京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3877 読図例会 八瀬から比叡山横川、坂本へ

2020年11月8日(日)

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【メンバー】CL小泉賀奈子、岩波宏、TS、小前竜吾、近本かずみ、HI、筈井益夫、非会員3名 計10名

【行 程】11月8日(日) 濃霧 後 晴れ

8:30叡山電鉄八瀬比叡山口ケーブル八瀬駅で磁北線の書きこみ9:00~11:22 スキー場跡~12:05釈迦堂~12:53玉体杉13:03~13:38横川中堂~14:30三石岳~15:29金大巌~16:05日吉大社~16:20JR比叡山坂本駅 解散

【記録】52期 小泉賀奈子

行きも帰りも電車でアプローチできる京都近郊の山でどこか読図山行を設定しようと地図を眺めていたところ、八瀬から比叡山横川を経て、日吉大社まで歩けることが分かり、早々にルートを決定した。

前日は雨だったので、山道がぬかるんでいると予想していたが、思ったより歩きやすくて良かった。岩波さんには間に入ってもらい、小前さんには最後尾を歩いてもらい、他の参加者のみなさんで先頭を交代しながら進んでもらった。

今回、いくつか判断しがたい箇所があった。まずは筈井さん先頭時の最初のポイント。主尾根をまいてトラバースするのだが、尾根が不明瞭で混乱させてしまったと反省。下見の時はもっとはっきりわかったのになあ。

その先は、谷や尾根、コルなど、わりと分かりやすい地点を見つけながら進んだ。尾根を歩いている途中、トラバース道に入って脱線することも。比叡山は地図に載っていない細かな道が多く、下見の時に苦労した。

目ぼしい山がないので、遠くまで見通せる開けたところから東北部クリーンセンターを山座同定した。地図上で確認し、コンパスを合わせ、手元に載せて特定する。白くて長い煙突がよく見えた。

延暦寺の境内は人工物も多く、地形以外の石段やトンネルが地図上に記されていておもしろい。分かりやすい谷が、周りの景色に気をとられて見落とすことも。前半、思っていたよりも時間がかかってしまい、釈迦堂を過ぎたあたりから皆さんを急がしてしまうことになってしまった。奥比叡ドライブウェイと並行して歩く箇所では、慌てていたせいか、地形も十分に読めておらず、皆さんを混乱させてしまったなあと反省。お昼休憩も短くてすみませんでした。

横川は紅葉がとてもきれいで、燃えるように色づく楓の葉は、横川中堂の朱色と競い合うように存在感を示していた。

しばし観光気分を味わった後、山道に入り三石岳へ。三角点を見つけたあと、日吉大社へのルートをみんなで考えてもらおうと思っていたが、すでに14時半を回っていたので予定通りとはいかなかった。下見の時に2万5千図に書かれたコースをたどったが、急に斜度が増し、転落しそうになった。後で出会った登山客に聞くと、あれは間違っているのだそうだ。カシミールから引用された小前さんや筈井さんの地図にはまた別のルートが示してあったので、次はそちらも散策してみたいと思った。

日吉大社までは特に迷うルートもなく、早足で向かった。最後の読図箇所に指定した地点には、点が3つの史跡名勝天然記念物の地図記号があった。てっきり奥総社だと思っていたが、それよりも先の神宮道にあるようだ。小前さんが偵察に行って下さったが、何を指し示しているのかは謎のままである。金大巌までくると琵琶湖が一望でき、ほっと一息ついた。「16時には駅に着く」という当初の目標は何とかクリア。紅葉の中をみなさんと歩けて、とても充実した一日になりました。

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東北部クリーンセンターを同定

【感想】59期 TS

自分が注目しているのとは違う地形の特徴を指摘してもらえたことが勉強になりました。小泉さんが画用紙に書いた絵を使って、磁北などについて説明して下さいました。嬉しかったです。紅葉の比叡山をみなさんと歩いて楽しかったです。有難うございました。

 

【感想】61期 小前竜吾

小泉CLの読図例会はいつも趣向を凝らしたクイズがあり、楽しく参加させてもらっています。さらに今回は京都から滋賀にぬけるルートで、横川をはじめ著名な景勝地、寺院を巡るので大変楽しみでした。事前にプリントアウトした1万分の1の地図上に、想定ルートを鉛筆で書き込み「ここは急峻な尾根筋だな」などと確認するのも楽しみです。山行当日は一時くもりでしたが、秋晴れとなり真っ赤に燃えるような紅葉も見られ、秋山を堪能できました。同定対象は煙突がシンボルマークのクリーンセンターで、滅多にコンパスを地図に当てないため、慣れておらず四苦八苦しながらも方法を再確認し自己満足です。昨今はすっかりスマホアプリとGPSに依存した山行ばかりで、コンパスと疎遠になっておりますが、これも時代の流れであると言い聞かせています。年に数回はしっかりコンパスを活用した読図例会にて自身とコンパスの回転板の錆を落としたいと思います。

小泉CL、今回も大変有意義な山行となりました。いつも事前準備ありがとうございます。

 

【感想】62期 筈井益夫

今回の読図例会は、何度も行き慣れた比叡山。しかし八瀬からの登りと、八王子山・日吉大社へのルートは歩いたことが無かったので、是非とも参加したかった例会でした。

里山の読図の難しいのは、地図に描かれている道が不明であったり、また実際に道があっても地図には描かれていない事があることではないでしょうか。今回の読図山行でも、そういった場面に何回かでくわしました。読図では、地図上の道の印にとらわれすぎず、廻りの地形・行動時間による移動距離の把握等、総合的な判断が必要であると感じました。

歩き始めの時コンパスを使って進行方向を確認しようとしたところ、コンパスの指す方向がまったく違っていました。コンパスがくるってしまっていて、180度真逆を指していたのです。コンパスも狂う事があるんだと改めて実感しました。これからは、事前にコンパスの確認をするようにします。

最後にたくさんの人のお世話していただいた小泉さん、同行いただいた皆様、どうもありがとうございました。また御一緒よろしくお願いいたします。

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紅葉が美しい横川にて

【感想】62期 HI
山岳会に入るだいぶ前に、某読図講習会でコンパスの使い方や簡単な地図の読み方を習ったものの、スマホGPSを使うようになって、紙ベースの地図はなかなか使うことがなくなり、コンパスの使い方はすっかり忘れてしまい、地図もなんとなくみているだけでした。
今回、読図山行に参加させてもらって、交代で地図を見ながら指定されたポイントまで先頭を歩いたり、地図からそのポイントの特徴などを読み取ったり、自分が指定ポイントだと思ったとこが正しいかコンパスで尾根や谷の方向を確認したり、地図のマークを教えてもらったり、とても勉強になりました。
まだまだうまく地図を読むことができませんが、今後は、スマホだけでなく、読図マップとコンパスを持って登山する機会を増やしていけたらいいなと思います。
事前準備から当日までサポートしてくれた小泉さんをはじめ、みなさまありがとうございました。

 

【感想】34期 岩波宏

久々の例会参加、前の日は小学校の遠足みたいにドキドキしながら当日を迎えた。おまけに当日電車で集合場所の八瀬比叡山駅に行くのにドキドキ、ある意味、山の中より迷いそうだ。コロナ禍で車移動が多く、全く乗っていない。山の中より、都会の電車のむずかしい。今回、近くの山域、読図ならみんなについていける。それに、最近里山に登っているので読図が心配と思い、今回の山行に参加させてもらった。久々に山岳会の人と登るのは嬉しかった。又参加したいです。

No.3878 貴船から二ノ瀬・北山散歩

2020年11月8日(日)

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【メンバー】CL YK, SL梅村重和, 山本康夫, 山形真知子, 山田俊男 計5名

【行 程】天気 快晴  国際会館前…貴船口貴船(9:00)〜貴船神社〜滝谷峠(10:30)〜北山荘(11:30昼食12:30)〜柳谷峠〜魚谷山(13:10)〜滝谷峠(14:30)二ノ瀬ユリ〜二ノ瀬(16:10)

  

【記録・感想】60期 YK

SL梅村さんからお声がけいただいたことと、岳連広報誌の取材で訪れた北山荘を見ていただきたい、との思いから企画した今回の山行。倒木が一番の心配だったが、今回の参加者には無用の心配だった。逆に、何度も登山道からはずれそうになるのを止めていただき、教わるばかりだった。

滝谷峠からは「せっかくだから、沢筋の登山道ではなく尾根を歩いてみたら?」とSLに宿題を与えられ、読図大会が始まった。フカフカの落ち葉を踏みしめながらの尾根歩きは気持ちよかったが、山と高原地図GPSは何の役にも立たず、なぜ1/25,000地図が最適なのか、なぜ紙の地図がスマホより優れているのか、今さらながら腑に落ちた(今まで再三、同じアドバイスをくださっていた先輩方、申し訳ありません!)。山田さんにコルと谷筋に着目する見方を教わり、参考になった。

北山荘に着いたところでにわか雨が降ってきたので、中に入らせていただいて囲炉裏を囲み昼食。デザートに山本さんにいただいたプリンがおいしかった。不思議に居心地よい小屋で話に花が咲き、長居してしまったが、皆さんに北山荘を気に入ってもらえたようでよかった。山行の目的は果たしたようなものだったが、せっかくなので魚谷山頂に向かい、記念撮影。貴船山は諦め、滝谷峠までピストンで帰りを急いだ。

ここまで下りて来れたらひと安心。山形さんによるとこの道は「昭和のデートコース」だったそう。おしゃべりしながらでも歩けるので納得だ。よさげな場所でSLのコーヒータイムのお誘い。さすがの経験値だ。少し夕暮れ模様の光のなか、それぞれ甘い飲み物で一服した後、登山道を下り、無事に二ノ瀬に下山できた。

この登山日和に参加いただき、山行を盛り上げてくださった山の先輩方に感謝したい。紅葉尾根の読図大会、歴史ある山小屋訪問、雑木林まったりコーヒータイムなど、盛りだくさんの例会だったと思う。

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【感想】59期 梅村 重和

前日の雨も上がり、晩秋を感じる朝の陽ざしとひんやりとした空気。今日は絶好のハイキング日和。楽しい休日となる予感がいっぱい。おにぎり2個を買って集合場所に向かう。バス停でみんなとあいさつを交わせば、ウキウキ感はさらに高まる。

貴船の料亭を後に奥宮を経て滝谷峠への登山口に向かう。滝谷峠まで沢筋の登山道は倒木と大雨のためか、思いのほか荒れている。このあたりは北山のハイキングルートとしてはメジャーなところなんだけど。

滝谷峠からは北東に延びる雑木林の尾根を辿り、谷に降り、北山荘に到着する。雪山讃歌にある“煙い谷間の小屋”とは、この北山荘の先代の山小屋がモデルとのこと。

つっかえ棒を差し込んで窓を開けると、薄暗い囲炉裏の間に柔らかな光の帯が入ってくる。囲炉裏に火を入れてのんびりすれば豊穣の時を過ごせそう。

沢を詰め、雑木林を行けば、魚谷山山頂。山頂と言っても展望が利くでもなく、三角点と木に着けられたプレートがあるだけ。このさりげなさがいい。北山らしい山頂だ。

滝谷峠からは北山のプロムナード、二ノ瀬ユリを行く。15時にもなれば山路は夕暮れの雰囲気が漂う。杉木立の合間から民家が見えてくると今日の山旅は終わりに近づく。16時20分。二ノ瀬のバス停に到着。

CLのYKさん、ポイント達成おめでとうございます!

ご一緒いただいた隊員の皆さん、どうもありがとうございました!

 

【感想】20期 山本 康夫

・私にとって山行例会は20年ぶりの参加で、山のインパクトが強かったです。

・9月末に腰を痛めたためその後スイムトレーニングのみ。体力不安の中の参加でした。結果御迷惑かけたと思っています。すみません。

・今回例会に参加するのにトレッキングシューズを買い替え、足回りの良さに驚嘆、技術進化にビックリしました。

・滝谷峠、魚谷山、二ノ瀬ユリ等知っているコースで油断しての参加でした。

・滝谷峠からの読図でのコースに久々にワクワクしました。山田さんの読図力に感服。

・北山荘の中に初めて入れて良かったです。

・北山のポピュラーなコースで、季節も良いのに誰にも会わなかった。

・YKさんリーダーポイント獲得おめでとうございます。

・例会に参加された会員さんとお話出来て大満足でした。

・非日常を堪能いたしました。有難うございました。 

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【感想】59期 山形 真知子

2年前の台風で北山の登山道が荒れているとは聞いていましたが、改めて自然の驚異を感じました。数年前までは、普通のハイキングコースだったのでしょうが、梅村SLと山田さんの的確な読図が無ければ、安心して歩けませんでした。

又、YKLが案内して下さった北山荘は、自然に溶け込んでいるだけでなく、その管理と維持されているのには、頭が下がります。何時の日か、北山荘の囲炉裏に火を入れて、一夜を仲間と共に語らいたい夢を描かせてくれます。

あんなに山が荒れているのに、美しい紅葉と、昨日の雨で息を吹き返した緑のスギゴケ。そして、ほのかに漂って来るタカノツメの甘い香り。山は生きています。同行して下さった皆様、有難うございました。

 

【感想】62期 山田 俊男

京都の山が一年で最も美しい11月初旬。YKリーダーによる例会「貴船から二ノ瀬・北山散歩」の案内をいただきました。京都府山岳連盟・初代会長の今西錦司氏ゆかりの山小屋・「北山荘」を訪れるとのこと。私も縁により山岳会員となりましたので、大先輩の足跡に少しでも触れてみたいとの思いから参加させていただきました。夏は川床で賑わう京都屈指の観光スポット貴船の紅葉を愛でながら入山。道中はコースを少し外れ、トレースの無いフカフカの落ち葉の積もった尾根をルートファインディングしたりしながら歩きました。滝谷峠から柳谷峠に向かう途中の枝沢を少し入ると「北山荘」があります。そのロケーションと言い外観と言いなんとも侘びを感じる「北山荘」の佇まいがTHE山小屋という感じで雰囲気抜群です。リーダーが小屋の入口に吊るされた鐘をカンカンと鳴らし中に入ると、真ん中に囲炉裏があり、窓を開けると陽光が差し込んで一気に明るくなりました。小屋は良く手入れされ煙でいぶされた室内もこれまた良い雰囲気。そしてメンバーで囲炉裏を囲んで談笑しながらの昼食。午後は魚谷山(いおだにやま)のピークを踏んでから貴船山に向かう途中の陽だまりでコーヒーブレイク。ちょうど日が西に傾き始めた頃に二ノ瀬へ下山しました。今回ご一緒していただいた先輩方、お陰様で楽しい時間を過ごすことが出来ました。YKリーダー素敵な山行を企画して下さりありがとうございました。

No.3875 金毘羅山ロープワーク練習会

2020年10月18日(日)

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【メンバー】CL 57期 藤井康司、60期 西村喜人、61期 小前竜吾、62期 HI、62期 山田俊男 計5名

【行 程】歩行距離5.3km、累積標高上り/下り353m/306m

10月18日 午前9時江文神社集合 9:00江文神社⇒林道脇の杉を利用してロープワーク練習及び昼食⇒13:00Y懸尾根取り付き⇒14:00Y懸の頭⇒14:30江文神社

【記録と感想】62期 山田俊男

午前8時、大原寂光院口の駐車場300円/日に車を停める。天気晴れ気温16度。雲が低く棚引く美しい大原の里を見ながら集合場所の江文神社へ西村さんと向かう。

集合時間の9時までには少し時間があるので、二人でロープワークの練習をしながらメンバーを待つ。HIさん、小前さん、リーダーの藤井さんが揃い出発。

江文神社から数百メートル入った杉林の林道にて藤井リーダーのロープワーク講習会が始まる。今回の講習会は補助ロープを使用して安全に歩行するためのロープワーク。クライミングや雪山などハーネスを装着して行うロープワークとは違い、7mm・7mのロープと環付カラビナ1枚で安全を確保するハイカー向けの内容。

 内容:

①ナイロン、ダイニーマ、ダイナミックロープの素材による特性。

HMS、D、Oの各カラビナの型の違いによる特性。

③オーバーハンド、エイト、ガース、ムンター、フィッシャーマン、クローブ、もやい、バタフライ、マッシャ―の結び方と使い方。

④肩がらみによるビレーやグリップの違いによるハンドワーク。

⑤チェストコイル、ハンドコイルを使ったロープの携行方法。

⑥登りでのハイカーの引き上げ、下りでのロワーダウン、懸垂下降。

 これらのワークを実施しているとあっという間にお昼になったので、ランチタイム。

余談だが、講習会が始まる頃から地上には救急車、消防車、空にはへリが飛び滑落したと思われる人物を救助していた。救急隊員の会話では頭から落ちたとのこと。無事を祈ると同時にこの講習会が有益であることを改めて知る。

午後はY懸尾根を頭まで登り、下りはクライムダウンしながら懸垂下降やロワーダウンを織り交ぜて下山した。

私はロープワークを全く知らない山友と山に行く機会も多い。そんな友人達との山行は一般登山道を歩くのが大半。とはいえ、短い区間ではあるがザレた急坂、ちょっとした岩場を通過しなければならないこともしばしば。まさにそんな時に今回教えていただいたロープワークが役に立つ。早速次回、友人達との山行で使ってみようと思う。

講習会を開催して下さった藤井リーダーには感謝。習得したことを忘れないように復習して、使えるようにしておきます。ご一緒して下さった皆様ありがとうございました。

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【感想】57期 藤井康司

今回7メートル程度の補助ロープの使い方に特化した例会を企画した。マルチピッチクライミングシステムや雪山でのスタンディングアックスビレイなどの講習会はあったが、ハイカー向けのロープワークの練習会はなかったと思う。ハーネス、スリングやビレイデバイスを使わずロープ1本(とカラビナ1枚)でセカンドビレイやローアーダウンの簡易システムを組んだり、懸垂下降する練習をした。墜落荷重が想定されるクライミングシーンには到底使えないが、自分と同行者が数メートルの危険個所を安全に通過するため知っておいて損はないノウハウだと思う。

 

【感想】60期 西村 喜人

ロープワークには前から自信がない。広く使えるハイカー向けのロープワークというので迷わず参加した。φ7mm,7mのロープにカラビナ1個か2個しかない想定で様々な結びを利用した確保やロアーダウンの仕方を学んだ。これら数種類の結び毎の特徴と結び方を覚えておけば、同行者が増えても荷物を軽量化しつつ、より安全に山行が出来ると思う。何度も復習し自分のものとしたい。良い技術を学ばせて頂いた藤井さん、ご一緒頂いた皆さんに感謝します。

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【感想】61期 小前竜吾

今回、ハイカーのためのロープワークということで、φ7㎜7mの補助用ロープとカラビナを持っているという想定で、いろいろな術を教えていただいた。ただ結び方を教えるのではなくどのような場面で役に立つのかを現場で教えてもらった。今後の山行に役に立てるものばかりであった。7mを2本接続して、クライムダウンの補助ロープにしたり、カラビナにムンターヒッチでデバイスの代わりにしたりと、充実した内容であった。恥ずかしい事であるが、クローブヒッチは手元で容易にできカラビナに結束できるのだが、ハーネスのループにはできなかった。同じ結び方であっても結束対象が異なると、やり方が異なる。まだまだ学びしろがあり、うれしい事である。事前に学習項目を伝えていただくなど指導いただいた藤井リーダーに大変感謝している。

 

【感想】62期 HI

これまでロープワークに関しては全くやったことがなかったので、ドキドキしながら参加させてもらいました。ロープも持っておらず、ロープを準備するところから始めました。お店でロープをみても、自分ではどれを買えばいいのかよく分からず、企画の案内文をお店の人に見せて、個人装備で指定されていた7mm7mのロープをゲット。

事前に案内していただいた動画を見てロープの結び方を練習し参加させてもらいましたが、初めてのことばかりでなかなか難しかったです。

金毘羅山に登る前に、麓でロープの結び方や使い方、どういう時に使うのか等、教えて頂き、実際にやってみると、同じ結び方でも、結ぶ対象やロープの状況でやり方が分からなくなってしまったり、ロープをつかって確保しながら斜面を降りてみたりしても、うまくいかなかったり、なかなか覚えたりコツをつかんだりするのは大変でしたが、とても充実した練習になりました。

午後から金毘羅山の岩場をなんとかロープなしで登り、下山では、初めての懸垂下降も。カラビナにムンターヒッチで、少しずつロープを送り懸垂下降するものの、途中でバランスを崩し、2~3回岩壁に打ち付けられ、慌ててしまって、離してはいけないと言われていた右手を離してしまったり、ロープと岩の間に体が挟まって体勢を戻すのが大変だったり、色々ありましたが、とてもいい経験になりました。

今後の山行にも生かせていけるよう、ロープワークの練習をしていきたいと思います。

リーダーの藤井さんをはじめ、サポート、アドバイスをして頂いた皆様、ありがとうございました。 

例会 御在所前尾根 マルチピッチリード練習

2020年10月4日(日)

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P4をリードするSさん

【場所】三重県菰野市 御在所岳藤内壁前尾根

【メンバー】CL丸山 弘、T.S、J.N 計3名

【行程】3日(土)曇り 20:00 京阪山科駅前集合〜21:30 鳥居道駐車場着 仮眠

4日(日)曇り時々小雨 無風

5:00 蒼滝橋横駐車場へ移動〜6:15 駐車場発〜6:45 藤内小屋〜7:30 前尾根取り付き着〜14:00 ヤグラのコル〜15:30 藤内小屋〜16:00 駐車場着 入浴後解散

【CL所感】43期 丸山 弘 

会員の岩登り人口がまた増えてきましたのでしばらくぶりに御在所前尾根を企画しました。今回はある程度ジムや沢で登っているメンバーにマルチピッチのリードを経験してもらうという目的で、人数も1パーティ3名限定で募集しました。

ガスにときどき霧雨が混じる天気でしたが、無風で気温は高め、天気のせいで少し減ったと思われるものの季節がいいので、朝から5、6パーティーが取り付き、結構な渋滞になりました。

ジムで鍛えておられるSさんは安定した登りで、ランナーのセットや終了点でのセカンドビレイの操作も危なげない感じでした。ⅢⅣ級程度とはいえメンタル面やラインの取り方などリードの経験値をずいぶん上げられたと思います。

Nさんはジムでは5.8、5.9をリードされているそうで、体力も十分ですが、スラブ、クラック、チムニー状やジェードルなどジムと形状の違う御在所では少し勝手が違って苦戦されたところもありました。縦クラックやカンテを横に引いたり、プッシュ、ガストン、パーミング、マントル、ステミング、スメアリングなどさまざまなムーブを選択肢に入れるとスタンスやホールドが増えるので練習してみてください。

また、マルチピッチは途中で安定したテラスがあるとは限らないので、2時間程度ははいていられるサイズのシューズを選ぶとか、ザックを背負ったまま必要なものが取れるとか、物を落とさない工夫など、千石や烏帽子などとは違う注意点もありますので、次に生かしていただければと思います。

終始ガスに巻かれて景色はイマイチでしたが、下山するころには伊勢湾が望め、希望荘の展望風呂もいいお湯で楽しい一日になりました。

たくさんリードしていただいたSさん、ずっと元気にがんばられたNさんありがとうございました。

 

【感想】59期 T.S

私に、背伸びをしたチャレンジをさせて下さったCLに感謝します。現場での経験から得るものは大きいです。理論ばかりを重視する私は反省しました。

P6を登ったところで、CLに「次はSさん、リードしてもらえますか」と声を掛けてもらいました。「怖いし、いややわ!」と聞こえないように心の中で叫んでいました。かつて登山道からクライマーを見て、「よーあんなとこ、登らはるわ。コワないんかな?」と思っていました。だけど、やらないことには前に進まないのでトライしました。手がかりを見つけられず苦戦したり、落下を覚悟したりしました。恐怖で息が荒くなった場面もありました。しかし、かつて見た、出来る人のムーブを思いだしたり、ホールドを信じて踏めという言葉を思い出したりして切り抜けることができました。尊敬と信頼できる人に同行してもらえたから、自分としてはいっぱいの挑戦をできました。

<今回わかったこと>

・クライミングシューズは止まる。フリクションが効いて、小さなホールドでも立てる。やっと、わかりました。

・ルートが曲がるとロープの流れが悪くなる。ロングスリングを使って、それを抑止できる場合がある。

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P3をリードするSさん

【感想】62期 J.N

昨年の金比羅山以来一年ぶりくらいの外岩で、基礎もたくさん忘れていました。

CLとS先輩には多大なご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。

しかし、私にとっては何もかもが学びでした。一瞬、一手、一足にあんなに緊張し、全神経を集中して登ったのは初めてでした。御在所前尾根は金比羅山よりはるかに手強かったです。

P6のCLリードはよくこんなところをスイスイ登られるなぁと思い、私自身は真似して登ろうにもスタートの一手に困って登れず、S先輩に先に登っていただきました。一旦後ろからよく見て探すと、右に振ってからだと自分でも登れるホールドがあることに気づきました。その後は、CL、先輩のリードであっても、真似したくてもガスの向こうでは先が見えないこともあり、その時々で大回りしてでも自分が登りやすく確実なルートで登りました。

先輩のリードでP5、P4。私は少しずり落ちる場面もありましたが、なんとか自分なりに登れて嬉しかったです。

P3は、先に登っていた女性が苦戦されていたので、自分が登れるのかとても心配でドキドキしていました。それでも1つ目、2つ目と、後ろからCLのアドバイスをいただきながら、クリアしていきました。しかし、最後の方のクラック。スラブのわずかな窪みに足先で乗りかけて、ザッと10cmほどずり落ちた途端に足先に体重を載せることが怖くなりました。落ちることが怖くてクラックの中にカニのように入ってしまい身動きできずに緊張で手足がカタカタと細かく震えていました。穂高岳やジャンダルムの難しい岩場難所でも怖くなかったのに、こんなに怖いと思ったのは初めてでした。

CLは終始穏やかに待って表に出るよう教えて下さりました。また1歩目でずり落ちかけると下から支えて下さりました。先輩は思いきり引っ張って下さりました。

「落ち着け自分、先生と先輩が守ってくれてはる、大丈夫、諦めるな、頑張れ!」と自身を励まし歯を食いしばって再度チャレンジ。一歩目をCLに補助していただき、身体を引き上げると、その先のホールドが見えてきました!なんとかクリアし先輩のところまで登り切ると、途端に涙がポロポロ。メンタルの弱さが露呈しました。

今回、ロープの捌き方や、声かけの仕方、マルチピッチのビレイヤー、リードの役割、セカンドで登る時の役割、注意点などを学びました。先輩にロープを緩めてもらったり、テンションをかけてもらったり、声かけをしながら登ることや、ロープの半分や残り、終わりなどを伝え復唱して確認することで安全なクライミングになることを意識しました。ザックや立ち位置、靴が合ってないこと、セルフビレイなど初歩的なことができてなくてまだまだでした。

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前壁ルンゼから見下ろす登山道

お二人から多くのアドバイスをいただき、自身のスキルを磨きたいです。CLからの課題を一つずつクリアできるよう練習あるのみです。もっともっと上手になって、ビレイやリードにチャレンジできるようになりたいと思います。

CL、S先輩、多くのご指導とサポートいただき、ありがとうございました!

No.3869 瑞牆山・金峰山ピークハント

2020年9月21日(月)~22日(火)

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瑞牆山山頂にて

【場所】山梨県北杜市 瑞牆山(2230m)、金峰山(2599m)

【メンバー】CL丸山 弘、HT、MK、NH、FY、HI 計6名

【行程】20日(日)20:00 京阪山科駅前集合・出発〜23:30 諏訪SA仮眠

21日(月)曇りのち晴れ 微風

5:30 瑞牆山荘前駐車場着〜5:50 登山口発〜6:30 富士見平着テント設営〜7:25 富士見平出発〜8:35 大日岩〜10:40 金峰山山頂着〜11:30 山頂出発〜13:45 富士見平テント場帰着(泊)

22日(火)快晴 無風

4:00 起床 朝食 テント撤収〜5:50 出発〜6:50 大やすり岩基部〜7:15 瑞牆山山頂着〜9:00 富士見平着〜9:30 富士見平発〜10:10 瑞牆山荘前駐車場着〜ラジウム温泉「増冨の湯」入浴〜19:30 山科解散

 

【CL所感】 

42期 丸山 弘

コロナ禍で中断していた例会の本格再開ということで、テント1泊で百名山を2座登頂できる超人気コースを企画しました。 

好天の4連休後半とあって、予想通り、たくさんの登山者で賑わっていましたが、今回の核心「駐車場とテントスペースの確保」も早めの時間帯が功を奏して無事クリアできました。

1日目の金峰山は大日岩からの稜線歩きが、寝不足と初日の疲れもあって意外に時間がかかりました。楽しみにしていた富士山も東側の雲が多く翌日にお預けに。

2日目は快晴。体力も回復して予想より30分ほど早く着いた瑞牆山は360度の展望で、富士山・南アルプス八ヶ岳の峰々を堪能できました。

今回は感染予防のため、個食・個テントの方式でしたが、テントやツエルトの個人装備品評会と、6人掛けテーブル2つで自慢の山食を持ち寄っての夕食は、いつもながらの例会風景が戻ってきたようでした。

油断は禁物ですが、だんだん日常の山がもどってきてほしいものです。

メンバーのみなさんには、トレーニング不足のリーダーを支えていただきありがとうございました。またいい山へご一緒しましょう。

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金峰山五丈岩

【メンバー感想】

58期 FY

秩父の山域は初めてで、百名山に2つも登れると言う事で参加させていただきました。

1日目の金峰山は尾根に出てからが長く下りも含め少し苦労しました。疲れが残るかなと思いましたが、体調もよく元気いっぱいで翌日の瑞牆山を楽しむことができました。天気もよく山頂付近からは素晴らしい景色を堪能できました。

久しぶりの本格登山でしたが、山の魅力、仲間と登る楽しみを再発見できた気がします。丸山さん、皆さんありがとうございました! 

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53期 HT

山行準備のためにGPSに電池を入れると、2020年2月と表示された。

2月から7ケ月間、一度も山道具を触ってないし、行ってないことになる。

いきなりで、皆さんについて行けるかしら?と少し不安は過ったが、事前のネットでの下調べ等では行動時間が少ないけれど、奇岩等のバリエーションが楽しめる山とのことで、少し油断していたところがあった。

初日の金峰(キンプ・キンポウ)山は、コースタイムは少し長いけれど、難易度的には大丈夫だろうと思っていた。ところが結構急登で、自分には岩々した、しんどい山だった。

また、お天気はさほど悪くはなかったが、残念ながら富士山は望めなかった。

下山後早めの夕食を食べて、17時にはテントに入った。今回はソロテントなので、前日の睡眠不足とで一瞬で眠ってしまった。

二日目の瑞牆(ミズガキ)山は渡渉の為に一度下り、そこから登り返しがあり、頂上付近は結構きついというネットの情報だった。実際歩いてみると、確かに登り返しは嫌ではあったけれど、途中で富士山が木々の切れ間から見え、またお天気も良かったので、思っていたほどの辛さはなかった。また、最後の頂上付近の急登に身構えていたのだが、気が抜けるくらい短時間で頂上についたので嬉しい誤算だった。頂上はパノラマビューで、勿論富士山も見え、最高の眺望だったと思う。

二日間皆さま、お世話になりました。お陰様で7ケ月の空白を、楽しい山行で埋めることができました。ありがとうございました。

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大やすり岩基部からの富士

54期 NF

富士山には登ったことはないけれど、富士山を望む山は、何度登っても憧れに似た感情を持ち続けている。

富士見台と名の付いたテント場がある百名山。なんと素敵な響き…ということで迷いなく参加させていただいた。

初日は、あいにくのガスで富士山の頭が一瞬かすかに見えた程度。

焦がれるほど翌日の晴れを願い、朝を迎えた。午前3時頃起きると満点の星。これは期待できると胸が高鳴る。

富士見台からも山頂までの道中からも美しく富士山が見え、心ときめかせながら山頂にたどり着いた。

富士山、南アルプス八ヶ岳と、そこには絶景が広がっていた。

風もなく、穏やかな気候で至福の一時だった。

コロナでなかなかみなさんと会う機会が少なかったが、久しぶりの6人というにぎやかな山行で、大変楽しい時間を過ごさせていただいた。丸山リーダー、みなさま、ありがとうございました。

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瑞牆山山頂から岩峰群

62期 HI

誰かのブログで見て、行ってみたい!と思っていた瑞牆山

とても楽しみではあったものの、私は、山岳会に入っているというのが恥ずかしいレベルのへなちょこハイカー(ハイカーというのも少し恥ずかしいレベルですが…)。

登山は好きだけど、登りが苦手なのです。

健脚な先輩方の中で着いていけるのか不安だし、テントを担いで登るのも少し不安でしたが、体力の★印がひとつということもあり、とりあえずテント場まで1時間弱頑張って、後は、荷物を軽くできるので勇気を出して、申し込んでみました。

登山開始後、まもなく、皆さんからだいぶ遅れを取りながらも、何とか、テント場のある富士見平へ到着。

そこから荷物を軽くしたのに、やっぱり、先輩方には着いて行けず、初日は、ただただ金峰山の山頂を目指して足を進めるだけになりました。覚えているのは、しんどいということと(汗)、「苔むした原生林がきれいだな」と思ったのと、山頂に着いた達成感。

そして、二日目の瑞牆山瑞牆山も、やはり、すぐに私が遅れていました。

夜、あまり眠れなかったのと、前日での疲れで、何とか歩きながらも「いつリタイアしようか・・・」と挫けそうになりながら歩いていましたが、途中の休憩で山頂まで半分かもう少しくらいのところまで来ていると聞いて、何とか最後まで頑張れました。

瑞牆山の山頂からの景色もとてもきれいで、諦めないでよかったと思いました。

私にとっては、まったく余裕のない山行でしたが、金峰山瑞牆山も、最後まで行くことができて、本当によかったです。

今後は、もう少し、周りの景色を楽しんだりする余裕ができるようレベルアップできたら、と思います。

今回、色々気にかけてくださった丸山さん、荷物を持ってくださったKさん、2日とも遅れている私にずっとついて優しく声をかけて励ましてくれたFさん、楽しい時間を過ごしてくださったTさん、Yさん、ありがとうございました。