京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3124 若狭・うつろ谷遡行

今回はうつろ谷遡行自体は極めて快適でしたし、幕営地は星も蛍もきれいな場所だったのでゆっくり語り合えて非常に良かったです。

 

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[NO3124]2011年7月9日(土)夜~7月10日(日)若狭・うつろ谷遡行

 

【参加者】小松久剛L 寒川陽子 AT 秋房伸一 須河麻衣 本田勇樹 高橋秀治 

計7名

【天候】 晴れ

 

【記録】(担当:小松)

7月9日20:30ロッジ前発→23:00林道奥の堰堤着・幕営

7月10日6:00 起床・うつろ谷出合まで移動~7:30 入渓~8:00 10m滝~11:30 遡行終了~道迷い・藪漕ぎ~13:20明王の禿~13:45赤坂山頂上~14:40 うつろ谷出合~帰京

 

 梅雨明け早々に若狭の秀渓を訪れることができた。

 今回はアプローチに3時間以上の時間がかかることから、前夜泊としたが、幕営地は天の川が空にかかり、源氏ボタル・平家ボタルがともに飛び交う美しい場所であった。星を見上げつつ様々に語らい、24時ごろ就寝。

 

 翌日は幕営地から車で入渓地まで移動。入渓地は車が5台程度駐車できるスペースがあった。

 

 入渓して堰堤を二つほど越えると右から10mの斜瀑がかかるが、水流の右側を登り出してから3手目あたりが悪く、ハーケンを打って思い切った乗り込みが必要であった。

 その後の滝はほとんどが容易に直登できるものばかりであったため、あえて水流の中を直登したりして水と戯れつつ歩を進める。

 

 沢の初めは黒っぽい岩が主であるが、後半に進むに従い、鈴鹿の沢のような白い岩に変化する。

 沢も源流に差し掛かってきたあたりで適宜尾根に乗って登山道に合流しようとしたが、これが間違いのもとで、乗った尾根上に道はなく、濃密な藪漕ぎに方向を失い、予定よりも北方向(地形図で814ピーク付近)に進んでしまった。

 

 結果、濃密な藪を1時間程度こぎ続けることになってしまい、メンバーの皆様には多大なご迷惑をかけた。

 最終的にはうつろ谷のつめあがりポイントに合流でき、事なきを得たが、現在地を判断せず藪漕ぎを続けたことについて今後の反省としたい。

 

 明王の禿からは湖北方面が素晴らしい展望となり、道もすこぶる快適な登山道となる。1時間程度で入渓地まで下山したが、小松が登攀具一式をロストするという大ミスを犯したため、本田が登り返して湖北側に下山するというトラブルも発生した。

 

 メンバーの危機に身を挺して対応いただいた本田に感謝するとともに、リーダーのうっかりが場合によっては命の危険を生じさせることもあることを真摯に反省したい。

 下山後は朽木の天空の湯で汗を流し、帰京した。

 

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【感想】52期 小松久

 今回はうつろ谷遡行自体は極めて快適でしたし、幕営地は星も蛍もきれいな場所だったのでゆっくり語り合えて非常に良かったです。

 ただ、リーダーのミスでつめ上がりに失敗して濃い藪漕ぎをしてしまったり、装備一式をロストして本田さんに暑い中を登り返していただいたりと反省点が多数見つかりました。

 1級の沢ですが油断すると、しんどい目に合うことがよく分かりました。引き続き、安全に、緊張感を持って沢に出向きたいと思います。

 うつろ谷、楽しかったのでまた行きましょう。今度は藪漕ぎなしで明王の禿を目指しましょう。

 

【感想】51期 AT

大きな滝こそなかったものの、沢中の滝はどれも変化に富んでいて個性的な形をしていて(結構急で細い沢の形がそうさせるのか)とても楽しい。

特に後半は爽やかな印象で最後のナメ滝まで飽きさせませんでした。

また、つめあがると景色も素晴らしい。

はじめての人もこられそうだし、これは良い沢です。

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【感想】53期 高橋秀治

前夜泊からのうつろ谷遡行例会「満点の星空を楽しみながらの就寝」(あえてテント無しのマットにシェラフカバーでの就寝)を満喫させて頂きました。

さらに、「うつろ谷」と言う名前からは想像もできない素晴らしい沢で初心者の私にはもってこいの沢例会でした。

水量も高度を上げて行っているにもかかわらず最後までシャワクライム等も楽しめ、最後に詰め上れば、明王の禿から琵琶湖が眼下に望めと夏に突入した時期にはもってこいの素晴らしい沢行でした。

 

【感想】48期 寒川陽子

詰めの爽快さを予想して参加をしたが、下山道に至るまで楽しめるコースだった。暑さのお陰で水流に当たっても寒すぎず、ナメや階段状の滝をさくさく直登。詰めでは、稜線上に登山道がなかったためコースミスを疑い右往左往したが、そもそも地図には稜線東側の山腹に登山道が描かれているのでブッシュになって当然。予め25000図から情報を得ておけばよかった。しかし時間にゆとりがあったので楽しい道迷いや藪こぎとなり、リーダーを始め皆様に感謝している。

河原にシュラフカバー1枚で星空の夜を明かした、贅沢な前泊付きだった。

 

【感想】52期 秋房伸一

梅雨も明けて、「楽しい沢」というか、「沢は楽しい」という思いを強くしました。

傾斜をみるとノーロープで行けそうに思える滝でも、ヌメヌメしていたりすると 一瞬のスリップが重大な結果になりかねませんので、高度のあるところでは、

やはりロープ確保は必要だと、再認識しました。慣れてくるに従い、「まあ大丈

夫だろう」とか思ってくる自分にびっくりしましたが、小松リーダーは冷静沈着

にロープを出し、経験の蓄積が良い判断になっていると思いました。「無事故が

一番速い」、ということを忘れず、精進していきたいと思います。

 

【感想】53期 本田勇樹

沢での前夜泊は初めての経験でした。夜空が綺麗で水の流れる音、ホタルもちらちら飛んでいて、気温も適度でいい感じでした。

沢は難しいと感じるところもなく気持ちよく遡行できました。

終了点からの藪こぎもあっちやこっちと楽しくて、明王の禿から迷っていた地点が同定出来たときは近くて遠いとかこのことかと思いました。皆様ありがとうございました。