京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

〈個人山行〉 関西百名山シリーズNo.81  福寿草とポンポン山

 平成25年2月24日(日)

京都西山に足を踏めば「ポンポン」と音がすると言われたポンポン山、由来については諸説あるようだが今ではすっかり定着している。嘗ての加茂勢山の名称は山頂の2等三角点名に残っている。

 

20130224ポンポン山2

ポンポン山山頂にて

 

【メンバー】 山本浩史L、西田和美、井上純子、奥野淳子、鹿嶽眞理子、鈴木かおり、東野政行   計7名

【行  程】 7:54高槻8:23=(タクシー)=8:49出灰BS 9:05~9:28出灰登山口~10:17西尾根分岐~10:51福寿草保護地11:05~11:36ポンポン山12:12~13:00本山寺13:11~13:25東海歩道分岐~14:35芥川渡渉点~15:28摂津峡入口~15:52花ノ里温泉山水館17:07=(タクシー)=17:30高槻

【山データ】  天候 晴れ 歩行 16.1㎞ 6時間47分 延登高 733m 延下降 948m 1座登頂

20130224ポンポン山地図

 

初っ端から問題発生、高槻から乗る高槻市バス杉生行の時刻が8:15であることに家を出る直前ネットで確認して判明した。計画書では8:20集合、8:35のバスの予定だったがもう変更はできない。高槻駅ではバスの出発時刻までに6人来たので5人は杉生行のバスで先発してもらった。バスに乗れなかった2人はタクシーで追い掛けたので予定より20分早く着くことができたのは怪我の功名か?

 

霙のような雪が降り続いているので雨具を着て出発した。出灰川(いずりはがわ)に沿って車道を1.7㎞歩く。西の尾根の張り出しを回りこむと橋があり民家が一軒、登山道が始まる。登山口には一休禅師所縁の寺、尸陀寺(しだじ)が嘗てここにあり、石段を登ると石碑と案内板、それに現在のお堂が建っていた。登山道はしっかり雪が積もり積雪は1cm位、ポンポン山での雪は始めてだ。ポンポン山の北、西尾根分岐に達し先ずは福寿草自生地を訪ねる。トレースがあり下りになるとスリップの危険があり、持ってきた人はアイゼンを装着した。今日のミッション1は「福寿草自生地の位置を地図上で特定」とした。リョウブの丘を越えP594も越える。竈ヶ谷へと少し下った処に柵で囲われた保護地があり以前にはなかった扉まで設けられ、監視テントも傍らにある。

 

積雪は2㎝位になり一面真っ白、これでは咲いていても見つからないだろう諦めながら受付を済ませ扉を潜り、福寿草を探すと何んと健気にも雪の下で花を咲かせていた。雪を払うと陽が出ていないので花は閉じていたがたしかに福寿草だ。これで今日のテーマの一つは果たせた。

 

保護地内は左回り一方通行で稜線に戻り、ポンポン山を目指した。さっきは誰もいなかったリョウブの丘に10人弱の人達が休憩していた。ベンチもあるが雪に覆われていたのが・・・ ポンポン山(679m)山頂は以前、殆ど展望はなかったが、何者かによる巻き枯らしの問題もあったようだが山屋にとって展望があると云うのは有難い。北側の少し下がった処にビニールシートで腰部を囲われた休憩スペースまで作られ賑っていた。吹雪が続きミッション2に用意していた「水井山を山座同定」は諦めかけていたが、昼食後一時陽が射し東山が見えた。しかし比叡山から北は見えない。対象の山を音羽山に変更し、10万図で同定を行った。

 

南西に続く尾根は東海自然歩道で指導票が整備されている。樹林帯で殆ど展望はないが歩き易い道だ。15分ほど歩いた頃、左手に注連縄の張られた2本の杉の大木が現れる。裏側に回り込むと祠があり北側の木にうろがあり、その中に鳥居が祀られていた。東海自然歩道はやがて本山寺を迂回する道を分けて暫く進むと本山寺境内に達する。天台宗のお寺で折しもお勤めが行われていた。縁起はやはりと云うか役小角で、宝亀年間(770年頃)、葛城山で修業中北西に紫雲たなびくのを見て自ら毘沙門天を彫り、堂を立てたとされている。山崎の合戦の折り明智勢によって焼かれ豊富日でよりが再建したという。

 

本山寺の南で迂回路と合流し樒が吊り下げられた鳥居のような山門を潜る。南に進み東海自然歩道の林道が東へ去って行くところに立看板があり稜線ルートは新名神建設工事のため通行できないと地図が掲示されていた。予定の稜線コースが工事で分断されているようで、思案の果て看板地図に描かれている西の谷を通る里道を選択した。ミッション3で「本山寺~神峰山寺(かぶさんじ)の稜線道をルートファインディング」を予定していたが2.5万図にない道で十分ルートファインディングを楽しめそうだ。ただ通行止めマークはなかったが芥川でコースが途切れているのは一寸気がかりだが・・・

 

真新しいテープがルートを示しているので結構歩かれているようだ。踏み跡もしっかりしている。踏みこんですぐ左に明瞭な道が分岐していったが右にルートを取ったが道は何時まで経っても稜線から離れない。木の間越しに左手を見ると明瞭な尾根が見える。どうも当初の稜線ルートの一本西の尾根を歩いているようだ。やがて稜線が左に曲がり進行方向が北に大きく振れた。地形を確信し前を行く一行を呼び戻し強引に谷に下りた。谷筋に到ると微かな踏み跡があり高巻くのかと辿って行くと東の尾根にそのまま登って行きそうなので引き返し、忠実に谷に沿って下ることにした。やがて芥川に達し川岸に立つが橋はない。流量は結構あり自然の川床は膝位まで浸かりそううだ。直ぐ下の堰堤では流れが均一になりコンクリートの平面は滑らずに行けそうだ。瀬踏みをして渡ってみると靴の中に浸水することもなく渡ることができ、皆続いた。工事看板の地図で途切れていた登山道の意味はこう云うことだったのだ。

 

芥川の渡渉を無事終え、府道6号線を歩き摂津峡を目指す。すぐ南側で新名神の橋脚が見上げる程の高さで伸び上がりだしていた。原集落に出ると長閑な平原で雪も少し弱まって来た。上の口は高槻市営バス均一料金区間で今朝、沢山のハイカーを見た。摂津峡への入口でもあるが神峰山寺経由でポンポン山に登る人も多い。府道から分かれ再び芥川に近づくと漁協の建物があり一日3,000円の入漁料を取って釣りをさせているようだ。駐車代1,000円も取られるので元を取るのは大変だろう。鬼子母神慶住院を過ぎると車道が終わり谷間に入る、摂津峡だ。左岸の三好山の張り出しで狭くなった芥川が渓谷美を見せ右岸の稜線には公園やキャンプ場がある。茶店から支流に入ると白滝という滝があり其処が摂津峡のハイライトではないだろうか。

 

摂津峡の一番奥に山水館と云う温泉宿がある。今日の立ち寄り湯だ。料金は1,300円と一般相場の倍近い値段だが温泉宿ということで仕方がないだろう。露天風呂もあり温まることができた。塚脇BSまでは2㎞近くあり入浴後に歩く気にもなれずタクシーを呼び高槻駅へと向かった。塚脇BS付近には祥風苑という日帰り温泉もあり、此処まで歩く選択肢もあったかも。その近くには、3月10日から始まる大相撲春場所のため藤島部屋が置かれ力士幟が立っていた。高槻駅では力士の姿も目にした。駅で解散し残った4人で反省会、20時過ぎまで盛り上がった。   《山紀行796》

 

【感 想】 40期 西田和美

風に飛ばされた雪の粉が空中でキラキラと舞う様は、まるでダイヤモンドダストを見ているようで、とてもきれいでした。念願だったポンポン山のフクジュソウにようやく逢うことができ、嬉しい一日になりました。

 

【感 想】       48期 井上純

 真冬とはいえ、低山であるがゆえに雪に対する期待はありませんでした。ところが、ところが、登り始めから雪が舞い散り、頂上付近は2センチほどの積雪!周りの山々を見渡すと、粉糖をまぶしたかのような、美味しそうで、かつ、とても美しいワンダーワールドでした。

 メインテーマのフクジュソウは大半が雪の中だったようです。まだまだ寒いけれども雪の間から少しだけ顔を出したフクジュソウに春の訪れを感じた、ほのぼの低山ハイキングでした。

 

【感 想】 50期  奥野 淳子

「つぼみだけでも見られたら」と期待していませんでしたが、雪景色の中、ポツンポツンと黄色い福寿草の花が咲いていました。雪の下から顔を半分だけのぞかせて、寒さに負けず、凛とした姿が良かったです。

 

【感 想】 54期 鹿嶽眞理子

 雪の積もったポンポン山は、大した積雪量ではないのに、思いのほか滑りやすく、アイゼンを着用しました。でもまさかアイゼンを使うとは思っていませんでした。それに下山の時の尾根筋は、半端なく寒かったです。侮るなかれ、ポンポン山!目的のお花の福寿草は、雪に埋もれていて残念でしたが、少し掘り起こして、お顔が見られたので満足です。

本山寺からの下山は、山本さんの例会に相応しく、藪ルートとなり、変化にとんだ楽しい一日となりました。最後の摂津峡の温泉は、少々お高いですが、芯からほっこりぬくもりよかったです。参加の皆様、どうもありがとうございました。

 

【感 想】 54期 鈴木かおり

いつでも行けると思ってました。山頂が「ぽんぽん」鳴る?高槻駅前の宝くじ売場に「お客様の幸運を願ってスタッフ一同でポンポン山登山」の写真があって、これって金運?  2つの謎のある、行ったことのないポンポン山です。その前の週末、高槻市内でもかなり寒かったんです。今日も?かと。

出灰に着くと、うっすらと雪。織物工房や修行体験できるお寺を過ぎ登山口へ。小雪が舞ったり、晴れたり、曇って、また小雪。冷たい風が吹くわ、足元滑るわ。福寿草は雪の下でしたが、そおっと、雪を払って顔を見せてもらいました。頂上は吹きっさらしで、また風や小雪で。本山寺への道は、ついつい早歩きから小走りになるう!小雪に日があたりキラリキラリと舞っているう!寒いっ。思い出すと、まるでお笑い映画のフィルム早回しのようで笑ってしまいますね。本山寺で鹿獄さんにキンカンをいただき、キンカン(薬)談義、ほっ。不思議な鳥居?に、また謎が増えたよ。

この後、第二名神の工事で通行不可とのこと。でも、百名山恒例?!地図/地形を読んでのルートファインデングです。う〜ん難しい。私はこのへんで気が抜けちゃいまして。集中力きらしてはだめですね。反省。プチ渡渉?ありで、恒例のごとく、国道に戻ってきました。一路摂津峡へ、温泉へ。ほぼ貸切お風呂でくつろぎ帰宅しました。寒かったけど楽しかったなあ。

ポンポン山から教わったこと「なめたらアカン。工夫次第でいろんな遊び方があるで」かな。遊び方次第で、キラリとした日になる、そう日を受けて舞っていた小雪のように。謎は解明されないままなので、温かくなったら行ってみようと思います。参加の皆様、楽しい1日ありがとうございました!

 

【感 想】 55期 東野政行

低山のハイキングのつもりで参加しましたが、寒い雪山になってしまいました。尾根に近くなると登山道はツルツルでアイゼンを忘れ難行をしいられ冬の備えの重要性を再確認させられました。雪をかぶった福寿草を目にして、春がもう近いのだと感じさせてくれました。今回は本当に寒いハイキングでしたが、下山後の温泉で体もポカポカと変化にとんだ楽しい一日をありがとうございました。

 

20130224ポンポン山1

写真1: 福寿草(ポンポン山北保護地にて)

 

20130224ポンポン山3

写真3: 芥川(渡渉した堰堤)