京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

№3676縦走練習/北ア/涸沢岳西尾根

2017年7月28日夜~29日 天候:曇り時々雨

【参加者】

上坂淳一L 藤井康司 TS 平川暁朗

増川雄太 YN MK 会員7

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【記録】上坂淳一

28日京都→道の駅上宝(仮眠)

29日道の駅上宝→新穂高村営駐車場5:357:00

白出沢出合~11:30森林限界12:30蒲田富士

15:00涸沢岳15:30白出のコル

30日 白出のコル~6:10奥穂高岳

6:45白出のコル~9:40重太郎橋(未架橋)

10:30白出小屋跡~11:50新穂高村営駐車場

 

当初の計画ではRWを利用して西穂高岳からの縦走を予定していたが、今年は太平洋高気圧の張り出しが弱く、涸西からアプローチすることに変更し、不安定な天候の中を出発。栃尾温泉の先から夜間通行止めになっていたので、道の駅にて仮眠、

5時前にゲートが開くのを待って新穂高へ向かう。何とか村営駐車場に止めることができた。

重苦しい空模様の中、午前中は順調に高度を稼いだが、蒲田富士を過ぎるころから雨が降り出す。岩稜帯で雷鳥に出会う。涸沢岳に着いた頃にはすっかり本降りになったが、設営時は小やみになっていた。

食当の藤井が用意してくれた玄米フレークで夕食を済ませ、平川が揚げてくれたワンマンテントに荷物を移動して就寝。

 

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30日も相変わらず降ったりやんだりの天候。テントはデポして奥穂にアタックを済ませてから下山。白出沢では残雪を200mほど下る。重太郎橋はまだ架橋されておらず、角材が側壁に立てかけてあった。

足首程度の渡渉で左岸に移り、白出小屋跡を経て新穂高に下山した。

 

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【感想】48期 上坂淳一

前回のトレーニングは日帰り登山だったので、今回はテントを持って行った。

林道を歩き始めてまもなく、ヤマホトトギスのお出迎え。アザミも鮮やかな色だ。サンカヨウはすでに紺色の実をつけていた。

涸西に取付くと、ゴゼンタチバナ、タケシマラン()、ギンリョウソウ、キリンソウが見られた。高度を上げると、ハクサンシャクナゲ、アカモノ、ミヤマダイコンソウ、マイヅルソウツマトリソウが現れ、森林限界からはヤマハハコ、チングルマ、トウヤクリンドウ、コイワカガミヨツバシオガマアオノツガザクラハクサンイチゲイワツメクサ、リンドウ、ウラジロタデ、イワオトギリ、ウサギギク、タカネツメクサが咲いていた。標高差が大きいこともあってか思いのほか種類が豊富で、また7月のチングルマは白花がほとんどであった。

さらに白出沢では、センジュガンピ、シモツケソウ、ニッコウキスゲクガイソウも見られた。

また、蒲田富士周辺では雷鳥も見られ、期待していなかったにもかかわらず、そこはさすがに北アルプス、豊富な自然に驚かされた。

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【感想】60期 MK

楽しみにしていた西穂~奥穂高縦走、天気予報が悪化する中、前日夜に何度もメールをチェックして、連絡ないので決行と判断。

靴を3足並べてあれこれ思案、結局普通の登山靴にしたので靴中は快適でしたが、上坂Lは私が外したアプローチシューズにネオプレーンソックス。沢用ネオプレーンソックスも出して悩んでいたのですが、それもありだったのですね。出発前に急遽、日帰り穂高案の時に検索しても夏の記録がなく、上坂Lに通れるのか問合せた涸沢岳西尾根ルートに変更。

登山口で、案外しっかり踏み跡ありますねと安心したのもつかのま、その後は延々と続く藪こぎが待っていました・・・

穂高山荘に到着した時は濡れて寒くて頭痛がして気弱に小屋泊希望しましたが、あっさり却下されました。わがままいってすみませんでした。

6テンで7人、満員テントの中は温かく、服も乾いてよかったのですが、夜中に喉の乾きに耐えきれずトイレに出た時に、おもいきり踏みつけてしまった方々ごめんなさい。

翌朝登った奥穂高も眺望ゼロ。穂高デビューはほろ苦いものになりましたが、白出沢を重太郎橋なしで下れたし、盛り沢山の内容でした。

天気は最高ではなかったですが、山行はとても楽しかったです。

皆様お世話になりました。ありがとうございました!

 

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【感想】57期 藤井康司

今回は夏合宿の北鎌に向けての縦走トレだ。天候不良のため西穂からの周回プランを変更し、涸沢岳西尾根のバリエーションルートを行く。

どんよりとした曇り空の中を白出沢出会から入山する。踏み跡はしっかりしているものの背丈を超える藪が延々と続く。最初は笹、次第に這う松だ。急坂は根元を鷲掴みにして登っていく。アキレス腱への負担を抑えるべく数時間の格闘の末、ようやく森林限界を超える。

打って変わって岩稜歩きは楽しい。四足のカモシカになる。ストックでバランスと鉛直方向への推進力を得て、岩稜の弱点(登りやすいところ)を突いていく。ガレ場では石を落とさぬよう、また、浮石に備えて抜き足、差し足、忍び足で静荷重、静移動しつつ、慣性モーメンタムを失わないようスムースな重心移動を心掛ける。手を使う登攀では、足場が崩れた際に備えて、体重を支えられるようなガバかプッシュできるホールドを探しに行く。ガスと霧雨で眺望はゼロだったが、頭と全身を使う登攀は夢中になれ、時間の経過を忘れる。

翌日は、奥穂高に登った後、2100メートル超の標高を駆け下りていく。当日はいつもの足裏の痛みだけだったが、翌日は全身筋肉痛となった。超回復しない限り、北鎌翌日の山行は厳しいかもと思う。

 

【感想】59期 平川暁朗

憧れの西穂~奥穂縦走だった計画が天候不良のため代案の涸沢岳西尾根に変更となった。

西尾根?よく分からないままUリーダーについて行った先は藪こぎ地獄(お好きな方には天国)でした。冬はノーマルルートらしいですが、夏の記録は殆ど見られないのも納得。

森林限界以上は中々の岩場で小雨の降る中このルートをこなせたのは多少自信になりました。

下山は3年前にも通った白出沢でしたが、まだ雪渓が大きかった。一応軽アイゼンを持って行って正解でした。重太郎橋が架けられていないので、雨で増水中の川を渡渉するのは少し怖かった。

正直、最初は雨天中止にならず億劫でしたが、久しぶりにライチョウにも会えたし、沢山の高山植物にも癒され、やはり日本アルプス。終わってみれば思いのほか満足しておりました。

 

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【感想】59 TS

地図に道も町の名前も描かれていない所が「どんなところだろう?」と想像すると、私はワクワクする。行ってみたくなる。

涸沢岳西尾根の地図には道は描かれていない。行ってみて分かった。とんでもない所だった。急登で藪漕ぎ。木の根に足を取られるし、木の枝のジャブの連打が顔面に容赦なく浴びせられる。休憩するにも、小さな平面もないので一苦労。道が描かれていないことに納得した。樹林帯を抜けると、岩稜帯が続く。

2日目、奥穂のピークを踏んだ時は嬉しかった。白出沢を下降する。両側は切り立った崖が迫っている。絶景だ。天気が悪くて、全行程において眺望を得ることができなかったのが残念だった。

当初の予定のルート「西穂~奥穂へ」を、晴天の日に歩きたい。ジャンダルムで青空と岩をバックにドヤ顔で写真を撮りたい。

 

【感想】60期 YN

北アルプスでの縦走練習、当初、残雪やら重太郎橋がないとか心配されたが、Uリーダーがあまり動じておられないので決行だろうと思っていた矢先、ルートは変更になったものの、決行となり安堵する。

白出沢出会い前の水場では、軽量化途中の重い荷物と出発時に調子に乗り負担した共同装備のテントを力任せに背負ってきたのが災いし、まだ出来ていない肩が非常に痛くなり、TSさんやMKさんに担ぎ方等々を教わり大分ましになり、また調子に乗る。

涸沢岳西尾根ルートは冬期のノーマルルートだそうで、確かに奥穂山荘までつがいの雷鳥(たぶん)に遭遇した以外、他の登山者に出会うこともなく、我が隊だけの独占ルートだった。岩と木の根の絡み合うアスレチックな急登や延々と続く熊笹の藪漕ぎを続け、やっと尾根に出る。ただ尾根から岩稜帯に入った頃に、いよいよ肩が悲鳴を上げ、皆さんに荷物を負担してもらいつつ、ナイフリッジ?を通りなんとか涸沢岳に着けたときは感無量だった。

テント泊中も雨冷えと疲れから体調を崩したが、リーダーの勧めで山荘で休憩したおかげでなんとか回復した。

下山は白出沢ルートで一部雪渓が残っており、軽アイゼンをつけたが慣れておらず、よく滑った。リーダーはアプローチシューズではじめから滑って行かれたのでびっくりした。

岩切道はスリリングで楽しかった。白出大滝はまだ雪渓に覆われており見られなかったが、渓谷は迫力満点だった。奥穂高からの展望はガスっていて見られなかったのは残念だが次回のお楽しみだ。

リーダー、参加者の皆様ありがとうございました。

 

【感想】59 増川雄太

今シーズン初の3000m峰で、「まー、体力的にはなんとかなるっしょ!」と思い出発しました。気付いたら、藪の海が広がっていました。

はじめての藪漕ぎでしたが、留まることを知らない笹・ハイマツ・何かよく知らない木々の藪に、幾度となく精神と身体を打ちのめされました。僕は2番手でしたが、U親方が先頭を切らなければ藪の中でたぶん倒れていました。

その後、蒲田富士を経て涸沢岳まで岩の稜線を歩きます。藪でだいぶ脚を使ったので、ほぼ腕を活かし身体を振りながら登りました。ボルダリングジムに行っておいて良かったと思いました。

晩御飯はチャーシュー丼で、マヨネーズ&七味のゴールデンコンビに胸を打たれました。

翌日は雪渓を通りました。雪国出身のプライドから、アイゼンを履かないと気合を入れていきましたが、すぐコケました。やはりアイゼンは必要です。そして、前日の雨で増水した沢をちょっと怖いなと思いながら渡渉し、あとは林道を下り帰路に着きました。

帰り道、ネットで「日頃の充たされぬ思いを非日常の中に発散する」ために藪漕ぎをするひとがいると知りました。人間の価値観は海より広いかもしれません。