京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3101 沢入門・白滝谷遡行

2011年4月24日(日)

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白滝登攀中の高橋

 

【参加者】小松久剛L AT SL 上坂淳一 長野浩三 寒川陽子 秋房伸一 高橋秀治 須河麻衣 計8名(会員)


【天候】 曇り時々晴れ・下山時雷雨

【記録】(担当:小松)
7:30出町柳駅前発→8:20坊村→9:30牛コバから入渓→12:00白髭淵着・登攀開始→13:00登攀完了→13:20夫婦滝着→14:30牛コバ着・下山

 2011年の沢初めに毎年恒例の白滝谷を遡行することとなった。
去年の暮れから今年にかけて、沢希望の入会者が多数いたため、沢の新しい仲間が増えるという期待半面、新米リーダーが安全を確保できるのかという不安半分と言う心境であった。ところが今年は春先の天候不順の影響で気温も上がらず、従って新人の皆さんのモチベーションも上がらず、ベテランに囲まれての沢初めとなり、新米リーダーにとっては非常に心強いものとなった。

 牛コバで簡単に装備チェックをした後、速やかに入渓。近日降り続いた雨の影響で水量はかなり増えており、小滝の乗り越しも苦労する。
 それでも沢初心者の高橋・須河両氏は特に不安がることも無くスイスイと遡行されていた。
 クルミ谷出合い周辺から残雪が現れ始め、ただでさえ冷たい水がいっそう冷たく感じられる。

 今回は小松・T・上坂・高橋・須河の5名がウェットスーツ、長野・秋房が薄手の沢装備、寒川がランニング装備と、まあ、いつも通りの装備であったが、非ウェット組は特に寒そうにしておられた。
夏場のウェットスーツは巻きの途中で暑さのあまり脱水症状になるなどデメリットもあるが春先の沢登りにはかなり有効と思われる。

 白滝谷の核心部である白髭淵では、撮影班のTがフリーソロで登攀後、秋房がリード練習をしたが、上部のスラブ箇所で若干苦労されていた。

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 白髭淵にて
 
今回長野が新規導入していた無線機により通信を図ったが、滝の轟音にかき消され気味であった。やはり無線機があってもバックアップとしてのホイッスルは絶対必要である。
白髭淵を抜けた後は特に困難な箇所も無く、夫婦滝前で記念撮影をした後、登山道の小屋で休み、下山開始。
 途中雷雨にあい、冷たい思いをしたものの、無事全員下山した。
  
【感想】51期 T
 久しぶりの沢登りということで、足元がおぼつかないスタートとなりましたが、最後のほうはうまく歩けるようになりました。やはり足慣らしというのは大事です。(と言いつつ翌週は雪山ですが)
 寒いかと思っていましたが、やはりウエットスーツの力は絶大でほとんど寒いということはありませんでした。
 また、寒さに沢登り未経験の方々が参加を見送るなかあえて参加された高橋さん須河さんのお二人の根性は、今年の新沢部・部員としてとても頼もしいかぎりです!

【感想】46期 長野浩三
残雪が残る白滝谷の水はとても冷たく,靴下の上のタイツ部分は冷たさで感覚がなくなりました。来年からこの時期の沢登りには薄いウェットスーツの導入を検討したいと思います。
今年も「沢部」がいろいろな沢に行くようなので,できるだけついて行きたいと思います。思ったより疲れたので体力も鍛えておきたいと思います。

【感想】 52期 秋房伸一
 白滝谷に稽古を付けていただいたというのが感想です。シーズン初めで水量も多く、ともすれば白滝谷を気楽な存在のように思いがちでしたが、なかなか手応えがありました。牛コバからすぐに入渓したのも水に慣れる練習となってよかったです。
 所々残雪があり、水温は低かったはずですが、織り込み済みで服装もそれなりに覚悟してきたので、その点は大丈夫でした。
 白滝谷でリードをする、というのが目下の目標で、白滝でリードさせてもらいましたが、オールフリーで先行して登ったTさんに助けてもらいました。次回は、ハーケンを打ちたいと思います。
 今回はショルダーの練習とかもでき、やはり、沢は団体競技とでもいうか、ゴルフのハンデのようなもので、お助けやショルダーや様々な助けを借りたり貸したりしながら実力が違うメンバー同士が力を合わせて安全確保しながら進むところに醍醐味があると思います。勝手ながら、、ではありますが。
 この時期に沢はじめを企画し、実行された小松リーダーと同行の皆さんに感謝です。

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白滝をリードする秋房


【感想】 48期 寒川陽子
 コーディネート優先で自分が装備に負けてる・・・なんてスタイルは個人的に許せないため、速乾性を謳うランニングギアのレイヤードで雪渓残る4月の沢に挑戦。
結果→試合開始ゴング(入渓)5分で惨敗。使えるはずの足場も、足指感覚のマヒと古傷抱えた膝のクッションが効かないため避けざるを得なかった。
 更にひどい花粉症で口呼吸しかできず、倦怠感残る体調だった。
悪コンディションでの練習登山で、どれだけの力量が発揮できるのかがとりあえずわかった事は個人的な収穫である。
人間いつでも絶好調な訳ではない。通常時や絶不調時の自己能力を知っておくことは、事故防止の観点からも大事だと思う。
最後に、パーティーメンバーのメンタリティーが素晴らしかった。
この山岳会にはいろんな「専門家」がいて、互いに得意分野について教え合っている。流行やにわか活動ではなく、各自に専門スキルへのこだわりがあって、それに支えられた活動をしている事が何よりの財産だと感じた。

【感想】 52期 小松久
 待ちに待った沢シーズンの到来です。
 今年は気候不順のため、気温が低かった去年よりもっと寒かったですが、夏の本番の沢から逆算するとこの時期しかないと判断して寒い中決行することとなりました。
(この寒い中ご参加された沢初心者の皆さんのやる気には脱帽です)
 今回新規導入したツールとしてはSTREAM TRAIL社の40L防水ザックがありますが、今回頭から水をかぶるシーンもあったにもかかわらず内部への水の浸入はほとんど無く、まずまず使えそうです。
 また、初めて沢に一眼レフを持ち込みましたが、薄暗いところでも速いシャッタースピードで撮影でき、T先輩がいつでもカメラをお腹に抱えて沢登りをされている気持ちが少し分かりました。
 今回ご参加いただいた皆様ありがとうございます。
 今年もいろんな沢に行こうと思いますので、また一緒に行きましょう。

【感想】 48期 上坂淳一
 昨年同時期にやはり白滝谷に入渓して、足がしびれるほど冷たかったので、残雪の多い今年はさぞ冷たいだろうと予想して、ウエットタイツを導入しました。シーズン初めの山行で、装備もメンバー間の調整も一つひとつ確認できて有意義でした。小松CLの見事なリーディングにも感心しました。今シーズンは、まだこれからもニューカマーが来るかも知れませんので、自分たちが何をすべきか?何ができるか?を意識しながら沢シーズンを目いっぱい楽しみたいと思います。

【感想】 53期 須河麻衣
念願叶っての初沢例会という事で、とても心待ちにしていました。4月の沢という事で寒いと覚悟を決めて臨みましたがウエットスーツのお陰でなんとか寒さに耐え、沢登りの楽しさを感じる事が出来て良かったと思います。
 しかし、入渓した瞬時は痛いぐらいの脚の感覚が不思議と徐々に何も感じなくなり、ついには暖かく感じ始めこれはまずいのでは・・・と思いましたが、なんとか無事で良かったです。
 沢に向けて、クライミングジムに通い自分なりに努力していましたが実際では渓流の速さ、激しさに怖気つき足がすくんでしまう場面が多々あり、やはり実践で鍛えていかなければと感じました。
 今シーズン出来るだけ積極的に参加して向上して行きたいと思います。ご一緒していただいた皆様ありがとうございました。

【感想】 53期 高橋秀治
先週は「金毘羅アイゼントレ」・本日は「白滝谷沢登り入門」と比良山岳会に入会でき、非日常を満喫させて頂いています。
 牛コバより入渓「いよいよ沢登りの始まり」と心の中ではやる思いを抑え、浮石等に足を取られないように遡行して行き、何とか白滝までたどり着きましたが、最後の白滝でまたやってしまいました。ハーネスの付け方が違っていました。
 そんなこんなの初めての沢登りでしたが、秋房さんが途中で「沢は団体競技」と言われましたが、入会するまで何も知らず、危険な所を「こんな所、行けなくてどうする。」と言う気持ちで歩いていましたが、とんでもない勘違いをしていたと痛感した1日でした。