京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.2730 比良山全山縦走(水晶小屋泊まり)

2005年11月5日(土)~11月6日(日)

出町柳駅7時45分発のバスに乗ること1時間半。出発地点の桑野橋に到着する。今回の山行前に,地図を見てコースタイムを把握していたはずなのに(およそ11時間!),水晶小屋まで随分遠いなと感じる。

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【日程】2005年11月5日(土)~11月6日(日)

【参加者】会員14名、非会員1名、合計15名

★縦走チームA班

【日程】2005年11月5日(土)

【参加者】4名

【天候】晴れ

【コースタイム】桑野橋バス停9:15→蛇谷ケ峰10:55→地蔵山12:30→釣瓶岳13:30→武奈ケ岳14:25→コヤマノ岳14:55→中峠15:05→シャクシコバの頭15:15→水晶小屋16:30

【記録】48期 J.I.

出町柳駅7時45分発のバスに乗ること1時間半。出発地点の桑野橋に到着する。今回の山行前に,地図を見てコースタイムを把握していたはずなのに(およそ11時間!),水晶小屋まで随分遠いなと感じる。そんな私の気持ちを見透かしたかのように,「なんかいややなあ」,「ほんまに今日中に着くんか」と皆がつぶやく。そんな中,Y本さんだけが一人冷静。「ま,先があるので,行きましょう。」と。そして,さっさと(というか,とっとと)歩く。

蛇谷まではひたすら登り。暑い。11月にしては随分暑く,予想以上に水を消費。秋に縦走したら,綺麗な紅葉が見られるのではと思い,登山道を急ぐけれども,まだ登り始めはイマイチ。蛇谷から釣瓶岳までの登山道の木はかなり落葉していて,視界は開けている。風が通ればそれなりに涼しく感じたりもするが,先を急ぎ,ヒートアップしているため,やっぱり暑い。下り坂を勢いよく下りていたら,直前を歩いていたOさんが足をぐねってしまう。(だ,大丈夫か!?)しかし,健気にもすぐ歩き出す。「しんどい」,「ここで昼寝したい」とぼやきの回数が増えつつも,いくつか峠を乗り越えていたら,いつの間にか釣瓶岳の頂上に到着。(とりあえず半分はこなした!)そして,武奈ケ岳頂上へ。頂上から見る周辺の山はとても綺麗に紅葉していて,心地よいひとときであった。記念撮影の後,明るいうちに小屋に着こうと,歩き出す。中峠を過ぎ,小川新道に入った頃には,日も陰ってきつつあり,だいぶ涼しくなってきた感じ。しかしながら,この道は新道といいながら,あまりメジャーではないルートのようだ。崩れかけの急斜面を木の枝をつかんだりして,下降。最後の登り返しがバテ気味の体には応えたが,本日の目的地,水晶小屋に何とか到着した。小屋到着後は,はじめにF田さんのケルンづくり。それから,歩荷班が作ってくださった食事にありつくことができ,快適で楽しい一夜を過ごすことができた。

★縦走チームB班

【日程】2005年11月5日(土)

【参加者】見張山コース:2名、白坂コース:2名

【天候】晴れ

【コースタイム】

湖西線京都駅7:08発→近江高島7:55着→大炊神社8:33→岳観音9:13→9:42岳山9:42→鳥越峰合流10:22→岩阿沙利山11:00→寒風峠12:00→ヤケオ山13:24→釈迦岳14:00→北比良峠山上駅14:35→南比良峠15:50→水晶小屋16:00

【記録】41期 N.M.

 日帰り比良全山縦走は昔から企画されていたコースだったのかもしれないが、私の知るところではU坂さんが『歩ききる、という経験』を持っておくとアクシデントがあった時の自信になるというので企画されたものであった。鵜の目鷹の目で"何か面白いことはないかなぁ"と探していたF田さんの目にこの企画が留まったらしく2000年の7月中旬に今回の逆コースを一緒に歩いたことがある。

 今回は出来るだけ多くのピークを踏むことを目的のひとつに掲げる総リーダーの指示でT辺さんとM梨の2人はリトル比良白坂コース、T岡・M井コンビは見張山コースと2手に別れる。M井さんの最新版の地図と2002年のM梨の地図を見比べると書かれている道はずいぶん増えている。F田さんはいつも古い地図を自慢していらしたなぁと地図を見ていてもなつかしく思い出される。

 近江高島で下車した4人は国道で2手に別れ我々は大炊神社前の参道を登り始める。長丁場の山行はとにかく体力を温存する歩きに徹することである。今回は今までと違い小屋どまり装備なので、ほんの少しだが完全な日帰り山行とはザックも違うのでペースを図りながら歩く。明日の天候の崩れがウソのような気持ちのいい秋晴れの中、歩ける幸せを思う。前にF田さんと歩いた時はここは夜の8時頃で暗くなっていたなぁと思い出を手繰り寄せながら歩く。あの時は20時半過ぎにへとへとになって近江高島駅に着いたのに、F田さんは独特の嗅覚で酒屋を探してビールをゲットし意気揚々と戻って見えたものだった。最高に嬉しそうな顔を思い出す

 地図に記載のコースタイムの2/3くらいのペースで順調に歩く。この分だとT岡組を鳥越峰で昼寝をしながら待てるかもしれない等と思っていると甘かった。オウム岩の手前でもう相方は頂上到着との携帯が入る。がっくり。メッチャ早いではないか!信じられへん!昼寝どころではない。

 鳥越峰で合流し、お腹がグウグウ鳴っていたので急いで行動食を詰め込みT岡リーダーを先頭に出発する。

 寒風峠手前あたりから2年前の悪夢がァ~!!よみがえるぅ~!!!筋肉の不揃いなケイレンが・・反乱分子の気配が・・・M梨にとってT岡・M井コンビは鬼門である。白出沢も早月尾根も大丈夫だったので安心していたのだが!何ということか。

F田さん助けて!守って!!

 2年前の記憶によると、この分では数分後には波状攻撃を受けて再起不能状態に陥る模様。う~んそれではF田さんとおいしいビール&夕食にありつけない。何としても水晶小屋にたどり着きたい。T岡さんには水晶小屋へのはやる気持ちがありありと見えるが抑えてもらい、だましだましストレッチをしながらついていく。どこでゲームオーバーになるか冷や汗ものである。他の3人はさぞもどかしかったと思う。付き合ってくれてありがとう。

 ようやく北比良峠山上駅につく。ここまでくれば小屋は見えてきたようなものである。原因を考える。筋肉の老化・電解質のアンバランス・進行形の風邪・正座がしんどくなっている膝・・・etc等。複合されたものであろうがこれが現実。なんとか切り抜けなくてはならない。堂満に向かって歩き出すと、北比良峠で十分休養をもらったはずなのに筋肉の反乱は進行形。堂満のピーク~藪漕ぎを降りることにする。M井ルートでの藪漕ぎを3人で楽しんでもらいたい。M梨は南比良峠で合流したいと提案するが、T岡リーダーはM梨に付いてくれるという。あんなに藪漕ぎを楽しみにしていらしたのに申し訳ないが涙が出るほどうれしい。固辞したいがリーダーの気持ちを有難くいただき一般道を慎重に歩く。M井・T辺組は堂満のピークを踏みに行く。

 2年前は2回続けて足がつってしまい、2回とも再起不能になったが今回は学習した。とことんつってしまうまで我慢しないでだましだまし行動することを覚えたようである。付き合ってくれた3人の人達の協力のおかげで、辛気臭かったことだろうとは思うが水晶小屋に着くことが出来て本当に有難かった。待ってくれていたボッカ隊の歓迎を受けて飲んだビールがうまかった。F田さんありがとう。

★水晶小屋班

【日程】2005年11月5日(土)

【参加者】6名

【天候】晴れ

【コースタイム】荒川登山口11:10→荒川峠13:10→水晶小屋13:40

【記録】47期 K.D.

荒川登山口で、S内会長、A月さん、Y下さんと合流。ボッカする荷物を各人に割り振る。

一体何泊の縦走をするのだろうかという荷物量。私はお花(献花用)担当で、潰れないように慎重にザックの背にくくりつけて出発。久々の山歩きで不安でしたが、歩き始めると楽しくて楽しくて。調子に乗って途中思わずスキップしたら、「そんなに元気ならもっと荷物持てよ~」とA月さんにつっ込まれちゃいました。水晶小屋の戸を開けると、真正面にF田さんのザックと靴が置かれていました。「あぁ、F田さんはここにいたんだぁ」と思えて嬉しかったです。(下準備をしてくださった皆さん、ありがとうございました。)縦走隊の到着まで、石を集めたり薪を集めたり、晩餐会の準備をしたり、なかなか忙しく働きました。全員到着後、ケルン作り。今回の例会はF田さんも一緒に参加しているつもりになっていたので、違和感を覚えながら、一つ一つ石を積み上げました。夜の宴会でも、「バイトのねえちゃん、酒!」という声が聞こえないのが不思議でした。時々切なくなったけど、今回の例会は参加して本当によかったです。N沢さん、企画してくれてありがとうございました。

★縦走チーム2日目の記録

【日程】2005年11月6日(日)

【参加者】4名

【天候】雨

【コースタイム】水晶小屋8:30→荒川峠8:55→烏谷山9:15→比良岳9:45→打見山10:30→蓬莱山11:15→子女郎峠11:45→下山12:40

【記録】47期 C.O.

荒川下山チームに見送られて出発した。朝から雨で、カッパとザックカバーをつけての出発だった。T岡さんが先頭で、T辺さん、O、K藤さんの順に歩いた。木戸峠までは樹林帯の中で、雨も風も視界の悪さも気にならず、今から思えば順調だった。打見山へのスキー場ゲレンデの登りで、雨のため視界が悪いことに気づかされた。10mも離れてしまうと、もう人が歩いているのさえわからなくなった。ロープウェイ山頂駅は期待していたストーブはなかったが、営業中なのが幸いだった。休憩していると風がますます強くなっていった。ロープウェイも強風のため一時運休していた。山頂駅をでて蓬莱山に向かったが視界が悪くピークまでの道もよくわからなくなってしまった。コンパスで方角を頼りに進んだ。途中、強風で体が飛ばされそうになり、急いでそばに立っていた鉄柱に皆でしがみ付いた。ウェイトの軽いT岡さんは本当に飛ばされそうだった。K藤さんもウェイトは軽いけど、人一倍大きいザックのおかげでましだったみたい。T辺さんと私は昨日の焼肉が重りとなって、ましだったのだろう。まるで台風の中を歩いている気分だった。風は左から吹いてきて、片足をあげて前に進もうとすると右に流されて真っ直ぐ進めなかった。 支えがない箇所は皆で腕を組んで進んで、あとはフェンス伝いに頂上方面に進んだ。蓬莱山山頂手前の山の神休憩所が見えたので、一旦非難した。これ以降も稜線歩きがあり、この強風では危険なので、子女郎峠で降りることも考慮しようという話になった。休憩所をでて子女郎峠への道を探したが、これまた視界が悪くどこにあるのかよくわからくなってしまった。狭い道だったが方角があっていた道があり、進みかけたが、T岡さんが、「こんな道じゃない」ということで、はっきり下山できる道を再度探した。打見山に戻ろうかという話もでた。すると子女郎峠への道を示した道標を発見した。下山路がはっきりわかったので、この道で下山することにした。子女郎峠から薬師滝方面に降りるにしたがって今までの強風が嘘みたいに、風がなくなっていった。林道にでると、サポートに来てくれたN沢さん、N野さん、Y本さんが待っていてくれ、ありがたかった。 個人的にはまたも全山縦走が未完に終わって悔しいが、悪天候では仕方ないだろう。本当をいうと私は体が飛ばされそうになるほどの強風が結構楽しかったのだが、危険が伴う場合は無理をせず下山を選んだT岡さん、K藤さんの判断は正しかったと思う。自分が逆の立場になったときも、こういう判断をしないといけないなと思った。また偶然、2日前にY夏さんにシルバコンパスの使い方を教えてもらっていたのだが、今日みたいな視界が悪いとき、コンパスが非常に役立つことを思い知った。 最後に未だに気になるのが、ロープウェイ山頂駅で出会った観光客風のおばちゃんグループがどうやって帰れたかということだ。ちなみにこのおばちゃんグループ以外登山者には出会わなかった。

★風間-八田ケルンへのお参り

【日程】2005年11月6日(日)

【参加者】25期 D.A.

【天候】雨

【所感】

F田くんの立派なケルンを完成させた翌朝から雨でした、しかし私の中でK間さんとH田さんに事故の報告をしない事にはケルンが完成しないと言う思いが有り、会長とリーダーにご無理を言ってお参りをさせてもらいました。

 センチメンタリズムでは有りますが、あの二つのケルンは会としての歴史を示す物であり、企業のように目的だけを達成すればよい組織ではない当会のような組織に有ってはそう言った象徴や伝統行事みたいな物を大切にして行くのも会員の気持を繋ぐ(反発するにしろ賛同するにしろ)絆になるのではないかと思います。と言うわけで此処に3つ目のケルンが出来ました、もしまた水晶小屋に泊まられたり、近くを通られたりしたときはF田くんのケルンにお参りしてあげて下さい。

 皆から分かれ一人で金糞~八雲と向かったのですが天気が悪いにも関わらず紅葉の絨毯は異常に奇麗でした、11:30ころ八雲が原のロッジに着きましたがガスも出て来て嵐のような雰囲気、其れで此処まで来ると登山者もちらほら会いました。

イブルキノコバのK間さんとH田さんのケルンは勿論有ったのですが、二つのケルンを前にすると確か右がK間さん左がH田さんのはずなのにK間さんのケルンが少し壊れていたせいか自信が無くなってしましました、何かプレートのような物が欲しい所です。ともあれお二人に事故の経緯等報告をしK間さんのケルンを修理に掛かりました。K間さんのケルンにはなぜか杉の小枝が一組供えてありましたので、H田さんの方にも同様のお供えをして此処を後にしました。

スキー場の登りは凄い風でまずいかなとも思ったのですが、何時ものダケ道を避け釈迦岳からリフト道を下山、駅には4時に着きました。

後で聞いたら縦走組は蓬莱で更にひどい風雨に見舞われていたそうです森林地帯で助かったようです。

【リーダー所感】43期 K.N.

 リーダーの貫目不足を心配してか怱々たるメンバーに参加して頂き感謝に耐えません、色々と至らぬ点があったと思いますが平にご容赦を。単なる言い出しっぺではありましたが、小屋の横に皆の協力で素早くケルンを建てられた事が何より良かったと感じています。縦走組は残念ながら悪天候の為に今回も完歩はなりませんでしたが、撤退の判断は適宜であったと思われます。食当をS内会長にお願いした処、炭火焼肉と芋煮とまるでオートキャンプ並みの豪華さでしたが、一部の人にはアレルギーの関係で食べるものが無いなど配慮が足りなかったと反省しています。小屋に初めて訪れた人にも、まずまず気に入って貰えた様子で企画して良かったと思いました。