京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

〈個人山行〉関西百名山シリーズNo.87  谷道を歩いて雲取山

 平成25年5月19日(日)

京都北山芹生(せりょう)集落の奥、灰屋川の支流を遡ると谷は分れ五ノ谷から始まり一ノ谷まで順に並び何れも雲取山(911m)の山系から源を発する。林道は三ノ谷出合まで車で入れる。

 

20130519雲取山3

 

写真: 雲取山山頂にて

 

 

【メンバー】  山本浩史L、加藤一子、岡田恭二、植田健司、米山佳秀、辻春見、亀島文子、増澤由美、田中靖之、土井司、河合美香 計11名

 

【行  程】 ▲葛川キャンプ場7:52=8:35貴船口9:04=9:30三ノ谷出合9:43~(一ノ谷)~10:12寺山峠分岐~10:37雲取峠~11:07雲取山11:35~(三ノ谷)~12:06三ノ谷出合12:12=13:30壬生やまとの湯

【山データ】  晴れ 歩行距離4.5㎞ 2時間23分延登高 327m 延下降 327m 1座登頂

20130519雲取山地図

 

 

京都比良山岳会の新緑祭が高島市坊村の葛川キャンプ場であった。会場を撤収後、亀島車、辻車、山本車の3台に分乗し集合地の貴船口駅を目指した。叡電で来た河合さんをピックアップし植田さんが同乗する米山車を待つ。ここで手違いが発生、駅前で待っていた3台の5分ほど後に米山車は到着したが駅の手前、鞍馬への府道との分岐で待っていた。携帯での連絡も取れず20分のロスとなってしまった。週間予報では雨の予報がずっと出ていたがまだ大丈夫だ。芹生峠(せりょうとうげ)を越え芹生集落から林道に入り三ノ谷出合に30分遅れで到着した。車で入れるのは此処まで終点は広くなっていて上手く置けば10台は置けそうだ。

 

昨年の奥駈道以来の久々参加の植田さんを先頭に歩き出した。今日は行程が短くミッションの設定に苦労した。まず「一ノ谷登山道をルートファインディング」としたが道はしっかりし殆ど問題なかった。この灰屋川の支流の川は何んと云うのか分からないが、川沿いに赤紫の花を見つけた。水平に同心円を描き可憐に咲くクリンソウだ。群落を成して素晴らしい。川は直ぐに左手に二ノ谷が分れたので此処からは確実に一ノ谷と云うことになる。傾斜は緩やかで渡渉を繰り返すが丸太橋が架かり靴を濡らすことはない。2.5万図によると花背への峠道が分岐している筈だが分からなかった。見落としたのか廃道となったのか・・・

 

意外なほど早く寺山峠分岐に達した。此処でミッション2「雲取峠までの所要時間を予想」をして貰う。標高差は約115m、距離は1㎞弱、皆の予想は19分から36分までかなり幅があった。5分程進むと広い河原に小屋がある。“雲取山荘”と看板がある。京都渓友クラブが昭和44年に建て今は山キタクラブが管理しているとのことだ。小屋を過ぎると徐々に傾斜が増し雲取峠へと突き上げる。雲取峠は明るい広場で気持ちが良い。さてミッションの結果は22分10秒、辻さんの予想が的中した。皆で拍手!

 

峠にも小屋がある。この山域には私設の小屋が点在しているが登山地図載っているのは二ノ谷の立命大学ワンゲル小屋だけでこれも一般利用はできない。加藤さんの親戚もどれかの小屋の建設に関わったそうだ。峠を過ぎるとテープに描かれた「雲取山→」の表示が2途あり高い所に登りたがる習性から左の稜線を辿った。此れが正解で東側の展望が利く。雲取山山頂からは展望がないので此処が唯一の展望地だ。皆子山や蓬莱山、権現山が望め、杉ノ峠のNTT電波塔が異様に存在感を誇っていた。此処で引き返せばよいのに雲取山への道が続くもの期待してそのまま進むがやはり南への稜線を辿って下山してしまいそうだ。雲取山は向かいに見えているが谷が深くなっては大変と適当に斜面を下って登り返そうとするが、急斜面に皆尻ごみして分岐に戻り山頂を目指した。物好きの山本だけはこの斜面を下り二ノ谷左俣を登り返し雲取山南稜線に乗り上がった。

 

雲取山(911m)山頂には山本が先着し待つこと7分で皆が到着した。先客は花背から登って来た2人の男性、ついさっきまでいた女性グループがいて、パウチされた山頂標識を取り付けて行ったという。「でんでん虫の会 2013.5.19」と書かれていたが、このパウチの表示は止めて貰いたい。恐らく2~3年もすればただのゴミになってしまうだろ。木のプレートなら許せるのだが・・・。三角点の前で記念写真を取ってもらい昼食休憩、この3等三角点「川上」は根元が随分露出していた。

 

下山は三ノ谷を下る。ミッション3に「三ノ谷下降路をルートファインディング」としたがしっかりと指導票が出ており、ルートファインディングをする所もなかった。しかし三ノ谷への下降路は恐ろしく急で一ノ谷と大違いだ。ロープが張られ掴まりながら高度を下げ一つ目の二俣辺りから傾斜が落ち着いた。この他にもクリンソウが目を楽しませてくれた。二つ目の二俣で林道に飛び出し後は林道歩きでスタート地点の三ノ谷出合に帰着した。僅か4.5㎞の山行だったが谷ルートでクリンソウを鑑賞し優雅な一日だった。

 

12時10分下山するのを待っていたように雨が降り出した。何んと云う運のよさだろう。皆の日ごろの精進の賜物か! 直接帰る米山車と分れ6人は壬生やまとの湯で汗を流した。 《山紀行805》 

 

 

【感 想】 50期 岡田 恭二

雲取山の一ノ谷では赤紫色のクリンソウが我々を迎えてくれて、こんなところのこんなにたくさん群生しているのかと驚きでした。この花を見ただけでも幸せな気分になれました。帰りは三ノ谷がこれほど荒れているとは知りませんでした。また、雨が降らなくてよかった。これもリーダー山本さんの人徳か。ありがとうございました。

 

【感 想】 51期 植田健司

久しぶりの例会参加であり、また久しぶりの登山でした。京都北山というと道が複雑で迷いやすいと思っていましたが、特に迷いやすいような道はなく、また大半が沢沿いの道を歩き傾斜も緩やかだったので気持ちの良い山登りができたような気がします。また道端に咲く花なども綺麗に咲いており目を奪われました。心配されていた雨も下山するまで何とか持ちこたえてくれました。参加されていたメンバーの方々とも楽しい会話をすることができて楽しい山登りでした。

 

【感 想】 53期 辻 春見

数日前からの天気予報、前日の天気予報とも午前中持つか持たないかのあまりうれしくない予報。参加なさったか方々の日頃の精進が良かったのか山行を終え、車に乗り込んだところでポツリ。低山ではあるが、急な下り坂もあったため、本当に雨が降らずに良かったです。花も綺麗に咲き、眺望もお天気柄、しっとりと臨めたので大変趣深い山行でした。私には山行より、登山口までの細く険しい道の運転の方が疲れました…。リーダー、ご一緒頂いたメンバーの方々、ありがとうございました。

 

【感 想】 53期 亀島 文子

 雲取山何年ぶりだろう?一緒に登った彼女が癌で亡くなり、懐かしく頂上に立つ

クリン草が咲き(多数)愛宕の竜の小屋(秘密の花園と呼ばれている)より、自然に咲いています(秘密の花園は種蒔いてふやしています)。一の谷出会いまでがハラハラどきどきの道のり。狭いガードレールの無い山道を山本軽自動車は、バンバン飛ばしていく。後を慎重に切り返しながら、付いて行く。ハンドル切り損なったら谷に落ちてしまいそうな細い山道。帰りの道もゲキ下りの山道を慎重に運転。貴船辺りはすれ違う車、人に気お付けながらの徐行運転。山より疲れた雲取山でした。

 

【感 想】 55期 増澤 由美

前日にボッカ例会に参加していたため、疲れもありましたが、荷物が軽いとこんなにも歩きやすさが違うんだなと思いました。新緑とクリン草がとてもきれいで、心配していた雨も降らず、楽しい山行でした。みなさん、ありがとうございました。

 

【感 想】 55期 田中靖之

雲取山の山歩きは、新緑の緑や多くの花がすごくきれいでした。また私の好きな沢筋歩きも堪能でき、とても癒やされました。山頂からの下りは予想外の急坂もあり、変化に富んだコースを楽しめました。今回、読図はコンパスで行くべき方向は少しわかってきましたが、 着く途中で今どこにいるのかがまだ把握できていなかったので、これからもっと地形図を見ながら実際歩いてみて読図を勉強して行きたいと思います。ご一緒させていただいた皆様ありがとうございました。今後ともよろしくお願い致します。

 

【感 想】 56期 土井 司

雲取山の名前は聞いたことがあったのでもう少し手ごわい山かと思っていましたが、するっと頂上へついていました。むしろ三ノ谷への下り道のほうが急で大変でした。それにしても天気に恵まれたというか、我々が降りるのを待っていたかのように駐車場についてからの雨で、人生のラッキーを一つ減らしてしまった感があります。しかし皆さんと楽しく山行できありがとうございました。

追記:オレンジおいしゅうございました。

20130519雲取山1

写真1: クリンソウ群落(一ノ谷にて)

 

20130519雲取山2

写真2: 皆子山、蓬莱山1,174m (雲取山北東のピークより)