京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No. 3620 夜間登山と大文字山ビバーク

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【メンバー】L長野浩三,上坂淳一,藤井康司,比留間照幸,江村一範,S

【タイム】2016年12月3日21時 地下鉄蹴上駅改札口集合~22時30分 大文字山三角点・ビバーク

12月4日7時 三角点~7時30分 銀閣

【天候】晴れ

【記録&感想】57期 藤井康司

 9時過ぎに蹴上駅を出発。気温は10度を下回っているものの、日向神社に着くころには汗が噴き出る。境内で上着を脱ぎ、先を急ぐ。ヘッドライト頼みの夜道は昼間とは全く異なった様相を呈す。前半先頭をとらしてもらったが、道は整備されているとはいえ分岐は表示板、地図・コンパスなしには通いなれた道でも迷う。後ろのリーダーのぺツル製強力ヘッドライトに助けられた。モンベルのスタンダードだけでは少し心もとない。

 10時前に尾根筋に到着。軽快に頂上を目指していた時、先頭の江村氏がジャケット、革靴姿の年配者(外国人?)に遭遇。暗くなる午後5時からライトももたず大文字山頂上を目指したとのこと。無謀にもほどがある。幼稚園児が遠足に行く大文字山とはいえ、真っ暗闇の中、道迷い、徘徊、疲労、転倒、滑落、打ち身・捻挫、遭難の可能性は充分にあった(同人は滑落の一歩手前)。

 10時20分頃山頂三角点に到着。京都市街の夜景がすぐそばに広がる。道迷い者を銀閣寺道までエスコートしに行った江村氏を除き宴会スタート。丁度良い塩梅に丸太ベンチが向かい合わせに配置されており、小テーブルまでしつらえられている。7,8人は余裕で座れる絶好の宴会スペース。上坂氏持参のイルミネーションとキャンドルサービスで気分は少しクリスマス。リーダー、上坂氏提供のキムチ鍋とおでんで暖まる。帰ってきた江村氏(本当にご苦労様でした。)を加え山談義は1時前まで続く。

 その後、シュラフカバーと防寒着、カバーとシュラフ、ツエルトとシュラフなど各々のスタイルで就寝。朝方2,3度まで気温は下がったと思われるが、ツエルトとシュラフは快適だった。聞いていたほど結露も酷くなく、次回は雪山で試してみたい。また、耐寒温度は個人差がかなりある。冬用装備を揃える際は、自分の耐性を知る必要がある。

 6時前には全員起床し、早出した江村氏を除きリーダー提供の極太うどんを食す。朝食は炭水化物、水分、塩分摂取が要だ。下りは火床経由、小一時間で銀閣寺道に到着し、解散した。

 ビバーク、ナイトハイクは是非とも経験しておきたいものの一つ。大文字山はアクセスもよく、当日、翌日ともほぼ一日他用に使える。定番としていただきたい例会だ。

 

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【感想】46期 長野浩三

 夜間登山はいつもと違う登山道の趣があった。道迷いの人を発見したのは驚きだった。キムチ鍋は充実しておりよかった。特に鍋を支える台を持参したので,鍋が安定したのがよかった。エマージェンシーシートは開くのに時間がかかり,しかも,くるまるのもうまくいかず,実用的でないと感じた。SOLのシュラフカバー状のシートは使えると思った。シュラフなしで寝たので朝4時くらいに寒さで一度目が覚めた。大文字山からの夜景は最高だった。上坂さんがもってきたイルミネーションもよかった。また企画したい。

 

【感想】59期 江村一範

私はテント代わりのツェルト泊やカモシカ山行が好きで、夏山ではよくやっていました。冬での経験はあまりなくキムチ鍋も魅力的だったので今回のビバーク訓練に参加しました。

 

21時に蹴上駅に集合しトップを交代しながら登りはじめました。気温は低くも風はなく、登りで汗だくになり上はTシャツ1枚になりました。それだけ歩きやすかった夜でした。21時50分、たまたま自分が先頭に立って登っていると上に人影が見えました。その人はライトを持っておらず暗闇で立ち尽くしていました。挨拶すると「道を教えてください」と言われ面食らいました。

話を聞くと午後5時に銀閣寺側登山道から入山後、山頂から銀閣寺へ帰ろうとするも分岐を間違って山科方面へ下り、これは違うと登り返した時に私達と遭遇したのでした。4時間位、夜の大文字山を徘徊していたようです。山頂までは方向が一緒なので、予備のライトを貸して山頂まで一緒に歩きました。22時半に山頂に到着。道中で何度も転んでいたのでシャリバテになりかけていると考え、持っていた予備の水とカロリーメイト、チョコレート等を食べてもらいました。手を見ると転んだ時に切ったのか指から血が出ていたので、血を水で流し絆創膏を貼ってあげました。放っておけないので、他の皆さんを山頂に残して私だけ銀閣寺まで一緒に下りました。歩きながら午後5時から登った理由を聞くと、昼の大文字山は何度も登っていたので登れると思ったのとの事。本人はかなり反省していました。銀閣寺口の街灯の見えるところまで行って、本人も落ち着いていたので別れました。別れ際に夜に山に入る時はライトや地図を必ず持つことなどを注意しました。

その後、山頂まで登り返して長野さんの用意してくれたキムチ鍋を頂きました。寒い中のキムチ鍋は暖かく美味しかったです。ビバーク訓練ではSOLエマージェンシーシートにシュラフを突っ込んで就寝しました。寒くはなかったのですが迷い人の事で頭が冴えてしまってあまり眠れなかったです。

 

そもそも道迷いの人に遭遇するのは初めてだったのですが、対応の仕方などいい経験になりました。そして大文字山といえどもその人の心構えによって簡単に遭難するんだなと思いました。企画&おつきあい頂きありがとうございました。

 

【感想】59期 S

夜間登山は初めてでした。ヘッドライトを使えば明るくて、歩くのには不自由しませんでした。ただし、遠くまで見通すことはできません。樹木に覆われていなければ、身支度をする程度なら、月明りで十分な明るさがあることも分りました。

今回から使い始めたペツルのヘッドランプ「ティカXP」はスイッチON→「明るさ:暗い」です。さらにスイッチを押すと、明るくなっていきます。以前使っていたブラックダイヤモンドはスイッチONしてから、さらにスイッチを押して照度を落として電池を節約していました。面倒くさいです。ペツルは高価ですが、さすがによく考えられています。

夜に活発に行動する動物達に会えるのを楽しみにしていましたが、道に迷ったおっさんに会いました。びっくり!しました。ジャケット、革靴を着用です。

寒さに弱い私は、ビバークなのに最初から温かいシュラフモンベル#1)に入って反則をするつもりでした。体調を崩して、翌日の装備点検会を欠席するわけにはいきません。その代り、ツェルトは張りませんでした。冷たい風が顔に直接あたり続けると、息が苦しくなり何度も目が覚めました。ツェルトを使うべきだと思いました。

長野さんのキムチ鍋はたいへん美味しかったです。食材の調達、下ごしらえ、調理すべて一人でなさって下さいました。おまけに各人にサーブまでしてもらって、まさに鍋奉行です。ごちそうさまでした。

 

【感想】48期 上坂淳一

夜のトレーニングに東山トレイルは距離、標高、天候、いずれをとっても、近郊の良い山です。

今回は週末ビバーク訓練という企画でしたが、あまりの好条件に、すっかり宴会モードでの参加でした。

しかし、思いっきり波乱がありました。詳細は記録を参照していただくとして、私も長年山登りをやってきましたし、事故もたくさん見てきましたが、今回ほどの例はただただ驚きです。

今でも狐に騙されていたような気がします。

やはり山は何があるかわからない。恐るべし長野例会です。

 

【感想】57期 比留間照幸

ライミング中毒の僕は、大文字と言えど、9ヵ月振りの久しぶりの登山でした。今回、ビバークはしたくないけど、ビバークの体験はしてみたいという理由で、勢いで参加してみました。結果的には、キムチ鍋を囲んだ楽しい宴会と、ツェルトを使った快適なテント泊(もちろんシュラフ有)で、追い込まれ感0%の時間を過ごすことができました。

しかし幾度となく登ったことのある大文字も、真っ暗だと全く違った道に見え、改めて夜間行動の危険を感じました。逆に京都の夜景は昼とは違う趣で格別なものでした。次回があればもう少し装備を減らし、真面目にビバーク体験をしようかな!?と少しだけ思ってます。

 

 

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