京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

〈個人山行〉 十津川村の中八人山 《近畿百名山シリーズNo.87》

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平成2753日(日)

 

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中八人山(1,397m)と云う妙な名前の山が十津川村にある。定かではないが所有者が8人いたからだと云われている。何の変哲もない山だが下・西・南・奥のサブピークを伴い、文句なしに奥深さが味わえる山である。

 

【メンバー】 山本浩史(単独)

【行  程】 ▲滝谷橋5:056:39石佛山~6:44石佛山南峰~7:20大塚ノ森~7:32宮ノ谷ノ頭7:427:57西八人山~8:14中八人山~8:52奥八人山9:049:40中八人山~10:04南八人山10:1810:59宮ノ谷ノ頭~11:21大塚ノ森~11:48石佛山12:0012:50滝谷橋13:1113:25湯泉地温泉滝の湯14:4916:56▲千仭橋

【登山データ】 晴れ 歩行15.4 7時間45 延登高1,762m延下降1,762m 8座登頂

 

十津川村内原は滝川を挟んで北側に天竺山があり2年前に来た。内原林道の先は土砂崩れで笹の滝へ行けないのはその時から続いている。明るくなり出すと滝谷の北尾根に付けられた急斜面の登山道を歩き出した。少し標高が上がると北西方向に見える高時山(1,055m)、ブナ山(1,113m)が朝日を受けて素晴らしい。昨日は快晴だったが今日は雲が多い。植林地で滝谷側にネットが張られ植えられた木は34mに育っている。登るに従って雲が一面を覆い出した。石楠花の蕾が膨らんでいるがもう少しのようだ。その中に数輪花を付けている木を見つけた。

標高差800mを只管登り石佛山(1,158m)に達すると何かポツポツし出した。今日も晴れるつもりだったのに雨になってしまった。何もない山頂の少し南にもピークがあり石佛山南峰の標識があった。標高は1,185mと記されているが此れは明らかに高すぎる。2.5万図からは1,140mの等高線が読み取れる。どちらの山頂も展望は無く、本峰に戻り北西方向に縦走を続ける。展望のない尾根を進み大塚ノ森(1,249m)と思しき辺りに達するが山頂を示すものは何もなく更に進んだ。宮ノ谷ノ頭(1,320m’)に達するが此処にも山頂標識は無い。展望が利く筈だが辺りはガスで何も見えない。小雨だがもう仕方なく雨具を来て先に進んだ。

南に進路を変えると西八人山(1,382m’)でホホゴヤ谷と北谷の源頭に当たる鞍部に下り登り返すと中八人山(1,397m)に到る。近畿百名山の山だが展望もなく、パウチされた山頂プレートが付けられているだけだった。八人山の由来は山の所有者が8人いたからとも云われているが定かではない。下、西、南、奥と4峰にもその名が付けられている。次は奥八人山へピストンする。200mほど北東側に下り100mの登り返しとなる。鞍部に達すると雲の領域を抜け雨は止んだ。東側に西ノ谷の谷間が望めた。

奥八人山(1,286m)も静かな山頂で展望は無くはブナやリョウブの木が斑にあり山頂手前に倒れたブナの木が枯れずに葉を付けている。この生命力は感動ものだ。中八人山に戻ると再び雲の中だが雨は無い。今度は南八人山を目指す。この稜線は東側が開け天気が良ければ昨日登った牛廻し山などが見えるだろう。笹原だったようだが鹿に食われてしまったのか簾のように残った茎がポキポキと折れてしまう。アケボノツツジが鮮やかに咲き素晴らしい。南八人山(1,408m)は広い山頂で展望も良いが山名を示すものは何もなかった。

ネットの記事で見た記憶があったので西側の巻道を歩こうと西の斜面を下り適当に巻きだすが、思っていた道は無く次々に現れる深い谷に辟易しガレの頂部を巻いているうちに稜線近くまで戻ってしまった。それでも中八人山は巻いて西八人山との鞍部に達した。西八人山には登り返さず東側を巻いてショートカットした。後は登って来た道を戻るだけ。大塚ノ森を過ぎると雲の領域を脱し少し展望が蘇った。石佛山も南峰へは立寄らず休憩しただけで進んだ。登るときは終ぞ姿を見なかった天竺山が樹林祖隙間から僅かに覗き写真に収めた。標高差800mの下りはうんざりするほど長い。15.4㎞の行程を歩き終え滝谷橋に戻ったのは1250分だった。

今日の立ち寄り湯は湯泉地温泉(とうせんじおんせん)滝の湯、入浴料は600円、2年前にも来た。階段を2階分程下りると露天風呂があり裏の谷に滝があった。此れが滝ノ湯の謂われか。また国道425号線を走り尾鷲市へと移動する。断崖国道と異名を取るくねくね道で芦廼瀬川に沿って遡ると南側の断崖から不動の滝(高滝)が流れ落ちる。落差は46mあり車を止めて写真撮影。明日の高峰山を目指して尾鷲市の矢の川林道に入ろうとしたが一般車通行止めの表示があり。思案の末、林道入口の広場に車を止め車中泊した。

 18座登頂

 

 

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写真1: 滝谷登山道より高時山(1,055m)、ブナ山(1,113m)を望む

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写真2: 中八人山(1,397m)の山頂はショボイプレートのみ

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写真3: 中八人山南稜線に咲くアケボノツツジ