京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3236 南アルプス 鳳凰三山 縦走

装備を分担、共同で食事、時間厳守で就寝消灯。イメージしていた山岳会らしいことも今回経験できました。オベリスクに至っては個人山行なら確実に眺めるだけに終わっていましたが、無事登頂できたのは・・・

 

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[No.3236]2012年10月5日~8日 南アルプス 鳳凰三山 縦走

 

【 参加者 】L 小泉 賀奈子、上坂 淳一、AT、秋房 伸一、鶴田 信介、川嶋 美帆、長野 元   計7名

【 天候 】10月5日(金) 晴れ、6日(月)晴れのち曇り、7日(日) 曇り、8日(月)○祝晴れ

 

【 記録 】 52期 小泉 賀奈子

  1日目 10/5(金) 晴れ

20:00烏丸御池ロッジ前 集合-(マイカー)―翌00:30道の駅「にらさき」着、テントを張り、仮眠

 

  2日目 10/6(土)晴れのち曇り

6:30起床、7:30道の駅「にらさき」発―(マイカー)―7:40市営駐車場、7:50韮崎駅―(JR中央本線)―8:03甲府駅

9:00―(路線バス)―10:15夜叉神峠10:30~11:00五本松~11:18夜叉神峠~11:22夜叉神小屋11:33~12:56杖立峠~14:20苺平~14:45南御室小屋、幕営

 

  3日目 10/7(日)曇り

5:00起床、7:03南御室小屋 発~7:56ガマの岩~8:30薬師小屋8:39~8:48薬師岳8:59~10:50地蔵岳、3名オベリスク登頂 12:40~13:00鳳凰小屋、幕営

 

  4日目 10/8(月)○祝 晴れ

4:00起床、6:05鳳凰小屋~6:33五色滝6:49~7:00白糸滝7:09~7:36鳳凰滝7:55~8:10南精進ヶ滝展望台8:36~9:27青木鉱泉、入浴。ジャンボタクシーで韮崎駅へ。車で帰京。

 

 当初の予定では夜行バスで甲府駅に入る予定だったが、予約を入れた時点で残席は1であった。急遽秋房さん、上坂さんにお願いして、マイカー山行に変更させていただいた。早く出発したおかげで、道の駅「にらさき」に00:30に到着。川原の芝生の上でテントを張り、快適に眠ることができた。

 

 

2日目。川原で朝ごはんを食べながら鳳凰三山を望む。入山の起点となる甲府駅と、下山地点の韮崎駅とはJRで13分の距離にあたる。韮崎駅前の駐車場に車を停めて電車に乗り、甲府駅からバスに乗った。バス停にはだんだん人が増えていき、増発便が出るほどの盛況ぶりだった。我々と共に夜叉神峠で降りたのが1/4ほど、あとは広河原へ向かう登山客だ。

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 夜叉神峠の登りは森の中を歩いているようだった。ブナの木立にタムラソウ、コケむした岩も見られた。小鳥のさえずりも聞こえ、川嶋さんのバードコールも登場。反応のほどはいかに…?夜叉神峠から、西に位置する白峰三山の山並みが見えた。あいにくガスが出ており、山容全体が現れたわけではなかったが、南アルプス森林限界が高い分、雄大な緑色の山がそびえたっているのがわかった。苺平でイチゴ摘みを楽しみにしていた上坂さんの期待はよそに、果実のかの字もない苺峠をそそくさと超え、本日のテン場、南御室小屋に到着した。味のあるいかにも山小屋だ。広いテン場だが、すでに幾張りものテントが並んでいた。木々に囲まれた風の心配のない所だったので、ペグを使わず設営。6人テントは食事スペースと男子部屋、4人用テントは荷物置き兼女子部屋とした。山小屋のすぐそばに湧き水があり、水は汲み放題なのがいい。秋房さんに何度言っても分かってもらえなかったけど、この日の夕食はポトフとピラフ。洋風おでんと洋風炊き込みご飯です。鶴田さん、長野元さんの包丁さばきが上手になっていた。さらに腕を磨いてもらって、いつかは食担をお願いしよう。晩酌のとき、秋房さんが取り出したモンベル製の半透明の袋。ヘッドランプを中に入れてテントに吊るすと、ルームライトになるという優れもの。しかし、上坂さんの手にかかり、コンビニのレジ袋の方が手軽で照度が増すということが分かった。何とも発見の多い夜になった。

 

 

 3日目、昨晩から降り続く小雨はまだ止まず、雨にぬれたテントを担いで出発した。朝ごはんはホットドッグ。ボリュームのあるソーセージを網で焼くという、川嶋さんこだわりの一品だ。チーズ入りもレモンハーブ味も美味で、元気が出た。この日のコースも前半はなだらかな森。雨は止み、木漏れ日が差すようになった。あいにく視界は悪いが、所々で紅葉が見られ、展望がきく箇所に出たときは7人で感嘆の声をあげた。しばらく行くと巨岩がいくつも現れた。

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薬師岳に到着。Tさんが岩のてっぺんにするすると登っていく。クラックス組の気分は地蔵岳オベリスクに向けて、胸が高鳴っている様子だった。

 ハイマツ帯を抜け、白砂に変わった。観音岳に到着。岩が出てきて少し歩きにくくなるが、コースの変化に富むのも鳳凰三山の醍醐味だと思う。崖にさしかかると断崖絶壁ごっこが始まった。お茶目なメンバー達のノリは、部活みたいで楽しかった。

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いよいよ賽の河原へ。無数の地蔵はガスに覆われた景色と相まって何だか不気味に感じられた。上坂さんから栗がごろっと入ったようかんと一保堂のお茶をいただき、ほっこりタイム。懐紙まで用意していただいて、感服です。Tさんは一足先にオベリスクの偵察へ。しかし待てどもなかなか戻ってこない。しばらくしておば様たちの拍手喝采が聞こえると思ったら、なんと、登山靴で登頂していたそうだ。雨が降っていなくて本当によかった。鶴田さん、川嶋さんも岩道具一式を持ってふもとへ。Tさんのリードの後を、天真爛漫な一般の登山客がもともと付いていたロープを頼りに登頂。Tさんと抱き合って喜ぶ、の巻。その後も何人かふもとまで来たが、チャレンジャーはいなかった。いよいよ鶴田さん、川嶋さんの挑戦。大きな困難もなくするすると登られていて、さすがでした!ハーネスもクライミングシューズも活躍できて本当によかった。

 

 大仕事を終えた後で、メンバー全体の表情も明るくなった。砂すべりのような下山道をハイテンションで駆け下りながら、鳳凰小屋に到着。現在1時、青木鉱泉まで一気に下山してしまおうかと話していたが、「最終バスは5時、ここからきっちり4時間はかかる。無理だ。」と山小屋の主人に言われ、予定通りここで幕営することにした。

色づいたドンドコ沢が真下に見えるテラスで乾杯。山小屋のスタッフも温かく、アットホームな雰囲気で昼下がりを楽しんだ。

 

 今日も早めの夕食、根菜の味噌汁と照り焼き鳥丼。テントの中でみんなで作るご飯はおいしいなあと思う。食べる直前、山小屋の前で集合写真をとるという呼びかけがあった。何ともゆかいな山小屋である。今宵もたくさん話したが、一番の盛り上がりは鶴田さんのいい香りのするロールだろう。サンクスで購入されたらしい。香りがいいと疲れも癒された気分になった。

 

 

  4日目、気もちのいい晴れ空の下、ドンドコ沢をぐんぐん下る。途中、地蔵岳オベリスクがくっきり見えた。昨日はあの頂にいたのかと思うとすごいことだ。今日のような天候だったら文句なしに大パノラマが広がっていただろうに、そこは心残りだと思う。五色の滝では瀑布に圧倒され、みんな童心に返って大はしゃぎ。白糸の滝、鳳凰の滝、南精進滝といろいろな滝を鑑賞できて楽しかった。昨日、山小屋の主人が言っていた「下山に4時間はかかる。」という言葉、滝を満喫する時間を入れた計算だったことが分かり、納得。

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 青木鉱泉ではゆっくりお湯に浸かり、そばや山魚を食した。バスの時刻まで小一時間あるので韮崎タクシーに電話したところ、1割り増しの料金でジャンボタクシーを手配してくださることになった。バス代より安くついてラッキーだった。

 韮崎駅前の駐車場に車を取りに行き、運転手さんに教えてもらったぶどうの直売所で山梨ぶどうを買い、一路京都へ。渋滞に遭うこともなく、順調に帰路に着くことができた。

 

【感想】   48期 上坂 淳一

 なかなか個人では興味の湧きにくい鳳凰三山ですが、今回は例会で企画していただいたので、気楽に参加しました。

 展望に恵まれず、やや平凡な行程ではありましたが、それを補って余りある個性的なメンバーと行動を共にしたことが、とても印象深い山行となりました。これだけバラエティーに富んだメンバーが、まとまってパーティ行動をしたわけですから、山岳会とはなんとも不思議な場であると改めて感心させられました。

 小泉リーダーの指導のもと、全員が装備、食糧の段取りやボッカ、調理の分担にと積極的に協力したことで、この山域を数倍は楽しめたのではなかったかと感じました。

 帰りに朝日と虹に輝く美瀑に見送られたのはご褒美だったのでしょうか?

 企画と手配をしていただいた小泉リーダーをはじめ、皆様とご一緒できたことに深く感謝いたします。

 

【感想】   51期 AT

鳳凰三山といえば、一泊二日でお手軽に行けるルートということで、そのうち土日で行こうと思っていましたが、今回小泉さんが二泊三日で行くということなので乗せてもらうことにしました。

なだらかで綺麗な稜線は美しかったですが、肝心の二日目が雨ということで、これで天気さえよければどんなに素晴らしかったことだろうと思うと実に惜しい気持ちでした。またチャンスがあれば行ってみたいものです。今度は春山や沢登りなどで。色々と段取りして下さった小泉リーダーをはじめ、皆様にはお世話になり、ありがとうございました。

 

【感想】   52期 秋房 伸一

こういう機会でもないと鳳凰三山に行くことも、そうそうないと思って参加しました。前日入りのアプローチに時間がかかりそうで心配しましたが、夜の12時半には着き、安堵しました。オベリスクへの登攀も見られましたし、お土産に買った葡萄も美味しく、楽しい山行をありがとうございました。小泉リーダーにはテント2張り、夕食の準備など、たいへんお世話になり、感謝しています。

 

【感想】   55期 川嶋 美帆

北/南アルプス八ヶ岳へ向かう時はいつも、あの小さなでっぱりって登れるらしいよ~なんて話ながら、オベリスクを目印に鳳凰三山を認識してきました。紅葉とも重なり、タイミングは完璧。にもかかわらず期待に反して稜線は終始ガスガスでした。今更ですが、山の天気は読めないものですね。

近傍の山域の展望は皆無でしたが、それでも標高が上がるにつれて鮮やかさを増す紅葉と岩とのコントラストが最高に奇麗で、まるで金持ちの家の庭みたいな光景にも何度も出くわしました。

装備を分担、共同で食事、時間厳守で就寝消灯。イメージしていた山岳会らしいことも今回経験できました。オベリスクに至っては個人山行なら確実に眺めるだけに終わっていましたが、無事登頂できたのはリードしてくださったTさんは勿論、寒い中見守って下さったメンバーがあってのこと。小泉L&みなさま、楽しい連休をどうもどうもありがとうございました。

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 【感想】   54期 鶴田 信介

 初めての南アルプス山域縦走。鳳凰三山というものがどのようなものなのかあまり理解しないままに例会に参加しました。

実際に歩いてみるとコース自体は特別しんどいものではなかったのですが、出だし健脚揃いのメンバー達のペースについていくのがやっとで、なかなか苦労しました。脹脛に張りを感じたり、いままでの山行では経験したことのないことが続き若干焦りましたが、脚の方も徐々に慣れてゆき、最終的には大きな問題もなく山行できたことにとても安堵しております。

食事の方も小泉リーダーの献立に合わせて、食材の用意などを手伝わせていただき、良い経験ができたと思います。富士山例会の時より少しは進歩できたかもしれません。

 眺望的には、天候に恵まれずやや残念な山行となってしまいましたが最終日に晴れたことは救いでした。五色滝を間近いで見られたことがとても印象に残っております。

 今回、経験豊かなメンバー達と共にこの山域を縦走できたことは、とても大きな財産になったと思います。現段階での自分の力量を知るという意味でも良かったと思いますし、これからの課題も浮き彫りになったのではないかと実感しました。山行を計画いただいた小泉リーダー、ご一緒した皆様には感謝の心でいっぱいです。また機会があれば南アルプスを訪れたいと思います。有難うございました。

 

 【感想】   55期 長野 元

南アルプスは今回が初めてだったので、楽しみにしていました。鳳凰三山は出発地点の夜叉神峠からの登りは少ししんどかったですが、登ってしまえば後はなだらかな道で行程的にも余裕があり、楽でした。

山小屋はいかにも昔ながらの小屋という感じの建物で周りの景色とマッチしていて良かったです。

三連休ということもあって人が多く、足の踏み場がないくらいテントがびっちり張ってあり、朝もトイレに行列ができていましたが、鳳凰小屋のスタッフの人たちはとてもウェルカムな雰囲気で、気さくに話しかけて下さり、とても好印象でした。

あいにくの天気で、初日と二日目は曇りで、あまり景色は見れなかったけど、最終日に紅葉と滝がきれいに見れたのは嬉しかったです。また今度、晴れの日に行ってみたいと思いました。

あと、上坂さんがノースリーブとスポーツサンダルにタモさんみたいなグラサンといった格好だったのには驚きました。すれ違う人たちも「えっ?」とふり返るほどで、僕も「オンリーワンだなぁ」と思いました。けど、地蔵岳の山頂で頂いた栗ようかんとお茶はとても美味しかったです。

リーダーの小泉さん、メンバーの皆様どうもありがとうございました。

 

 【感想】   52期 小泉 賀奈子

10月の三連休は毎年、一年の締めくくりのテント泊縦走と決めています。今年はぜひ南アルプスに行きたいと思っていたところ、川嶋さんからオファーがあり、早い段階で計画を進めることができました。ただ、夜行バスは早めに手配しないと埋まってしまうことが分かり、メンバーの皆さんには本当にご迷惑をおかけしました。上坂さん、秋房さんのご好意に甘えさせてもらってマイカーで行けたこと、結果的にはとても楽しい行程になったと感謝しています。

正直、リーダー級のお三方が参加してくださるとあって、とても緊張しました。幾度となく訪れた決断の場面で「小泉リーダーの判断に任せます。」と言われた時には冷や汗をかいたものです。そんな中、上坂さんがファンキーな出で立ちと少年のようなあどけないハシャギぶりで山を楽しんでおられ、嬉しかったです。苺平は残念でしたね。鶴田さん、長野元さんは富士山例会に続いての参加。小泉ワールドへようこそです。川嶋さんのセンスのよさ、実用グッズの数々は勉強になりました。

地蔵岳オベリスクの登攀、おめでとうございます。思い思い楽しみができた鳳凰三山だったのではないでしょうか。縁あって皆さんとご一緒できたこと、とても嬉しく思っています。つたないリーダーを支えてもらってありがとうございました。

 

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