京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

〈個人山行〉前鬼川本谷 遡行

2019年7月22日(土)~23日(日) 

【メンバー】CL高橋秀治、SL小西幸一郎田辺久美子、鹿嶽眞理子、N/F、高橋幸三郎、土井司、TW 会員8

【行程】722()ロッジ前1800分集合道の駅 吉野路上北山幕

23日(日)道の駅林道林道終点(車デポ)

730分入渓~820分 210m滝~

1100分 垢離取場 着~斜滝7m~

1200分 垢離取場 発~1300

宿坊~1345分駐車地下北山温泉きなりの湯京都

【天気】曇り後晴れ

【記録】N/F

入渓後、川を上っていくとどうも様子がおかしい。別のパーティも引き返して来るため、間違えたことに気付く。川を下っていよいよ前鬼川に入る。水の透明度が増し、たいへんうつくしい。天気は曇りだったが青空も見え、なんとか天気ももちそう。われわれ以外にもパーティがたくさんいて、人気の沢だ。小西さん先頭に、順調に進んでいく。幸三郎さんがいち早く泳ぎはじめ、はしゃぎ方がまるで少年のよう。大きな釜が現れ、「前鬼ブルー」といわれる深く透き通った緑色に息をのんだ。これを見るだけでも、この沢の価値がある。

 大半がアクアステルスだったので、時々ぬめりに足をとられそうになる。唯一フェルトをはいていた田辺さんはすいすいと身軽にあるいて行かれる。やはり、フェルトはぬめりに強いようだ。

 この沢の核心といわれている2段10㍍の滝の徒渉も難なく通過し、ナメや釜を楽しみながら進む。もう核心はないと思いきや、大きな岩が立ちはだかり、急な流れもあり、どう進んでいいか分からない地点に出くわす。右岸に登れそうな岩があるが、ぬめが少し怖そうだということで、ロープを出すことにし、順番に登っていく。後続の夫婦とみられるパーティは左岸をへつるようにして通過していた。ロープは出していなかったので、そちらが正解なのかもしれないが、沢には正解はなく、総合力で登れればいいというある会員さんの名言を思い出し、総合力の沢の醍醐味を改めて感じた。

 

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210mの滝

その後も、釜にジャンプしたり滑り台したり、めいめいが楽しみながら無事に終了地点まで到着した。水は冷たく、寒いときもあったが、心配していた天気も晴れ間が多く、美しいコバルトブルーの沢を楽しめた。ところが、つめと最後の林道歩きで再び汗をたくさんかき、さっきまで寒いといっていたのに···と、沢のおきまりのパターンで駐車場までついた。

 

 

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巨岩と前鬼ブルー

 

【感想 44期 田辺久美子】

前鬼川の水の色は想像以上に綺麗で感動でした。薄着の私は冷たくて震えるほど寒いときもありましたが辛くは感じず、ずっと楽しかったです。目一杯楽しもう、と泳いだり滑ったりも出来て大満足でした。飛び込みはちょっと無理でしたが

諸事情によりなかなか山には入れない今日この頃ですが、また沢に行ける日が来ることを楽しみに待ちたいと思います。

沢初心者で装備もろくに持っていない私を誘っていただいた高橋リーダー、ご一緒していただいた皆さま、本当にありがとうございました。

 

【感想56期 土井司】

これが前鬼ブルーか!その水の透き通った青さは、大杉谷や神童子谷のように他を呑み込んでしまうブルーではなく、全てと同化するブルーだった。スタートは曇りであったが、しだいに日が射してきて一層透明度が増す。その中を遡行していく、素晴らしいの一言であった。

これを計画いただいた高橋リーダー、この空間·体験を共有いただきました皆さん、ありがとうございました。次の素晴らしいシーンでもご一緒お願いします。

追記:Fさんの身を挺しての日差し呼び込みに感謝します。

 

 

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垢離取場での滑り台

 

【感想56期 高橋幸三郎】

事前に心配していた天候も当日は何とか持ち直しそうな気配に一安心、入渓した我々の前に現れた前鬼川の水は恐ろしいほど透明度が高く美しい。これを見るだけでも遠路はるばるやってきた甲斐があったと思った。さらに進むに従ってこれぞ自然の造形の妙、できることならいつまでも眺めていたいと思えるような風景が次々と現れ、全く飽きることがなかった。お陰さまで終始、大満足の遡行となったが、お世話になった高橋リーダーはじめ同行の皆様にはあらためてお礼申し上げたい。

 

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斜滝7

 

【感想 54期 N/F

 2年ぶりの沢登り。沢はもうやめようと思っていたのに、行くとやっぱり心を奪われました。前鬼ブルーの釜のうつくしさ。川の中を道を探しながら歩いたり、大岩を登ったり、力を合わせて危険箇所を乗り越える、なんともいえない冒険感。忘れていた感覚がよみがえりました。そして、元気で再び沢にこれた幸せをかみしめました。

 髙橋リーダー、みなさま。ご一緒いただいて本当に感謝しています。沢はもちろん、前夜の宴会や車中のおしゃべりもとっても楽しかったです。晴れ女力は相変わらず高いことを証明できましたが、私の目がやはり紫外線にとっても弱いことも証明してしまいました。もっといいサングラス買います。またよろしくお願いします。

 

 

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記念写真

 

【感想 53期 高橋秀治】

 2年前に小松さん達が行かれた前鬼川本谷テント泊遡行以来、前鬼ブルーは神童子ブルーより青さが違うと教えて頂き機会があれば行きたいと思っていました。

6月頃にある雑誌に『垢離取場(こりとりば)』までならば日帰りで遡行出来ると書いてある記事が目には入りました。それではと神童子谷遡行したメンバーを中心に声掛けして実現できました。

前日は「道の駅 吉野路上北山」で山行の話等で盛り上がり、意気投合した皆様とチームワークよく遡行を始め、水面が朝日で輝き出し、さらにテンションが上がった頃に、2段10Mの滝が現れる。この迫力の景色は大峰の渓谷に立っていると実感させられる瞬間でした。左岸にあるフィックスロープを伝って登り核心の右岸に渡渉する。

先行している他グループがロープを出して渡渉し終わり、こちらは先頭を行く小西さんを高橋幸三郎さんが確保して渡りその後皆が渡渉。その後も、大岩を越える箇所では踏み台になったり、チームワークで進み、気が付けば前鬼ブルーに輝く垢離取場に到着。白い岩と前鬼ブルーに輝く水線を堪能できた遡行でした。やはり夏は水線を進む山行が楽しいと実感できた1日であった。また、大峯奥駈道における靡(なびき)の一つである前鬼山。その麓には今も61代目の五鬼助義之が当主となっている宿坊があり、そこでトイレを快くお借りできる事に驚きであり、そんな神聖な場所に沢登りと言う行為を許しって頂いている事に感謝です。

皆様ありがとうございました。