京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.2856  紅葉巡り―大峰・大普賢岳

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【日程】2007年11月17日(土)~18日(日)

【参加者】計9名
【天候】晴れ 後 吹雪?
【コースタイム】
17(土)
14:00 和佐又ヒュッテ 着
14:49 登山口
15:25 和佐山1344m 15分休憩
16:15 テント場
18(日)
4:00 起床
5:35 テント場出発
6:40 笙の窟 10分休憩
8:07 大普賢岳1779.9m 7分休憩
10:08 七曜岳 10分休憩
11:57 無双洞 8分休憩
14:15 テント場


【記録】
心配された天気も気持ち良く晴れた。が、和佐山テント場の気温は低く風も強い。フリース・ダウンなどあるものを全部着込んでテントを張る。他にテントは1張りのみ。
空身で和佐山へ向かう。なだらかな落葉の道を行くと、つるリンドウが笹に絡んで可愛い実をたくさんつけている。楓の紅葉が美しい。歩き始めるとすぐに汗ばみ、さっき着込んだ上着を1枚また1枚と脱いで行く。I上さんが落ちている猿梨の果実を発見。「食べられる」と聞き、頂いた大きいのを早速、口へ・・・酸っぱいを通り越してシブ~イ!!でも種と芯を残して完食。山頂で記念撮影。葉を落とした木々を透かして見る遠くの山々が美しい。なだらかに下り、和佐又のコルに出る。明日はここから大普賢岳へと向かう。が、今日はテント場へ戻って夕飯だ。テントが2張り増えている。
まず焚き火用の薪を拾う。焚き火を囲んでお鍋が煮えるのを待つ。憲彦リーダーからボージョレ・ヌーボーの差し入れ!続いて栄さんより自家製猿梨酒がふるまわれた。どちらも大変美味しかったです。ご馳走様でした。鍋は豚シャブとちゃんこの2種類。豚シャブのお鍋はK城さんに全部お任せ。S原さんにはちゃんこの大鍋をずっと支えて頂きました。お二人ともお世話をかけました。pm6:40 夕食を終える。地面に敷いていたT野さんのマットを取り上げると・・・凍っている!大地はすでに氷点下。満天の星を眺め、凍えながら8時就寝。
18日未明よりテントを打つ音。雨だ。4時起床。パン・スープ・コーヒーの朝食をとる頃には雨も止み星が見える。夜通し走って(車で!)来られて仮眠中のH史さんを残し、真っ暗な中を8名で出発。すぐにみぞれのように冷たい雨が降り始める。先頭のT野さんのヘッドランプの灯りと背中を頼りにひたすら歩く。指弾ノ窟・朝日ノ窟を過ぎ、鉄梯子を上って笙ノ窟に到着。不動明王が祀られている。修験道の行所とある。「ナニか(怖いものが一緒に)写らないか?」と心配しながら皆で記念撮影。鷲の窟を過ぎ日本岳西側の鞍部に出る。氷点下の強風が吹き荒れ休憩もままならない。石ノ鼻に出たが真っ白なガスしか見えない。晴れなら素晴らしい展望らしいが。大普賢岳への急登が続く。針葉樹の葉に樹氷が美しい。雨はいつしかアラレに変わっている。大普賢岳山頂に到着。真っ白なガスと樹氷を背景に皆で記念撮影「ハイ・チーズ!」。いえいえ。「ウイスキー!!」でしたか?H中さん! 
風が強く休憩もそこそこに出発。雪を伴う強風の中をひたすら歩く。国見岳を過ぎ、鎖を登って稚児泊に出る。鬼の釜(七つ池の表示も在り)の縁を回って七曜岳へ。七曜岳山頂ではガスが晴れ展望が得られた。ここから無双洞へは長い下り。梯子もいくつかあったが、急勾配の丸太の梯子は滑りそうで少し怖い。水の流れる音が聞こえてきた。無双洞はどこ?洞穴に丸太で編んだような横広梯子が立てかけられている。あれが無双洞のよう。夏なら大喜びでのぞきに行ったと思うが、吹雪でかじかんだ体は動かない。遠くから眺めるに止まった。無双洞からは地下水が流れ出、水廉の滝となって落ちている。
鎖の連続する岩場を登ると底無井戸の標識が現れる。井戸を見にS原さんとH史さんが下りて行かれる。私は寒くて見に行く気が起こらない。(見ておけば良かったと、今、少しだけ後悔) その後はなだらかな道が続き、前日の分かれ道・和佐又のコルへ出た。三基の歌碑の前で「やったぜ!ALL」の記念撮影を終え、テント場へと戻った。
帰りは中荘温泉で疲れを癒し、道の駅でお土産を買い、一路京都へ。
予想以上に寒くて驚きましたが、霧氷巡りの楽しい2日間でした。
N彦リーダーを始め、皆さん、お世話になりました。ありがとうございました。


【感想】48期 M.K.
会報で大峰・大普賢岳の例会があるのを見て是非行きたいと思いました。1日目は和佐又山へのんびりハイキングで樹木の名前教えて頂きました。大木のモミ・ヒメシャラ・ブナ・リョウブが多く、ノリウツギミズナラホウノキが見られました。夕食はお鍋で差し入れのボージョレーワイン・自家製のリキュール酒・米焼酎と盛り沢山で美味しかった。満天の星空が、2時頃から雨と風になりテントが揺れ吃驚しました。5時半出発、朝にヘッドランプ付けて歩くのは初めてで、明るくなり消してもしまうのを忘れ笑われました。小雨が霰になり大普賢岳手前から霧氷が見られ、サツマゴケや下草に霰がつき可愛かった。大普賢岳山頂は風が強く、霧氷が素晴らしかったがゆっくりできませんでした。国見岳を過ぎた頃からガスが流れ時々、大普賢岳・小普賢岳見え、しばらく行くと今日歩いてきたコースの大普賢岳・小普賢岳・日本岳・手前の前山と4ツのピークが連なり、和佐又山まで見え感激しました。山の形が釣鐘状で山頂まで樹木がある景色は山水画のようでした。水口谷に出ると斜面が急で沢の流れが滝のようで下流は紅葉が残り素敵でした。無双洞横が水簾ノ滝の頭で、下に降りて見ると落差があり何処までが滝か分からなくなるほどでした。ザックが小さいので岩場・クサリ場・ハシゴが多い登山道も楽しめました。初めての大峰で紅葉と冬景色を両方見られてラッキーでした。皆様お世話になりました。


【感想】S.I.(非会員)
夜中、テントを揺らす強風と木々のうなり、雨に眠りを妨げられ、4時起床の折りは雨模様。昨夜の満点の星は何だったのでしょう。
日本列島は冬型の気圧配置が強まったのでしょう。大峰・大普賢岳でも標高が高くなるにつれ冬の気候となりました。修験道の山道は窟や巨岩が多く、見るものを圧倒させます。霰混じりの強風の中を慎重に梯子や岩間を登りましたが、周りはガスで視界ゼロ。紅葉も終わって木々は冬枯れ状態です。しかし、大普賢岳の頂上周辺の木々は霧氷で真っ白。寒さも忘れ、一足早いこの幻想的な冬風景に歓声を上げたのでした。時折ガスの切れ目から見える渓谷の紅葉、秋と冬の景色が同時に体験できた贅沢な山行でした。
 梯子、くさり場、岩場ありのスリルと変化に富んだ山行で緊張しましたが、同行させていただき本当によかったと思いました。おいしい食事、お酒、それに楽しい会話と温泉まで入っての思い出深い晩秋の2日間でした。ありがとうございました。感謝。


【感想】48期 H.Y.
例会の金魚のしっぽになって…(個人山行記録の続き)
人数が増えると難所の通過に時間が掛かり途端にペースダウンしてしまった。そのおかげで風と霧が作り出した霧氷をゆっくり楽しむことができた。大峰奥駈道の稜線に達すると北西の季節風が遮るものなく吹きつけ凄まじい。もうひと登りして大普賢岳(1,780m)山頂に達した。3等三角点峰、平成16年9月の大峰奥駈道全縦以来の山頂に立つことができた。あの時は雨に降られ景色に殆ど見覚えがない。
あまりの風でゆっくり休憩もならず、大峰奥駈道を南下する。尾根の西側に特に発達した霧氷は素晴らしい。足元には霰の粒が吹き溜る程度で、1,000m以下の所ではまだ紅葉が残っている。秋と冬が同居する山は季節の変わり目を感じさせる。ガスが流れ時折視界が現れ、小普賢岳、日本岳、そして笙ノ窟尾根の向うに台高山脈、一番高い所が大台ヶ原日出ヶ岳のようだ。この辺りは東側がスパッと切れた断崖が続き縦走路は稜線か東側を一段下がって続いている。従って風をもろに受けて歩くことになり体感温度は氷点下10℃位か?
弥勒岳の展望のないピークで南に90°折れ少し下ると前方に東半分を霧氷で白くした国見岳が見える。写真に収めたくて暫く留まっていると幸運にもガスが切れ決定的なシャッターチャンスが訪れた。一行に追いつき国見岳の登りに掛かると少々風の防げる展望箇所があり小休止、国見岳(1,655m)山頂に展望はなく少し留まっただけで通過し最後の山、七曜岳を目指す。
七曜岳(1584m)山頂ではガスが飛び展望素晴らしく、北に大普賢岳、小普賢岳、日本岳そして1505mピークの尖がり峰が順序良く並びその険しさを知ることができる。奥駈道は南に続き行者還岳、弥山、八経ヶ岳へと続いて行く。分岐を左に折れ奥駈道と分れ和佐又へのトラバース道に入る。稜線の東側に下ると忽ち風がなくなり人心地がついた。
急坂の東尾根を下り傾斜が落ち着いた頃、大休止を入れた。標高1,250m位で尾根を外れ水口谷へと下る。標高1,000mほどの所で左を流れていた沢が近づき河原に達する。沢と言っても傾斜が恐ろしく急なので、小さな滝の連続で流れ落ちている。この沢に右側から合流する流れがあるが沢らしい谷はない。なんと岩の穴から滔々と流れ出る水、これが無双洞だった。無双洞の水を合わせ流れ落ちる滝は水簾の滝(すいれんのたき)、落差は15mほどありそうだ。
渡渉して滝の下まで見に行き、登山道に戻った。ここからは和佐又のコルに向かっての登り返し300mは登らなければならない。水の涸れた水太谷の本谷を渡る頃また雨が降りだした。尾根の出っ張りを越えるたびにまだかまだかと思うが和佐又山らしき姿はなかなか現れない。底無し井戸は登山道から数メートル離れた所にあり、危うく通り過ぎてしまう所だった。決して底無しではなく落ち葉の積もった底が上からも見えた。それにしても自然が作った井戸そのものでおもしろい。
日本岳の下の巻き道はまだ続く、張り出した尾根を2つほど回り込むと漸く和佐又山が見えて来た。和佐又のコルからは和佐又山に登らず北側の巻き道を通り駐車場に戻った。 ここで大異変!山岳会一行は車の傍にテントを張ったまま山に登っていたのにテントがない!何と50mほど飛ばされ林道の横にくちゃくちゃになって転がっていた。もう一つは?探し回ると反対側の林の中に飛ばされていた。
帰りは川上村の杉の湯に立ち寄ったが日帰り入浴は2時で終わっていた断念。吉野町の中荘温泉でなんとか汗を流すことができた。
【登山データ】: 歩行11.6㎞ 8:15 延登高 1,479m 延下降 1,479m 7座登頂


【感想】26期 T.S.
 この例会は、久々のテント泊で宴会の鍋料理はたいへんおいしく頂きました。一つの出汁で二種類の味の違うなべが食べられる趣向が良かったです。すごく楽しく下戸の私にしては、よく飲みました。
翌朝は風が強く霰が降る寒い日でした。大普賢岳修験道の行場だけあって奇岩の連続でコースもはしごや鎖やロープが各所に備えてあり変化に富んで面白いコースでした。
 寒かったけれど、霧氷やガスに煙った奇峰が水墨画の世界に居るようでした。


【感想】36期 Y.T.
大峰は行く機会の少ない山でした。今年は弥山に続いての大峰だったので、楽しみにしていました。和佐又キャンプ場では焚き火を囲みながら、今年初のフランスワインや自家製の果樹酒などをいただき、美味しい鍋を囲んで楽しく過ごさせてもらいました。
1日目の和佐又山からは北西に大普賢岳、小普賢岳、日本岳が見え、西方の木々の間から尖った行者還岳が見えました。その左手に八剣山(弥山)が見えるはずですが、あいにくの雲で見えませんでした。大普賢岳、小普賢岳はとんがった山で登り応えがありそうです。南東に大台ケ原と山腹を縫うドライブウェーが見えました。
2日目は霙交じりの天気で、展望を楽しむどころではなく、足元に気をつけて登りました。幸いにも七曜岳ではうっすらと白い大普賢岳・小普賢岳、その左に稲村ヶ岳からバリ小屋谷の頭、さらに左は弥山方面を見ることが出来ました。紀伊山地の奥深い山々と、その大きさに圧倒される思いでした。今回なかなか来られない山に楽しく登れて良かったです。


【感想】44期 N.Y.
 今回は、計8人での多彩なメンバーの参加を得て、楽しくまたにぎやかな例会になりました。しかし、それにしても真夜中と2日目にはとんでもないことが起こったのでした。詳細はこのあと報告します。
 土曜日にまたもや新車のレンタカーで、橿原神宮前駅でO野さんをピックアップして、そのまま和佐又ヒュッテへ。着くやいなや和佐又山へ。明日登る予定の日本岳・小普賢岳・大普賢岳などが目の前にとんがり帽子の屋根のようにそびえて見えます。気分もいやがうえでも高まります。それにしてもいい天気で、東の方向を振り返ると大台ヶ原のドライブウェーが延々と山を削りながらついているのが痛々しく見えます。日出ヶ岳らしき山影も見えています。明日が楽しみです。
 夕食はちゃんこ鍋パーティ。O野さん担当の夕食がすばらしく、全員最高の気分で宴会ムードを楽しみました。上を見上げると満天の星。北の空を西に向かって着陸態勢に入った飛行機がおそらく関空へライトを点滅させながら次から次へと通り過ぎていきます。その右上にはオリオン座の星々が輝いています。  さて、宴会も終わり就寝体勢です。明日は4時起きの5時出発です。早く寝よう。
 丁度夜中の2時頃に風の音がしてきました。ゴーゴーという音の遠鳴り。そして、突風が私達のテントに吹き付けます。おそらく全員のメンバーはあまりの風のすごい音で眠れなかったのではないでしょうか?
 さて、4時に起きてみると、昨夜の強風が弱まって、雲の間に星が見えます。
そして、なんと、「登るときにいっしょに行きます」と言っていたY本H史兄が本当に5時頃にやって来た!仮眠体勢なので、私達が先に出発することに。
 よし、風もやんだ、これなら行けそうだ!準備をして、「途中で行けないと判断すれば引き返します」と宣言して、とりあえず出発。ヘッド・ランプをつけて登っていきます。岩は濡れています。天気予報は冬型が強まるものの、南の方は晴れ。この調子ならテントは置いたままでいこう。
 日本岳のコルで休憩。北風がきつい。さらに登ります。全員寝不足ではあるものの行けそうです。とうとう小普賢岳まで来ました。途中で浩史兄が追いついてきました。
ついで奥駆道に出たとたんに、なんと、目に飛び込んできたのは大峰の奥駆道にそってそびえる峰々の真っ白な樹氷です。強風のために、地面には雪は積もっていないという、最高の条件です。この厳しくもあえぎながら登ってきた大普賢岳の頂上。1799.9mと書かれた登頂記念の板も樹氷にいろどられ、大峰の山々の稜線が淡い白色に染まりかける一瞬の頂上踏み踏みに、思わず万歳!万歳!
 私はここではたと困ってしまいました。この木々の枝についたエビのしっぽのような白いものを「樹氷」と呼ぶべきか、はたまた「霧氷」と呼ぶべきか?このときは「樹氷だーっ!」と言ったと思いますが、実はあまり自信がなかったのです。帰って調べますと
「…TBSの"お天気ガイドの森田さん"は「霧氷中の樹木に着いたものを樹氷と言います。」と言って…」よいようですから、要は、「霧氷」に間違いはないということ。雪も吹き付けていましたから、きっと「樹氷」でいいのだと思います。
水太谷を一瞬見ましたが、谷水がまぶしく反射して、その沢にそって紅葉が広がっているのが見えます。また一瞬のうちに真っ黒な雪雲がやってきました。
私は今回の山行で一つの目的がありました。それは窟=いわやです。その中で一番印象に残ったものは、日蔵上人や西行もここに来て修行をしたという「笙の窟(しょうのいわや)」です。みんなで入ってみました。よくもこんなところに長期間、それも冬に修行できたものだと思いました。
日蔵上人の「草の庵(いほ)なにつゆけしとおもひけん漏らぬ岩屋も袖はぬれけり」
(『金葉集』巻第九 雑部上 533)はすごいなー!と思いました。
西行も窟籠りの修行をしたということです。その西行が修行の後に読んだ「深き山に住みける月を見ざりせば思い出もなき我が身ならまし」もやはりすごいなー!しかないのです。その季節に行ってその場所で感じるしかないのですね。
 その前夜はちょうど月が出ていましたから状況は分かります。西行が見たのはきっとそれは細い細い三日月であったのかもしれません。彼が出家したという西山の勝持寺(花の寺)の西行桜を昨年の秋の紅葉巡りの例会で見ての新たなそれでいてなにかしら期待していたような感動におそわれます。
「妻子を捨てたのももちろんずいぶんエゴイスティックな人生を送ってきたものだ、今にして思えば。あの女院との秘めた恋も捨てた。いや、捨てたと言うよりもまさに私は今青々とした大峰の峰々、その女院と一体化してその体内にいるのだ。それを求めて日本中いろいろなところに行ったけれど、ここほど寂しいところはなかった。供と言えば星と月日のみ。朝夕の勤行、水くみ、薪拾い、粗末なかゆ、・・・それさえも今となってはありがたい友になろうとしている・・・。もしこんな友の存在さえも知らずに死んでいくとすれば一体このここでの厳冬の窟籠もりは私にとって何になったというのか。装飾を取り去ると、結局は死んでいくのも、そして、生きていくのも私一人がこの宇宙と繋がっていると分かってくる、同時にみなも同じようにこの宇宙の中で縦横十文字に繋がりあっているのではないか。そうしてみると少しもさびしくはないのだが、・・・」などとつぶやいている西行のやせこけた頬越しにあの窟が見えてきます。西行は一生、待賢門院との熱烈なかなわぬ恋を断つために修行を続けているところがあります。
こうして西行が厳しい修行をしたまさにこの場所立つと、あの豪傑としての名だたる北面の武士であった前途有望な青年が、待賢門院とのならぬ恋にもだえながら妻子を捨てるところまで陥り、そして仏門に入り歌道に専念していく気持ちが伝わってきます。
笙ノ窟をすぎて、日本岳、小普賢岳はとんがり帽子の岩山。大普賢岳、三国岳、七曜岳はいずれも奥駆道にあるいい岩峰でした。まさに西行達が厳しい修行の場を求めたように、この日の参加メンバーは全員が西行のような表情になっていたように思います。「異常に寒いのに温かく楽しい」のです。どこかで我々は彼の世界に触れたのかもしれませんね。
朝5時台に出発して、午後2時台に帰ってきたのは予定通り。悪いコンディションの割にすばらしいタイム。ところがテン場につくと我々のテントがないのです。詳細はメンバーの記録や感想にまかせますが、私には初めての経験です。けれども「鳥海山」は強かった!損傷はありませんでした。「水晶岳」は大峰が終焉の地となりました。お世話になりました。
 参加のみなさん、お疲れ様です。いつもリードをしてもらうT野さんには感謝しています。(実はこのごろ私はT野さんの背中を見ないと山に登れなくなっているのではないかとおそれています。)O野さんは今回は沢がなかったのと入るとしても「底なし井戸」しかないので入りようがなかったですね。本当に初めての食担ご苦労様でした。みんなおいしいと大好評でした。I上SさんとT雄さん、とくにT雄さんとはいっしょに行きましょう!といいながら今までいけなかった山行をついにごいっしょにできたのは本当に感動でした。K城さんは岩場がまるで大好きなようで忍者のように歩いていました。H中さんは厳冬の愛宕山例会以来の同行ですが相変わらずスニーカーです!(あのときスニーカーに一本締めのアイゼンをT野さんと付けたことを思いだします。)元気ですね。私の前を歩くS原さんの歩行は安定しています。以前に槍の北鎌尾根を登ったことを聞かせてもらいました。さすがですね。でも最近は興味は岩から「お花」に向いています。私の「仲間」ですね。H史兄は私の後ろから着いてくれているので安心でしたが、どういう訳か彼と話していると、列の前のH中さんが応答して、後ろの上の方からそれに応える声が降りてくるのでした。彼は来年から「関西100名山」制覇に例会として挑むそうです。リーダーに早くなれるようにがんばってほしいですね。
 私としては、大峰はしばらくお休みです。来年は北岳キタダケソウ尾瀬ヶ原のトガクシショウマなどを見に行きたいと思っております。今年も余すところ少なくなってきましたが、12月2日の「湖東三山ハイキング」、12月15-16日の「三十三間山ハイキング」に参加。そして、来年は1月27日の「愛宕山初詣と水尾・ゆず風呂&鶏すき」となります。ぜひ、ご参加ください。