京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

〈個人山行〉国東半島田原山と山くれないの九重・大船山《山紀行842》

平成26年6月5日(木)~8日(日)

国東半島付け根にある田原山(542m)は低山ながら岩稜の続く険しい山、小雨のそぼ降る中、中山香駅からの長い車道歩きで巡って来た。2日目は九重連山を一望できる崩平山(くえのひらやま1,288m)に登った。ミヤマキリシマ満開の九重を目指し、吉部登山口から坊ガツルに入った。途中坊ヶツル賛歌に歌われた暮雨滝(くらぞめのたき)を見て、翌日は念願のミヤマキリシマ咲き誇る立中山(1464m)から大船山(だいせんざん1,786m)、黒岳(1,587m)そして白水鉱泉へと縦走した。

 

20140605大船山7

 

国東半島付け根にある田原山(542m)は低山ながら岩稜の続く険しい山、小雨のそぼ降る中、中山香駅からの長い車道歩きで巡って来た。2日目は九重連山を一望できる崩平山(くえのひらやま1,288m)に登った。ミヤマキリシマ満開の九重を目指し、吉部登山口から坊ガツルに入った。途中坊ヶツル賛歌に歌われた暮雨滝(くらぞめのたき)を見て、翌日は念願のミヤマキリシマ咲き誇る立中山(1464m)から大船山(だいせんざん1,786m)、黒岳(1,587m)そして白水鉱泉へと縦走した。

 

20140605大船山地図1日目

1日目

 

20140605大船山地図2日目①

 

20140605大船山地図2日目②

2日目

 

20140605大船山地図3日目

3日目

 

 

1日目(6/5): 田原山

【メンバー】 山本浩史、吉川彩   計2名

【行  程】 新大阪6:00-8:12小倉8:34-9:36杵築-9:58中山香10:06~11:17鋸山トンネル登山口11:20~12:04大観峰12:28~12:38八方岳~12:51股覗岩~12:54小松岩~13:15無名岩~13:46熊野磨崖仏~14:15胎蔵寺~15:16甲尾山~15:38中山香15:49-16:47△大分

【登山データ】 小雨 歩行13.5㎞ 4時間50分 延登高684m 延下降684m 6座登頂

 

JR日豊線の特急“にちりんシーガイア”を杵築で下車し中山香までひと駅引き返した。小雨の降る中、雨具を着て歩き出した。長い車道歩きで道路標識を頼りに右に曲がったが予定して道でないことに気付いたのは妙善坊の集落を過ぎた頃だった。熊野磨崖仏を見てから稜線に上がる予定だったが全く逆コースの鋸山トンネル登山口から登ることになってしまった。登山口には「鋸山登山案内図」があるが田原山の文字は何処にもない。2.5万図には「田原山(鋸山)」と記されているが総体山名として「鋸山」とされ、その主峰は八方岳であるらしい。

登山道に入ると下に見える車道は直ぐに鋸山トンネルへと消えて行き、田原山に源を発する川に沿って登って行く。指導票がしっかりしていて迷うことは無い。谷間だと云うのに伐採され展望が利く。左手の壁は屏風岩や衝立岩と云われる岩壁が続き荒々しい。右側の稜線も似たようなものだ。その岩壁の稜線への分岐が2箇所あり小周回の登山も楽しめそうだ。登山道の傾斜が強くなり岩場が現れ出すといよいよ核心部、大観峰と八方岳の分岐に達し右に折れると直ぐにほぼ垂直の岩に長い鎖が掛っている。小石が凝固したような岩は比較的しっかりしていて崩れるようなことは無い。大観峰は円錐形の屹立した山で登り応えがある。山頂に立つことができた。ガスが垂れこめ向側の八方岳とその稜線が辛うじて見える程度で残念だった。

 

少し休憩した後は、先程の長い鎖で分岐に下り八方岳へと向かう。馬ノ背いや馬ノ首のように立った岩稜は鎖が掛り雨でスリップしないようにことさら慎重に登る。田原山主峰の八方岳(542m)山頂には岩に山頂標識が付けられ天気が良ければ鶴見岳由布岳が望めるのだが・・・ 岩稜はずっと続き股覗岩、小松岩、無名岩と続くがガスの中で残念ながら「険しい」と云う印象だけだった。

周回路を分岐して西尾根を下ると、熊野神社に到る。参拝して長い階段を下りだすとすぐ右手に高さ6.8mの崖を削って掘られた大日如来像、その左には高さ8mの不動明王像が並んでいる。此れが熊野磨崖仏で何故か来たことがあるような気がしてならなかったが、20年ほど前に同期生旅行で仲間の運転する小型バスで訪れていたようだ。

長い石段に戻る。石段にしては整っていない。「鬼の築いた石段」と云わる。伝説によると人間を食べたくて仕方がない鬼が、紀州熊野から此処豊後田染の地に移って来られた権現様にお願いした。権現様は「日が暮れてから翌朝鶏が鳴くまでに100段の石段を作れ、そうしたらお前の願いを許してやる。もしできなかったときはお前を食い殺す」と云われた。鬼は人間を食べたい一心で石段を築き最後の1段を運んでいる時、権現様はこれはいかんと、鶏の声を真似られた。鬼は石を担いだまま逃げだし、1里半先で放り出した。石は立ったまま倒れなかったので其処を立石と云うようになったと伝わる。(杵築市山香町立石)

石段を下りきると胎蔵寺の境内に入り裏口から参拝後の“入口”で拝観料200円を払った。当初来るときに歩く筈だった道を進むが二重線の道が途中で途切れており、止むなく往路の道に合流した。山香温泉風の郷の前を過ぎ甲尾山公園の分岐を曲がり甲尾山(こうのやま221m)に立寄る。山頂まで車道が続き最後に草生した階段を登るが上の道は失われ思わぬところで藪漕ぎをする羽目になった。藪を脱け出すとベンチがあり少々展望も開ける。風車があり一応公園になっているようだが、整備状態は良くない。3等三角点「鴻ノ山」がある筈だったが探すのを忘れた。先程の階段の続きが下に繋がり延々と下る。麓まで階段が続きその入り口には、杵築市による「甲尾山公園登山階段785段」の標識が立っていた。電車の時間が気になり急いで駅に戻る。

雨と汗とで不快なまま大分に向かい直ぐにホテルチェックイン、天然温泉の大浴場に入り明日に備えて洗濯、夜は別のホテルに泊った橋本さんと合流して鹿児島産品の居酒屋で夕食、そのうち飛行機で来た田中さんもJOINし楽しい夜を過ごした。

 

2日目(6/6): 大船山

【メンバー】 山本浩史、吉川彩、田中靖之、橋本満里子  計4名

【行  程】 △大分6:16-7:13湯平7:30=(タクシー)=7:57朝日台8:04~9:13崩平山9:23~10:27朝日神社~11:20吉部登山口11:44~12:28暮雨滝~13:18雨ヶ池越分岐~13:43△法華院温泉山荘

【登山データ】 曇り 歩行15.5㎞ 5時間39分 延登高891m 延下降546m 1座登頂

 

JR久大線の始発列車に乗り湯平駅に下りた。上りホームには「寅さん思い出の待合所」がある。シリーズ第30作の「男はつらいよ 花も嵐も寅次郎」(昭和57年)で撮影に使われ今は記念館風に写真が展示されている。客待ちタクシーはなく、電話で湯布院から呼び九重町田野の朝日台へと向かった。5,000円程の料金も4人で割れば安いもの。30分足らずで到着し、裏手の崩平山(くえのひらやま)に登るが車道と並行する林道への取付きが分かり辛い。フェンスが続き2.5万図の点線道は道形が無くフェンスで入ることも出来ない。東に500m程進み2.5万図の実線道の処でフェンスが途切れた処に踏み跡があり入って行くが椎茸のホダ場でそれを過ぎると道は無くなってしまった。其れらしいところを歩いて行くが益々怪しくなってきた。谷の向こうに道らしきものを発見し這い上がると地図にはないが使用されている林道だった。この先も地図の道は当てにならず暫くは道成りに進む。斜面を直登する点線道の分岐も見つけられなかった。やがて崩平山登山口の標識が現れるが登山道ではなく林道が続く。此れは最近開かれた林道のようで傍らにユンボが置かれていた。

旧登山道が脇にある。泥濘み滑りやすい林道を避け登山道に入るが直ぐに林道に飛び出してしまう。何度か繰り返すが面倒になりずっと林道を歩く。崩平山(1,288m)山頂からは天気が良ければ九重山由布岳の展望が利くのだが山頂域は雲が覆い何も見えない。下山は来た道を引き返し怪しげな道には戻らず林道のまま朝日台から続く道に戻った。この先も2.5万図は当てにならず、等高線に沿って東に進む。右手は九重山麓リゾートの“風の丘”でフェンスが隔てている。そろそろ下に下りたい。何処まで並行に進むのだろうと不安になって来る。やがて鍵の掛かっていない開閉扉があり「不法侵入ではないか」とひやひやしながら施設内に入って行くがひと気はなく、下の入口にはゲートもなく無田中集落に達した。

田植えされたばかりの水田が広がる長閑な田舎道を行くと“千町無田水田公園”の幟が立っていた。この風景は“公園”の行っても過言ではない景観だと思ったが、実は休耕田を使ったお花畑でこの季節はスイレンコウホネカキツバタ等が見られるようだ。(入園料300円) それにしても水田ばかりなのに“無田”と云う地名の起こりは何なのだろう?

吉部(よしぶ)集落に入って行くと「暮雨茶屋」、「ピザ」などの幟があり、今日の行程は余裕があるので途中サボって行こうと意見が一致し、探していたが見つからないまま吉部登山口に達してしまった。後で調べると登山口から2㎞程手前で右に入った処にあったようだ。目論見が潰え、仕方がないので登山口で持参の昼食を食べた。広い駐車場があり坊ヶツルへの最短コースの入口とあって、金曜日にも関わらず数十台の車が止められていた。

休憩中に夫婦の登山者が登って行き、単独の男性が平治岳に登ると大船林道をそのまま歩いて行った。先行した夫婦の後を追い田中さんを先頭に小雨の降りだした登山道に入ると急登となり鳴子川の左岸を大きく高巻く。雨は大したことなく雨具の必要はない。やがて水音が近づき九重町竹田市の境を越えると分岐があり暮雨滝(くらぞめのたき)に立寄る。落差7m幅15mの滝で坊ヶツル賛歌6番に「暮雨滝の水音を 佇み聞くは 山男~」と唄われている。これで坊ヶツル賛歌に歌われた処は全て訪れた。登山道に戻るべく滑りやすい急斜面を登っていると平治岳(ひいじだけ)に登ると言って林道を行った小父さんがやってきた。平治岳はどうしたのだろう?

登山道が大山林道に合流すると坊ヶツルは近い。谷が拡がり向い側には平治岳があるが山頂は雲に覆われている。林道沿いにミヤマキリシマが咲き期待が高まる。雨ヶ池越分岐に達すると登山者が長者原を目指し、列を成している。山中に広がる坊ヶツルの風景は素晴らしい。戻ってきたを実感させられる。平治岳を仰ぐと雲が薄れ、ミヤマキリシマでピンクに染まった山頂を見ることができテンション一気に高まる。三俣山(みまたやま)や明日登る大船山も姿を現した。足元にはハルリンドウの可憐な花が咲く。ミヤマキリシマの向こうに今日の宿法華院温泉山荘が見えてきた。何んとも旅情をそそる。

チェックインは14時まで待ち、靴洗い場で泥を落とし予約した個室に入る。先ずは温泉、すっきりしてビールで乾杯した後は昨年同様“坊ヶツル賛歌”を9番まで歌った。4番の歌詞「せせらぎに寝る 山宿に ひと夜を憩う山男 星を仰ぎて 明日を待つ」の心境で眠りについた。

 

3日目(6/7): 大船山

【メンバー】 山本浩史、吉川彩、田中靖之、橋本満里子  計4名

【行  程】 △法華院温泉山荘5:06~5:25鉾立峠~5:44立中山~7:22大船山~8:00段原~9:05風穴~10:25天狗岩~11:06高塚山~13:28前岳~15:15白水鉱泉・白泉荘16:10=(タクシー)=16:37湯平16:59-17:47大分19:30=(△フェリーさんふらわあ)=7:55神戸港8:04=8:25住吉

【登山データ】 晴れ後曇り 歩行11.9㎞ 10時間09分 延登高1,148m 延下降1,693m 5座登頂

 

明るくなるのを待って出発した。小屋前から平治岳、大船山が姿を現している。今日は期待できる。今日の行程は大船山から黒岳を越え白水鉱泉を目指す。坊ヶツル経由が一般的なルートだが今日は立中山を経由するので目標を鉾立峠にとして、吉川さんを先頭に登山道に入った。少し進むと昨年の山行で下って来た池ノ小屋からの白口谷は「土石流多発地域につき通行をご遠慮ください。」としてロープが張られていた。ミヤマキリシマの枝などがたっぷり水分を含みスパッツを着けていたが完全にズボンを濡らしてしまった。いやズボンだけではないシャツもだ。今から雨具を着けても手遅れなのでそのまま進んだ。

立中山(1,464m)は坊ヶツルを見下ろす丘のような山で訪れる人は少ない。4等三角点「鉢の久保」があり展望は良い。この山は下からは見えないが山頂域はミヤマキリシマが結構あり穴場的存在、得した気分だ。天気は快晴で下界は雲海に埋まり、昨日登った崩平山が浮かんでいる。九重山域の山々はすべてクリアに見える。白口岳、中岳等核心部の山、そして三俣山、大船山に陽が昇る。南の方には阿蘇山があるが若干雲が邪魔をする。

大船山への縦走路は益々歩く人が少ないようで枝の被さりが酷い。ミヤマキリシマに交じりベニドウダンの可愛らしい花も姿を見せてくれた。赤テープが随所にあり迷うことは無いが、進んでいる方向がどうも変だ。鞍部から登り返してそう遠くないところで坊ヶツルからの登山道に合流する筈だがその気配もなく、登り一辺倒の道が続いている。見え隠れする山容からどうも大船山に直登しているようだ。こんな道があるのは知らなかった。やがて山頂域に達し、人の立っている山頂が間近になった。入山公廟からの登山道と合流し右手に山頂火口跡の御池を見る。嘗てはこの池の周囲はミヤマキリシマに覆われていたそうだが今は一面の緑だ。この山域のミヤマキリシマは徐々に少なくなっているそうだ。

最後の急登を這い上がり南側から大船山(1,786m)山頂に達した。3等三角点「大船山」が直接岩に打たれ360°の展望が得られる。既に坊ヶツルからの登山者が何人も来ていた。今日の最高峰からの景色に見とれいていると雲海のガスが上りだした。登頂した時に山頂が顔を出していた由布岳は直ぐに雲に遮られてしまった。20分余り滞在した後、段原(だんばる)へと下る。途中右手に避難小屋への分岐があるが、未だ立寄ったことは無く登山道からは全く見えない。

段原で振り返ると大船山にはガスが掛り始めた。早く歩きだして正解だった。北側を見上げると北大船山はミヤマキリシマが咲き誇り素晴らしい。今日はこの山には登らず大船山火口の米窪の縁を歩き黒岳へと縦走する。この火口周もミヤマキリシマが見られる。火口の底には水は無く草原状で標高は1,527mと大船山から250mも標高差がある。東の端で火口縁から分れ東尾根を下る。随分急で険しい道だ。この頃にはガスが山頂域に迫り大船山は姿を没しそうだ。黒岳は高塚山を最高峰とし天狗岩や前岳を総称した山名だ。大船山との間は火山岩の折り重なる湿っぽい谷間の風穴の前で休憩した。

風穴は岩の積み重なった空間で覗くと氷があり冷んやりしていた。このまま真っ直ぐ行くと西大原の男池登山口に繋がる。大船山、大戸越(うとんごし)、平治岳を周回する日帰りコースによさそうだ。風穴からはまた急登で高塚山と天狗岩の鞍部、天狗分れに到る。先ずは天狗岩に立寄るが姿を見せた天狗岩は火山岩の折り重なる山で本当の天狗の如く鼻が突き出している。何処から登るのだろう心配になる岩場を攀じて山頂に達すると岩に直接「天狗 1556」とペンキの綺麗な文字で書かれていた。この岩の上に立つのは一寸危険だが、吉川さんが真っ先に登り、山本が続くが、田中さんと橋本さんは寄り付かなかった。最早完全にガスが覆い展望は得られなかった。

天狗分れに引き返し高塚山(1,587m)に登る。岩が主体だが樹木があるので迫力は天狗岩が勝っている。しかし黒岳の最高峰でしっかりした山頂標識もあった。東に向いて下るが2.5万図とルートがずれているようだ。一旦北に進み下っている。無名だが東のピーク約1,520mを過ぎると等高線の込んだ斜面を急降下する。高塚山を過ぎるとひと気は全くない険しい道。田中さんが踏んだ大きな岩が浮いていて落石! 吉川さんが逃げる。セーフ。そして田中さんが落ちる! 吉川さんの前で止まった。ヒヤッとした瞬間だったが幸い誰も怪我なく胸を撫で下ろした。

P1357には山頂を示すものはなく下りきった処には「上台ウツシ」と表示があった。小ピークを二つ越えるとあっけなく前岳(1,334m)に到る。3等三角点「黒岳」があるが樹林帯で展望は一部だけ。しかしガスが相変わらずで何も見えない。この後は白水鉱泉に下るだけ。標高差は600m、この道も2.5万図の点線道とずれがあるようだ。下山後の温泉を楽しみに下って行くと黒嶽荘と白泉荘への分岐に達した。白泉荘への道を選び下り続けるが此処からが結構長かった。雨が降りだしたが問題なく白水鉱泉に到着した。白泉荘でお風呂に入りたいと云うと、お風呂が沸いていないと云われた。此処は炭酸の冷泉で、宿で沸かしているそうだ。途中から連絡してくれたら沸かしていたと云われたが如何ともならず、汗臭いまま昨日の運転士のタクシーを呼んで湯平へと戻ることになった。白水鉱泉は天然の炭酸水が湧き、ポリタンやペットボトルに詰めて帰る人が次々と訪れていた。500円の駐車料金を支払うと400ℓまで持って帰ることができるそうだ。その場で飲む分は無料とのことで残りの水を捨てて1.5ℓ持って帰った。

大分駅でお土産を買うと「父の日抽選会」の抽選券を2枚くれガラガラを回すと何んと1等が当たり、小銭の掬い取りで1,210円をGETした。外れも50円の商品券で皆の分を集め夜の肴を仕入れ、小銭はワインに化けた。帰りは“フェリーさんふらわあ”で帰路に着いた。

 

【感 想】 53期 吉川 彩

初めての九州の山。ミヤマキリシマに彩られた緑の絨毯といった穏やかな見た目とは大違いで、実際には岩場の多い起伏に富んだ山でした。法華院温泉では坊がツル賛歌を皆で歌い、9番までの歌詞は長かったけれど、歌詞の中の滝や花の名前が今回のコースの中に沢山出て来て感慨深いものがありました。

反省点は、法華院温泉を早朝出発する際にレインウェアを着用しなかったこと。朝露を蓄えたミヤマキリシマの群生地を歩く中、全身ビショ濡れ、パンツをつたって靴の中まで濡れてしまう始末。大船山の山頂では他の登山者からどうしてずぶ濡れなのかと不思議な顔をされました。山頂までのルートも一般的な段原を経由せず、大船山直登というルートをとったこともあり、これは先頭を歩いた私が早々にレインウェア着用を判断するべきでした。申し訳ありません。

大船山山頂ではこの山行で唯一の好天に恵まれ、ミヤマキリシマに彩られた素晴らしい景色が楽しめました。この後は、高塚山より天狗岩の方がずっと険しいピークだったり、前岳よりも一つ手前の名前も無いピークの方が厳しかったり、予想を覆されるルートでした。白水鉱泉に入れなかったことは残念でしたが、湧き出る炭酸水は美味で驚きました。帰りはフェリーで反省会。こういう山旅も良いものですね。沢山楽しませて頂きました。ありがとうございました。

 

【感 想】 55期 田中 靖之

前日、遅めの大分入りのため、ホテルチェックイン後に軽く夕食を食べ明日に備えようと思っていますが、大分空港から市内へのバス乗車時、メールを頂き、夕食を皆さんとご一緒でき楽しい前夜を過ごせました。

1日目タクシーを降り、九州の山々は雄大だなあと思いました。はじめに登った崩平山への登りは、昨夜飲みすぎたせいもありしんどかったですが、徐々に体も慣れてきました。新しく入会されました橋本さんは足運びが私より安定していました。崩平山下山後は、吉部登山口への道中おもしろい看板等あり、皆さんと楽しみながら歩けました。登山口から急登も有りながら、法華院温泉の小屋につき、温泉に入りました。山登りし、小屋で温泉に入れなんと贅沢だなあと思いました。また個室でしたので皆さんとお酒を飲みながらいろいろなお話をゆっくりできとても楽しかったです。私は以前小屋泊した時、混んでいて2枚の布団で3人の時があり、最近はテント泊ばかりでしたが、今回の小屋泊は凄くよかったです。

2日目大船山への道中、凄くきれいなミヤマキリシマの群生と雲海が広がる大パノラマを堪能しました。大船山への直登コースは藪こぎで前夜の雨のせいもあり露で全身びしょ濡れになりましたが、山頂に着いた時は充実感一杯で、絶景を堪能できました。大船山から白水鉱泉への縦走は、アップダウンも激しく、また岩岩した所もありました。最近始めたクライミングジムのおかげもあって、かなり岩岩している天狗岩の登りもだんだんと楽しくなりました。吉川さんは岩岩した所でとても楽しそうにしておられました。私は下りが苦手なのでいろいろと山本さんにアドバイスを頂きました。白水鉱泉への道中は前夜の寝不足や体力不足のせいで、かなり疲労感があり2番手を歩かせて頂き、反省すべき点 もありました。しかし白水鉱泉へ着いた時は充実感で一杯でした。

帰りのフェリーでは展望風呂もあり、レストランや個室で楽しくお話でき、とても楽しい山旅でした。山本さんには楽しく、しびれる山行を企画して頂き本当にありがとうございました。山本さん、吉川さん、橋本さんご一緒頂き、本当に楽しい山行をありがとうございました。今後共よろしくお願いします。

 

【感 想】 57期 橋本 満里子

山本さん、吉川さん、田中さん、九重 大船山」ご一緒させていただきありがとうございました! 心配していた天候も、幸運にも大雨にはあわず歩くに困ることも無いペースを保てたと思います。一日目は、崩平山を目指しましたが、こちらは登山道が車道化しており(そのうち整備されたりして)車輪のわだちと前日までの大雨で足元悪く、これから先へ続く縦走へのウォーミングアップといったところでしょうか。ピークを踏むも視界は開けませんでした。そのまま山を下って坊がつるを目指して歩いた道は見事な田園風景でここも周りは山に囲まれ空気は清々しいし、時間にせかされることもないとても素敵な景色が続きました。登山口では、坊がつると平治岳への分岐あり天候が不安定なことを懸念して坊がつるコースへ。

歩いている間は、誰彼から山岳会のメンバーの方々のおもしろおかしいエピソードなどがお伺いできて基本、登り続きではありましたが楽しく歩かせていただきました。坊がつるへ入ると、一気に視界が開けました。周りには三俣山(個人的にはこの山姿がとても気に入りました)、平治岳、大船山が悠然と在り、山肌にはミヤマキリシマが絨毯のように咲いていて、写真やネットの情報ではわからない空気感とを一緒に味わえましたよ。多分、この時点で皆の思いは「温泉に入りたい!」となっていたはず(違いますか?)。

次のポイント、法華院温泉。こんなところに温泉がある不思議はありましたが、登山者にとってはとてもありがたいところだと思いました。小屋泊まりは初めてではありませんでしたが、学びがありましたよ。山本さんの「それでもストーブもってます」、吉川さんの「縦走は基本、軽量化が大切(でも中身、充実のパッキング術)」、田中さんの「行動食にはグラノーラ!」。次回からカップは必須アイテムとして、ザックに入れますね。

翌日は、前日降っていたであろう雨の雨露で歩くたびに水がしたたり・・・最終的に靴の中まで浸水。すみません、正直 「風穴」でずぶぬれの自分と水でたぷたぷの足元で自信を無くしていました。歩き出しはまたまた急登。でも、しんどいのはみんな同じ、次の一歩を踏めばまた局面は変わるかもと、思い直せる私って山向き(笑)。等々の複雑な思いを胸に歩き続けて、天狗岩!六甲山系にも出てくる天狗岩程度に思っていましたが、眼前にあったのは普通に山、しかもロック。先頭を行く吉川さん、盛り上がる気配ありでした。ジムで感覚を手にしている田中さんにも容易いロック。リーダー山本さんに関してはもう何も言うこともないだろうロック。私にはたった一回だけ経験したボルタでの「三点確保」の知識しかなく「いや、ちょっとまずいでしょう・・・これ」なんて内心思っていました。恐るべし、天狗岩です。

続くピーク高塚山は難なく。最終の前岳。ここに至るにも割りとキツイ下りと登りを繰り返します。なかなか姿を見せてくれない前岳ピーク。多分、このあたりもみなさん最終ポイントの白水鉱泉ではなかったでしょうか?(違ったらごめんなさい)。 私は、先にも書いた通り何せ、ずぶぬれ体験が始めてで余裕なく、またしても地図読みを放棄してしまいました。一番最後まで地図読みは諦めてはいけないものですよね。また、これからご一緒させていただく山行では皆様からご指導をいただきたく思います。

下山後の船旅は快適ですね。同じ目的でそこで集まり、しんどいことも感動も、楽しい話しも一時、ご一緒して次につなげることが出来そうです。本当にありがとうございました。帰宅後から3日間!体が重だるく、辛かったです。仕事もありましたのでプロテインクエン酸を摂取しましたが、このあたりまた縦走のときのポイントを伝授されたし! 九州、九重へはまた次回、またいつか機会があれば新たな気持ちでトライしたいと思います。本当に素敵な山行をありがとうございました!

 

20140605大船山1

写真1: 八方岳 大観峰山頂より

 

20140605大船山2

写真2: 6/6 034崩平山(1,288m)山頂にて

 

20140605大船山3

写真3: 6/6 043坊ヶツルから流れる鳴子川にある暮雨滝(くらぞめのたき)

 

20140605大船山4

写真4: 6/6 060法華院温泉山荘とミヤマキリシマ

 

20140605大船山5

写真5: 6/7 064山頂部をミヤマキリシマが覆う平治岳1,643m (法華院温泉山荘より)

 

20140605大船山6

写真6: 6/7 082ミヤマキリシマの間を立中山に登る

 

20140605大船山7

写真7: 6/7 101三俣山1,745m大船山山頂より

 

20140605大船山8

写真8: 6/7 112北大船山(1,706m)とミヤマキリシマ (段原より)

 

20140605大船山9

写真9: 6/7 134天狗岩にて