京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.2752  西山:花巡りハイキング

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【日程】2006年3月26日(日)
【参加者】会員14名非会員1名
【天候】曇
【行程】
※Uは歩き始め、Dは休憩時点を表し、回数毎に数字をふって示す(よってD~次のUまでが休憩時間となる)。START~GOAL間が今山行のコース。
9:00 阪急東向日駅 集合
9:20 阪急東向日駅前バス停 発
9:45 小塩バス停
9:50 善峰寺バス停 着
10:10 U1 START
10:55 D1 杉谷
11:00 U2
11:20 大原野森林公園分岐
11:35 釈迦岳分岐
11:45 川久保渓谷下降点
11:50 ポンポン山巻き道分岐
11:55 ポンポン山
12:10 D2 リョウブの丘 昼食
12:50 U3
13:00 フクジュソウ散策路
14:20 中畑分岐
14:30 D3 大原野森林公園事務所
14:45 U4
14:50 小塩山分岐
14:55 杉谷分岐
15:00 逢坂峠
15:35 金蔵寺分岐
16:20 D4 南春日町バス停 GOAL
<Total Time 5:10>

【野草観察記録】

No. 名称 発見場所 写真
1 ハワサビ 善峰寺車道脇
2 ネコノメソウ
3 オオイヌノフグリ
4 ホトケノザ
5 チャルメルソウ 善峰寺
6 クサノオウ
7 ハハコグサ(オギョウ)
8 ハコベ(ホヨコグサ)
9 キランソウ(ジゴクノカマノフタ) 善峰寺車道脇
10 ヒメオドリコソウ
11 センニンソウ
12 ニワトコ(木)
13 コウヤボウキ
14 ヤブコウジ(赤い実) 善峰寺中腹
15 アオキ 善峰寺車道脇
16 アセビ(木)
17 ノカンゾウ
18 スミレ 〃 ・ 竈ヶ谷
19 カラスノエンドウ
20 イワナ 杉谷上流支沢
21 カンアオイ 稜線出合すぐ
22 カタクリ(葉) 稜線上・竈ヶ谷
23 クロモジ ポンポン山頂北
24 ボタンヅル 善峰寺中腹
25 フクジュソウ 観賞ルート
26 ヤマシロネコノメソウ 竈ヶ谷上流
27 イタドリ
28 ニリンソウ(葉)
29 ユリワサビ
30 フキノトウ 竈ヶ谷
31 アオモジ
32 ヤエムグラ
33 オオキツネノカミソリ 竈ヶ谷上流
34 ニッコウネコノメソウ 竈ヶ谷
35 エンレイソウ
36 イチリンソウ
37 オオカメノキ(木) 中畑分岐
38 カテンソウ 善峰寺中腹
39 トウゴクサバノオ(葉) 竈ヶ谷

【感想】48期 Y.K.
 バスもビックリの超速で小塩バス停から登ってきたYさんと善峰寺バス停にて合流。冷たい風や今にも降り出しそうな曇天も何のその、大所帯パワーで吹き飛ばしワイワイと散策開始である。すると早速車道脇に次々と花を発見しその度にIさん、Kさん、Yさん筆頭にご教授頂いた。特筆すべきはIさんの野草図鑑である。ハイキングにそぐわない厚さである。後にわかる事だが他メンバーも凄まじい量の行動食を荷重しており、そりゃ最近の若者よりご年配の方々の方が元気な訳だわ、と1人感嘆。肝心の花はというと、かわいいの度を超えたミニマムサイズ。お腹すいたとばかりに「食べられる」と聞くや否や毒見をしていたAさん。注目の感想は「う~ん、マズくはない」。「それって○か×かどっちなの?」と取り巻きもまた食欲旺盛である。
 食べ物の話(違うでしょ)も飽きたところで自転車デポのNさんと杉谷手前で合流。稜線に上がるとまだ早いのか花の姿が減った。下部にて豊富に見受けられた事を考えると、今まさに冬と春の境であることを実感する。熱心に花の姿を探すあまり、設置中の観賞ルートに一同入り込んで逆に怪しまれてしまった。ポンポン山山頂にはハイカーがうようよしていてさすが京都西山の名峰である。が、趣を欠くのはいただけず、好展望台であるリョウブの丘で愛宕山地蔵岳を見ながらの大休止とした。
 いよいよ本日のハイライト、幸いフクジュソウが満開とのハイカーの情報。嬉々として向かうとポンポン山北稜~かまが谷の下降点に観賞路が設置されていた。頑として一方通行と言われたので1周半した後に支尾根の急坂を下り谷へと降り立った。あとは谷を下って森林公園に抜けるだけ!最初はそう思っていたのだが。リードなしの半ヤブ道、看板には許可証があっても進入禁止と書かれている。観賞用に谷への下降ルートが付けられたものと思われるため、季節外は倒木と相まって荒れた姿となっていた。幾度もの徒渉を強いられ大忙し。そして下流に向かうにつれて徒渉難度が上昇。最後の徒渉では思わぬドラマが…いや、期待通りというべきか?M氏のにっくき演出(ですよね)が待っていた。森林公園事務所からは時間の都合により小塩山をカット。粗大ゴミのポイ捨てに苦言を呈しながら、車道を通って南春日町まで下った。
情報収集、観察の繰り返し。野草観察は予想以上に緻密な作業と見頃を狙う忍耐力が必要とされるものだと感じた。面倒がらずに調べて知識を蓄えておかないと判らずじまいになる。写真を撮るのすら面倒くさい私は反省しきりである(反省会での反省程度についてはまた別の話)。そんな事より、知的ハイカーの博士面々と楽しく活動できた事の方が私にとって大きな収穫であった。


【感想】21期 S.A.
早春の西山に春が来たらしい・・・。CLの確かな最新情報がもたらされ、いよいよ待望のカルチャークラブ「花シリーズ」が開幕した。善峰から杉谷を経て、ポンポン山、森林公園まで小塩山の山裾を散策し、お花畑を巡る。さて、今日の課題は30種を確認すること。必須アイテムは虫眼鏡,花図鑑など。先ず始めにリーダーより花分布地図(本日のルート上に花の名が書き込まれたもの)と確認リスト表を頂く。これに一つずつ確認した花と場所を記入する。名付けて「西山検定」。居並ぶ「歩くお花博士」のご教授のもと、次々と花の名が発表されて記入する。まだ花の咲いていない野草や誰にも其の名を知らせていない奥ゆかしい草花は、その場で分厚い図鑑がひもとかれ、これも名前が発表される。こうして私にとって、今まで「名も無い可憐な花」であった小さな小さな草花に32の可愛いお似合いの楚々とした名前が付いたのだ。勿論、研究熱心な多くの参加者はデジカメにその姿を止める事も怠らない。恐らく山から帰るや否や素晴らしい「my西山花図鑑」が何冊か美しく仕上がる事だろう。花の名を覚えきれない私だが森林公園の満開のフクジュソウ、咲こうか思案中の竃ヶ谷沢のカタクリ、緑に輝くカミソリのように薄い葉が枯れると曼珠沙華のような茎を伸ばし、薄オレンジ色の花を1本に数輪つけるとCLに教えて頂いたオオキツネノカミソリ(7月頃、きっと山の斜面が淡いオレンジに染まるでしょう)などは特に忘れ難い。今日の山行は西山を拠点とする西山住人の旬な情報に拠り、柔軟にコース変更して、より多くの花と出合えた。参加メンバーも多彩で、花博士、山のエキスパート、才内農園の野菜を担ぐ人、銘酒を携える人、ボッカする人、又帰路、下りの楽しい幾多の徒渉地点ありで、ほんとに楽しい。私には「西山検定」は高嶺の花だけど、早春の息吹きに包まれた西山が「又おいで?」と呼んでいる。