京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.2868  関西百名山シリーズNo.2 霧氷の高見山

 


【日程】2007年2月2日(土) 薄曇り
【行程】
京都7:41-榛原9:05-20=(霧氷バス)=高見山登山口BS(杉谷)9:58-10:08~小峠11:01-08~高見峠11:38-40~高見山12:30-13:02~平野道分岐13:33~たかすみ温泉(高見平野BS)14:46-16:00=(霧氷バス)=榛原16:43-46-京都18:18
【参加者】計12名
【歩行データ】歩行10.0㎞ 4:38 延登高 912m 延下降 908m 1座登頂


【記録】48期 H.Y.
第2弾は時節柄、冬ならではの霧氷バスに乗り高見山に行った。曇りの予報ながら薄日も差し遠望も得られお目当ての霧氷も心ゆくまで楽しむことができた。

9:05榛原駅は登山者客であふれている。大きな二つの列に集約され一方は三峰山へ、もう一方は高見山へ。すべて冬季限定で運行される奈良交通の"霧氷バス"に乗り込む人たちだ。切符を買う列に並んでいる間に第1便は出発して行った。どうにか第2便に乗り込むことができたが先に行った観光バスタイプと違い路線バス用の車両で損をした気分だ。それでも全員着席しての発車だったのでまだしもだ。
ノンストップで東吉野村杉谷の高見山登山口(標高約470m)へと降り立つと、ここも人でごった返しトイレ待ちの列も長い。スパッツを着けて出発。途切れることのない登山者の列に加わり旧伊勢南街道(紀州街道)を進む。紀州の殿様も通ったという古道は所々石畳も残り往時を偲ばせる。山中に市が立ったといわれる"古市"の案内板があるが、何故こんな山中に市が立つのか?とても信じられない。
足の遅い人はどんどん列後に回り、間隔が開き歩きやすくなると小峠(標高895m)に達する。高見山へは階段を登り尾根を直登すれば最短距離だが、霧氷バスのルートは高見峠から南尾根を登るルートが指定されている。この混雑では逆らって逆コースに突っ込めばとんでもないことになってしまうだろう。林道を東に進み国道166号線の旧道に出る直前で山道が左に分岐する。再び旧伊勢南街道となり尾根の張り出しを回りこむと前方に白い高見山の姿が現れた。樹林帯の僅かな途切れから台高山脈が展望できる。
高見峠(標高約895m)は大峠とも言われ旧伊勢南街道の他、国道166号線の旧道が越える。新道は杉谷から高見トンネルで一気に三重県へと抜けているので凍結した峠に上ってくる車は登山者の車しかない。峠には広い駐車場があり数台駐車されている。峠からの展望は抜群で台高山脈南側には国見山、東に張り出した迷岳、東側には三峰山(みうねやま)が一望できる。
高見峠からは南尾根を急登し高度を稼ぐ。標高が1,000mを越えたころ木に雪が付きだし、開けた所に飛び出すと展望良く大勢の人が休憩している。我がグループも暫し休憩し思い思いに写真撮影に興じる。よく見るとすぐ前の木が霧氷になっている。いよいよ霧氷の世界に突入だ。
高度を増すにつれ霧氷はどんどん発達しメンバーの感激は一入。山頂を目前にして渋滞、狭い山頂には高角(たかすみ)神社と屋上に展望台を持つ休憩舎があるが道は狭く、立錐の余地もない位に人人人。ゆっくり昼食どころの騒ぎではない。写真撮影もままならず欲求不満のまま山頂を過ぎ人の少なくなった南側斜面に張り付くようにして昼食休憩を取った。
大急ぎで見た山頂からの展望は文句なしに素晴らしい。台高山脈の山々の他、北東方向には倶留尊山、住塚山、大洞山など関西百名山に名を連ねる室生火山群の特徴ある山々も見える。山頂部は南尾根と違い北風をもろに受けるので霧氷も樹氷モンスターのようになりつつある。
霧氷の間を縫うように下山すると、こちらは結構登ってくる人がいる。笛吹岩や揺岩(ゆるぎいわ)、国見岩など案内板が出てくるが、下り坂でOさんの足が異変をきたし先行グループと間隔が開いてきたので横目に見て通過した。
Tリーダ-が地図を見てどうもおかしいと言い出したが、明瞭な踏跡が続き、平野への分岐点にはしっかりした標識があった記憶から道に間違いはないとはずとそのまま進んだ。乳岩まで来ると杉谷と平野の分岐標識があり、今日は一方通行で平野に下りる。帰京後、Tリーダーが調べたところ登山道は思っていた所より300mほど小峠側に下りたところで分岐してた。そうすると2.5万図の点線道はどうなったのか? 廃道か、それとも雪の下に埋もれているのか?
分岐からは単調な樹林帯を下る。一寸した広場に古いトタン張りの小屋が出現、沢山の人が休憩していた。さらに下ると巨大な杉、「高見杉」と案内板がある。その傍には少しマシな小屋がある。これが登山地図にある避難小屋なのだろうか。平野まではあと2.6キロ、途中1箇所だけ高見山が展望できる箇所があり名残を惜しんだ。しかし知らずに通り過ぎてしまう人も多かった。
平野の集落が見えてからが長いと誰かが言っていた。チラリと見えてからどれくらい時間が経ったか、ようやく人里に達し平野川を渡り"たかすみ温泉"に到着(標高474m)、大混雑を予想していたがそれほどでもなく16時のバスまでゆっくり入ることができた。(入浴料500円)
帰りの霧氷バスも2台目になり路線バスタイプ、ゆっくり座らせてくれないものだ。来年の霧氷は三峰山に行こう。これも関西百名山、シリーズNoはどこまで行っているだろう。
《山紀行632》


【感想】 25期 T.S
近鉄榛原駅を降りた登山者の多さにびっくりしました。三峰山方面のバスに乗る人を除いても百人以上は、いたと思います。1時間も吊革につかまっているのは、大変だろうなと思っていると、満席になると次のバスが来て全員座って行けました。奈良交通に感謝です。
登山口に着くと真っ白な高見山のテッペンが見え期待がふくらみました。ロングスパッツが見付からなかったもので雨具上下着ていたから、すぐに汗だくになってしまいました。
高見峠から、ジグザグの急斜面です。真っ白な木々の間から見え隠れする台高の山々のコントラストが、素敵でした。暑さも忘れて登っていました。
山頂には神武東征伝説にまつわる祠があり、周りは、お祭りの縁日かと思うほどの人だかりでした。山頂付近の霧氷はとりわけすごく、造幣局のサクラを見ているようでした。やはり「綺麗なものは、人をひきつける魅力があるものだな~」と、実感した山行でした。
スパッツは、帰って整理していたら、出てきました。


【感想】 36期 Y.T
高見山樹氷は有名ですがいつもきれいに見られるとは限りません。年により日により当たり外れがあります。今回はY TCの見事な設定で十分に楽しめました。大峠からの登りは春山のように暖かく、樹氷の先に解けた水滴が凍りつき輝いていました。頂上からの下山路では北斜面に立派な「えびの尻尾」が咲いていました。比良のものより大きいでした。さすが行列の出来る樹氷の山です。
平野へ下山する途中の分岐が300m程南西へずれているようです(標高差で100m程)。地図ではずっと稜線沿いに下っていくのですが、実際は谷筋を通りました。高見杉も谷筋にありました。帰ってから山渓と昭文社のガイドブックを調べてみましたがいずれも稜線道でした。このコースは迷うことはありませんが、ガイドブックや地図の道を100%信用するのではなく、地形を読むことの大切さをあらためて感じました。
H.Yさんの関西百名山は楽しいです。出来るだけ参加したいと思います。これからもよろしく。


【感想】48期 M.K
1度は見たかった高見山の霧氷、初めて登り出会えるなんてラッキーでした。山頂北斜面の霧氷はジャングルに迷い込んだみたいで、恐竜の形をした氷の塊もありました。枠の中にはめ込むと何処もモザイク画のようで、空間に山がシルエットで浮かんで素敵でした。木の枝は氷の塊で覆われ持ってみて、「重たい」と言うとYさんに「氷の塊だからあたりまえ」と笑われた。風がなく、穏やかな天気に恵まれ展望も素晴らしかった。南に台高山脈北部の国見山・明神平、東に三峰山、北に曽爾の兜山・鎧岳・?留尊山の名前を教えて頂きました。反省点は、霧氷に夢中になり地図を見るのを忘れた事です。全て手配して頂いたYさん、ご一緒して頂きました皆様有難うございました。


【感想】  50期 J.O
霧氷で名高い高見山。しかも今週は冷え込んだ。霧氷への期待は高まったが、天気予報は曇りのち雨。山行は寒く辛いだろうと覚悟していた。
が、今日の高見山は見事に晴れている。遠くの山並み・山肌もくっきり。風も無く陽射しは優しく「春の山みたいやなぁ」と皆さん。関西百名山シリーズ№1の白髪山に続いて、№2の高見山も大当たり。たっぷりの雪と樹氷。それを春のハイキング気分で堪能できるとは。
1248mの山頂は積雪50cmを超えている。昨年末の三十三間山では新雪を歩いた。こちらの登山道は数珠繋ぎ。雪は踏まれて氷に近い。825mの小峠でアイゼンを付ける。やはり歩きやすい。今日こそは転びませんように・・・・
狭い山頂はすれ違うのがやっとの混雑ぶり。大渋滞の中で写真を撮ろうとして「止まらないで」と注意を受ける。すみません。止まってはいけない桜見物「造幣局の通り抜け」のよう。
満員の山頂を通り抜け、道から少し逸れた急斜面で昼ご飯だ。雪を蹴散らし、ザックと自分が納まる穴を掘る。ころがらないよう木に寄りかかれる所を選んで座った。氷の塊となった枝先が頬に当たる。冷たい。
昼食を終えて下山にかかる。ドームのようにトンネルのように、ぽってりと重たそうな樹氷の林が続く。樹々は厚い氷に閉じ込められている。「ナルニア国物語」の始まりを思い出す。悪い魔女に魔法をかけられてずっと冬が続いている国のお話。だが、春・芽吹き、夏・生い茂り、秋・紅葉落葉し、冬・白銀に覆われる。四季の移ろいの方が魔法かも。 さて、ワタシの山行目標「すべらない・ころばない」。結果から申し上げると・・・今回はころばなかった! でも何度も転びそうになった。原因①足が上がっていない ②左右の足が擦れて引っかかる だろうか。覚束ない私の足元を見て「フラット、フラット、で」とTリーダーが声をかけて下さる。『フラット、フラット・・・』とつぶやきながら歩いた。これが勝因(?)と言いたいが、運よく転ばなかった。のかな。雪上歩きも練習します。
Tリーダー・Yツアーコンダクターを始め、皆様大変お世話になりました。夢のような一日でした。


【感想】 元会員 S.O
奈良の方面は行ってみたいところも沢山あるものの、遠いのでなかなか行けてない‥今回は樹氷がとてもキレイというのと、しばらく登山はしていなかったので、参加させていただきました。ちょっと荒れそうだった天気予報は大はずれで、風もなくいい景色を堪能できました。ワイワイとても楽しく過ごせたのでお誘い頂いたYさんに感謝!!ありがとうございました
六甲もいい天気だといいですね!またご一緒させていただけると嬉しいです。本当にありがとうございました。