京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3716 荒島岳

2018年3月17(土)夜~18(日)

 【メンバー】

L高橋秀治、中尾諭、松井篤、FN、鹿嶽眞理子、土井司、TW、平川暁朗、小前竜吾、会員9名

【行程】
17日 ロッジ前20時00分集合―

三条山科FM前20時30分集合―

道の駅禅の里着11時30分 幕

18日 4時00分起床―勝原スキー場跡駐車場着7時10分 7時30分出発~シャクナゲ平着10時00分~荒島岳着11時30分12時00出発~シャクナゲ平下西側斜面 滑落停止訓練~駐車場跡着14時30分―入浴―京都帰着 解散

 

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勝原スキー場跡駐車場にて

 

【記録・感想】53期 高槁秀治

4年前の3月に登って観た景色、稜線から山頂まで雲一つ無い青空の下を真っ白な白山を眺めながら歩ける非日常の世界をもう一度見たいと思い続けやっと実現できました。

山談議で盛り上がりながら、道の駅に到着。早速テントを張れる場所を確保して設営。

寝つけの一杯と飲み始めると6テンに9人が入り、暫しの宴。4時に起床して暖房の効いている室内に移り朝食。食後のお茶うけに土井さんから「天国と地獄」というゆずあんの中に辛子等が入った激辛饅頭でロシアンルーレットタイム。益々盛り上がって快晴の中を勝原目指します。しかし、勝原スキー場跡まですぐの下唯野でこの先雪崩のおそれが有り、午前7時からしか通行できず、1時間余り足止め。

 駐車場から松井さんを先頭に歩き出し、1時間余りでリフト残骸跡に到着。そこからは気持ちの良いブナ林を進み、最後の急登を登り終えると、シャクナゲ平。ここでアイゼンを装着してもちがかべを通過。

 稜線に出ると期待通り真っ白な白山を横に眺めながら、整然とした隊列で進み荒島岳に到着。ピークの標識等は雪の下ですが、祠は顔を出していました。南斜面で風をよけて行動食等で昼食。もちがかべを過ぎるまでは慎重にと思いながら進むも、会長が急斜面の足の運び等を指導と、一気に降りていきびっくり。

 しゃくなげ平に着きアイゼンを外し、急斜面を確認し、滑落停止訓練の用意。こんな急斜面でするのかとみんなが思っていると、会長が頭から一回転し滑落停止の見本を披露。しばらく誰も動こうともしない。それでは、しりもちをついて滑り出すという設定で行こうと言われ、ようやく練習開始。みんな真剣な表情で繰り返し練習する。これが青氷の世界ならピッケルを刺す行為等比べ物にならないと実感。これくらいの斜度がないと練習にならなかったと思いました。

 無事駐車場に着きお風呂に入り帰路に着きました。

 中尾会長をはじめ参加頂いた皆さんと青と白だけの非日常の世界を十分楽しみ、さらにアイゼン歩行や滑落停止訓練等充実した時間が過ごせありがとうございました。

 

【感想】46期 松井 篤

これ以上は望めない好天と足並みの揃ったメンバー、さらに程度の積雪状況のおかげで、私にとって何故か近くて遠かった荒島岳に初めて登ることができました。

樹林帯も素敵なルートでしたが、稜線は本当に気持ちのいいルートで、周りの山々の景色を楽しみながら、気持ちよく頂上に達することができました。

頂上は360°の景色が楽しめ、特に白山の文字通り真っ白の山容が間近に望め、いつまで見ても飽きないような素晴らしい場所でした。

また、下山の途中には滑落停止訓練もあり、中尾会長の回転レシーブのようなアクロバティックな模範演技には驚愕しました。

素晴らしい例会を企画していただいた高橋リーダー、足の痛みにも関わらず多くの写真を撮っていただいた小前さんをはじめ参加者の皆さん、本当にありがとうございました。

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トトロの木のあるブナ林を行く

 

【感想】 57期 TW

以前の会報で大雪で真っ白になっている荒島岳山行の写真を見て、名前通り荒々しい山だなぁという印象を持っていました。ところが、この山行では終日穏やかな上天気。雪は少し腐っている感じでしたが、とても歩きやすく、登り始めから下り終えるまで、ずっと360度の景色を見渡せる大変気持ちのいい山でした。

下り道では中尾会長にアイゼンワークと滑落訓練の稽古をつけていただき、今後のよう山行につながる経験ができて、大変ありがたかったです。

以前から気になっていたのですが、アイゼンワークで私は急下りする際に怖さが勝って腰が引けてしまい、結果、滑りやすい体制を取ってしまうので、なんとか克服しないといけないなぁと再確認しました。

滑落停止訓練では中尾会長のお手本がとても華麗であった為、意外と簡単に出来るものかな?と一瞬思いましたが、大間違いでした。滑落とは練習に使うような緩斜面であっても大変怖いもので、いかに早く滑落停止動作を開始できるかが肝心なのかなと思いました。

晴れ女・晴れ男揃いのメンバーのおかげで、最高の山行でした。

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雲一つない空の下を歩く

 

【感想】61期 小前竜吾

荒島岳日本百名山であり、登山に猛烈にのめり込んだ昨年から登りたい山のひとつになっていました。山岳会に先月に入会し、またまたやってきた絶好のチャンスです。高橋Lに早々に参加のお願いをしました。週間天気予報は「くもり」、加えて158号線は雪崩の影響で一時不通となっており、はらはらしましたが、当日はこれ以上無い快晴に恵まれました。白い雪、青い空 そして北側に雄大な白山、南側に能郷白山 なんと贅沢な景色でしょう。さすが日本百名山荒島岳と感服しました。しゃくなげ平からピークまでの稜線で、メンバー9人が縦列をなし登山する様は、メンバーの一員であることに感謝し、そして感動させてくれました。下山途中で、中尾会長による雪上滑落停止訓練は、ピッケルの重要性を肌で感じることができました。YOUTUBEでよく見ていた停止訓練は、「何の意味があるんだろう?ただ、滑って遊んでいる?」と半信半疑でしたが、実際に訓練をしてみて、よくよく理解できました。ピッケルは歩行を支援する杖ではないんですね。登りはピックを前方に、下りは後方に構える意味が分かりました。中尾会長ありがとうございました。

山と高原の地図「白山」には、「荒島岳」と「能郷白山」が併記されています。白山も、能郷白山も登ったことがありません。登山中の会話で、2つの山の話題が頻繁に出てきました。近いうちに是非登ってみたいと思います。

今回の例会を企画していただいた高橋L、一緒に登っていただいた皆様、本当にありがとうございました。

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急斜面を慎重に下りる

 

【感想】59期 平川暁朗

昨年の四月初旬にこの山で滑落事故を起こした因縁もあって、積雪期の荒島岳にリベンジしたいという思いがずっとあった。

今回は久々の前泊登山。道の駅の休憩所にてDさんから配給された向日市銘菓ゆず饅頭「天国と地獄」。甘いの7個に激辛2個のロシアンルーレットで見事に当たりを引き当てた私。

何やら不吉な前振りをもらったような気もしたが、とりあえず気にしないことにした。

はずだったが、登りはじめまだ唐辛子が腹の中で暴れまわっていた。なんたる破壊力。

過去に二度この山を訪れていたが、どちらもガスガスで今回のような快晴は初めてだった。確かに見覚えのある地形ではあるものの、こんな山だったっけ?と良い意味でイメージを払拭させられた。もちが壁も越え、因縁の400メートル大滑落の現場も過ぎ、最後は先頭のMさんのお言葉に甘え先行して登頂させてもらった。個人的に息を切らすほど追い込んで立つ頂が好きだったりもする。眼前に浮かぶ白山がまさしく抜きんでて白い山だった。なんと清々しい。

気が付けばもう地獄は消えて天国だけが広がっていた。

下山時には適当な斜面で会長指導のもと滑落停止訓練を行った。

最初は躊躇したでんぐり返りからの滑落停止も一応クリアできた。

この技術が生死を分ける場合もあることは、おそらく大多数の人よりも身に染みている。良い経験をさせていただいた。

 

【感想】56期 土井司

一週間前の予報では雨もしくは雪の予報であったが、同行メンバーに祈祷師と同等ほどの力を備えたFNさんがいらっしゃるので晴れるであろうと予想していたら、期待通り絶好の天気になった。「真っ青の空のなか白い山を登る」なんと気持ちのいいことか、素晴らしい!の他には言葉が出てこない。高橋リーダーをはじめ気のあったメンバーで山へ行くだけでも楽しいのに天も加担してくれた。積雪期の荒島岳は初めてで頂上からの展望は期待以上。正面に堂々と横たわる白山が「こっちにもおいで」と誘いかけてくる。後ろを振り返ると能郷白山が「私も忘れないで」と白い微笑みでウィンクする。それぞれの誘いに応えてあげなければな、と思いながら山頂を後にしたが、はたしてできることやら。

最後になりましたが、高橋リーダー、ご一緒くださいました皆様、滑落停止方法をご教授いただきました中尾会長、松井様、素晴らしい時間を共有頂きありがとうございました。

 

【感想】54期 鹿嶽眞理子

直前に雪崩による通行止め等があり心配しましたが、当日は通行時間制限はあったものの無時に行けてよかったです。雪は良くしまって歩きやすく、お天気も最高で、予告通りの360度の素晴らしい景色は最高でした。

私はピッケルはずいぶん前から持っているものの使ったことがなかったのですが、今回は中尾会長より滑落停止の訓練をしていただき、常に山側に歯が行くように持つ意味も理解できました。滑落停止はまだまだへたくそなので、機会があればまた練習したいです。お世話になった皆様、ありがとうございました。

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滑落停止訓練風景

 

【感想】54期 FN

 青い空に銀世界の森。理想的な雪山の世界がそこにありました。会に入るきっかけは、冬のリトル比良に連れて行ってもらったことでした。見たことのないほど美しく、スリリングな体験に、すっかり魅了されてしまったのでした。

 その後、皮肉にも冬山でけがをしてしまい、今は、冬山が怖くなっています。今回も、みなさまが普通に通過しておられる場所でも、あの日の記憶がよみがえり、密かに緊張感を強く持っていたりもしました。それでも、信頼できる方々とご一緒できたことで、少しずつ、取り戻せていっているような気がしています。

 滑落停止訓練も、何度かしたことがありましたが、より実感をもってできました(あの時と状況は違いましたが)。中尾会長ありがとうございます。

 信頼できる方と登る山が一番楽しい。また山に来られてよかったとしみじみ思った山行でした。

 みなさま。大変ありがとうございました。

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荒島岳山頂で記念写真

 

【感想】26期 中尾諭

 今回の山行は、スキーで登るつもりで、スキーを車に乗せて行った。ところが、勝原スキー場跡辺りが、公園化により多数植林されて、土が多く見えていたので雪があまり無いと思い、歩いて登ることにした。

 歩き始めてすぐにスキーでも行けそうと思ったが、中腹のブナ林の混み具合が分からないので、偵察山行と割り切って登ることにした。

 しゃくなげ平までの一部のやせ尾根で、スキーで下りるには、私の技術では苦戦するところが数箇所あったが、何とか下りれそうなので、来シーズンチャンスがあったら挑戦しようかと思った。

 山の景色のほうは、晴天の中稜線に出ると、白山や能郷白山、大日岳等の高い山はブルーの空を背景に雪で白く輝いており、郷に目を転じると、田や畑が黒々としており、ちょっぴり早い春山気分で楽しい雪山遊びの山行になりました。