京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

 北アルプス裏銀座縦走

明るくなってから下山しようと思い、今日は少し遅めの4時起床。朝食等を済ませ外に出てみると、朝焼けが始まっていた。

4日目槍ヶ岳山荘テン場より2

写真:4日目槍ヶ岳山荘テン場より

[個人山行] 北アルプス裏銀座縦走 2012.09.12〜16 記録

【参加者】22期 加藤一子(単独)

【コース】

9/12 京都駅22:30

9/13 松本駅6:28−信濃大町駅7:39—高瀬ダム8:30—2208,5三角点11:30—烏帽子小屋12:47〜13:30—烏帽子岳14:18〜14:25—烏帽子小屋14:58(テント泊)

9/14 烏帽子小屋テン場4:34—野口五郎小屋7:30—野口五郎岳7:50〜8:10—真砂岳分岐8:42—東沢乗越10:04—水晶小屋10:50〜11:03—水晶岳11:41〜11:55—水晶小屋12:30〜12:38—ワリモ北分岐13:10—ワリモ岳13:36—鷲羽岳14:09〜14:13—三俣山荘15:08(テント泊)

9/15 三俣山荘テン場4:40—三俣峠5:22—三俣蓮華岳5:47〜5:53—中道ルート分岐6-40—双六岳7:07〜7:25—中道ルート分岐8:00—双六小屋8:15〜8:30—樅沢岳9:04—千丈乗越11:47〜11:55—槍ヶ岳山荘13:05〜14:00—槍ヶ岳14:30—槍ヶ岳山荘15:00(テント泊)

9/16 槍ヶ岳山荘テン場5:42—飛騨乗越5:51—千丈乗越への分岐6:45—槍平小屋7:56—滝谷出会9:05—白出沢出会10:00〜10:08—新穂高温泉11:14〜12:55—高山駅14:28〜15:36—京都駅19:21

【記録】

9/13 晴れのち曇り 

 単独という事と、久々という事でかなり緊張していた。大町からのタクシーの運転手さんとの会話の中で、高瀬ダムに堆積する土砂をシーズンオフはダンプ三十数台で運び出しているとの事、そうしないと発電が出来なくなってしまうと教えて貰った。話の通り、七倉から高瀬ダムの間で何台ものダンプと行き違った。登山届けは運転手さんが出しておいてくれるとの事なので、渡してお願いした。

高瀬ダムでタクシーを降りると、さあこれからだと自分に言い聞かせザックを担いだ。ぶっつけ本番のボッカでなかなか担ぎきれなくて、ブナ立ての急登は汗をかき放題の最初の試練だった。もともと人の少ない山域であるのと、しかも平日という事で、夜行バスで一緒だった中高年のパーティーと女性二人組ぐらいしか会わなかった。テン場は一番乗りで、一番いい場所にテントを張った。その後、舟窪方面からの縦走組が三パーティー到着したのだが、その時はご年配者は皆小屋泊まりで、テントは一張りだけかと思ってしまった。翌日の為に休息した方が良いかとも思ったが、時間もあるので、烏帽子に登りに行った。頂上ではたまたま男性が一人いたので、写真を撮りっこした。セルフタイマーで岩を駈け登ったら、後ろ姿しか撮れなかったとの事。夕方まで、小屋の前で小屋泊まりのご老人達とお話して過ごした。暗くなると、リッチな個室?でシュラフに入ってごろん。今回は銀ペフだけでエアーマットは省略したので、背中が少し痛いけど。

9/14 晴れのち曇りのち雨

 3時起きで、昨夜のα米の残りに天野のフリーズドライ味噌汁でぶっかけご飯に。短時間で喉越しよろし。結局、毎日α米が1パックずつ残る事になる。食後の暖かいミルクティーがとても美味しい。暗いけれど日焼け止めもちゃんと塗って出発。先行のパーティーの明かりを見ながら、暗い中を歩く。ザックが重たい。

そのうち日が昇り初め、朝焼けがとても綺麗だった。先行パーティーは何か一生懸命収穫している模様。聞くとブルーベリーを取って帰ってジャムにするとか。なので結局追い抜いてしまった。真砂から東沢乗越までの岩場の所が、ザックが重くてバランスが悪く、かなり怖かった。前方に小さく見えている水晶小屋をひたすら目指して、最後は見上げながらの急坂を一歩ずつ登った。小屋の前にザックを置いて、サブザックで水晶岳へ向かった。軽くてルンルン。水晶岳からの展望は素晴らしい。あちらこちらで雲が湧いているのは残念だけれど。北アルプスすべての山を独り占めしている様。ゆっくりしたいけれどお天気がもちそうなので、程々に小屋に帰り、ザックを担ぎ鷲羽へ向かう。疲れた足で、ワリモ分岐より鷲羽までの間にまた緊張する所があった。登りも疲れた足で、ダメ押しという感じ。

やっとの事で鷲羽岳山頂に着くと、三俣山荘から来たおじさんが一人いたので、言葉を交わしてシャッターを押して貰った。下りは結構長かったけれど、目指す小屋が見えていたので少し元気を取り戻して、今夜の宿を目指した。小屋はとても綺麗だったけれど、テン場は少々狭く、昨日よりもテントの数が大夫多かったので、あっという間に満杯になってしまった。水はホースからずっと出ていて、使い放題だった。テントを張ってごそごそしていると、今朝ブルーベリーを採っていたパーティーの人が自慢のブランディー梅酒を振る舞ってくれた。少し油を売ってテントに戻ると雨が降ってきた。夜中も降っていたので、翌日が雨だったら双六小屋までにしようと思いながら寝た。

2日目遠くに見える槍ヶ岳を目指す

2日目遠くに見える槍ヶ岳を目指す

9/15 晴れのち曇のち雨

 3時に起きてベンチレーターから外を見ると星が出ていた。ラッキー!昨日同様にヘッドライトをつけて歩き始めたが、足下は石ごろごろでどこが道か暗くてよくわからない。後方から来た男性に先を譲ってしばらくついて行った。男性は蓮華には登らず、巻き道の方へ行ってしまった。体が冷えていたせいか足が思う様に上がらず、ハアハア声に出しながら蓮華に登った。ガスが出ていて、展望なし。単なるピーク取り。双六岳も雲が出ていて展望が良いとは言えなかった。特に槍方面は雲の中だった。風があって寒かったけれど、携帯が通じる様なので、居場所を連絡した。歩いているうちに体が温まってきて、少しずつ元気が出てきた。

双六小屋で休憩をして、気合いを入れて西鎌尾根から槍を目指す。すぐに息があがるので、ゆっくりと息があがらない程度にモソモソと歩く。この方が結果的には早い様である。左に赤茶けた硫黄尾根を見ながら登ったり下ったりの単調な道を進んでいく。左俣岳辺りは細尾根で、注意が必要。千丈沢乗越の手前もしばらく鎖等、緊張するところがかなりあった。乗越の所でパスタを茹でている四人組の山ガールがいた。ガスって来ているのに大丈夫かなぁ。ちょっと心配。乗越からはひたすら登り。今日の最後の登りと足に言い聞かせ、モソモソを決め込んだ。大分たってから、下の方から山ガール達の声が聞こえてきた。ガスっていて姿は見えなかったけれど、若いって元気でいいね。そのうち、ヒョイと小屋の横手に出てきた。

ザックを置いて、すぐにテン場の申し込みの列に並んだ。残り二張りだった様で、ラッキー!選ばれた人になった様で嬉しかった。そうこうしているうちに雨が降ってきたので、槍に登るのは止めて17番の札を持ってテン場へ行った。テントを張り、中にいると雨が止んだので、槍に登ることにする。怖い怖いと言いながら、おじちゃんおばちゃんに混ざり行列を作って登る。実は本当に怖い。特に最後の垂直のハシゴ。2,3人張り付いて登っているのを見るととても怖い。普通の敬老会のようなお爺さんお婆さんがなんでこんなにいるの?烏帽子小屋でお話ししたお爺さんはちゃんと山屋さんだった。一瞬しか頂上に居なかったのに雨が再び降ってきて、下れないおじさんで停滞して濡れて下りて来た。槍はもうこれが最後でいいかなと思う。急に都会に出て来た様で、少し疲れる。テン場は風が強いけれど、なかなか良かった。夕方雨が止むと、何人もがカメラを手に山を見ていた。バタバタとテントが風に吹かれる音を聞きながら、シュラフにくるまる。今日は3000Mなので、少し寒い。

3日目まだまだ遠い槍ヶ岳

3日目まだまだ遠い槍ヶ岳

3日目ついに槍ヶ岳の頂上へ

3日目ついに槍ヶ岳の頂上へ

9/16 晴れ

 明るくなってから下山しようと思い、今日は少し遅めの4時起床。朝食等を済ませ外に出てみると、朝焼けが始まっていた。また、カメラを手にたくさんの人が外に出ていた。槍にはライトの列が出来ていた。テントを撤収して、テン場のナンバープレートを返しに小屋へ行く頃、ちょうど日が昇ってきた。三日間の内で一番綺麗だった。

3000Mに別れを告げて、下山にかかる。一歩ずつのろのろと稼いだ高度を一気に下る。千丈沢乗越への分岐迄は急でザラザラの道。それからもひたすらくだり、足にマメが出来ているぽかったけれど、我慢してとにかく歩く。傾斜が緩くなってしばらく行くと、槍平のテン場が見えて来て、続いて小屋に着いた。予定ではこのテン場に止まる筈だったが、槍の肩のテン場の方が素敵だったなぁと思いながら通過した。小屋から一つ目の河原で、水分と行動食の補給をして、また歩く。

滝谷出合も一気に通り過ぎ、ひたすら歩いていると林道が見えてきた。ここで最後の休憩を取り、長い林道を早足で歩いてゲートを通過、新穂高ロープウエーの駅に着いた。中崎山荘でお風呂に入り、高山駅行きのバスに乗った。バスは満員で積み残しが出る程だった。中崎山荘のお風呂では、ブナ立尾根で出会った女性二人組とバッタリ再会して感激した。彼女らは、二泊目は水晶小屋へ、三泊目は双六小屋で、今日は鏡平を経て下山して来たところだった。高山から京都迄はラッキーにも乗り換えなしのひだ36号でゆったりと帰ることが出来た。

4日目槍ヶ岳山荘テン場より1

4日目槍ヶ岳山荘テン場より