京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3889 読図例会 音羽山から醍醐寺へ

2020年12月12日(土) 

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音羽山山頂にて

【メンバー】CL小泉賀奈子、梅村重和、岸田侑子、山田俊男、他1名  会員4名、非会員1名 計5名 

【行 程】晴れのち曇り 8:30京阪大谷駅 9:00~10:58音羽山11:10~11:55牛尾観音(昼食)12:34~13:42高塚山~14:42醍醐寺~14:55地下鉄醍醐駅

 

【記録・感想】52期 小泉 賀奈子

山田さんからリクエストがあり、これまでに読図例会を行ってきた中からこのコースを再訪することにした。中でも音羽山は歩きやすく、歩測や山座同定などの地図読みの基本に触れられて学びが多い。師走の寒空を覚悟していたが、お天気に恵まれ思いの外暖かいハイキング日和となった。

京阪大谷駅すぐの公園で読図用の地図を渡し、磁北線を引いてもらった。コース上に出てくる主要な地図記号をおさらいし、歩き始める。1号線に架かる逢坂山歩道橋で歩測をし、約25mの長さを何歩で歩いているか各々計測。歩測は道迷いの時などに役に立つ。後に出てくる534mのピークからの下りで歩測の効果を確かめてもらった。

今回も、先頭を交代しながら読図地図に記された地点を目指して進んでもらった。山田さんは、そこへ辿り着くまでの道のりの特徴や傾斜、尾根や谷を予測されるのが的確だった。読図の師匠がおられて、詳しく学ばれたそうだ。音羽山では琵琶湖がよく見えた。比叡山も美しく聳えていた。椅子のあるスペースでは別のグループがクリスマス会をしていた。音羽山に60Lザック?と思っていたら、サンタの衣装が入っていた模様。山でパーティーも楽しそうだ。 

音羽山から谷を巻いたところで山座同定。コンパスの使い方を練習し、千頭岳を同定した。牛尾観音では境内で火が焚かれ、暖をとって昼食をとることができた。住職はおられなかったが、手入れに来られていた地元の方に、「鐘を撞いていってくださいね。」と言っていただいたので、皆で鐘撞き。下見の時に、鐘の下に立って音を聞くようご住職に勧められたので、この日も一人ずつ交代で試した。外側で聞く音と、内側で聞く音が違っていて不思議な体験だった。

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鐘を撞く梅村さんと鐘の中に入る山田さん

この先は、谷伝いに南下して高塚山に向かった。上醍醐への分岐では、数本の道が方々に延びている。読図地図に記された道は真西に進む道。分岐上で次の進行方向を皆さんに尋ねたところ、悩みながら上醍醐方面を指差す方も。「こっちだろう。」という思い込みは道迷いを誘発する。先日、鈴鹿でルートミスをした。濃霧で視界が悪く、合わせたはずのコンパスが微妙にずれていてコースアウト。斜度が急になり、おかしいなと気付いて引き返した。読図は間違わないことが一番だが、方向と地形から感じ取る力を養うことが重要だと思う。間違えてデータを集めることも力になる。GPSで位置確認をすることも手だが、勘を鍛えておきたい。自戒を込めて。

高塚山の三角点は少し分かりにくいところにある。先頭を歩く岸田さんは通り過ぎてしまうかと思われたが、「広場になっているので。」とぴったり見つけられた。等高線の間隔が開いているところを「広場」と定義して、この日は地点の特定に大いに役に立った。まさにミラクルだった。このあと下りからの登り返しがある343mのピーク、最後の送電線の鉄塔を経て醍醐寺へ。梅村さんには簡単すぎました。みなさんへのレクチャーも率先して行っていただき、ありがとうございました。

読図に熱心に取り組む皆さんとわいわい話しながら歩けてとても楽しい一日となりました。  

 

【感想】62期 山田俊男

先輩方から楽しいと評判の小泉リーダーによる読図例会にこの度参加させていただきました。

山に入る前に簡単に地図読みのレクチャーをして頂きました。磁北線の引き方から地図の読み方などクイズ形式で行ったのですが、これが楽しくて小学生の頃に行った野外学習を思い出しました。それが終わったら今度は実際に山に入り、一人ずつ先頭を変わりながら地図上のポイントを探して歩きました。このトレイルは初めてあるきましたが、とても歩きやすく素朴な良いお山で地図読みをするのに最適なコースでした。お昼ご飯を食べた牛尾観音では鐘楼の鐘の中に自ら入って鐘の音を内側から聞くという人生初体験のアクティビティもあり感動しました。楽しく地図読みスキルをレベルアップできた一日となり参加して本当に良かったです。参加者の為の資料作りやコースの下見など準備が大変だったと思います。小泉リーダーには心より感謝しております。ありがとうございました。またご一緒していただいた会の皆様もありがとうございました。 

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西から延びる谷を地図上で確認中

【感想】62期 岸田侑子
読図例会は、参加する度に学びが多いと実感します。

コンパスを使った現在地の確認、尾根や谷、地形のカタチ、登りや下りの感覚…。これらのことが、まだ自分の登山には馴染めていなかったことばかりでした。けれど、今日実際に自分の足で山を歩き、目で見て景色を確認することで、平面の地図が、目の前に3Dで現れたような感覚を覚えました。地形の流れを予測して、目印はどこかな~?とあたりをキョロキョロ。読図はまるで、始めから犯人がわかっていて、そのヒントがたくさん散りばめられていて、答え合わせをしながら進んでいくようです。「地図にはストーリーがあるんだよ」との言葉、印象的でした。
初めて歩いた大谷~音羽山醍醐寺のルートは歩きやすくて景色も楽しめる素敵な山でした。参加されたみなさんと、地図をみてあれこれお話した時間、とても楽しかったです。リーダーの小泉さん、御一緒したみなさん、1日ありがとうございました。

 

【感想】59期 梅村重和

音羽山醍醐寺は今まで行ったことのない初めてのルート。大谷駅で配布された地形図のコピーに磁北線を引き、地図の読み方や記号についてレクチャーを受ける。いよいよ小泉読図塾のはじまり♬はじまり♬。このあたり、何度聞いても新鮮な気分になるのが不思議である。大谷駅から物流の大動脈・国道1号線にかかる歩道橋を渡り、音羽山に向かう登山道に入れば、たちまち静かな山道となる。これから醍醐寺までのルート上にプロットされた17カ所の読図ポイントを当てるのであるが、これが中々手強い。地図の等高線を見て、頭の中で尾根と谷の立体的なイメージが出来ればしめたものであるが、いつものことながら里山は等高線が入り組んでいて解り難い。そのなかで何らかの地形の特徴を見出し、ポイントを見つけるのに科学的理論思考(それ、なんやねん??)が要求されるところが面白い。この地点をポイントに設定した小泉塾長の意図を読み取らねば正解にたどり着けない。

音羽山は思いのほか展望のいいところ。琵琶湖が綺麗に見えている。意外と近いね。

牛尾観音でお昼休憩、焚火のそばで昼食となる。観音様にお参りしたり釣鐘をついたり、ちと、のんびり。残りのポイントをこなしながら到着した醍醐寺では名残の紅葉に迎えられゴールとなる。

今日も充実した休日となった。小泉塾長&参加者の皆さん、深謝!