京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3609 夏山合宿  *Bプラン* 夏山合宿 立山〜薬師岳縦走

8/10(水)夜 〜14(日)

【メンバー】(CL)穐月大介、(SL)小泉賀奈子、加藤一子、東野政行、平川暁朗、江村一範、計6名

 【行 程】

<8月11日>

立山駅ケーブルカー 6:10発=美女平 6:28 バス乗り換え=室堂 7:13着 8:00出発〜展望台 8:35着 8:45発〜浄土山 9:20着 軽食 9:42発〜龍王岳 10:10着 10:15発〜鬼岳 10:45着 コル11:9着 昼飯 11:35発〜獅子岳 11:55着 〜ザラ峠12:46着 13:06発〜五色ヶ原キャンプ場 13:44着テント泊

 

<8月12日>

五色ヶ原キャンプ場 5:00発〜ロスト〜五色ヶ原山荘 5:30着 5:41発〜鳶山 6:14着 6:20発〜越中沢岳 8:00着 8:20発〜コル 9:15着〜スゴノ頭 9:40着 10:13発〜スゴ乗越 10:45着 11:00発〜スゴ乗越小屋 11:50着テント泊

 

<8月13日>

スゴ乗越小屋 5:05発〜間山 6:20着 6:30発〜2832ピーク 7:30着 7:55発〜北薬師岳 8:25着 8:35発〜薬師岳 9:33着 10:02発〜薬師小屋 10:35着 10:40発〜薬師峠キャンプ場 (本隊と合流)11:48テント泊

 

<8月14日>

薬師峠キャンプ場 4:57発〜太郎平小屋 5:17分着 5:29分発〜五光岩ベンチ 5:58分発〜三角点ベンチ 6:48 休憩 6:59発〜折立下山 8:10着=帰京

 

【記 録】59期 江村一範

今回、私達の夏山合宿B隊は

立山連峰を一望出来る縦走路を歩こうと、立山から薬師岳を経て折立への縦走を計画した。

今回の縦走を前に各々のメンバーでボッカトレーニングを課し、7月31日には全員揃ってのボッカトレーニングを果たし、準備は整った。

 

また今回は13日に薬師峠にて合宿の他の隊(A高天原、C赤木沢遡行、D薬師峠ベース、その他個人山行組)と合流しささやかな宴会を計画していた。

各隊でその日の食料を分担し、私たちB隊は一番日数が長いのを考慮してもらってキャベツ1個とマルタイラーメン6人分のボッカをした。

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(出発前のB隊縦走組6人)

 

<8月10日水曜日(夜)>

前日の10日夜8時半頃に京都を出て、運転を交代しつつ深夜2時頃に立山駅駐車場に到着。翌朝のケーブルカーの始発の時間まで、疲れた身体を休める。

 

<8月11日木曜日>晴れ

11日朝4時起床。

ケーブルカーの切符を買おうと立山駅に向かうと既に登山者の列が出来ている。お盆休みとあって人が多い。そういえば今日は「山の日」。駅構内にも「山の日」ポスターが貼られて盛り上げていた。

 

6時10分発のチケットをなんとか買って、満員のケーブルカーに乗って出発する。

6時28分美女平でバスに乗り換え、7時13分室堂到着。トイレやレイヤリングの準備を済ませて、8時に出発。

バスターミナルの建物を出ると大勢の登山客が記念写真をあちこちで撮っている。

立山の美味しい水を調達し、我々も出発前の元気な写真を一枚撮る。

 

それにしても晴天である。

晴れてはいるものの涼しい風が吹き、快適だ。雄大な景色の中でただ歩く事に、それだけで嬉しくなる。

まずは浄土山へと足を進める。

登山道は整備され傾斜は緩やか、なんて歩きやすいのだろう。会長が花を見つけては足を止めて教えてくれる。

 

段々傾斜がキツくなり、自然と足は重くなる。私(江村)は既に滝汗である。

8時35分に中腹の展望台に着き、10分休憩して出発。

9時20分、浄土山に到着。立山連峰の荘厳な峰々が我々を出迎えてくれた。深く澄んだ青空と風が我々の急上昇した体温を冷やしてくれる。

とここで一旦軽食をとる。

浄土山の三角点を探して付近を探索してみた。祠の跡のような石垣があり近づいてみる。看板の解説を見るとかつてここには神社があり、日露戦争で亡くなった富山県民の為に建てられたようだ。目を瞑って手を合わせる。

 

9時42分浄土山を出発。龍王岳へ向かう。

山頂は経由しなくても巻道で行程は進めたのだが、2872mもあるので勿体無いと取り付きに荷物を置いて山頂へピストンをする。

10時10分に龍王岳山頂に到達。

山頂はさっきの浄土山より更に一段と見晴らしが良い。登って良かったねと皆で喜び写真をお互いに撮り合う。平らな五色ヶ原が凄く近くに見え、すぐ着くんじゃないかと錯覚する。

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龍王岳山頂・白い翼の生えた一子さん)

 

10時45分、鬼岳に到着。

鬼の角みたいなゴツゴツした岩稜でなるほど鬼岳だと笑う。ここからザレ道やハシゴや鎖も増えてきた。

11時9分、獅子岳とのコルに到着し昼飯をとる。東野さんは生麺タイプのカップラーメン、平川さんはスパゲティを食べているのが羨ましかった。お腹を満たして元気回復、11時35分に出発する。

太陽がいよいよ本領を発揮し日差しがきつくなり、汗だくになる。

11時55分、獅子岳に到着。

龍王岳から見たらかなり五色ヶ原が近くに見えたのになかなか近づかない。会長が言った目的地が逃げていくという表現に納得した。

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チングルマと黒部湖)

 

12時46分、ザラ峠到着。

ここでの休憩中、平川さんの帽子が気まぐれな風に飛ばされる。近くのハイマツ帯に落ちたもののまるで分からない。暫く一緒に探すもなかなか見つからない。もう諦めようと引き返して間もなく、足元に帽子を発見。

「諦めが肝心」の効力を確認した。

 

五色ヶ原に入り開放的な高原を気持ちよく歩く。ここはキャンプ場と小屋がかなり離れている。そこで小泉さんに小屋へテントの手続きに行って頂いて分岐で別れる。

 

13時44分、五色ヶ原キャンプ場に到着。

テントを立て始めると小泉さんが戻ってきた。小屋はかなり遠いらしく、不安になり途中で会った人にキャンプ場の道合ってますかと聞いた程だと言う。ありがとうございました。

 

珈琲を入れて一息。

ここから夕食まではアフタヌーンの余り時間を贅沢に味わい尽くす。

会長・東野さん・小泉さんは揃って仮眠。

平川さんは14日以降も縦走を続けるのでソロテントを持ってきておりソロテンの中で一人の時間を楽しんでいる。私と加藤さんは小屋へお酒を買ってきて、加藤さんの柿の種を頂きながら一杯。

 

15時頃より夕食の調理に取り掛かる。

今宵のコックは小泉さん。メニューは麻婆茄子丼、わかめスープ、海藻サラダ、杏仁豆腐の4つ。

皆でワイワイと調理をする。私は炊飯担当。失敗してミディアム・レアな白飯にしてしまう。麻婆茄子の濃い味が塩分を欲している身体に染みて美味しかった。海藻サラダでミネラルが取れるのは嬉しい。

杏仁豆腐は元の粉に熱湯を入れて混ぜるだけ。控えめな甘さがちょうど良い。こんなナイス食材を見つける小泉さんに感心。

 

18時より無線の定期交信になっていたので、加藤さんにハンディ無線機で薬師峠にいる上坂さんに呼びかけてもらうが応答なし。さすがに届かないか。

食事も済んで18時半に就寝。疲れていたのかすぐに寝てしまう。

 

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(豪華なサバサンドの朝食)

 

<8月12日 金曜日> 晴れ

3時起床。

今日の食事当番は私。本日の行程はアップダウンがあり体力の消耗が予想され多めの献立にした。

鯖の塩焼きサンド、フェイジョアーダという豆と野菜・肉が沢山入ったポルトガル風スープ。

前日に仕込みをしていたおかげで段取り良く調理が出来た。鯖の塩焼きサンドが思いの外美味しく朝からご機嫌になる。

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(朝の五色平)

 

テントを撤収して5時に出発。

が、ここで道を誤り黒部の平ノ小屋への

山道へ入りかけてしまう。引き返そうとしたら鹿島槍の方角から朝日が登り始める。

皆、足を止めて写真を撮りながらご来光鑑賞。5時半に五色ヶ原山荘に到着。小休止を経て5時40分に出発。曙色の朝焼けの中、五色ヶ原のメルヘンチック高原を進む。

 

6時14分鳶山到着。6時20分発。

下って越中沢乗越を通過、また徐々に高度を上げていく。上がって下る、今日はひたすらこれの繰り返しだ。途中の休憩で、小泉さんが今朝の鯖サンドで余ったレモンをナルゲンの水筒に入れていた。少し飲ませてもらうとレモンの風味がちゃんとする。

何より水に浮かぶレモンが水中花のようで目に涼しい。

 

7時58分、越中沢岳に到着し休憩。

昨日より筑波大ワンゲル部と抜きつ抜かれつのデッドヒートを繰り広げていたのだが、ここでも遭遇。彼らの着ているWV部オリジナルTシャツのデザインが洒落てるなと思う。8時20分出発。

 

ここからはザレた急坂や鎖場が増えてきて、多少の緊張が強いられる場面が多くなる。途中、加藤さんが足を攣ったと座りこむが芍薬甘草湯を飲んで回復。なんだかんだと強い加藤さん。

 

9時15分コル通過。

いやらしい下り坂と急登が続く。日差しが一段とキツくなり、昨日より風が無いので皆大量の汗をかく。

 

9時40分スゴノ頭到着。

激しいアップダウンで疲労が貯まっていたのでここで大休止。今回、経口補水液を2本持ってきていたので、一本空けて皆に振る舞う。味は賛否両論。冷めた汗の味だという表現に皆イヤな顔をする。10時13分出発。

 

10時45分、スゴ乗越着。11時発。

ベニバナイチゴやブルーベリーの実が沢山なっていた。天然農園だ。

後ろから来た足早な登山者に、XXX大の学生は居るかと聞かれる。否定すると後ろで大学生グループの一人が熱中症で動けなくなっているらしく、先行した大学生に言付けを頼んだようだ(前述の筑波大WV部ではありません)。心配だがとりあえずは小屋を目指す。

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(道は結構険しい)

 

11時50分、スゴ乗越小屋に到着。

テントを張って小屋へ。手や顔を洗ってさっぱり爽快。リニューアル前の旧モルツが売っていたのでつい500mlを買ってしまう。小屋前のテラスで乾杯して、青空の下小さな宴をとりおこなう。

 

今度はテントへ戻って珈琲を入れてゆっくりとおやつタイム。

とても贅沢な時間を過ごしているなと思う。

 

14時頃だろうか、熱中症で遅れたという学生と大学生が隣で合流していた。

駆けつけた小屋の人に引っ張っ貰ってきたらしかった。その時の迎えた大学生の態度に違和感を覚えるが、言葉は飲み込む。状況も詳しく知らないまま、他所のパーティにあまり踏み込んだ事も言えないので難しい。もちろん事故が起こってからでは遅いのだが。モヤモヤする出来事だった。

 

15時過ぎから夕飯の準備を始める。

紅しょうがを混ぜたご飯にチルド豚と青ネギと青のりを載せた沖縄風ソーキ寿司丼。

ちりめんじゃことキュウリの梅和え。スペイン風オムレツの3点だ。

ご飯を炊く時に紅しょうがの汁ごと炊こうとすると、それでは飯がピンク色になるよと言われ思い留まる。オムレツがうまくひっくり返せて歓声が出る。楽しい調理時間。

3つは多いかと思ったが普通に食べられた。残ったご飯は小泉さんに明日の行動食用に握ってもらう。最後は小泉さんの用意した抹茶プリン。これも粉とお湯で出来る。当たり前に美味い、満足。

東野さんはウイスキーの水割りを飲んでほろ酔いだ。

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(スゴ乗越テント場・お米大好き)

 

スマホで天気を確認していた平川さんに明日も晴れだと教えてもらう。ここは電波通じるのかと会長が上坂さんに携帯電話で連絡。昨日から、加藤さんが何度も無線で交信を試みていて携帯電話であっさり通じてしまいなんだか悔しい。

徐々にガスってきた中、木々の間に沈む夕日を見届ける。

19時半就寝。

 

<8月13日 土曜日>晴れ

3時起床。今朝の食事当番は小泉さん。

雑炊とほうれん草のおかか煮。

小泉さんのメニューには必ずビタミン・ミネラルが含まれているので町に居る時より健康になれている気がする。

食後に珈琲を飲んで眠気を飛ばす。

 

5時5分、スゴ乗越小屋出発。

登り始めて間もなく朝日が出始める。

奥木挽山だろうか、ちょうど山頂の雲の間から太陽が出てきて、上の廊下の川に光線が降り注ぎ神秘的な光景だ。一同暫し見とれて、朝焼けをバックに記念撮影。

途中で雷鳥に出合う。逃げないが近づいてもくれない。

 

6時20分、間山に到着。

これから登る北薬師岳薬師岳が見える。

今日はひたすら登りの行程だ。ここでも昨日の筑波大WV部と出合う。6時30分、間山出発。

 

ここからは岩稜が増えてきて三点支持を余儀なくされる。浮石に注意し、足を滑らせないよう慎重に足を置いていく。東野さんが疲れから休憩をとりたがるようになる。

休憩をこまめにとる。

 

7時30分、北薬師岳手前の2832ピークに到着。

ここで軽食。昨日、小泉さんの作ってくれたおにぎりが滅法美味い。夕食で余ったちりめんじゃこと紅しょうががまぶしてある。それに余った梅チューブをつけて食べた。ありがたいありがたい。そして傍らには筑波大WV部が居る。運命共同体ですねと笑う。7時55分出発。

 

8時25分、北薬師岳着。

ここで何度もやっている無線交信をやると

雑音に交えて上坂さんの声が聞こえた。思わず歓声がおきる。薬師岳で手を振っているというので皆で手を降った。

8時35分出発。ここから岩稜も少し厳しくなってきて多少の緊張を強いられるが難しいという程でも無い。ただ稜線が細いので他パーティとすれ違うときに気を使った。

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天にも昇る・よろこびすぎ

 

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(下りるのが名残惜しい薬師岳山頂)

 

9時33分、やっと着いたぞと念願の薬師岳に到着。

ザックを置いて、山頂をぐるぐる回って存分に景色を堪能する。

いろんなポーズで写真を撮って、最後に一同で記念写真。たっぷり休憩をとってから10時2分に出発。

後は下りだけだと少し気が楽になる。少しザレ気味の道を下る。

10時35分、薬師小屋に到着。ビールを飲みたい気分だが、まだ薬師峠キャンプ場までそこそこあるので我慢。10時40分発。

 

沢みたいな道を下っていき、段々と標高が下がって行くのがわかる。すれ違う人登りの人たちの顔が一様に疲れている。この登りはキツイだろうなと思う。

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(薬師峠合流・会いたかった!)

 

11時48分、薬師峠キャンプ場に到着。

上坂さんがタープの近くで待っているのが見える。11日からベースキャンプ番として待って頂いていたのだ。全員と握手をして出迎えてくれた。加藤さんは早速ビール開けていて一口頂く。

さぁ宴の準備だと皆でテントとタープを張る。この間、秋房さん夫妻が合流。

 

この日合流するパーティの中で折立から登ってくる岩波さん一家を出迎えようと加藤さんと私で五光岩ベンチまで迎えに行く。

太郎平小屋までの道の途中で赤木沢を遡行していたC隊の小松さんと吉田さんに出会う。

五光岩ベンチに着いてから30分も経たずに岩波さん一家が上がってきた。想像していたより皆さん元気だ。少しだけ荷物を分けて貰って一緒にキャンプ場まで戻る。子供達は元気に走って駆け上がっていく。

 

15時35分キャンプ場に到着。

タープの下では早速調理が始まっていて

大量の刻まれたキャベツが用意されている。その他にも巨大なベーコンの塊や、

今まで見た事もない量のマルタイラーメンが鎮座している。

これから何が始まるんだろうか。

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(此のベーコンでかすぎやろ)

 

上坂シェフの陣頭指揮によりまずは前菜とキャベツとベーコンの入ったカレー味ポトフが振る舞われ、おつまみベーコン、ポテトサラダと矢継ぎ早に振る舞われていく。

ここで星野さん夫妻が到着。

そろそろマルタイラーメンかというタイミングでA隊の高天原組の皆さんが到着。長い行程だったらしく疲れている。

今までに出された前菜を振る舞う。

2つのタープを合わせた下に京都比良山岳会の夏山合宿A・B・C・Dの全隊と家族の皆さんが勢揃い。大宴会の様相である。周りの迷惑にならぬよう控えめに盛り上がる。

 

最後のマルタイラーメンはカレー風味のラーメンで想像していたよりあっさり。もっと闇鍋的な物を想像していたのだが、思わぬコースメニューの体裁で全部美味しく頂いた。

18時に一旦宴は切り上げ、タープを片付け就寝用のテントを張る。飲み続ける人は静かに各々で飲んでいた。

 

高天原組の女性陣の船木さん横川さんがB隊の女性陣が合流し、元いた私達のテントで就寝、会長、東野さんと私はA隊の女性陣が使っていたテントを使わせてもらう事に。寝る前にカフェインレスの珈琲を作って、加藤さんと小泉さん、星野さんも合流し、珈琲を飲んで締めくくった。

 

<8月14日 日曜日>晴れ

3時起床。

寝具を回収し元いたテントへ戻って朝食。

今朝の食事当番は小泉さん。山行最後の献立はホットドックとコーンスープ。

パンを暖めるのに鍋に入れてふかして温めるのがうまく行って温かいホットドックが美味しかった。

 

4時57分キャンプ場をA・B・C隊が一斉に出発。

これから槍ヶ岳方面に縦走する平川さんは

先に出発していて、薬師岳に登る岩波さん一家、黒部五郎岳に向かう星野さん夫妻もここで別れる。

 

5時17分に太郎平小屋着。 5時29分発

ここから折立までひたすら下り道だ。

五光岩ベンチを5時58分に通過

皆で今までの行程を振り返りながらのんびりと降りていく。下りはいいが、この登りは厳しいだろうなと思う。時間帯のせいか登りの人が多く、すれ違いで待つことが多くなる。

 

8時10分、折立に到着。

自販機でジュースを買い下界の有り難みを存分に味わう。テントを干したり、荷物の整理をしたりして皆の到着を待つ。

全隊の下山を確認後、近くの道の駅で精算。温泉で4日分の汗を流し定食を腹いっぱい食べて、帰京した。

お腹いっぱい胸いっぱいの立山縦走がここに終わった。

 

【感想】

今回は入会してから初の合宿でした。大人数での縦走は久々で、食事当番も分担していた事もあり、登る前はうまくいくだろうかと緊張していました。

いざ蓋を開けてみると1日の行動時間が短かった事と休憩を多めに取ったおかげか、歩く速度が違う皆でも足並みを揃えて歩くことが出来たと思います。

食事も皆と協力して毎日ご馳走を作れて楽しかったです。

行動中お互いをフォローしあって登っている感じがして、なんとも心温まりました。最終日には家族と過ごしているような気持ちにさえなりました。

久々に心晴れ渡る会心の縦走をしたなと思います。

メンバーの皆さんありがとうございました。

 

【感想】52期 小泉賀奈子

 「8月11日の『山の日』は山へ。」と意気込んで,穐月会長率いる夏山合宿縦走部隊に参加させていただきました。五色ヶ原のなだらかなイメージから,立山から薬師岳までの稜線はのどかなのだろうと思っていましたが,歩いてみてびっくり。2日目に幕営したスゴ乗越までは,日本昔話に出てくるようなこんもりした山がいくつも現れ,相当なアップダウンを強いられる,とても山深い山域でした。お天気に恵まれ,青々とした山並みや雲海から顔を出す朝日,遠くは日本海まで見渡すことができました。この景色に会える夏山が,私は好きです。今回は江村さんと食当をさせていただきました。鯖サンドに具沢山スープ,コンビーフオムレツにソーキ丼。新しいレパートリーが新鮮でした。杏仁豆腐に抹茶プリン。会長手摘みのベリーたちがトッピングされ,とてもおいしかったです。デザートも定番にしていきたいと思います。薬師峠CBでの集中宴会は,上坂さんのもとでみんなで食事を作るのも,大勢で食べるのも,和気藹々と楽しく,ご馳走さまでした。

今回,ある5人組の大学生のパーティーに出会いました。パーティー分離,熱中症の対応,伝達の頼み方,リーダーのすべきこと,仲間意識,いろいろなことを考えさせられました。私自身,安全登山について見直す大きな機会となりました。全ては皆で山を楽しめるように,万全を期して臨みたいと強く思いました。穐月リーダーをはじめ,縦走をご一緒してくださった皆様,合宿に参加された皆様,ありがとうございました。

 

【感想】22期 加藤一子

 久しぶりの合宿で楽しい山行をさせて頂きました。随分以前に歩いたことのあるコースだったので軽く参加表明をしたのですが、歩いてみるとかなり大変でした。若い頃の記憶はあてになりません。何とか皆さんに付いていけてホッとしています。テン場では美味しいご馳走を頂きました。夏のこの時期は単独個人山行がしばらく恒例になっていた私には、思いもよらないメニューに感動してしまいました。メニューを考え、買い出し等の準備、そして重たい荷物も担いでくれた若手メンバーにひたすら感謝です。薬師峠では上坂総リーダーが万全の準備をして待っていて下さり、他のパーティーも続々と集まってワイワイと楽しい一時でした。集中登山合宿も良いものですね。トレーニングから本番まで、色々な期の方とご一緒出来たし、チームKの結束も強まった気がします。今回の計画、準備、本番、そして車の運転等、大変お世話になりました。

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(ご満悦)

 

【感想】55期 東野政行

昨年の「雲の平縦走」の楽しさが目に浮かび。今年もまだ歩けるかなとの思いで参加させていただきました。

立山から薬師岳の縦走は、五色ヶ原の広々とした台地が雲の平に似ている感じで一番気に入りました。毎日3時起床で5時縦走開始のリズムにも慣れ、次のテント場には昼頃着でゆっくりした時間をすごせました。朝・夕食とも毎回おいしい献立を考えていただいたおかげと、皆さんの温かい励ましで何とか挫折せず完歩することが出来ました。

本当に、太陽が昇ると暑さが体の体力を奪い、足取りも遅れがちになり皆様にはご迷惑を

おかけしました。今回の教訓で、荷物の軽量化が大切なことを再確認させられたテント泊縦走でした。下界の生活に慣れると、苦しかったことも楽しい思い出として蘇ってきます。

 

【感想】59期 平川暁朗。

昨年立山三山を初めて訪れ、その頂きから見た先に不自然に平らな大地を認めて興味を持った。

その名を五色ヶ原と呼ぶことを知り、名前の美しさも良いなと感じた。

まさか今年そこへ行くとは思っていなかったが、この様な機会にめぐり逢えたのも何かの縁なのだろう。

実際に行ってみると山小屋とテント場が遠すぎることには閉口したが、オアシスのような長閑な雰囲気にあふれた心地よい場所だった。

道中立ち寄った龍王岳も個人的には好みなガレ山で印象深かった。

 

以前折立からのピストンで薬師岳には登っていたのだが、北側から見ると鋭角的でまた雰囲気が違う。

前衛峰、北薬師岳とのレイヤーが絶妙に端正な姿を演出しているようにも思えた。

山腹に在り、すぐにでも辿り着けそうなスゴ乗越小屋であったが、案外アップダウンを繰り返し、見た目よりは長いアプローチだった。

 

縦走部隊の最終幕営地で、合宿の合流地点ともなる薬師峠キャンプ場に至るまでにようやく薬師岳の頂きを踏むことができた。

以前も訪れたことがあったが、その時はガスガスで展望は望めなかった。

だが今回は最高の登頂を果たせたことに満足した。

 

計画書の文面で内容はわかっていたものの、合宿の具体的なイメージはしていなかった。

だが確かに会長も仰るように、色んなルートからそれぞれの旅を経て一ヵ所に合流するという、一連の軌跡を想像すると感慨深いものがあるかもしれない。

 

山ではいつも碌なものを食べない私なので、凝った山飯の数々には頭が下がった。

立派なタープなど予想外なボッカをされていることにも目を丸くした。

 

前半戦の強力なサポートもあったからこそ、後半のソロ山行も難なくこなせたかと思う。

3時起床からの余裕も、寝坊助な私には画期的だったが、体はすぐに順応した。

 

天候が味方してくれたのは本当に嬉しいことだった。

北アルプスの美しい姿をたくさん見ることができ、稀にみる満足度の高い山行だった。

 

【夏山合宿感想】25期 穐月大介

合宿らしい合宿としては冬の比良全山縦走が恒例となっていますが、夏の本格的な合宿としてはずいぶん間が空いてしまいました。期の若い会員には今回のようなベースキャンプ形式の合宿は初めてだったのではないだでしょうか。

13日の夜、各隊が約束通り薬師峠に集結し会員とその家族21人が鍋を囲めたのは感動的でした。

11日我々縦走隊は立山からキャベツ1玉とマルタイラーメンを携え約束の地、薬師峠を目指しました。ただの縦走ではなく、待っている人のいる所へ約束通り向かうというのはワクワクするものでした。

事前のトレーニングボッカもなんどか重ねる事ができましたし、直前のボッカではメンバー全員が顔を合わせ、合宿らしいアプローチを踏むことが出来たのも嬉しい事でした。おかげでメンバーの気心もペースもつかめていたので本番で足並も合わせる事ができました。快晴の稜線歩きにもかかわらず、暑さにへばらなかったのもボッカトレのお陰かもしれません。

コースは1日56時間で特に危険と言える程の所は有りませんが、そこは2000mの稜線です。アップダウンは半端では無いし、岩稜、ガレ場、ザレ場は普通にあるので気は抜けません。それでも毎日予定どうり昼までにテン場につけたのは年齢も体力も違うメンバーが、其々お互いの力量を心得フォローし合う事ができたからです。

それと、今回はテン場についてからがとても楽しく過ごせました。食等の小泉さんと江村君が毎日工夫を凝らしたメニューを考えて来てくださり、それをみんなで作って美味しく頂けたのは至福の一時でした。

朝は天空を旅するように尾根から尾根を渡り、午後は美味しいものを作って食べゆっくり寝る。そして目的地には待っている人がいるというのはとても贅沢な日々でした。

縦走チームの皆様、合宿参加の皆様有難うございました。

合宿は1つのパーティーだけでは無く複数のパーティーが関わり、参加出来なかった会員にも注目されます。それだけに色々なことに気が付いたり認識を共有出来ます。また、合宿のためにボッカや岩トレをする事でトレーニングにも意味が出てきます。多くの会員が合宿に参加して下さればそれだけ学べることも多いと思います。また是非この様な機会を持ちたいと思います。