京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

[個人] 道後山・那岐山トレイルラン

道後山は2009年秋に行ったことがある(忘れてた)。那岐山は2008年3月に西から入山し、積雪のため広戸仙で撤退。

過去の写真と比べると季節の違いが面白く、再訪の楽しみを感じられる山行となった。

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[個人]

2011年6月25日(土)~26日(日) 

道後山那岐山トレイルラン

  

【参加者】単独 

【天候】25日:曇り所によりにわか雨 26日:雨のち曇り

【記録】

・6月25日(土)

自宅10:50=(マイカー)⇒11:25京都南IC=(名神中国道)⇒14:05東城IC=(R314・183)⇒道後山高原スキー場⇒14:30月見ヶ丘登山口駐車場

月見ヶ丘登山口駐車場14:35→14:55岩樋山→15:10道後山ー(大池・山腹ルート)→15:35月見ヶ丘登山口駐車場  

【行動時間 1:00】

月見ヶ丘登山口駐車場15:45=(R180・181・53)⇒18:10津山市内⇒18:55蛇淵の滝19:10⇒19:15蛇淵の滝第1駐車場・就寝

・6月26日(日)

4:20起床・5:00蛇淵の滝第1駐車場→5:15菩提寺ー(Aコース)→5:25八巻城址

分岐→5:35八巻城址分岐→5:55 P1010m→6:00五合目→6:00六合目・Bコース林道出合→6:35休憩40→6:45Bコース出合→6:55那岐山7:00→7:45滝山50→8:20滝神社・雄滝・雌滝30→8:50禊橋駐車場-(演習場南道)→9:10演習場ア道出合20→演習場ウ道出合-(林道七本木・大別当山線)→9:50那岐山麓山の駅分岐→9:55蛇淵の滝第1駐車場

【行動時間 4:25】

蛇淵の滝第1駐車場10:15⇒10:35美作IC=(中国道名神)⇒12:10京都南IC⇒12:45自宅

【感想】

雨予報におとなしくする筈が、なかなか降らない雨にしびれを切らして出発。北陸の未訪の山に惹かれるが、梅雨前線にかかるおそれがあるため中国地方に決定。先週末に休日上限1000円がおわったせいか、すっからかんの高速。岡山県に入り一部区間で激しい雨に遭う。雲も明るかったり暗かったりと、まさに高低の低気圧の狭間で天候不安定。道後山スキー場の斜面を縫うように続く車道を行けば月見ヶ丘登山口。こんな天気なのに10台近く駐車あり。

必要なものをザックに押し込み早速走る。最初は林道並みの登山道が1km程度。段々勾配が増すと本格的な登山道に変化。土と岩のミックスだがよく踏まれた道。山腹コースとの分岐をわけてしばらく登ると…キタ―!笹原っ!!

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中国・四国の山といえばやっぱり笹の稜線散歩。期待を裏切らずまさに清々しい稜線。北と東は暗い雲だがまだ天気は保っている。風は強め人はまばら、走るには絶好のコンディション。

今回特筆すべきは、山よりもむしろ雲。大気の狭間に位置するここ道後山では、見る方角によって雲のコントラストが違い、周辺の山々に影を落としていた。ピーカンに晴れた日よりも、こういう晴れと雨の境目みたいな空の様子がすごく好きだ。色・形・濃度…晴れや雨の日の平凡な空がウソみたいに個性的な雲たちの顔。でも大山が見えないのはやっぱり残念である。

さて下りは大池を巡る山腹コース。大池という割にあんまり大きくないが、山腹に池の景観はやはり絵になる。最後の下り途中から突然の雨、逃げるように車へ駆け込み1時間で道後山終了。登山道・ロケーション共に良いので、これっぽっちでこの山域を離れてしまうのが非常に惜しかった。

 サックリと道後山を下ってしまったため、一般道経由で岡山県を西から東まで大移動。県北部を通り途中から高速沿いを走るルート。米子や鳥取まで僅か100kmの標識、本当に岡山県は広い。時折激しいにわか雨に遭遇し、蒸し蒸し不快指数は上がる一方。

 R53は日本原を通る広々とした景観の道路。山からの尾根の末端によるアップダウンがある。那岐山麓道の駅を過ぎ、まずはBコース入口にある蛇淵の滝へ。大きくはないが流れの豊富な滝。蛇行しつつ数段になっているところが名前の由来だろうか。19時だが明るい。でもひとたび沢筋に入ると暗く、滝がかろうじて見えるくらいだ。

明日の方が天候が悪いらしい。雨を覚悟するつもりで、どのコースから登るか決めあぐねていた。蛇淵の滝を拝めたことでBコースは却下。Cコースの見どころ大神岩…雨じゃ見えないな。そんな訳でAコース尾根道をストイックに登ることに決定!ワンウェイはつまらないので日本原を抜ける周回コースとし、第1駐車場に車を止める。土曜夜だというのに道後山と違って誰もこない。しかしくつろげたのはほんの数分。すぐに車内の暑さに悶々とする羽目に。全くもって寝苦しい。22時頃からいよいよ雨の到来、ますます寝苦しくて5回程目が覚めた。

うつらうつらと寝たか寝てないかわからんような状態のまま朝が到来。4時半を回ると急速に明るくなっていくが、それでも厚い雲は晴れずすぐそこまで雲が降りてきていた。快眠とほど遠い状態なのにやたら身体がスッキリする。モチベーション高いせいで軽い覚醒状態なのかもしれない。

朝一から、菩提寺へと続くつづら折りの車道の上りをランニング。雲に覆われた気候はまさにサウナ。高度を上げたせいか早速雨粒が落ちてきて、雨汗ミックスでだらだら流れ落ち…余計暑苦しいぃぃ!大別当山の登山口を確認、大きな支尾根をまたぎ緩やかに下る次のカーブの先に菩提寺への分岐があった。手前にAコース登山口があり、こ

こからは樹林帯の暗くて暑い階段だらけの道となる。

尾根だから仕方ないよね、と最初から覚悟してはいたが。行けども行けども木の階段が壁のように上方に聳え立っているのにはさすがにうんざり。整備された急登はまさに錬成にうってつけ。降り出した雨。すでに汗水だらけなので雨に打たれても気にせず、黙々と一段ずつ踏みしめる。ペースに身体が慣れてきた頃に八巻城址の分岐を二度合わせ、いよいよ支尾根に乗り上げた。勾配が緩むのは嬉しいが…ふ、やはり視界は真っ白か。しかもなかなか雨風が強く、まさに荒天の山中。台風の弱いバージョンみたいな状態である。

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…雨だから。モチベーション上がらないから、不快だからとりやめ下山するとか。そんなことしたらますます弱い自分になりそうで嫌だ。それに高速乗って時間割いて来たんだし。雨なら雨の山を楽しむ、そんな山の楽しみ方を。…と初心を掘り起こしながら登っていたら、5合目の標識。急に下り一方になり蛇渕Bコースからの林道に飛び出す。ここが6合目。林道を横切る格好で登山道は登りに転じる。

段々樹林は薄くなるが相変わらずの長い登り。雨に晒されて視界はとにかく白い。雨は冷えるが蒸しているせいで暑い。そして行動中は雨具が汗まみれになる程暑苦しい。強風のせびり泣きがひっきりなしに聞こえているが、木々に囲まれて風は来ないのも暑さの一因。雨や雨露で靴下はびしょ濡れ、おかげで一歩踏み出す度に靴が白く泡立つ。足裏へのインパクトを考慮して厚手の靴下にしたのが裏目に出たか。これでは靴は永遠に乾く訳ないし。辛抱して登ると稜線に乗り西へと進路を変える。傾斜も緩み走れる程度だが、雨やらヌタやらで走れるコンディションではない。次々に分岐を合わせ少し登ればようやく那岐山、あー意外と長かった。

ここから滝山へのルートは、一転して笹原の気持ち良い稜線散歩!…を期待して来たのに、当然ながらガスの真っただ中にいるので視界ゼロ。でも、障害物のないよく踏み固められた粘土質の道はトレイルランには格好のルート。水やら空気やら入った靴の音を立てながら、ドカドカと稜線を疾走。しかしちょっとでも登りに転じると走るのをやめて早歩きに甘んじていたが。那岐山以降、雨は止んだが風が強く、身体をもっていかれそうになることも。その強風が、南の日本原からのガスを絶え間なく吹き付けてくるのでやっぱり濡れる。だらだらとしたアップダウンを経て難なく滝山に到着。

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滝山からの下りはつづら折りの途中に奥の院滝の分岐があり、豪快な流れの沢道へと変わって滝神社に至る。小滝が連続する沢の様相からして美しいのだが、圧巻は滝神社にある雄滝・雌滝。岩盤に囲まれてひっそりと、しかし堂々と落つる様子は言葉にし難い感動がある。

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滝神社以降は流れを数回跨ぎながら下りみそぎ橋へ到着。途中で3パーティー程すれ違った。

下山はしたがここから駐車場まで戻らなくてはならない。最悪R53まで下り返せば確実だがかなり高低差があるので、日本原をショートカットしたいなぁ…。地図とコンパスを手にのろのろと走る。

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あれだけ天気悪かったのに、下界は曇りに晴れ間が覗いている。遮るものない原っぱの林道トレイルランはかなり辛い。自衛隊の演習場になっているため、道が縦横無尽に走っており、土塀状にくり抜いている所も。発破されたらかなわん、とちょっとヒヤヒヤしながらひたすら山腹道を進む。緩やかなアップダウンでレースコースに格好の道。蒸してるし暑いし今はまともに走るのはやめておこう、と下りのみ走行。やがて林道大別当線に乗り、那岐山麓道の駅の少し北の舗装路に出合ってほっと一息。きっちり1周の周回コースになってよかった。

日曜午前の高速は行きよりも更に空いており、六甲あたりから晴れてくる。そして、大雨がウソのような晴れの京都に帰り着いた。