「“堂満ルンゼ“なんと魅惑的な響きだろう。なんだか一端のアルピニストが集うバリエーションルートかのよう。冬の一時期しか登れないコース。
No.2915 2009年2月22日(日)
堂満ルンゼから堂満岳
43期 M山弘
【参加者】CL M山、T々野、A房 計3名
【天候】 晴れのち曇り(解散後雨)
【行程】 2月22日(日)
午前7時 山科駅前集合
8時 イン谷出合(駐車場)
9時 1ルンゼ堰堤下
10時-11時稜線直下で雪上訓練
11時30分 堂満山頂 同ルート下降
13時15分 イン谷口
14時20分 山科着 解散
【CL所感】 43期 M山
この数年、堂満ルンゼには毎年入っていますが、今年はとりわけ2月の積雪が少なく、高温と雨で例会実施が危ぶまれました。16日からの積雪のおかげでなんとか例会が実施できました。大山口あたりから雪量・雪質ともに大丈夫そうでしたが、堰堤の上の斜面で念のため弱層テスト。新雪10センチの下にザラメ層が5センチ、その下にしまり雪が20センチ、その下は残雪という感じですが、ザラメ層を両手で抱えて引いても滑り出しまでかなり力が必要で、上下の面とかなり接着しているようでした。
先行のトレースがあり、簡単すぎたかもしれませんが、ルンゼが一番細くなるゴルジュ状の個所では、前日雪崩れた雪でトレースも埋まっており、ほんの少しだけラッセルできました。(小さな雪崩でもこの部分で運悪くぶつかると埋められてしまうところです。)とりあえず雪崩の危険のないところまで上がってから、ロープを出し、スタカットビレイの練習を一時間ほど行いました。今回はスノーバーでセルフビレイをとり、ピッケルを支点としたスタンディングアックスビレイの練習ですが、セットの仕方やロープのさばきが手早くできること、実際に滑落してもらってダイナミックビレイの感触などを経験してもらいました。2・3回交代して練習したものの、午後から雨という天気予報だったので、コンテからの制動確保などはまた今度ということにし、早々に頂上へ。頂上で写真をとり、軽く行動食をとってすぐに下山にかかりました。
後続がなさそうだったので同ルート下降としましたが、一人だけあとから登ってこられる方があり、申し訳ないことでした。
下降時は登りより斜面が立って見えるので、初めてのお二人には少し難しく感じられたようですが、45分ほどでルンゼとりつきに戻れ早めの下山となりました。3月末には八ヶ岳を予定しています。参加者の皆さんもよかったらまたご参加ください。
【感想】 52期 A房
「“堂満ルンゼ“なんと魅惑的な響きだろう。なんだか一端のアルピニストが集うバリエーションルートかのよう。冬の一時期しか登れないコース。うーん、魅力的だ。山岳会に入ったからこそ登れるプラン」といった期待を胸に、まあそれは言い過ぎだろうと思いながらも楽しみにして参加しました。
当日の状態は、積雪が昨晩もあったようでそこそこ。豪雪ではなく、雪崩のリスクで行動できないほどではなく、トレースはあり、風は無い。午後から崩れるという予報だが朝のうちは天気も良し。何度も経験されているリーダーからするとちょっともの足りないコンディションかも。弱層テストをして遂行を決め、予定通りのペースでサクサクと登り、稜線近くになって、スタンディングアックスビレイの練習。
入会後冬山シーズン初めての2名が交互に練習しました。ロープの捌き方や、引いたロープをどこに置くのか、どうやってまとめるのかなど、本や雑誌には出ていない重要なノウハウが多く、やはり実地で練習をしないと駄目だと思いました。
正午に山頂に出て昼食。帰りは同じルートをたどりました。下りは経験とテクニックの差が如実に顕れ、2人はリーダーから遅れて、要所要所で待ってもらいました。それでも1時半前には車のデポ地に着きました。自宅に帰ったのが3時前。アイゼンを洗い、洗濯をし、それから風呂に入って黒ラベル大瓶1本とエビスを飲んでもまだ5時前。好きな音楽を聴きながら、山の本を読み、至福の時間が過ごせた日曜日でした。どうもありがとうございました。
【感想】 51期 T々野
以前に参加させてもらった西穂高の例会、比良の蛇谷が峰の例会に続いて三回目の雪山です。
雪とひとくちにいっても、この三回の例会で見た雪の質はそれぞれまったく違っていて、こんなに違うものなのかと驚かされます。
ルンゼの取り付きのところで弱層テストのやり方を教わったのですが、雪にこのように層が出来るものとはまったく知らず、とても新鮮です。僕にとっては雪は雪といった程度の考え方でしたから。
そしてルンゼの途中の谷が狭くすぼんでいる部分にたまったデブリのかたまりも、とても特徴的でした。雪というと綺麗なイメージでしたが、ここにたまったマッシュポテトのようなデブリ雪はなんだか汚く思えました。
M山さんがおっしゃるにはデブリの流れる方向に雪崩も流れるので、常にデブリの流れを見て逃げる方向を考えておくようにとのこと。
その後頂上直下でスタンディングアックスビレイを教わり、練習しました。
それにしてもM山さんの頭の中にある知識の量は半端じゃなく、驚かされます。
同行してくださったA房さんもかなりしっかりとされていて、熱心に研究されているようですし、自分はこんなことでいいのだろうかと思ってしまいました。
雪山というのはいい加減な性質の自分には向いてないのかもしれないというような気もしてきましたが、ともかく足手まといにならない程度に、まずは低山から頑張っていきたいと思います。
前日の富岡邸の宴会でいただいたおにぎりを山頂でいただきましたが、たいへんおいしゅございました。