判る)

的確な連絡ができる。(現在地及びピックアップポイント等)

⑤遭難者役にはツエルト+ガスが必要 (長時間待機での寒さ対策)

⑥定期的遭難救助訓練は有効である。

メンバーが変わっても素早い対応が必要

 

次回の遭難救助訓練に上記事項を参考にレベルアップを図っていくと共に遭難救助マニュアルのバージョンを上げることとします。

 

【各班の行動記録】

1班 9:48荒川峠登山道入口~11:23荒川峠~11:33大橋方面分岐~11:45水晶小屋(室内点検)~12:00大橋方面分岐~12:01南比良峠~12:04本部からの「発見メール」受信~12:28堂満岳分岐~12:35金糞峠~12:40遭難訓練者と合流

2班 大津ワンゲル道登山口9:44~展

望台10:40~釈迦岳11:33~カラ岳付近で遭難者発見の連絡を聞く12:05~北比良峠12:26~合流12:45

3班 イン谷口9:47~大山口9:58~北比良峠11:30~遭難者発見11:50~金糞峠12:55

4班 9:45イン谷口出発(出合小屋北側のスペースに駐車)~10:10釈迦岳との分岐~11:10ダケ道との分岐~11:20ダケ道との分岐 (3班と出合い、3班は小休止)~11:40八雲ヶ原到着(小休止)~11:50八雲ヶ原出発~12:20金糞峠(5班と合流、遭難者発見の報を聞き、共に出発)~12:34遭難場所 到着 (以後は他班と共に行動)

5班 9:40東稜道登山口~10:15ノタノホリ~11:52堂満岳山頂~12:22金糞峠~12:284班と合流~12:34 3班及び遭難者と合流

 

【参加者の感想】

22期:加藤一子

コースが長く、なかなか核心部に到達せず、無線も送信はするものの、受信の音声がでなかった為に、全体の状況が解らず、他班の動向が把握出来なかった。携帯は通じないところもあり、無線は有効であった。メンテナンスが悪かったので、今回は受信の音声が聞こえない状態だったが、聞こえていれば、全体の動きも把握出来た筈である。実際の捜索の際は他班の動向、それによって、本部からの指示等、常に連絡をとれる状態なら、捜索活動も無駄なく有効に出来るのではないかと思った。

   

43期:丸山 弘

大山口からダケ道分岐に入り、捜索モ

ードに入る。記録を奥野さん、携帯での連絡係を小泉さんとし、前方を丸山、右方中心に小泉、左方中心に奥野で分担して登山道から30メートル程度を目視で捜索した。コールは中腹までは10分に一度の呼子、中腹からは5分間隔とし、  稜線が近づいたところから1分間隔の呼子と肉声でのコールを継続した。神爾谷ルートと11時20分に合流し、情報交換ののち、北比良峠経由でシャクナゲ尾根をたどる。明瞭な稜線ルートなので、正面谷側の滑落の形跡に注意しながら進むと金糞峠手前で左方から笛と肉声でのコールがわずかに聞こえた。八雲ルートの捜索の声にしては方角違いであるので、そこからコールを確認しながら近づき、登山道から30メートル程空身で藪こぎして遭難者を発見した。

  登山道わきの平坦地で手当てと背負い

搬送の準備を行い応援を待つ。応援の到

着とともに、前後の介助者を配した背負

い搬送でヘリによるピックアップポイン

トの金糞峠まで搬出を完了した。

今回は遭難者に意識があり、コールに

答えてくれたので発見できたが、目視で発見出来る範囲外であったので、応答がない場合は相当困難だったと思われる。今回はGPSを持参したので発見ポイントを正確に把握でき、現在位置を正確に通報したり、搬送距離を正確に把握出来た点は良かった。捜索中の道迷いによる二重遭難を防ぐ意味でも、携帯・無線に加えてGPSがあるのは心強いのではないかと思う。また、いざというときの搬送やビバーク時の保温を考えると捜索時はもとより、日帰りでもザックは大きめの方が安心だろう。

 

46期:松井 篤

最初に、遭難者の服装、ザックの色等の情報を聞くのを忘れた。

神璽谷は、深い谷ながら携帯電話は通

じる。ただし、谷側に滑落していた場合は、一部発見が困難な場所があり、また全体に足場が悪く、救出が難しい箇所が多い。

八雲ヶ原~金糞峠までは、携帯電話は

通じない。この付近で迷い込んで遭難した場合は、発見が難しく、発見してもその後の連絡等が難しい。

全体に他班の状況把握が難しく、携帯

電話での個別連絡の他に、携帯電話のメールで情報を各班に一斉送信することも、情報共有の手段として有効かもしれない。

 

50期:奥野淳子

ビバークした遭難者が早朝に下山開始していたら、もうすれ違っているかも知れない」丸山Lに『遭難者発見のための十カ条』?を教えられつつ登る。道をはずれてうずくまっているかも知れない遭難者を見逃さないよう、振り返って目を凝らす。北比良峠から金糞峠へ向かうシャクナゲの群生の中、「ホイホイホーイ!」 「篠原さんの声では?!」左下方からだ。Lが危険防止のロープを越えて支尾根を30m入った所に遭難者を発見。マットを広げて二人の遭難者を座らせ、ツェルトで保温する。他の班が集まるのを待って、山本憲彦さんの骨折した左足にストックを当てマットを巻く。丸山Lがザックで背負って下る。途中でTさんと交代し、金糞峠へ降りた。

「遭難救助訓練に参加する」と家族に

告げると「足手まといの役か?」と言われた。現在はその通りだが、少しでも救助の役に立つため、勉強します。

 

52期:秋房伸一

登山道と紛らわしい踏み跡が多々ある。

その一つとして、荒川峠手前のP865に向かって歩きたくなるような踏み跡があったため、リーダーの指示で秋房が登山道から離れてP865方面を捜索。本部にもその旨無線で連絡。荒川峠の手前で自然に登山道と合流し、後はコース通り捜索。水晶小屋の内部も念のため点検。南比良峠を通過したところで「発見」のメールを受信。金糞峠の先で遭難訓練者を搬送中の本体と出会った。

行動そのものは、通常の山歩きと大き

く変わるものではなかったが、皆でシミュレーションに基づき行動することは、良い体験になった。いざという時に、団結して動ける仲間がいるということは、とてもありがたいことだと、しみじみ思った。少しでも戦力となれるよう、例えば無線の免許を取るなど精進したい。

 

52期:小泉 賀奈子

 お天気に恵まれ小春日和となった11

月15日、紅葉の美しい比良山系で遭難

対策訓練が行われました。遡ること数ヶ

月前、全国的に山での遭難事故が多発し

たことを受けてこの計画が月例集会で出

されました。今後の山行のためにも勉強

しておきたいと考え、参加しました。

 打ち合わせのあと、5つのパーティー

に分かれて遭難した方の捜索を開始。私

の所属した3班はイン谷口からダケ道を

通り、北比良峠、金糞峠に向かうコース

をたどりました。リーダーの丸山さんは

遭難救助の経験があるとあって、的確な

判断と指示をくださいました。山行中に

行ったことは以下の3点です。

  遭難者の気配はないかどうか左右の確認。(丸山さん(左右)、小泉(右)、奥野さん(左)を主に見る。)

①10分毎のホイッスルと掛け声で反応がないか確認。

②要所に着いた時の本部への連絡

今回の想定では遭難者がビバークをしているため、朝の早いうちから下山している可能性もあること。登山道から見える範囲なら遭難者は自力下山できるため、見通しのきかない場所を念入りに確認すること。滑落の可能性も考えること。など、丸山リーダーからはたくさんのアドバイスをいただきました。奥野さんも私も遭難対策訓練は初参加だったため、興味深く聞かせてもらいました。

 途中、カモシカ台からは琵琶湖が一望

でき、対岸の山まで見渡せました。紅葉

もきれいで、盛りを迎えていました。し、「遭難者は未だに発見されていない。」という本部からの応答に、手放しで景色を楽しむことができない不安な気持ちが広がります。実際に遭難してしまったらどれほど心細い思いを抱くことでしょうか。想像するだけで苦しい思いがします。

 北比良峠の手前で神璽の滝から登ってきた4班のメンバーと合流。この先は同じルートを進む計画になっていましたが、リーダーの機転により4班は八雲ヶ原を行くことになりました。金糞峠に向かう道、丸山リーダーが「遭難者はこのあたりにいるだろう」と予測され、注意深く進む。ホイッスルを吹く間隔も狭め、周りの反応を確かめながら歩くこと数分。左手の小高い山が途切れ、谷にさしかかったあたりで呼応する物音が聞こえました。しばらく交信したのち、遭難者役のお二人を発見。お宝探しで大穴を当てた気分でした。

 その後の骨折した(想定)足の固定のしかた、負傷した場合の搬送のしかたなど初めて知ることばかりで、いかに非常時に備えた心構えが欠けていたかを思い知りました。今回の訓練は多くの会員の方が参加し、チームワーク良く活動できたのが良かったと思います。

 

【遭難救助訓練「遭難者になってみて」】               44期:山本憲彦

全体の記録は才内会長が、救助側から

丸山理事長他の報告があると思いますので、今回の「遭難救助訓練」に遭難者側(無事救助された側)として、現場での思いと想像などをまじえて、報告します。

私が京都比良山岳会の救助訓練で「遭難者」側となったのはこれで名誉の2回目です。 

前回は富岡さんが遭難者で私はなぜか陰の黒子のような存在で参加しました。おかげでそのときは冷静に、遭難者側、救助側ともにその様子を知ることが出来ました。そのときはあまりに深い沢筋にいたために、上で合図をしている本会の救助班に「ホイホイホーイ」が聞き取れてもらえず、やむをえず、上の登山道まで行ってリボンを結んだりしましたが結局は救出してもらえず、最後に遭難者側からの連絡のうえで救出してもらった経緯がありました。このときの経過は会報にすでに報告されています。

 さて、今回の遭難者の相棒は篠原さんです。いつもRDBの会で植生観察している仲間です。安心して(?)遭難できるのではないかという気持ちで、イン谷に7:40に入りました。

 前回は加藤一子さんが遭難者の役で、比良岳近辺の尾根上での救出だったと思います。いったん、見つけられるとなんとかなるというのが前回の私の印象でした。それだけ本会には救出できる技術を持ったメンバーがいるということでしょうか。

 だから、今回もなんとか「ほいほいほーい」を聞いてくれれば救出してくれると信じていました。遭難場所として私たちが選んだところは、金糞峠の北東500m(1/40000昭文社「比良」での位置確定)の切り立った支尾根でした。(丸山さんのGPSでは同300mでした)10:30頃にその支尾根に腰を下ろしました。

 さて、私が考えた遭難ストーリーは、その前日の夕方に武奈からの帰りに日没となり、道に迷い、ヘッドランプの電池も切れて、暗闇の中で八雲から金糞にでようと焦って尾根をたどるうちに切り立った支尾根に入ってしまった。そこで転んで私が左足首に近い頸骨を骨折してしまった。二人は動けない。携帯も使えない。持ってるのは笛だけ。二人でまんじりともせずにビバーク。ツェルトを持ってこなかったことを悔いるが遅い。朝になってそこが100mくらい切り立った崖の上であることが判明。救出を待つ。

待ちながら細かいストーリーを考えました。時間はたっぷりありましたので、篠原さんとしゃべりながら、また、ザックの非常食をたいらげながら、救出を待ちました。そこに座ってから、1.5時間が過ぎようとしていました。北西から吹き付ける風は冷たく、じっとしている身にはこたえます。今日はコンロも持っていません。      

そこで、「救出班がきたらすぐにホイホイホーイとやるか、もっと待つか」で、私は(声も出ないほど衰弱していることを想定してーこれはあとで考えたことですがー)しばらく聞き流して、できるだけ救出班に目視で見つけてもらいたいと思っていました。篠原さんは、いや、せっかく一生懸命に救出しようとしてくれているのだから、向こうからホイホイホーイがあったら即応答しよう、という意見。(ここだけの話し、ほんとに寒かったから彼の服装だと限界に近かったかもしれないので、)私は篠原説に賛成しました。

すると、11:00台になると、遠くから「ホイホイホーイ」が聞こえてきました。こちらに来て欲しいと願います。実は、才内会長から「松井班は八雲に回った」というつれない情報をもらっていたので、「松井さんら、そっちちがうがな、はよこっちきてーな」とかいいながら待っていました。すると突然、丸山さんの「ホイホイホーイ」が大きな声で聞こえました。そのときに篠原さんはにこっとして、間髪を入れずに、丸山さんより大きな声で「ホイホイホーイ」と応答したのでした。

しばらくして、丸山さんが100mの切り立った崖を避けて、こちらまで来てくれて目視してくれました。設定はその時点で私は左足頸骨の骨折で動けないので、丸山さんにその崖の上で必要な応急処置をしてもらい、登山道に引き上げてもらって、それから全員が集まって、ヘリが来られる地点までの搬送というのが、私の想定していた救出手順でした。

時間の関係でしょうか、左足頸骨の骨折で動けない私はひょっこりと立ち上がると、登山道まで行って、丸山さんが敷いてくれた銀ペフの上に寝ました。

そこから、遭難者発見位置確認と本部への連絡、応急措置と搬送となりましたが、今回はザックによる搬送で、私の63kgの体重を支えてくれた丸山さんとTさんにはこころより感謝申し上げます。前々回富岡さん、前回加藤さんもおそらく私の体重の半分強でしょうから、きっと、中高年太りしたおっさんは救出でも、実際は今回のようなありがたい搬送ではなくて、実はきびしいおとがめ(体重と遭難に対しての)のような搬送を覚悟すべきでしょう。中高年の下腹の出た我々おっさんたち、遭難救出時には覚悟めされよ。

今回の救出訓練の反省点。

「遭難救助訓練委員会」の様なものを作って、最小限3か月くらい前から、目的・役割・場所・遭難者の決定とストーリー・救難装備の準備などにかけると良かったのではないか。そうすると、無線機の不足や遭難者役の装備不足を避けられたのではないか。上の場合も、いくつかの想定場所を用意して、そのうちの一つを会長(同委員長)が前日に選択すればいいのではないか。

今回は無線機が不足した。20名あまりの救助隊で無線機2機では、機敏にまた効率よくは動けない。最低5人に1機は必要。すると、今回は4機のところを2機で動いたことになる。やはり、救助作業には、無線機と携帯電話機と2種を活用するべきだろう。

できれば、今山に入っている現役メンバー全員がアマチュア無線4級の資格は取った方がいいのではないか。無線機は会で持つなどいろいろ方法はある。本会にも2級・3級の免許を持つメンバーはいるので、試験の講習などしてもらえるのではないか?

最後に、私たちもいくら訓練とはいえ、2時間以上も寒風吹きすさぶ岩尾根の上にいるとだんだん本当の遭難者のような気分になっていた。そこへ現れた丸山隊やその登山道まで来てくれた四方隊や松井隊や富岡隊もいっしょになって、金糞峠までの搬送には涙が出そうになった。ホンチャンならもっと感極まっただろうと思う。みなさん、お疲れ様でした。みなさん、たまにはすすんで訓練での「遭難者」になってください。いい体験ができます。