京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.2870  関西百名山シリーズNo.3 六甲山と有馬温泉

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【日程】2008年2月11日(月祝) 
【行程】京都7:29-摂津本山8:18-45~金鳥山9:30~本庄山三角点9:52-10:00~風吹岩10:15-20~本庄橋11:29-31~六甲山最高峰12:33-13:11~射場山13:55-14:04~愛宕山14:38-43~銀の湯14:55-15:55~有馬温泉ST16:05-09-三ノ宮16:33-51-大阪16:44
【参加者】計7名
【歩行データ】歩行14.9㎞ 6:20 延登高 1,271m 延下降 931m 5座登頂


【報告】48期 H.Y.
シリーズ第3弾は冬の眺望を求めて六項山に行った。概ね魚屋道(ととやみち)を歩いたが、前後には金鳥山、射場山、愛宕山を取り入れバリエーションを演出した。
2日前南岸低気圧が太平洋側の各地に大雪をもたらした。京都市内で3㎝の積雪となったが、翌日にはほぼ消えた。しかし標高の高い所は十分過ぎるくらい残っていた。
JR摂津本山駅8:45、何故か三ノ宮から来るという参加者を待って歩行開始、阪急の高架を潜り八幡谷沿いに坂道を歩く。八幡神社前で橋を渡り右岸にある公園から標識に従って車道を登り始めようとすると、公園で集合していた別のグループの一人が「この先の方が近い」と教えてくれたので、2.5万図のルートどおり登ることにした。
暫く登ると、保久良神社の分岐、暑くなりジャケットを脱いでいると猪が現れた。人を恐れる様子もなくのしのし歩く。カメラを取り出して神社の方へ追いかけていくとそこにはさらに数頭の猪が、飼い犬ならぬ飼い猪のようで、人が与える餌を当てにしているようだ。地元の人によると神社で飼っているわけではなく野生の猪で、このところJRの線路を越えて下町まで下りて来て襲われた人もいるそうだ。
今日の第一の目的、金鳥山は地図によると縦走路から西に飛び出した338mの標高点なのだが、分岐が分からないまま通り過ぎてしまったようだ。気がついた時には標高が350mを越えていた。分岐点に達し指導標に導かれるまま左の道を取ると谷筋に入り、2.5万図とどうも様子が違う。先ほど分岐した道であろうと思われる道と再び合流した。暫く行くと何の表示もないが3等三角点「本庄山」への分岐と思しき踏み跡が左に分れその道を辿る。ピークに果たして三角点があった。標高425mでここを金鳥山としている説もあるようだが点名も異なり、やはり338mの地点が金鳥山だろう。必ずリベンジに訪れなくては・・・
JR甲南山手あたりから登ってくる魚屋道に合流し大きな露岩が現れると風吹岩(437m)、ロックガーデンからの道が合流し岩に上がると神戸港の眺めが良い。上空と北の六甲方面は清々しく澄んでいるが、南方面はもやっている。生駒は電波塔まで辛うじて確認できるが、紀泉山脈は霞んでいた。標識には標高447mと記されているが、2.5万図の標高と10mも差があり眉唾物だ。
展望を楽しんだ後は北西に向けて歩行再開。打越峠からの縦走と合流する直前、山陽新幹線六甲トンネルの真上となる地点を通過するが勿論表示があるわけではなく気づくこともない。登山道はやがて芦屋カンツリー倶楽部の敷地内に入り、フェンスの扉を開けて入る。カート道を横断しコースを見ると2日前の雪が解けずに残り、係員は除雪に忙しそうだった。今日はクローズしているのだろう。そして登山道にも雪が頻繁に現れだし、雪道かそうでないところは泥濘道で結構歩きづらい。
ゴルフ場を抜け雨ヶ峠(標高600m)に達すると、空手少年たちが道着姿で休憩中、この後山頂まで後になり先になり行くことになった。峠では東お多福山に向かう道を右に分け住吉川に下る。住吉道と合流し右岸に飛び石で渡り150mほど進むと橋で左岸に戻る。渡ったところが"本庄橋跡"、橋があったのに"橋跡"とはこれ如何にと訝っていると案内板に昔の石橋が描かれていた。その絵には「本庄橋」と彫り込まれた立派な橋であったようだ。そしてふと横を見ると「本」と言う字が見て取れる大きな石が転がっている。これは本庄橋の残骸だ!昭和50年代の水害で流されたらしい。
急登で砂防堰堤を越え広場に出ると土樋割峠を越えてきた林道の終点、右に下って行く。右手には東お多福山、左には西お多福山、標高が上がっていくと何時しか積雪は20センチほどになった。横着にもアイゼンを付けずに足元を気にしながら登って行った。前方にガードレールが見えると六甲ドライブウェイ、山頂に来て舗装道路は見たくないものだがこれが六甲の現実なのだ。
一軒茶屋はドライブインとして営業中、その横を通り山頂に続く保守道路は家族連れの格好のそり遊びゲレンデとなっている。その横を通り高原状の六甲山最高峰(931m)に達す。大きな電波塔があり、東屋があり、そして山頂標識は一番奥にある。残念ながら1等三角点は一面の雪の下で見つけることはできなかった。後で調べてみるとこの三角点は地面からほんの少し露出しているだけで20㎝余りの雪には太刀打ちできなかったようだ。
快晴ほぼ無風の山頂は陽だまりで暖かくのんびり休憩することができた。開けた北方の眺めは良く、シリーズ第一回目の白髪岳を探すガ広域地図がなく同定することはできなかった。しかし撮った写真を後で調べると多紀アルプスは写していた。
昼食後は魚屋道を有馬へと下山する。北斜面になるので、雪の量も多いだろうと、漸くアイゼンを付けて下りだす。アイゼンを付けている時、昨年那須の男鹿岳でカジタ製のアイゼンの止め金が飛んで前後バラバラになってしまったと話していたが歩き出してすぐ四方さんのアイゼンが正にその状態になってしまいみんなで留め金を探すが雪の上ではお手上げだった。
滝川の谷を左手に見ながら下ると、向かい側には湯槽谷山、灰方山、落葉山がある。そして前方に三角形のたたずまいの山が次第に大きくなって来た。それが今日の第三の目的である射場山(いばやま・690m)だ。登山地図には山の両側を巻く道が記されているが山頂への道は記されていない。両側の巻き道の分岐点の石碑のあるところが登山口だ。微かな踏み跡を辿ると標高差60mほどで山頂に達する。私製の山頂標識があり、証拠写真を撮って目的達成。ヤブを辿れば反対側に下りられそうだが、ここは難儀を避けて元来た道を戻る。
魚屋道は車道のように広くヘアピンカーブの連続で有馬温泉へと下っていく。適当にショートカットの踏み跡を辿り虫地獄で本当の車道に下り立つ。地獄という名はあるが今は碑と涸れた泉、昔は毒水が湧いていたそうだ。すぐ先のかんぽの宿の手前を左に折れると愛宕山公園、第4の目的地はこの愛宕山(461m)、山頂は東屋のある公園となっていて展望もある。地図にはこの道しか載っていないが、なん方向にも道があり、北方に下り湯泉神社境内に入る。登山の無事を報告し、最後の目的地"銀の湯"へと向かった。
有馬外湯は金の湯、銀の湯。赤く濁った泉質の金の湯は駅から近く、行ったことのある人も多く、透明な泉質の銀の湯を今回の立ち寄り湯とした(入浴料\550)。入浴後は神鉄北神急行、神戸地下鉄からJRに乗り継ぎ新快速で大阪駅へ、改札内のレストラン"パティシオ"で軽く打ち上げをして解散した。
後日調べてみると分からなかった金鳥山は実は通っていた! 椅子とテーブルが備えられた一寸した平地が山頂で山頂標識がなく地図で見ると西に少し入り込むはずなので分岐を一生懸命探していたがそれが見過ごす原因だったようだ。広場の先に分岐道があり、そこに行こうとして引き返したところが山頂だった。そして惑わされた2.5万図の電波塔はすでに撤去されてないという。
《山紀行633》


【感想】36期 Y.T
近くで遠い六甲山。今回は少し違う道を登るとのことで楽しみにしていました。その一つが金鳥山。今回はこのピークと電波塔を確認できませんでした。読図の宿題をもらった気がします。(後日TCのY本さんが調べに登り、金鳥山の位置と電波塔の撤去を確認されました。電波塔などの地図記号は参考程度にとどめるべきと教えられていたのですが、やはり当てにしてしまいます。)
六甲山頂から真北に見えたきれいな雪の山、帰って調べたら白髪岳のようです。本シリーズの第1回で登った山です。事前に調べておけばよかった。
下山途中で射場山に寄りました。Y本さんならではの寄り道です。これが結構楽しかった。最後は愛宕山。まず寄らない山です。ここからは有馬温泉が見下ろせました。木々の間から射場山を振り返ることができました。地図の通りきれいな三角の山です。
TCのおかげで低山の楽しみ方を教えてもらいました。次が楽しみです。皆さん有難うございました。


【感想】48期 M.K
前回の高見山、霧氷に夢中になり読図を忘れたので六甲は頑張ろうと思いました。Tさんに摂津本山で高度教えて頂き合わすと、今日は誤差が10m以内で場所を特定するのに役に立ちました。金鳥山山頂(338m)が地図では鉄塔の横になっているが分からず、424.5mの三角点が木に付けられた案内版では金鳥山になっていました。「射場山の取り付きは此処です」と話されるのを聞いて、どうして分かるのか私には不思議でした。急登は面白く、山頂のプレートで登る人がいるのだなと思いました。保久良神社で地元の方から、梅林の木が1本勝手に切られた事に対してのお話聞きました。幹の一部が後ろにあり、毎年咲いていた木が理由は分からないが無くなるのは寂しいことだと思いました。比良の山で、大木の山桜が咲いているのを見て春を感じ又見られたなと喜ぶ気持ちが無くなるのと同じだと・・・最後に「もうすぐ梅の花が咲きますから見に来てください」と話された。青空の下、和やかな雰囲気で六甲の山を楽しむとこが出来ました。ありがとうございました。


【感想】50期 J.O
六甲山は何度か登ったことがある。で、気が緩んだ。とは思わないのだが、朝からとんでもない失敗をしてしまった。JR大阪駅から新快速に乗り、摂津本山駅で降りるつもりだった。電車は芦屋駅に到着し、発車した。「次は三宮」のアナウンス。えっ、摂津本山は? 摂津本山駅に新快速は停まらない。常識だ。そしてワタシはヒジョーシキの塊だ。三宮駅にデンして各駅停車で引き返す。30分の大遅刻。山行の出発を遅らすなんて最低のサイテー。なのに、皆さんは笑顔で待っていてくださった。穴があったら入りたい。
私の頭と裏腹に、空はすっきり晴れている。日差しが強い。雪がまぶしくて目を開けていられない。でも大丈夫。今日はサングラスを持って来た。(高見山の時は忘れて行った)ケースを開けると、それはただの近眼用メガネだった。
頭はどこまでもぼんやり曇っている。山頂までのことはほとんど覚えていない。山頂からは射場山・愛宕山のピークを踏んで有馬温泉へ向かう。北側へ下るので雪が多いだろうと皆でアイゼンを付ける。私は雪上歩きの練習だ。足元の雪をにらみつつ、サクサク、サクサク、サク、ガツ、サク、ガツ・・・ 雪ばかりに見えるけど石がいっぱい埋もれてるんだなぁと考えていると、後ろのY本TCが「アイゼンに石」と知らせて下さる。大きな八本爪が大きな石をつかんでいる。
射場山のピークを踏む人は少ないらしく、藪こぎとなる。Y本TCが先頭に立ち、早足で進まれる。急登で息が切れる。が、木の枝を払いながら道無き道?を行くのは楽しい。「ここがピーク」 教えられなければ気づかずに通り過ぎそうな、茂みの中にちょっとだけ開けた場所。「射場山」と書かれた小さな木製の札が枝に掛けられている。皆で記念撮影。ハイ・チーズ! さて下り。「腐った雪だし、アイゼン取ろうか」とY本TC。えぇ~っ、雪の粒が光って「かき氷みたい」と眺めてたのに、腐っていたとは・・・
夏が来て、かき氷を食べる度、きっと射場山の小さな木の札を思い出すだろう。そして、皆さんの笑顔を思い出すだろう。Y本TC、N田L、K西さん、S方さん、T野さん、K城さん。ありがとうございました。


【リーダー感想】40期 K.N
保久良神社の境内でイノシシの群れに遭遇、参詣者から餌をもらっていました。六甲にはイノシシが多いと聞いていましたが、いきなりの出迎えに少々、驚かされました。 風吹岩からは広々とした瀬戸内の海に、大きな船が何隻も浮かんでいる様子が見渡せました。何て気持ちが良いのでしょう!
お昼過ぎに六甲最高点に到着。まぶしい雪の上でゆっくりお昼をとり、射場山、愛宕山とめぐって、15時前に有馬温泉、銀の湯に到着しました。ゆっくり時間をとっていただき、ありがたかったです。
ツアーコンダクターのY本さん、ご苦労さまでした。そして、一緒に歩いてくださった皆さん、ありがとうございました。