京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

〈個人山行〉 関西百名山シリーズNo.72  護摩壇山と和歌山県最高峰

護摩壇山は高野山の奥の山深い所、高野龍神スカイラインがなければ登り応えのある山なのだろうが今は簡単過ぎる。和歌山県最高峰の龍神岳から小高山を巡る山行を行った。

20120922護摩壇山3

写真: 耳取山1,344m(小高山への林道より)

 

 

[個人山行] 関西百名山シリーズNo.72  護摩壇山と和歌山県最高峰     平成24年9月22日(土)

48期 山本浩史

護摩壇山は高野山の奥の山深い所、高野龍神スカイラインがなければ登り応えのある山なのだろうが今は簡単過ぎる。和歌山県最高峰の龍神岳から小高山を巡る山行を行った。

 

【メンバー】 山本浩史L、畑中里子、西田和美、井上純子、奥野淳子、米山佳秀、中村恵子、鹿嶽眞理子、秦谷耕平、南部桂、塩田伸次、竹山昌孝、船木佐織 計13名

【行  程】 京都5:55=6:23東大阪PA 6:47=7:24河内長野7:27=9:45林間広場10:35=10:43ごまさんタワー10:54~11:06護摩壇山~11:28龍神岳11:42~12:32小高山12:58~13:41耳取山~14:02千ノ時三角点~14:55ごまさんタワー15:08=16:13やどり温泉いやしの湯17:20=19:53京都

【山データ】  天候 晴れのち曇り 歩行 9.7㎞ 4時間01分 延登高 469m 延下降 469m 4座登頂

 

20120922護摩壇山地図2

 

 

護摩壇山は遠い。京都駅で米山車・山本車、長岡京駅で秦谷車、宇治駅で塩田車と3箇所で夫々集合し第二京阪あるいは名神を走り近畿道東大阪PAで4車が合流した。河内長野駅に立ち寄り奥野さんと竹山さんをピックアップして全員揃った。河内長野は既に紀泉山脈の麓、国道371号線は紀見峠への登りとなり和歌山県に入る。これからが長い。橋本市内を抜け国道370号線で再び山道となり高野山エリアに達する。先頭を走る山本車と塩田車がカーナビの指示に惑わされて371号線の旧道に入りこんだ間に米山車、秦谷車は先に行ってしまった。追いかけてごまさんタワーに到るが彼らの車はない! 当初出発地にしていた林間公園にも来ていない。携帯も圏外で連絡は取れず、一時は如何なることかと心配したが50分後林間広場で合流することできた。予定時間を随分過ぎてしまい予定コースは断念し、林間公園からの自然観察路は端折ってごまさんタワーからの周回に変更した。ごまさんタワーは高野龍神スカイラインの標高1,280m地点にある展望台で紀伊山地を一望することが出来るが有料施設は山屋には関係ない。駐車場にはツーリングバイクが車よりも多く一寸威圧感を感じる。

 

登山口はタワーの裏手にあり丸太階段がしっかりしていて整備が行き届いている。秦谷さんをトップに指名し「自分は足が遅いと思う人は?」と2番手の自薦を求めると沢山手を上げたのには閉口した。特別保護の必要な人はなさそうで全て却下して順序は自主性に任せた。歩き始めて10分余り、早くも護摩壇山(1,372m)の山頂に到着した。山頂には東屋や方向指示版があり舞台装置は揃っているが木が成長して展望は西側に少しあるだけ。空気が澄んでいると四国山地を見ることが出来るが今日は無理。そう云えば平成18年の秋に剣山の東、一ノ森ヒュッテからご来光を見た時紀伊山地がくっきり見えたものだった。奈良県十津川村和歌山県田辺市(旧龍神村)の県境尾根に沿って東に進む。電波塔が見えて来ると次のピーク龍神岳(1,382m)だ。

 

龍神岳は和歌山県の最高峰で長らく無名だったが平成21年3月に命名された。それまで耳取山、小高山とともに私設山頂標識の誤植があったり少々混乱していた。が命名と共に整理された。ピークには「和歌山県最高峰」の石碑、少し下がってお墓のような石の山頂標識が立てられている。南側の展望が良く県境尾根の先にこれから向かう小高山や紀州山地の奥、関西百名山シリーズで行った大塔山、法師山、半作嶺等も見えているのだろうが同じような山並みで判然としない。遠くの山は捨てて直線距離8㎞先の鉾尖岳(ほこざいだけ・1,319m)の山座同定をする。そう今日のミッション1だ。鉾尖岳は南東方向の県境尾根上にあり、山並みの中に飛び出たピークを同定した。

 

東尾根を下ると耳取山との鞍部で護摩壇山、龍神岳の北側を巻いて来た林道が交わる。林道は耳取山の南北二手に分かれ一般車両通行止のゲートのある南側に進入する。耳取山の南斜面を2度のヘアピンカーブで高度を下げ県境尾根に沿って南下するがP1275は西に巻く。読図初めての船木さんに講習をしようと後に呼ぶと中村さんも一緒に来た。此れから目指す小高山にコンパスを合わせ、次のミッションの「小高山への登路を見つける」に備える。立ち止まって合わせているうちに先頭集団と離れてしまった。ピッチを速めて追いかけると林道の分岐点に到った。稜線を挟んで東側を本道、西側が枝道のようだ。さてどっちに行ったのだろう?実はどちらも正解ではない。此処から稜線に取り付かなければならないが登路はない。もし這い登るのなら後を待っているだろう。這い上った形跡もなく本道を捜索に走り、比良山コールを試みるが先を行く気配はなく引き返し枝道を進んだ。もう小高山の直下だ。再度比良山コールをすると直ぐそこで返事があり皆戻って来くところだった。そして目出度く再会。

 

切通しの急斜面を這い上がり稜線に到ると踏み跡と言えるかどうかの獣道、ピークに「小高山1,290m」プレートはあったが展望なし。少し遅めの昼食休憩を取る。帰路は稜線通しに歩く。殆ど来る人のない山でキノコが多い。今日は西田さんが来てくれたのでキノコの名前が直ぐ教えてもらえる。朽木に沢山ついたツリガネダケetc. 名前が分かると面白いものだ。両側に林道が近づき尾根の先端、先程の林道の分岐点に到った。次に読図が試されるのは耳取山への取付き点のファインディング。2つ目のヘアピンカーブの先端が登るべき尾根だが傾斜がきつく取り付けない。回り込んで西側に登り口を見つけた。耳取山(1,363m)は展望のない山頂で山名のプレートが掲げられていた。

 

東に下ると林道に一旦下りる。登り返して最後のミッションは「千の時三角点を見つける」としたが此れは簡単過ぎたようだ。登り詰めたピークにそのまま三角点はあった。小休止を取ると後は林道を通りごまさんタワーに帰るだけ。耳取山は林道で巻いて龍神岳との鞍部に到ると先頭は山道に入ろうとしている。危険のない通ってきた道なので希望者は山道コースをの別働隊を編成した。出来るだけ同じ道を取らない関西百名山シリーズのポリシーから本隊は林道コースを取った。結果は山道コースが3馬身差で先着し4時間の軽山行を終えた。

 

帰り掛けの立ち寄り湯は当初の槙の湯温泉を変更してやどり温泉いやしの湯にした。高野山から橋本に下るR371沿いにある。入浴料600円で回数券で1人分得した。後は流れ解散で夫々の方面に帰った。

《山紀行781》

 

【感 想】 40期 西田和美

いつまでも暑いな~、いつまで夏が続くんやろ…と思っていましたが、護摩壇山にはしっかり秋が来ておりました。ヒメベニテングタケが可愛らしい顔をのぞかせて、「秋やで。」と、小さい声で教えてくれました。こんなところでヒメベニテングタケに逢えるなんて、幸せな一日をありがとうございました。

 

【感 想】       48期 井上 純子

 車窓から眺めるススキの草原。登山道を歩けば、足元にはかわいいきのこたち。下界はまだまだ暑いけれど、秋の気配を少しばかり感じた山行でした。 とはいえ、遠かったですね。ドライバーの皆様、長時間の運転ありがとうございました。

 

【感 想】       50期  奥野 淳子

計画書を見て、地形図に予想ルートを書き込んだ。ガイドブック2冊を参考にしたが、『なんかヘン?』。現地で謎が解けた。耳取山を「小高山」、龍神岳(数年前は無名)を「耳取山」と、現在と違う名前が2冊ともに記載されていたのだ。おかしいと感じつつ放置する雑な性格を反省。お天気も良く、大勢の皆さんと楽しく過ごせた1日でした。9月22日の秋分の日は116年ぶりだそうで、護摩壇山登山は記念すべき日となりました。

 

【感 想】       54期 中村恵子

さわやかな秋の登山日和。116年ぶり22日の秋分の日、護摩壇山と名前からして由緒正しく厳かな感じの山でした。険あしい道はあまりありませんでしたが、ところどころ、浩史先生のミッションがあり、読図の指導もあって新人の私には、とても勉強になりました。またまた道なき道(本当は存在するらしい)を探すミッションでは、景色や地図からみつけだすということでしたが、本当に道があり感動しました。

 

【感 想】       54期 秦谷 耕平

久しぶりに会の山行に参加させていただきました。関西百名山の「護摩壇山」をはじめ、平成21年に名前がつけられたばかりの和歌山県の最高峰「龍神岳」、地図には名前のないピーク「耳取山」「千ノ時山」を周回。林道が稜線の真下に整備されていますが、踏み跡の幽かな登山道を歩くのは日頃の疲れをリフレッシュできた愉しい時間でした。コンパスと地図を見ながらの山岳同定、ルート選びをみなさんとしていると、自分の読図のしかたが自己流であることに恥ずかしいながら気づかされました。

帰りに寄った「やどり温泉 いやしの湯」は酷道のさなかにある真新しい癒やしのスポット。また機会があれば立ち寄りたいところです。短い時間でしたが、お誘いいただいたリーダーはじめ、ご一緒させていただいたみなさん、ありがとうございました。

 

【感 想】       55期 竹山 昌孝

55期、新人の竹山です。先月のRDB の会に続いて2回目の参加でした。歩きだして15分、汗をかく前に護摩壇山の山頂に着く。ありゃりゃ。でも、ここからが楽しかったです。皆を盛り上げながら歩くひと、黙々と歩くひと、にこやかに歩くひと、キノコの名前を教えてくれながら歩くひと、怪しげなヘルメットカメラで歩くひと、真っ赤なウソをつきながら歩くひと、皆々さん、 また、お願いしまっす!

 

20120922護摩壇山1

写真1: 護摩壇山山頂にて

 

20120922護摩壇山2

写真2: 護摩壇山1,372m(龍神岳より)