京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

〈個人山行〉京都百名山シリーズNo.25・26 傘峠・ブナノキ峠

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写真1: ブナノキ峠(939m) 内杉谷川右岸尾根より

 

平成29923()

 

京都北山芦生には京都大学の研究林があり豊かな自然が守られている。勝手な入林は規制され事前許可が必要だが、エリアによっては届け出だけで入林できる。今回はと名乗る、傘峠(935m)とブナノキ峠(939m)を目指した。

 

【メンバー】 山本浩史L(車)、鹿嶽眞理子、河合美香、梅村重和()、船木徹、YN(車)    計6

【行  程】 京都国際会館7:028:25芦生山の家P8:419:25幽仙橋~10:45稜線出合~11:24欅坂登山口~12:04ブナノキ峠12:3013:41傘峠14:0415:17欅坂登山口~16:04幽仙橋~16:47芦生山の家P 17:0317:22自然文化村河鹿荘18:3020:08京都国際会館

【登山データ】 晴れ後曇り 歩行19.8 8時間06 延登高1,029m 延下降1,029m 2座登頂

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今日の参加者は京都市北部の人が多く国際会館駅集合とした。花脊峠、佐々里峠を越えて最短ルートで芦生に入った。芦生山の家駐車場で現地集合のYNさんと合流した。今日の行程は全て京都大学研究林のエリアで研究林事務所前に届を出して入林した。内杉谷川沿いの林道を3.3㎞歩き幽仙橋に達した。川を渡って対岸の斜面を上って行く林道と分かれて内杉谷川の点線道に踏み入れた。2.5万図には点線で描かれているが踏み入れると道形は殆ど失われ渡渉を繰り返して進んだ。

西からの顕著な枝谷を越えて尾根の張出しを過ぎると点線道は稜線に取付いている。しかし道形は全く見出せず強引に斜面に取付いた。急斜面で木に摑まって這い上り、40分掛けて稜線に達した。途中2.5万図通り道跡らしきものが横切ったが、やはりすぐに途切れてしまった。稜線に上がると点線道が描かれているので安心していたが2m余り幅のある林道があり、稜線直下を巻くように並行していた。稜線を忠実に800m程進むとしっかりした林道に達した。標識に「←中ノツボ線1. 3㎞、杉尾・権蔵線(杉尾4.3㎞)→」の標識があった。中ノツボ線は中ノツボ谷の方に向かいそうだが1.3㎞の行き着く先は何処だろう?

欅坂方面へと林道を進むと真新しいショベルカーが置かれていた。アームには何と京都大学の表示があり職員が乗るのだろうか? 研究林事務所から来た林道欅坂に達し、南側のブナノキ峠登山口から再び登山道となった。10分足らずで2.5万図に記載のない林道に達し、ブナノキ峠は傘峠に行ってからの予定なので林道を東に進んだ。地図に無い林道なので稜線を歩いていないことに不安を感じ始め稜線に這い上がった。そして現在地の確認を誤り反対方向へと進んでしまい、乗り上った処は何とブナノキ峠(939m)だった。

昼食休憩を取り今度はしっかり地図を見てコンパスを合せ分岐点に達した。傘峠までの稜線は谷の源頭が深く食い込む複雑な様相で方向転換点の見極めが難しい。2.5万図に記載のない林道が概ね北側の稜線直下を巻いておりこれは何処に行くのか分からないので稜線を忠実に歩いた。稜線には栗の木が多く栗拾いをしながら進んだ。名前はわからないが白い軸の頭の丸い可愛らしいキノコを見つけた。樹林の途切れた所から傘峠の姿が望めたが対岸の稜線のように見えた。

90°方向を変え北東に進んで傘峠の西の肩に乗り上り、東に向きを変えて傘峠(939m)山頂に到った。山頂標識を探すが何の表示も見出せなかった。暫し休憩し来た道を引き返したが、帰りもルートファインディングは難しく、1回間違ってしまった。欅坂に達し後は長い林道歩きで研究林事務所へと戻る。徐々に高度を下げ内杉谷川へと下って行く途中、しっかりした枝谷を3つ越えた。綺麗な地層を現した滝があり中々の景観を示していた。

往路で谷道に入った幽仙橋に達したが、林道歩きはまだ半分、登山靴の足は疲れて重い。林道歩き1時間27分で漸く登山口の山の家駐車場に帰り着いた。京都大学の院生の女性がアンケートの依頼に来たので入林の感謝を込めて皆で協力してあげた。立ち寄り湯は河鹿荘で鹿嶽さんのモンベル会員証で100円引の400円で入浴することができた。園部に帰るYNさんとは此処で別れ、来た道を通り国際会館駅に戻り、帰りを急ぐ船木さんを皆で見送り、駅前の王将で夕食会をして解散した。

 

【感 想】 60期 YN

自分にとって京都百名山シリーズ3回目、今回は行ってみたかった京大演習林芦生の森。数日前の予報とは打って変わり、当日は絶好の山行日和だ。自分は京大演習林事務所前に現地集合し、メンバーの皆さんと合流する。舗装されたメタセコイヤ系林道が終わると、明瞭な道のない谷筋を歩き、急登へ取り付く。しばらくして稜線に出ると林道も平行しており尾根筋と併用しながら歩いて行く、途中から林道が急に広くなってきたなと思ったら京都大学と書かれた大小2台のショベルカーが眼前に。おそらく近年の深刻なナラ枯れ等から山を保存するのに林道が必要なのだろうが何か違和感を覚えた。

欅坂からは傘峠とブナノキ峠の2つのピークを目指し進むが、林道歩きから尾根歩きに修正するが間違ってブナノキ峠に先についてしまい昼食となる。地図にない林道に迷わされリーダーやメンバーのGPSに修正されながらようやく傘峠に着く。明瞭な標識がなかったのが少し残念。下山時も迷う分岐に山本リーダーから度々修正をされつつ林道に降り出る。所々にあらわれたトチやブナの大木は神々しく感じたが400年物のナラの木はほとんどが枯れてしまっているそうである。昔来た人がうらやましい。ラップで処理された沢山のナラの木は痛々しかった。機会があれば紅葉の時期にまた訪れたい。

 

 

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写真2: ブナノキ峠(939m)山頂にて

 

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写真3: 西に続く稜線より傘峠(935m)を望む