京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.2771 朽木・芦生‐新緑浴と植物観察

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【日程】6月24日(土)~6月25日(日)
【全体参加者】計28名

■蛇谷ヶ峰ハイキング
【日程】2006年6月24日(土)晴
【参加者】計4人
【行程】
出町柳9:00(車) 朽木想い出の森着11:45 登山口11:50 登山道途中(昼食)12:17~12:37標高557mの分岐12:44 カツラ谷の分岐13:13さわらび草原の分岐13:14山頂(休憩)13:31~14:11小椋栖山吊り橋15:22 バンガロー着15:47
【記録】48期 T.Y.
昨日の天気予報では、70%の降水確率だったが、今日はすこぶる快晴で暑いぐらいの天気でした。バンガローを出発して5分程度で登山口にたどり着く。そこからは、木道まじりの道が続く。木道の木杭の高さはまちまちで少し歩きづらい。しばらくすると汗がふきだしとても熱い。ただ風は非常に冷たくて心地よかったです。途中には小アジサイが群で咲いる。山頂につくと、武奈ヶ岳やリトル比良琵琶湖が一望できました。山頂でたっぷり休憩したあと、標高557mの分岐まで戻り、小椋栖山つり橋を渡りバンガローにたどり着く。小椋栖山つり橋は、深い谷にかかっていて、想像していた以上にとても大きなつり橋だったので、すこしびっくりしました。さて、本日の植物観察の収穫は、小アジサイとサルトリイバラとツルアリドウシとイワウチワです(K城さんに教えて頂きました)。今度来た時は、わかるように覚えていきたいと思います。

■のん様朽木大宴会
【日程】2006年6月24日(土)晴
【参加者】計24人
【記録】午後5時開始~翌午前3時頃終了 就眠
【感想】
出町柳からの朽木・芦生例会メンバーに加えて、朽木に直行するメンバー、沢登りメンバーも参加でおおにぎわいの楽しい大宴会でした。バーベキューだけでなく、箸休め(私にはお酒のつまみのように思えた)もたくさんの種類があり本当に至れりつくせりでした。
普段山行ではお会いすることがないメンバーとも交流ができて、とても楽しかったです。
今回この場を企画して用意してくださった、Y本さん、O道さんには、本当に感謝しています。それと食料の調達や準備をしてくださったメンバーの方々は、手際がよくて、見習う点がたくさんありました。次回このような企画があれば、私もてきぱき動けるようにしたいと思います。本当に皆様ありがとうございました。

■芦生―新緑浴と植物観察
【日程】2006年6月25日(日)曇り時々雨
【参加者】計17人 
【行程】
生杉駐車場9:33、地蔵峠10:08、中山神社10:31、長治谷作業所10:44、下谷の大カツラ11:13、栃の木平(昼食)11:45~12:30、ノリコの滝12:45、中山樹林園13:26、地蔵峠14:07、生杉駐車場14:40
【記録】
昨日の天気とはうって変わって、今日は雨がすこし降ったり止んだりと、少しうっとおしい天気だ。生杉の駐車場で大津から来られるメンバーを待つチームと、先発で出発するチームに分かれる。長治谷作業所までは、ウツギ、ヤマボウシ、オオカメノキ、イワガラミ、ツルアジサイ等の白い花の樹木に出会った。長治谷作業所付近には、ジギタリスが咲いている。ジギタリスは、薬草で心臓の薬になるとM岡さん、N田さんに教えていただいた。植物観察をしながら、話をしていると後発メンバーがやって来て、合流し再び下谷に向って歩き出す。下谷には、本日の見所である巨木(保存木)に出会える。Y本さんがくださった巨木の位置が書かれているプリントを見ながら進む。まずは大カツラの前に到着。森の湿気を含んだような樹皮で葉は丸い。沖縄のガジュマルの上にはケンムンという妖精?が住んでいると言うが、このカツラの上にも何か住んでいそうな雰囲気だ。
その後栃の木平で、巨木のトチにであったが、主幹の下の方にナラタケが生えていて(Nさんの話しによると、ナラタケが生えると、生きてる木でさえ枯らしてしまう程強いらしいです。)このトチも駄目になってしまうのかと思うと、複雑な気持になった。
栃の木平らでゆっくり昼食をとった後、ノリコの滝が見える場所でUターンして、来た道を戻る。途中、中山樹林園(木に樹名のプレートがついている)を通り生杉駐車場に着く頃には、雨も止んでいた。芦生は2度目ですが、行くたびに新しい発見がありとても楽しいです。また別の機会に違う散策コースへ行ってみたいです。

【感想】36期 Y.T.
芦生は30年ほど前にトロッコ道を歩いただけでした。生杉側からは初めてで、楽しみにしていました。長治谷作業所(跡)も名前は良く聞いていました。かなりの広場で、テント泊で寝そべって星空を見上げたら楽しいと思いました。
下谷のカツラの大木はすごかったです。とちのき平の数メータ地を這ってから立ち上がってる大木の生命力には脱帽。いつもの山行ならただ歩いて通り過ぎるだけなのに、この日は色々と教えてもらいました。
最近の山行では歩きプラス花や樹木、自然などを教えていただくことが多く、楽しみが増えました。
前日の蛇谷ヶ峰(オグラス)は晴天で十分に楽しめました。暑すぎて早々にジャブンをやりました。この山は冬にボボフダ峠から登り、天空温泉に入るのが私のお勧めです。(蛇谷ヶ峰は朽木村からはオグラスと呼ばれているようです。)
大所帯をまとめてくださったO道さん、Y本さん有難うございました。

【感想】48期 J.I.
週間天気予報がうまい具合に外れたのか,晴れ男,晴れ女がいたのか,真偽のほどは定かではありませんが,24日は晴れ。買出しを終えて,朽木バンガロー(想像以上に綺麗でした!)に着いたら,夕食を美味しく食べようと思い,T野リーダー引率の蛇谷ヶ峰へのハイキング組に加わりました。大量の汗をかきましたが,その後のてんくう温泉でさっぱり汗を流して,夜の宴会に臨むことができました。
芦生の森探検は,生の音声ガイド付きで,贅沢で楽しいひとときでした。よく晴れた日に木洩れ日の中,歩くのもいいでしょうが,雨に煙る雰囲気も悪くないと思わせてくれる空間でした。
新緑祭パート1は残念ながら欠席しましたが,今回のパート2に参加し,大変良かったと思っています。そして,Y本リーダーを始め,会計をしてくださったM岡さんら皆様にお礼申し上げます。ありがとうございました。

【感想】48期 Y.K.
肉がなくなっては食い損だと急いで下山し合流が丁度18時。
心配ご無用、全て準備して頂き誠に感謝感謝である。45分で沢臭を流しかんぱーい♪数分すると、ビールの空きが遅いと言わんばかりに皆様から「食え食え」攻撃を受ける。とどめに曰く付きで今宴会リーダーから無理無理な大役を任命され(いくら同じお名前だからといって証人付きですかいな)・・・じゃあ大役名の通り飲ませて頂きます!途中コースアウトしたが、夏に向けての調整話もありと充実した時間を過ごした。
約2時間半後に朝食を頂き(全く手伝わずごめんなさい)、帰り際に色々と頂いた。その理由が「これからボッカせなあかんでしょうから」って、沢でもボッカせなあかんのん!?いやはや、もう気付いてはいるが恐ろしい山岳会を選んでしまったものである。尤もこんな企画に参加できるならそれも良し。もし今宴会に点数をつけるなら98点。2点は私の不手伝いにかかる減点といったところですね(ちなみにこの採点は80点が満点です)。

【毛虫の恩返し】17期 M.M.
今年は春から宴会が流行するようだ。参加者が20人を超えたら、それはもう新緑祭第2弾以外の何ものでもない。
私って、みなさんよくご存じのように、山にはほとんど行きません。だって歩くの大変だし、シュラフで寝るのは体が痛いし、荷物が重いじゃん!それで、なんで山岳会に居るんだ??なぜだろう・・・?
それは、そこに宴会があるからなのだ・・
ということで、今回も、何処に行くのか全く認識せずにドタバタと参加しました。
私に出来るの長年触ってきた1万円札を数えることだけ(他人のものじゃけ~つまらんぞ!)食当は、お料理上手のS方さんに任せっきりで、結局、現地で右向いて左向いている間に、豪華ディッシュが出来ていたのであった。バーベキューに、厚揚げとこんにゃくを加えるのは、美貌を維持したい女性軍に大変好評であった。
それはさておき、一日目の朽木散策で、我が孫のような岳ちゃんと手をつないで歩いていると、新緑の光線を纏ったような毛虫に遭遇した。まるで透き通った翡翠の色だ。彼女(毛虫ちゃん)の瞳は毛むくじゃらの中で緑色に輝いていた。全身も緑なので、何処が瞳かは定かでなかったが、私と彼女の視線がふれあったのだった。それは、まるで何かを訴えるような、切なさを私に送ってきた。

しばらく歩くと、蛾なのか蝶々なのか無惨に羽の千切れたおおきな蝶の姿が落ちていた。輝く鱗粉は薄緑色だ。あの毛虫がこの蝶々になるんだよと誰かが教えてくれた。「ああ、ではさっきの毛虫は、この親の死の悲しみを私に訴えていたのだ。分かったわ、私が私が葬ってあげる」と吊り橋の上まで、その亡骸を運び、水葬にふしたのでありました。そして翌日、過激な沢登り組はうっちゃといて、我々グループは花と巨木、鳥の声を愛でに芦生の森に分け入ったのでございます。
鳥は鳴き、ヤマユリはほほえむ。でも、天気は雨になりそう。しっかり長靴を履いてきている先見の明のある哲さんやT辺さん。履き慣れないのに登山靴なんか履いてきて私って馬鹿だった、んじゃ、水場に脚をつっこみそうだと言うからスパッツというものをつけよう。前回私がスッパッツを付けたのは、何を隠そう、2004年1月18日だったのだ。それも新品のショートスッパッツを、その時も自分で付けられなくって、同行の面々を驚かせたのだが・・
さて、世の中にはロングスッパッツとショートスッパッツというものがある。その違いは何かと言うと、ロングは太ももまでカバーしショートは膝下までをカバーするのだと私は思っていたが、ところがなんと言うことでしょう!その場の全員が意見を異にしたのであった。ロングが膝下でショートが足首だって??だってショートが膝下に来てるやん?この見解の違いはなんなのだろう?
とにかく、そのスッパッツを引っ張り出したら一つしかない。「ちゃんと入れていたのに片っぽしかなあい」と泣き叫ぶと、Y本浩さんが「あんたの脚は胴みたいに太いんか」と笑った。その理由は右と左のスッパッツをファスナーでつなぎ止めていたのであった。それからまた、前と後ろ、右と左を間違えて大騒ぎをし、4人がかりでスッパッツを付けてもらった。本当に手間の掛かる人間だ。
がしかし、新人諸君は、温和しく、じっと待っていてくれた。その瞳には驚嘆の色が感じられた。
うちの会のすごいところは、見本となるべきアスリート達が存在すると共に、こうなってしまってはいけないという見本まで、ちゃんと用意しているところにある。これは他の会には真似の出来ない特徴なのだよ!理解してくださる。
そうこうして小雨の中、下谷の大カツラの下にたどり着く。雨に濡れた新緑は、その色をますます輝かせる。でも足下は、年を越し堆肥となっていく落ち葉の床だ。その足下に、キラキラと光る緑の色が・・・
何かと思えば、カツラの巨木の上の葉に止まっているはずの毛虫が、濡れた落ち葉の上から一歩一歩元の住まいを求めて彷徨っているのだ。毛虫の一歩って、どこが足なんか知らんけれど・・
「故郷はどこ~!私は帰るのよ!」
が、彼女の一歩はむなしく、巨木の根元までたどり着くには、2泊3日ぐらい掛かるかも知れない、このままでは、新しい葉っぱを食べることが出来ず飢え死にしてしまうに違いない。ああ、母を訪ねて三千里だ。
そこで、私は、ストックの先に、彼女をクルンと巻き込んで、木の根まで運んであげた。比良山岳会員には短足に見える私も、彼女から見れば、なんと足の長い姫君と見えたに違いない。
「此所まで来たら、あとは自分で頑張るんだよ」と励まし、私はそこを後にしたのであった。
さて、その夜・・
夢枕に、輝く緑の衣を纏った美女が現れ
kaguya様、本日は危うきところを助けていただきありがとうございました。お陰で梢に戻れました。また、昨日は我が姉の願いをお聞きいただき母を丁重にお弔い下さり感謝に堪えません。このお礼はなんと言ってしたらいいのでしょう。そこで、ここに世界で一番美味しいものを持って参りました。感謝の気持ちでございます。どうぞ召し上がってくださいませ」と銀の蓋で覆われたお盆を差し出したのでした。
うっわ~、世界で一番美味しいご馳走って!うれしいなあ~
そおっと蓋を開けると・・・
そこには、濡れて輝くカツラの葉っぱが山盛りにあったのでありました・・・
そりゃあ、毛虫ちゃんには、世界で一番美味しいご馳走だよねえ~~ガッカリ!
チャンチャン・・・お仕舞いです。