京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

〈個人山行〉近畿百名山シリーズNo.95~97 太鼓山・磯砂山・粟鹿山

平成28年3月20日(日)~21日(月)

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近畿百名山北近畿に残った3座を一纏めにして2日間で巡った。丹後半島伊根のスキー場の山・太鼓山(683m)、峰山の磯砂山(661m)、そして但馬に入って山東の粟鹿山(962m)、何れも低山ながら1等三角点が設置された展望の山だった。

 

【メンバー】 山本浩史(単独)(車)

1日目(3/20)①: 太鼓山

【行  程】 京都5:06=沓掛IC =(京都縦貫道)=与謝天橋立IC7:10丹後縦貫林道手前7:217:53スイス村~8:07太鼓山~8:20風の学校京都~8:47 P6209:11丹後縦貫林道手前9:2211:02羽衣茶屋

【登山データ】 曇り 歩行7.0 1時間50 延登高416m 延下降416m 1座登頂

 

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京都縦貫道が繋がり、与謝天橋立ICまで1時間程で行くことができるようになった。国道178号線を走っていると「浦入~経ヶ岬間通行止め」の看板が出ている。登山口は浦入の先か手前かちょっと不安になりながら走っていると林道入口に達し問題なかった。林道はだんだん怪しくなり枯れ枝などが散乱し路肩も危うくなってきた。そして遂に雪が現れた。標高は460m、四駆のパワーを頼りに突っ込んでみたが10㎝の腐れ雪に敢無くダウン、林道の傍らに車を置き歩いて行くことにした。GPSで位置を確認するとスイス村スキー場から3.3㎞の丹後縦貫林道に出るすぐ手前だった。

丹後縦貫林道は高規格の林道で除雪されて全く問題なく、先程の僅か20m程の区間が通れないだけだった。低山ながら丹後半島、山肌に雪を残し、残雪の風景を見ながら林道を歩いてスイス村スキー場に達した。この間車は1台も来ず全くひと気はない。太鼓山の山頂域は完全にスキーゲレンデとなっており登山の感じは全くなさそうだ。今年の営業はもう終了し至って静か、そしてゲレンデの雪は完全に消滅していた。ゲレンデの作業道を通り第1リフト上部に達すると足元にはフキノトウが春を告げていた。

稜線伝いに太鼓山(683m)山頂に到ると第2リフトの終点がありスキーシーズンは賑わいそうだ。山頂標識はなく1等三角点「太鼓山」が置かれていた。太鼓山は風力発電の山としても知られ、木の間越しに巨大な風車を見ることができた。展望は南側だけで高山(702m)が確認できた。東の方に風の学校京都のあるピークがあり帰りに寄ってみると此処の方が展望良く経ヶ岬に近い権現山(600m)や船津山(548m)を見ることができた。その左肩にはレーダーサイトが見えるので米軍基地かと思ったが自衛隊の岳山サイトのようだった。

林道を戻るのは詰まらないので道はないが稜線を行くことにした。笹藪の下には15㎝位の積雪がありちょっとした雪山気分を感じた。藪はだんだん薄くなって歩き易くなると何処からともなく道が現れ林道へと導かれた。縦貫林道はP620の西側を巻いている。北側に意味深なテープが巻かれP620へと導いているようだ。もしかして山名があるのではと立ち寄ることにした。道は無いがさして問題もなくピークに達したが何もなかった。展望もなくがっかりだった。下りる方向を車のデポ地点に近い尾根に定めたが違った谷に入り込んでしまったようで軌道修正にちょっと時間をロスしたが粗いいところに下りてくることができた。

 

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1日目(3/20)②: 磯砂山

【行  程】 丹後縦貫林道手前9:2211:02羽衣茶屋11:0611:16ミソン谷登山口~11:32磯砂山11:4911:52西稜線展望地~12:15いさなご林道終点~12:36羽衣茶屋12:4613:09たんたん温泉15:5317:33▲当勝神社

【登山データ】 曇り 歩行4.1 1時間30 延登高425m 延下降425m 1座登頂

 

太鼓山の後、50㎞走り京丹後市峰山の磯砂山(661m)に転戦した。此処も僅かな登山で山頂に達してしまう軽い山だ。ルートもミソン谷林道終点からのピストンしかないようなので少しでも歩けるようにといさなご林道と出会う地点にある羽衣茶屋から歩くことにした。登山口に達すると「山頂まで1010段」の標識があった。登山道は丸太風コンクリートの階段がしっかり整備され随所に「山頂まであと〇段」と標識が付けられている。ほんのひと登りで峠に達し、女池への分岐となっていた。帰りに寄ろうと取っておいて磯砂山の南尾根へと取り付いた。

磯砂山山頂に到ると草原で360°の展望が得られた。1等三角点「磯砂山」がありまずタッチして「羽衣伝説発祥の地」と書かれた石碑の前で休憩した。展望櫓があるが別に上らなくても十分な景色が楽しめる。東の方には天橋立砂嘴、西の方には久美浜の小天橋と丹後の名所を一度に見ることができた。

西向いに展望のよさそうな尾根が張り出し2.5万図にも登山道が描かれているので行ってみることにした。山頂から見た通り磯砂山を一望でき写真に収めることができた。まだ先に登山道が続いているので辿ってみるとこのまま北西尾根を下れそうな雰囲気なので単純ピストンより興味深い。しかも下の方にはいさなご林道の分岐線が達しているので羽衣茶屋に戻れそうだ。後で寄ろうと思っていた女池には行けなくなってしまうが周回できる方が良いだろう。踏み跡はだんだん薄くなってきて稜線通しに歩いていた積りだったが何時しか北に触れ一本北の尾根に入ってしまっているようだ。怪しげな獣道をトラバースし難なく林道終点に達することができた。登山口付近にはスミレが咲きここでも春を感じさせられた。

いさなご林道に入ると登りとなりP473の出っ張りを乗越すと下りとなって羽衣茶屋に帰り着いた。今日の立ち寄り湯はたんたん温泉福寿の湯、国道482号線に迂回して丹但トンネルを抜けたところの豊岡市但東町にある。時間が早いので温泉で3時間近く過ごして今日の宿泊地朝来市山東町山東アウトドアビレッジに向かった。

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2日目(3/21): 粟鹿山

【行  程】 当勝神社6:056:36雌滝~6:45雄滝下~7:02西尾根取付~8:24粟鹿山西峰~8:35粟鹿山~9:18東尾根下降点~10:12東尾根登山口~10:35当勝神社10:4811:00よふど温泉12:05山東IC=(北近畿豊岡道)=南丹篠山IC13:25篠山城14:08=千代川IC=(京都縦貫)=沓掛IC15:34桂川

【登山データ】 曇り後晴れ 歩行9.5 4時間30 延登高967m 延下降967m 2座登頂

 

朝来市山東町粟鹿にある山東アウトドアビレッジの駐車場で一夜を過ごし、明るくなりだした頃当勝(まさかつ)神社から歩きだした。当勝神社は天平2(720)に創建され正哉吾勝勝速日天忍穂耳命を祀っている。勝利を呼ぶ開運の神とされているそうだ。神社山門の髄神門の細微な彫刻は市の重門に指定されている。参拝を済ませて登山道を捜すが粟鹿山を示す表示はどこにもなく2.5万に従って自然の家の領域に入って行った。林道が続きアウトドアビレッジへの分岐があり最上部のバンガローは宿泊者がいるようだ。

林道歩きもつまらなく林道を見下ろして付けられた側道を進んだ。林道は粟鹿川を渡り離れて行き、川を遡ると雌滝、雄滝がある。優雅に流れる雌滝とさらに奥にある雄滝を目指したが雄滝は下から木の間越しに見られる位置まで行って引き返した。粟鹿山西尾根に描かれた登山道の取り付きを捜すが表示はおろか道形すら見出せず適当に取り付いた。谷筋を進むことになっているが林業の作業道か獣道のような踏み跡も途切れがちでP414の稜線に這い上がった。

西側からの登山道と合流するはずだがこれも見いだせないまま、ツルツル滑る尾根を木に摑まりながら這い登るので酷く疲れた。標高680m辺りで小ピークがあり急登が一段落したがP741に向けてまた傾斜がきつくなった。標高が880mに達すると地図に描かれていない林道が横切り展望が開けた。林道で断ち切られた尾根の切通に鉄梯子が付けられているが崩れた土砂が下部を埋め崩さないように登った。この先も踏み跡があったり、なかったりで殆ど歩かれていないのは明白だった。

山頂域に達すると小さなピーク、西峰(910m)があり山頂は笹原となり粟鹿山(962m)が視界に入った。山頂にかけてもやはり道はなく粟鹿山にある電波塔への取付道路に乗り上がると人工物に囲まれた小さな丘に1等三角点「粟鹿山」があった。苦労して登った割に爽快さは少ない。電線や建物に遮られてしまうので寧ろ作業道路からの方が展望は良かった。

さて下山路を探すが指導標もなく東北東に流れる稜線を進んだ。やはり登山道と云えるものはなくどうしたことだろう。稜線の南側には作業道路が付かず離れずで付いてきて、やがて道路と接し「展望台」の指導標があり高みに登ってみるが樹木が成長し過ぎて全く展望が得られなくなっていた。鞍部に下ると西側に2.5万図に凹地の表示があるところは、水が溜り池になっていた。北のピークに登り返し西に振れると西に延びるまっすぐな尾根がある。下りるとすればこの尾根しかないと朝来市丹波市の市境の稜線を離れて下りだした。

やはり踏み跡はなく標高差200mを下ると2.5万図にある林道が見えてきた。先端まで来たが林道は10m位切り通されていて下り立つことができない。仕方がないので北側の谷へと巻いて行き漸く降り立つことができた。先ほどの尾根の先端まで林道で戻り、更に尾根を下るが傾斜がきつくなった。木に摑まりながら下っていると突然鹿除けネットの壊れた扉と共に「山頂まで3400M」の指導標現れた。何処から来たのか登山道まで現れた。これで下りられると安心し踏み跡に沿って下って行った。

登山道があるというのは有り難いものだ。行程が捗り登山口に達するとしっかりと指導標に「粟鹿山」とあり登山道はいったいどうなっているのだろう。2.5万図を持ってきただけであまり調べてこなかったのでミステリーが残った。帰りはアウトドアビレッジを通って当勝神社に戻ろう。最後は短絡路で自然の家に戻り、石室が露わになった畑田古墳跡を見て周回登山を終えた。

今日の立ち寄り湯は4.5㎞先の“よふど温泉”とした。入浴料600円でさっぱりして帰路に就いた。北近畿豊岡道から舞鶴若狭道南丹篠山ICで下り372号線を走っていると篠山城址の道路標識があり、かねて立ち寄りたいと思いながら果たせていなかった城跡見物に立ち寄った。

帰宅して調べてみると粟鹿山東尾根登山道は中腹の林道に飛び出すと赦免委取り付き展望台付近に乗り上がってくるようだ、そして稜線へは展望台の辺りに出てきて山頂までは作業道を歩くようだ。

 

【登山データ計】 歩行20.6 7時間50 延登高1,808m 延下降1,808m 3座登頂

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