京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.2774 槍ヶ岳(大切戸から変更)

 

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【日程】2006年7月14日(金)夜~16日(日)
【参加者】3名
【行程】
■7月14日
20:00烏丸御池集合・N野さんの車で新穂高に向かう。0:40 駐車場でテントを張って就眠。
■7月15日:曇りのち雨
4:00起床、4:50駐車場出発~5:45新穂高避難小屋着~6:30白出口着~7:40滝谷避難小屋着~8:40槍平小屋着(雨が強くなり、小屋でコーヒーを飲む。登山コースについて検討。雨待ちで1時間の休憩)~10:35大喰岳西尾根末端付近~13:10槍岳山荘着
■7月16日:雨
5:20山小屋発~5:40殺生ヒュッテ分岐~7:50槍沢キャンプ地~8:25-40槍沢ロッジ~9:10二ノ俣~9:15一の俣~10:00-10横尾~11:15-30徳沢~12:15-30明神~13:10上高地バスターミナル==平湯温泉==新穂高温泉==京都

【記録】 15日(記録K.F.)
新穂高のPにテントを張っているころは、星も見えたり、雲間に月が見え隠れし、天気に恵まれそうな予感で寝袋に入る。5:00に行動開始。全体に曇り空で、山の中腹にはガスがかかり、ちょっと憂鬱な気分ではあった。蒲田川右俣左岸につけられた車道から林道に入り、穂高平避難小屋付近で小休止。先に出発していた10人ぐらいのパーティと一緒になる。小休止のあと出発。心地よいアップダウンを繰り返しながら白出口に到着。ここにはトイレがあるが、一息つくには白出沢の河原が展望が開けて気持ちがよい。白出沢のあたりから登山道は右俣谷のすぐ近くを行く事になり、冬期の雪崩要注意点であるチビ谷を渡る。この頃から雨がやや強くなり、雨対策をしながら滝谷避難小屋に到着。いよいよ本格的な雨が降り出してきた。避難小屋を出て滝谷を渡る。丈夫そうな板の橋が設置されている本流を渡ると、もうひとつの流れが有る。急流なので慎重に渡渉する。強い雨の中、槍平小屋に到着。ここで雨待ちも兼ねて1時間の休憩。コーヒーを飲み、登山コースについて検討。このころには槍ヶ岳からの下山者も到着しており、稜線の様子が知れた。雨、風が強そうである。休憩後槍ヶ岳を目指す。大喰岳西尾根末端をまいて、広いカールの飛騨沢を登り始めるころから、F川のスピードが落ち始める。道は稜線に向かってガレ場をジグザグに登る詰めのキレット登りなのだが、足が重い。沢筋から稜線に向かって風と雨が吹き上げてきて寒い。けどしんどい。その間、先行の二人は要所、要所でF川が登って来るのを待っていてくれる。寒いのに待たして申し訳ないとは思うのだが、亀の歩みしかできない。そんな繰り返しで500mほど登り、ようやく飛騨乗越に到着。呼吸が荒いまま槍ヶ岳山荘に到着しました。ストーブのある食堂で暖を取りながら、テント泊を止めて、小屋泊まりにする事に決定しました。

16日(記録C.O.)
雨も風も強くなかったが、昨晩中雨が降り続いていたので、滝谷の渡渉でリスクを負うよりは上高地へ逃げようということになった。そうと決まれば、とっとと槍沢を下る。
殺生ヒュッテから槍沢ロッジまでは雪渓がかなりのこっていた。昨冬の積雪量の多さを改めて思い知らされる。我々3人の装備はというと、3人ともアイゼンなし。バイルはF川さんのみ。しかしF川さんはスニーカー。雪渓はキックステップが使えるところは問題ないのだが、斜度30度ぐらいの約15mのトラバースは、雪が氷状に踏み固められていて、しかも万が一滑ったら100m以上は落ちるだろうなという箇所。皆無事通過できたがこの山行中で一番怖かった。
出発から1時間半ほどたったころ、雪渓の終点でF川さんを待っていると、どうも歩く様子がおかしい。足を痛めているようだ。聞くと雪渓歩きで左足のふくらはぎ部分を軽く肉離れしたみたいとのこと(実は骨折だったようです)。心配したが荷物を軽くしたら何とか歩けたので頑張って上高地まで歩いてもらった。
槍沢の水かさは、断続的に降り続く雨の影響で相当だった。渡渉を回避してよかったなと皆ほっとした。上高地はというと、雨にもかかわらず3連休とあって大変な賑わいだった。


【感想】33期 K.F.
久しぶりの山行で飛騨沢の登りにバテ気味のF川を、風、雨の中、必ず待っていてくれるN野さん、Oさんの姿を見るたびに頑張ろうと思う気持ちになり、有難かったと思っています。又、帰りの槍沢雪渓で転倒した後、てきぱきと対応していただいた事にも感謝しています。意義深い山行になりました。有難うございます。下山後、18日(火)に整形でレントゲンを撮ってもらったのですが、左足の外側の細い骨(ひ骨)の上部が折れていました。この骨は折れていても特に歩けない事は無いという説明でした。ともかくすがすがしい思いの山行ができた事に感謝しています。