京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.2845  秋の針ノ木峠~爺ケ岳

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【日程】9月14日(金夜)~17日(月祝)
【参加者】計7名


【記録】
9月14日(金)22時京都駅(車)
9月15日(土)曇り後晴れ
駒ヶ根IC (仮眠)=扇沢8:00着8:42出発 沢にて休憩9:35~9:46 大沢小屋10:02 休憩10:32~10:47 ノド11:35~11:42 休憩12:20~12:45 針ノ木峠テント場13:40 (幕)14:30出発 蓮華岳 針ノ木峠16:30
バスターミナルの左端から登山道に入り何度か車道を横切り針ノ木自然歩道を歩きました。ナナカマドやオオカメノキの実・サラシナショウマアキノキリンソウ・オヤマリンドウ・テンニンソウが見られました。鳴沢・赤沢を横切り3本目の沢渡った所で休憩。
大沢小屋は閉まり、前にある百瀬慎太郎のレリーフを見てから樹林帯をジグサグに登り雪渓に向かいました。岩がゴロゴロした広い道で休憩。雪渓が下に見えるが上部はガスで分からない。
沢を渡り右岸に沿って高まきに進み、ノドの直下で雪渓を横切り左岸へ。雪渓は崩壊していて通行禁止になり、私の想像していた雪渓歩きと違い緊張しました。岩場に取り付くとペンキ印があり、クサリ伝いに上部に出ると山腹へ入り右岸の花畑で休憩。アキノキリンソウ・ダイモンジソウ・ミヤマリンドウ・ミヤマカラマツ・トリカブト・ウサギギク・ホツツジが見られ、花好きの私は嬉しくなりました。
砂礫の斜面の登りが続き、黙々と歩きようやく針ノ木峠へ到着しました。9月半ばの雪渓歩き、涼しいと思っていましたが暑い1日でした。テント設営の後、蓮華岳へ行かれましたが、私はT野さんとテント場で山を眺めていました。天気よくなり蓮華岳から続く山の名前を教えて頂きました。
夕食は美味しいトン汁とサラダで、料理の手早さにびっくりしました。夜はテント場から南の空にサソリ座・射手座が見え上を見ると満天の星空でした。
初めてのテント泊の縦走で緊張しましたが、皆様のおかげで楽しく終えることができました。ありがとうございました。


9月16日(日)
針ノ木キャンプ場出発6:18 針ノ木岳7:19 スバリ岳到着8:40 赤沢岳到着10:41 鳴沢岳到着11:57 新越山荘到着12:50 岩小屋沢岳到着14:05 種池山荘到着15:40
風が強かったが、心配していた天気もなんとか持ち、出発前に眺めを楽しんでから気持ちよく針ノ木岳に向かう。登りはじめてからいきなりの急登。出発するときは寒いぐらいだったのが、すぐに汗ばんでくる。頂上に到着すると、昨日は見えていなかった黒部湖、立山・剣が見渡せる360度パノラマが広がり、一同撮影タイム。
スバリ岳へは、鞍部までの急な下りでかなりきつい。じっくりと景色を楽しみたいのだが、急なガレで慎重に足を運ばないと転げ落ちそうになる。登り返してスバリ岳山頂へ。 赤沢岳へは一旦250mほどの標高差を下る。左手に立山連峰、黒部湖畔を眺めながら稜線を歩く。頂上までののぼりには少しガレた急斜面があり、ひと苦労。この辺から雲行きがあやしくなり、雨がパラつく。鳴沢岳へは歩きやすい稜線を進む。
鳴沢岳から新越山荘へは、頂上を出てからしばらくは岩の急斜面で後ろ向きに下りるところも。やがて斜面が緩くなったあたりで、右手側が垂直に切れ落ちた高感度抜群?のところがある。平坦な道を歩くと新越山荘に到着。ここで再び太陽が顔を出す。ここでゆっくり休憩をとったあと、岩沢小屋岳へ向かう。
岩沢小屋岳から種池山荘までの道でだんだん天候が怪しくなり、本降りに。テン場についたころには、雨足が強くなり、急いでテントを張りようやく一息つく。


9月17日(月) 晴れ
4:30 起床
6:12 種池山荘前出発
6:53 爺ヶ岳南峰着 休憩7分
7:13 爺ヶ岳中峰着 休憩16分
8:08 種池山荘テント場着
8:40 種池山荘前出発
10:27 八ツ見ベンチ着 休憩18分
11:05 柏原新道終点
11:15 扇沢駐車場着
11:40 大町温泉着
13:00 大町温泉出発
19:40 京都駅 解散

昨夕より降り出した雨も夜の内に止み、さわやかな朝を迎えた。朝食は昨夜のシチューにα米を加えて「クリームシチューリゾット」。具沢山のリッチな朝御飯。K藤さん・T辺さん、美味しい食事をありがとうございました。
食後、テントにザックを置いて空身で爺ヶ岳へ。この辺りの山々は、這松・キバナシャクナゲ多肉植物などが寄り集まって地面を隙間無く覆い、美しい緑である。山頂への道は緩やかに整備されたジグザグ。半ばより大石ゴロゴロの急登となる。
中峰からの眺望は、信州側は雲に覆われてほとんど見えないが、西側はまずまずの眺め。下山時、爺ヶ岳から種池山荘までの稜線が「二重山稜」であることをT野リーダーに教えられる。「二重山稜」とは、重力により尾根に亀裂が生じてずれ落ち、元の尾根と平行する新しい尾根が出来た場所とのこと。
ほぼ乾いたテントを撤収して種池山荘を出発。途中、苔むした丸い石がゴロゴロ続く。前夜の雨で滑りそう・・・と恐れていたら、案の定滑って尻餅。予想通りの展開である。 振り仰ぐと種池山荘は稜線のはるか彼方に小さく見えている。昨日歩いた、針ノ木岳-スバリ岳-赤沢岳-鳴沢岳-岩小屋沢岳の五つのピークが稜線と共に、晴れた青空にくっきり浮かんでいる。感無量。
扇沢駐車場に戻って大町温泉・薬師の湯で、3日間の疲れ(と汚れ!)を落とし、一路京都へ。
ご一緒して頂いた皆様、大変お世話になりました。とても楽しい3日間でした。どうもありがとうございました。


【感想】36期 Y.T.
立山から薬師に縦走した時に、針ノ木の山並が黒部湖をはさんで見えました。それ以降登ってみたいと思っていました。できれば針ノ木雪渓から。ようやく今回実現しました。ただ針ノ木雪渓はやせていて、ノドと呼ばれるあたりに残っているだけでした。雪渓を歩くことはなく、不安定な巻き道を登りました。
針ノ木岳から爺ヶ岳のピークからの展望は最高でした(天気予報に反して)。北アルプスの、位置関係が良く分かりました。
剣、立山、五色が原から薬師岳の稜線。剣は平蔵谷、源次郎尾根、長次郎谷が正面に見えました。剣の向こうには日本海も。赤牛岳から水晶岳、その奥の鷲羽岳蓮華岳、船窪岳から烏帽子岳に続く起伏の大きい稜線。奥に続くのは裏銀座野口五郎岳野口五郎岳が大きく見えます。高瀬ダムの左の表銀座蓮華岳が邪魔をしています。 北方の鹿島槍五龍、唐松、白馬は進むにつれ少しずつ変化します。鹿島槍の双耳峰がきれいでした。針ノ木のテント場からは富士山も見えました。ガスが切れると槍ヶ岳も顔を出し大満足でした。黒部湖の遊覧船、ロープウエイの大観峰と黒部平の駅のおまけつき。
機会があれば来年は蓮華岳、船窪岳から烏帽子岳まで歩いてみたいです。皆さんありがとうございました。