京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

〈個人山行〉関西百名山シリーズNo.83  伊勢三山の一つ局ヶ岳

平成25年3月31日(日)

 

松阪市に伊勢三山と呼ばれる秀峰がある。局ヶ岳、白猪山、堀坂山の三山だがなかでも局ヶ岳は標高1,029mありその盟主として存在感を示している。“関西”百名山とは言いながら山域全てが三重県に属する。

 

20130331局ヶ岳2

 

写真2: 局ヶ岳1,029m (P942付近より)

  

【メンバー】 山本浩史L、畑中里子、秋房伸一、鈴木かおり、土井司   計5名

【行  程】 京都ST 6:00=勢和多気IC=8:13つつじの里=8:27飯高道の駅8:38~9:22局ヶ岳神社~10:56局ヶ岳11:15~12:06 P942~13:02 P821~13:35庄司峠~14:00林道出合~15:06赤桶~15:48飯高道の駅17:17=18:00勢和多気IC=京都

【山データ】  曇り一時雨 歩行距離19.5㎞ 7時間10分 延登高 1,218m 延下降 1,218m 1座登頂

 

直前にキャンセルが相次ぎ8名の予定が5名になってしまった。京都駅では堤さんのグループとニアミスし一足先に出発、高速を順調に走り勢和多気ICを降りて飯高道の駅を目指す。温泉を併設した道の駅で下山後が楽しみだ。皆を下ろしまずは下山口のつつじの里に秋房車を回送に行く。つつじの里は国道422号線のどん詰まりにあり道の駅から5.7㎞先にある。

 

旧道登山口の局ヶ岳神社までは車道歩き3㎞余り。旧街道のような昭和の残る静かな街路を歩き、国道166号線から深谷川沿いの道に入る処には大きな看板で“局ヶ岳登山口”が示されていた。廃屋の目立つ木地小屋地区からはピラミダルな局ヶ岳の姿が美しい。その山襞の最奥には局ヶ岳神社があり、辺りは局ヶ岳公園として整備されている。桜が開き始め、祭でもあるのか地元の人々が大勢整備に来ておられた。

 

神社から西に伸びる巻道の先にも登山道はあるが今日は旧道コースを歩く。深谷川を渡り東に去って行く林道を見送り少し上流へと進むと左に踏み跡があり登山道の始まりかと思ったが再び林道に飛び出した。単にショートカットしただけだったようだ。20%の降水確率だったが弱い雨が降り出した。暫く辛抱していたが雨具を着て進んだ。

 

旧道コースは谷筋を登るが2.5万図の点線道とは上部で少しずれているようだ。小峠で稜線に乗りあがり巻道登山道と合流する。局ヶ岳(1,029m)はもう直ぐだが山頂部に近づくと急登となる。3等三角点「局ヶ岳」があり展望が良い。東側には反射板があり視界を遮っている。今日のミッション1に「倶留尊山(1,038m)の山座同定」を設定したがショボ降る雨の中、皆余り真剣にやってくれなかった。山端に雲が纏わり付いているが南側から見る室生火山群の山々は新鮮で、以前関西百名山シリーズでも登った尼ヶ岳、大洞山、学能堂山から三峰山に繋がる稜線がしっかり見える。そしてミッションの倶留尊山は大洞山と学能堂山の谷間の奥に鎮座していた。

 

昼食休憩の後は北西尾根を下る。局ヶ岳の山容から想像つくように急斜面で、2.5万図に見えるコブはどれも意外なほど急なアップダウンが伴っている。いつしか雨も止んだが、風があり雨具を着たままで丁度心地よい。旧美杉村と旧飯南町を分ける尾根が北に伸びる地点はP942で、その直ぐ西にもう一段高い所があり展望が良い。局ヶ岳を振り返えると雲を後に背負っているが山頂までしっかり見えた。小さなアップダウンは続き次のミッションは「P821の位置特定」で進行方向の変化を捉えて現在地を確認するのに丁度良い課題だ。南→西→南と進路が変わり円弧を描くように西に振り出した所にP821はあった。

 

続いてミッション3「庄司峠までの所要時間を予想」をしてもらう。庄司峠は標高710mで距離は1.4㎞ある。2.5万図では小さなピークが4つ程見える。皆の予想タイムは28分から40分と出た。先頭を行く秋房さんと畑中さんはどんどん行ってしまい、姿が見えなくなった。小さなピークもやはり急で足元に注意しながら進む。庄司峠は暗い峠で南北に登山道が越える。所要時間は22分54秒で土井さんの28分が一番近かったが皆多い目の予想をしてしまった。

 

庄司川の源頭の谷間をジグザグに下ると標高450m辺りで林道に飛び出した。つつじの里に下りるものと思い込み林道を歩くとほぼ水平な道が続き尾根の南側に回り込み延々と続く。つつじの里とは違う方向に進んでいるの明らかだが徐々に下っているので道の駅に近い所くだろうと推測しそのまま進んだ。地図にない林道は困ったものだ。やがて正面に局ヶ岳が見え出し、庄司川の一本東にある東俣川の林道まで来てしまった。川沿いに下り赤桶(あこう)の集落に到った。此処はつつじの里と道の駅の真ん中位で登りのない道の駅まで歩いて行くことにした。国道166号線に出ると左手に水屋神社があり参拝する。鳥居の処にさざれ石があり、本殿は遷宮を控え新築中、傍らのクスノキの大木が圧倒的な大きさで驚かされるが神社裏手の大楠は県の天然記念物に指定される樹齢1,000年物根周りは29mもあるらしい。櫛田川が湾曲する所にはレンギョウの黄色い花が繋がり鮮やか。予期せぬ車道歩き9.3㎞が加わり歩行距離は19.5㎞となってしまった。

 

折角下山口に回送した秋房車は意味がなくなり道の駅到着後回収に向かった。道の駅の温泉は入浴料600円で露天風呂もあり割安感があった。方面別に車に乗り込み此処で解散した。山本車はカーナビのとんでもない指示であわや大台町方面に行ってしまいそうになったり、高速道路の渋滞に嵌ったり、散々だった。

《山紀行800》

 

【感想】 52期 秋房 伸一

普段、なかなか行く機会のない山域でもあり、参加してみました。山深く、静かで、予想以上にエキサイティングな縦走が楽しめました。テント装備で、続きをやりたいと思いました。同行の皆さん、ありがとうございました。

 

【感想】 54期 鈴木 かおり

明日はもう4月、そんな桜咲く日。にせもんくまもんこと畑中さんが「芸術(アート)!」と言うように、雨がポツポツの登りも局ガ岳頂上からも、自然が織りなす景色が素晴らしい。局ガ岳からの尾根歩きは、登って降りての繰り返し。龍の背中を歩いているようだし、まるでジェットコースター!「わ〜またか」と言いつつ楽しかったです。あれよ、あれよのうちに庄司峠に来てしまいました。最後の車道歩きは辛かったのですが、おかげで神社の大木とご対面できたし、道の駅の天然温泉とお買い物(野菜とか)の楽しみが倍増!もちろん温泉もお買い物も大満足です。膝の調子が少し悪かったのですが、いつものように山に行ったら治ってしまいました。また、山と皆様からパワーをもらったようです。山本さん、秋房さん、畑中さん、土井さん、お世話になりました。ありがとうございました!

 

20130331局ヶ岳1

写真1: 局ヶ岳山頂にて

 

20130331局ヶ岳3

写真3: 山座同定した倶留尊山(左奥)