京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.2698 北アルプス蝶ヶ岳・常念岳(春山合宿)

【日程】2005年5月2日(月夜)~5月4日(祝)
【参加者】6名
【行程】
5/2 山科駅21:00==三股駐車場25:15(テント泊)
5/3 晴:三股駐車場5:30--まめうちだいら7:30--蝶ヶ岳12:15(テント泊)
5/4 晴:蝶ヶ岳5:20--蝶槍6:15--2512mピーク8:00--常念岳10:30--前常念岳12:00--三股駐車場16:00==JR山科駅23:00
【記録】47期 C.O.
5/2 山科駅からM井さんの車で出発、渋滞もなく1時すぎに三股駐車場に到着した。雲ひとつない夜空で星がうるさいぐらいだった。
5/3 朝、テントから出ると常念岳が赤く染まっていた。M井さんが、モルゲンロートと呼ばれる山頂の朝焼けだと教えてくれた。とにかく、今回の山行は、恵まれすぎるほどの好天が続いた。各自朝食をとり出発。登山口は駐車場から20分ほど歩いたところにあった。まずは、M井リーダーを先頭に、沢沿いを歩き始める。道は雪解け水が流れぬれていたが、力水の地点を過ぎ樹林帯に入ると道もかわき、雪もなく、快調に歩くことができた。今年入会されたSさんは、山を始めたばかりと思えないぐらいのしっかりとした足取りで、M井さんも「歩き慣れたら、すごい人になるだろうなー」とお墨付きを与えるほどだった。まめうちだいら手前から雪道となった。雪は固まっておらず、どろどろでもなく、何と表現すればいいのか、ともかくアイゼン不要の歩きやすい道だったということです。山頂まであと2.5キロの標示を過ぎると、樹林帯の急登がはじまった。

途中トラバース気味に進む箇所では、重いザックにバランスを崩しそうになり、怖くてちびりそうだった。もっと重い負荷でボッカすればよかったと後悔したが遅いですね。 樹林帯を抜けると、見晴らしのよい広場に出た。蝶のピークまでもう少しだった。このあたりから、Sさんの調子が悪くなり、先頭との距離が広がってきた。症状を聞く限り、高度障害のようだった。とりあえず、先にいけるメンバーだけでピークまで行き、M井さんは、Sさんの荷物を持つためまた降りていった。13時ごろには全員山頂に到着できたが、本当に頼もしいかぎりのリーダーでした。
 展望指示盤がある瞑想ノ丘からは、槍、穂高をはじめ北アルプスの山並みを見ることができ、皆幸せな気分にひたった。その後は、各自持参のアルコール類とつまみ、浅田さんの装備がどれだけ年季がはいっているかを肴に乾杯。しかし、物を大切に使う心は見習いたいものです。その後、皆疲れたのか、まだ外が明るいうちにいびきが聞こえました。
5/4 風は強かったが、またまた快晴。Sさんの調子はいまひとつだったが、常念へ向けて少し歩いて見ることになった。蝶から常念へは、槍・穂高を眺めながらの贅沢な稜線道が続いた。抜群の眺めに気分がよくなったか、Sさんの調子も復活してきたようだった。蝶槍を過ぎ、次のピークからの下りの途中で、雪質は悪くなかったのだが勾配が急なこともあり、今回初めてアイゼンを装着した。白坂でのトレーニングが効いたか、初心者の私も無事歩くことができた。2512mのピークを下り、いよいよ常念への最後の登りが始まった。
下から仰ぎ見たときは、本当にこんな登りを登れるのかと圧倒させられた。登山道は雪がないため、アイゼンをはずして登っていった。岩場は浮石が多く注意が必要だし、きついし、風で飛ばされそうだし、でもピークまで頑張ろうと思ったら、実はピークはまだ先だったり。と、何度も惑わされながら、やっとの思いで、祠のある山頂にたどりついた。常念から前常念までの道程では、最後のプレゼント、つがいの雷鳥も見ることができた。前常念を過ぎ樹林帯に入ると、つづらおりの急斜面を一気にくだり、みるみる高度が下がっていった。このあたりでは、もうSさんは全快フルパワーで、M井さんと2人せっせと前を歩いていき、追いつけませんでした。つづらおりを半ば過ぎたあたりで、雪もなくなり、沢の音が聞こえてきた。
そして、登山口に帰ってきたのは16時ごろ。行動時間10.5時間の長丁場だった。その後は、近くのお風呂へより、高速をとばして、京都に着いた。M井さん、Sさん、運転お疲れ様でした。
今回は天気に恵まれ、槍・穂高の美しい山並みを眺めながら楽しい山行ができ、ますます山が好きになりました。同行の皆様、ありがとうございました。今度は、今回見た槍に行ってみたいかな。

【感想】46期 A.M.
今回はすべてのことに対して感謝の気持ちでいっぱいの合宿だった。メンバーの気力、体調、経験、さらに何と言っても天候に感謝。
天候はこれ以上望みようもない好天で、蝶ヶ岳のテント場では圧倒的な雪の槍・穂高をバックにまるで夏のようにテントの外で過ごす時間が楽しい。また、常に槍・穂高を眺めながらの蝶から常念への縦走道。さらに、常念岳からは北アルプスの山がすべて見えるのではないかと思えるくらいの雄大な景色。今後このような好天・景色には二度と巡り合えないのではないかと思えるほどであった。
また、初日の登りで高度障害がでたSさんと共に登って頂いたA田さん、2日目若干遅れ気味のA田さんと共に登って頂いたT野さん。両ベテランにはメンバーに対する気配りの大切さを行動で改めて教えて頂き感謝。Sさんの高度障害が直ってからの体力、Oさんの気力、ベテランK藤さんの安定感に感謝。
2日目のコースタイムは残雪期としては少し厳しいかとも思えたが、メンバーの気力でほぼ予定どおりの時刻に無事下山できて感謝。
結果オーライではないが、素晴らしい天候のもと、これまた素晴らしい景色にどっぷり浸かりキックステップやアイゼン歩行もあり、思い切り残雪期のアルプスを堪能することができたことに大いに満足。
【感想】36期 Y.T.
春山合宿前の天ヶ岳~瓢箪崩山の山行で終盤足がつりました。アイゼントレ後の白岳から見張山の時は軽歩荷だったのですが、足はOKでした。こんな足に不安をかかえての春山でしたが、皆さんと天気に助けられて最高の春山になりました。
蝶ヶ岳から見る雪のついた槍~穂高の稜線は素晴らしく、いつまで見ていても飽きません。南には白い御岳、乗鞍岳もくっきりと見えました。富士山もうっすらと見えたらしいのですが、私の目では無理でした。東には八ヶ岳の連峰、南アルプスが見えます。浅間山の煙も見えました。雪のないテント場でこんな山々を見ながらの小宴会は本当に「贅沢」でした。何年か前の鹿島槍ヶ岳もこんな上天気でした。鹿島槍ヶ岳の時はひっきりなしに雪崩の音がしていたのですが、今回は聞こえませんでした。
翌日の常念岳からは北方向の展望が開け、表銀座大天井岳~燕岳、その奥には立山針ノ木岳、遠くには頸城の山並(?)まで見えました。登ったことのある山を眺めていると、少々感傷的になりました。
表銀座槍ヶ岳まで歩いたのはもう随分前のことです。近いうちに上高地から蝶・常念を越え燕まで歩いてみたいものです。体力が残っていたらさらに餓鬼岳までと思いました。
今回はCLのM井さんに準備から運転から荷物の担ぎ上げまで、随分お世話になりました。ありがとうございました。これに懲りずよろしくお願いします。

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