京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3520 沢登り比良・奥ノ深谷(一般道も可)とテント泊でヘイケボタルを見る例会

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【参加者】L長野浩三,SL小松久剛,四方宗和,藤松奈美,WS,織田直子,

【行程】711日(土)700 烏丸御池東入ルロッジ横のセブンイレブン前,8:00坊村,9:00牛コバから奥深谷へ入渓,13:00遡行終了,(四方さん,藤松さんは同日坊村へ下山),14:00水晶小屋前,(幕)

12日(日)6:00水晶小屋前発,8:00坊村帰京

【天候】両日とも晴れ

 

【記録&リーダー感想】46期 長野浩三

 数年前に奥深谷を遡行して水晶小屋前に泊まったときに見たヘイケボタルがもう一度見たくなり例会を企画した。

 比良の銘渓奥深谷は相変わらずきれいだったが,水量がこれまでになく多かった。登ることもあるF1も水量が多く巻き,いつもは普通に登れるチョックストーン横のへつりも水がダーダー流れていて右岸を巻いた(右岸にはしっかりした巻き道があった。)。4段40m滝では念のためにロープをだし,アッセンダーで登った。その上の10m斜爆はぬめりがあり,リーダーの長野が突破したものの,後続の人は結構テンションを掛けていた。なお,この滝の途中の核心部にあったハーケンは見当たらない。しかし,2番のナチプロがばっちり効くところがあった。落ち口には10年くらい前に私が打ったハーケンがあるが,緩んでいて効いていないのでもう一枚ハーケンを重ねて打ったがリスが浅く,いまいち効いていない。別の確保方法を考える必要がある。落ち口のちょっと先に4番くらいのナチプロが効きそうなところがあるので今度行く人は試してもらいたい。

 その上部のトラバース(巻きに入るすぐ手前)の,数年前にATさんが落ちたところで四方さんが足を滑らせて滑落したが,受けていてけがはなかった。あそこは要注意箇所だ。

 その上部の滝の右岸の巻きは木の根っこと木をつかんで約20mの結構な角度の登攀だ。念のためにここもロープで確保した。その後,沢へ降りるのは練習をかねて懸垂下降した。

 最後の滝の釜では数人がダイブして記念写真をとり遡行終了となった。

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 登山道で日帰りの四方さん,藤松さんと別れ,スリバチの水(この水はうまい!)を汲んで水晶小屋前でターフとツェルトを張り,たき火をした。持って行った結構ごっついウィンナーがうまかった。Wさんがオクラとしいたけをもってきてくれており,これも焼くとうまかった。また,酒はWさんが七本槍を1.8L,長野と小松さんでウィスキー1L,織田さん梅酒があり,昼間から盛大な宴会となった。スタートが早かったので夕方早々に寝てしまった。

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 夜中起きるとヘイケボタルがピカー,ピカーと光りながら下流から上流に飛んで行っていた。数匹はターフのすぐ近くまで飛んできた。ゲンジボタルと違って光り方がはっきりしていた。感動ものだった。

 翌朝は4時30分に起きて朝飯を食べ,6時前に出発し,坊村に8時に到着,そのまま帰京した。

 久しぶりの奥深谷だったが,水量が多く,全く別の沢のようだった。10m斜爆はぬめりがあり,また,確保支点に難があり,考える必要がある。宴会とたき火は酒,焼き物ともに充実しており本当に楽しかった。皆さん,ありがとうございました。

【感想】6期 四方宗和

「ルートファインデイングをする(確認)、先行者のムーブを見ておく、少し慎重に岩からなるべく身体を離して攀じる、取りついたら精一杯楽しむ」そんなアルパインの感覚が忘れることができず、一昨年から沢に戻ってきました。ここまではかっこいいかもしれませんが・・・・・楽しみにしていた奥深もいざ入ってみると水量は多く、固い身体が水温でさらに固くなりスベリまくりました。一度なんかはリーダーが思わず叫ぶような3mばかりの滝つぼへの滑落。苦労はしましたが「精一杯楽しむ」ことができた一日でした。

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【感想】52  小松久

  深谷には何度も訪れていますが、今回は過去最大の水量で、CS滝を右のガリーから抜けられず、右岸から巻く、という初めての体験ができました。

  水量によってはまるで別の沢に来たような感覚になれるので、そこもまた沢の楽しみの一つですね。

  平家蛍は八時頃には全然光らなかったものの、深夜になるにつれ、光り始め、数は少ないものの、幻想的な雰囲気に癒されました。

  宴会もウインナーを大量に串焼きにして、贅沢なものになり、沢以外の部分も充実した例会でした。

企画、準備してくださった長野リーダーをはじめ、皆様、ありがとうございました。

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【感想】54期 藤松奈美

 今年初めての沢。一年ぶりで不安たっぷりでしたが、よく知ったメンバーなので、安心感もありました。

 梅雨の晴れ間で沢日よりだったものの、水量が多すぎて、奧深谷とはおもえないような様相。 

 いつもは簡単に登れるような滝も、手強くなっていました。メーンの滝もぬめぬめになっていたのに、長野リーダーがみごとなリードで登られました。スリムパワーはすごい!

 70歳をこえてなお、滝壺に飛び込まれる四方さんにも脱帽です。沢はやっぱりいいなあ、と、沢スイッチが入ってしまった、例会でした。長野リーダー、みなさま、ありがとうございました。

 

  【感想】57期 織田直子

今年初の沢登り、とても楽しみにしていましたが、自分の身体やザックが重く、終始モタモタしていました。

ですが、リーダーはじめ皆さんがたくさんサポートして下さったお蔭で、何とか遡行することができました。

水量が多く水流が激しく、沢は本当に危険だなと改めて思いました。特に私はザックを背中につけたまま泳ぐのが苦手で

すぐに流されてしまうので、自分なりに良い方法を見つけなければと思いました。

遡行後の宴会ですが、あまりお酒を飲めない私は結構早い時間に眠くなってしまい、ホタル観賞の前に一度寝てしまいました。起きてホタルを3匹ほど見たもののまたすぐ寝てしまい、私にとっては「幽玄なホタル観賞の場」というよりは、「沢音を聞いてぐっすり眠れる場」となってしまいました。

リーダーの持って来て下さったウィンナーを焚火であぶって食したのですが、恐ろしく美味しく、今回の沢の一番の想い出になりそうです。

リーダーはじめ皆さま、本当にありがとうございました。また宜しくお願い致します。

 

【感想】WS

蛍の光り方といえば、ゲンジボタルのゆらーっとした発光だと思っていたので、今回拝見したヘイケボタルの素早く点滅している様子が新鮮でした。

ささいなことでしたが、当たり前だと思っていても実際はそうではないことや、知らないことはまだまだいっぱいあるのだと思い知らされました。

帰ってから調べてみるとヘイケボタルは止水域で多少汚染されているところでも繁殖できるようで、以前は水田などにいて、こちらの方がありふれていたというのも意外でした。

近年、各地で○○蛍を守る会といった秘密結社が暗躍し蛍は随分と身近なものになった気がしますが、保護されているのはゲンジボタルが多いようです。かわいそうなヘイケボタル

水晶小屋横の焚き火では、ウインナーに勝てるものはありません。

他には椎茸もおいしかったので今度は大黒しめじを焼いてみたいです。

山の中で、真っ暗になって、沢の音があったりなかったりして、お酒を飲んでいると何かとても大切な時間を過ごしているような気になってきます。

飲んだくれているだけなのに。

摺鉢山の湧水がとても美味しかったことも印象深かったです。

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