京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.2702 嵯峨野の古墳と秦氏の史跡を探しに(読図ポイント)

【日程】2005年5月14日(土)
【天候】晴れ
【参加者】会員8名 非会員2名
【コースタイム】9:00 阪急松尾駅前→11:10 松尾山古墳群(枝尾根往復)→12:00 昼食 13:10 松尾山→13:50 嵐山城跡→15:20 嵐山妙見堂→15:25 大悲閣→15:45 嵐山渡月橋 


【記録】
最初に遺跡地図と資料のコピーを頂き、松尾大社・古墳群・秦氏・古道などの歴史的背景について、A月さんから説明がありました。松尾大社にお参りした後、読図例会ということで、コンパスの1・2・3の仕方、歩測は複歩(右足と左足の両方で一歩と数える)で数えること、国土地理院1/25000地図の読み方など、コンパスの使い方を教わりました。その知識を使って、リーダーを順番に交代しながら、今日1日歩きます。
まず、新しい住宅地の中を、右手の山の地形を確認しながら西芳寺へ進み、次に西芳寺裏の竹薮の中を、松尾山古墳群めざし登りました。途中、地図を読んでいるつもりが西芳寺へ下る道を選んでしまい、早々に失敗です。道を戻して少し行くと、S方さん、A月さんが古墳を見つけて教えてくださいました。落ち葉や土に埋もれ、石室も狭くてよく見えませんが、大きな石を積んだ群集墳の形態が少しわかりました。ここからは登山道を離れ、古墳がたくさんある場所をめざします。道のない急な斜面をどんどん下ると、それらしきところに古墳がいくつもあって皆感激でした。
登り返して昼食。今日はいいお天気で湿度も低く、新緑の中を快適な山歩きです。午後からは、石室の残る立派な古墳もたくさん見つかりました。地形図を見て現在地を確認するのも面白くなってきました。京都一周トレイルと合流した後、N田さんが‘ヒトクチダケ’というキノコを見つけて、枯れた松に生え、下向きに菌を落とすための口をひとつ開けるのだと、わかりやすく教えてくださいました。(このキノコは食べられません) 松尾山(276m)の三角点は開けた気持ちのよいところで、北東に見える双ヶ丘をコンパスで確認する方法を教わりました。山歩きを増やす、というA月さんのご提案で、ここから嵐山(382m)に向かいました。登山道から少し右に登ると室町時代の嵐山城跡があり、少しだけ石垣も残っていました。この当時の山城は、ほとんど土の壁だったそうです。ここからは、天龍寺、大文字の鳥居、大沢池などが見えました。小倉山がわからず、A月さんに教わりましたが、意外と低い山で驚きました。
ここからは、烏ヶ岳(398m)を左に見て北西に進み、烏ヶ岳を通り過ぎたあたりの尾根を、大悲閣へ下山です。地形図とにらめっこで、下山口を見つけるのですが、難しい。やはりS方さん、A月さんの先導で、私には道なき道と思える尾根筋をどんどん下り、めざす大悲閣へ到着しました。
読図の勉強をしながら古墳を見つけるという今回の例会は、いつもハイキング地図に載っている道を歩くだけの私には、とても新鮮でした。道をはずれて目的地を探すのも、S方会長、A月さんが見ていてくださるので安心感があり、たくさん勉強させていただきました。各所での歴史のお話も、たいへん興味深く聞き入ってしまいました。当日ゆっくり見られなかった資料は、これから読ませていただきます。
資料の準備、連休中の奥様との下見など、A月さんには、当日も含めてたいへんお世話になりました。楽しい例会を企画していただき、ほんとうにありがとうございました。