京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

[例会NO.2928]「RDBの会」第6回植生調査 丹後半島

昨年の9月27―28日に大江山の植生観察のあと、乗り込んだ上世屋―大フケ湿原。

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「RDBの会」第6回植生調査 丹後半島

[日 時]2009年4月25日(土)―26日(日)

[記 録]         

「RDBの会」第6回:植生調査(4月25日.26日)

       6期 小西 春代

丹後半島・世屋高原の山野草とブナ林

参加者 CL 山本憲彦 SL 西田和美、 小西春代 辻野喜信 穐月大介 安井一枝

    会員外 谷由美子 井上栄 計8名

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4月25日    

 

行程   9時     京都駅阪急ホテル前集合

     14時15分 新世屋バス停

     15時35分 銚子の滝

     16時    新世屋バス停

     16時05分 汐霧荘(宿泊地)

 

 朝からの雨の中出発。途中、運転手交代、休憩しながら、昼食をとりながら、新世屋バス停に到着。ここは昨年の秋に来た時トイレを借りたところ。今日はコミュニテーセンターに人は来ておられない。事前にリーダーが電話連絡をして車を止めることの了解をもらってくださっていました。ここから銚子の滝を見るべく出発。行けども行けども表示もナシ。これはおかしいと15時引き返す。歩き始めてすぐの所にあった出会いまで戻り反対側の右へと進む。民家がポツンポツンとある。花の種類は書ききれないほどあり、他の人に譲るとして,山菜のうど、ゼンマイ、蕨 をとりながら進む。古い神社?山門?があり、その後ろに滝が見える。落差20メートル。いわれも何もわからない。飲み水を取っており、この場所が神聖なところとして守られてきたのだろう。清流にはワサビが沢山自生している。蕨をとりながら来た道を戻る。

 バス停を出発し今夜の宿泊先の世屋高原家族旅行村 汐霧荘 に到着。宿の管理人の方に笑顔で迎えられる。平屋建ての大きな宿泊所でゆったりしている。他の宿泊者はおらないようで我々のグループだけのようだ。ゆったりした部屋を3部屋、ゆったりしたお風呂、まわり全体もゆったり、ゆったり。天気が良ければ丹後の海が見えるのに残念。食事は山菜ずくし。特にてんぷらは揚げたてを食卓のお皿に揚がったものから次々に盛ってくださる。又今日の収穫の山菜の山くらげ、うど、ゼンマイを宿の人の手を借り即席料理で味わうことができ感激。明日も山菜とるぞーーー。

 

4月26日

 

行程    6時    起床 

      7時    朝食

      7時45分 出発

      8時10分 岳山頂上(637,4M)

      8時35分 汐霧荘発

      9時15分 ブナ林入口 

      9時58分 高山頂上(702M)

     10時25分 小休止

     10時50分 駒倉峠

     11時45分 駒倉林道出会い

     12時15分 ブナ林入口到着

     13時15分 元伊勢神宮

     16時30分 京都駅着

 

  雨はまだしっかりと降っている。が、部屋から丹後の海がかすかに見える。朝食後車を置いて雨対策をしっかりと岳山へ出発。昨日よりも風がきつい。宿の表庭の所に表示板あり。整備された階段の多い道を登る。ここにもいろいろな花々がたくさん咲いている。蕨をとりながら花々を見ながらすぐに岳山頂上だ。しっかりした展望設備があるが雨と風が強いため、写真だけとり早々にひきあげる。天気が良ければ眺望もよく、ゆっくりしたいところだが。往復45分宿に戻り、宿の人に見送られ大フケ湿原に出発。昨年の秋に行ったところだがどのように変化しているかこの目で見ておきたい思いでいっぱいだ。昨年は自動車道をテクテク歩いたが今回は車なのでアッという間に湿原につくことができた。

湿原の再生を願ってか熊笹が刈り込んであり少しの水溜りのような箇所が所々できているが湿原にはほど遠い。再生のための努力の跡がみられるが、これから先何年かかるのだろうか。一度うしなわれたものを元に戻すのは大変だ。

 ブナ林入口へ。(550M)ここも昨年に来ようとしところだ。入口までの距離が長く3人だけがたどり着いたが時間切れのため引き返した。今年は車のおかげでここからブナ林に入る。このブナ林一帯は国有林だが低い標高から(550M)ブナの分布が見られ「あがりこ」と呼ばれる巨大な変木が点在する学術的に価値のある場所だ。又このあたりは豪雪地帯でもある。はっきりした道だが風の唸り声が非常にきつく枝から折れた小枝に気をつけながら緩やかな道を頂上目指して登る。頂上に到着(702M)特に特徴のある頂とは言えず見晴らしも悪い。ここより少し下った所に大ブナがあり全員で見にゆく。幹回り3,5メートル。今回初めて見る大きなブナの木だ。何百年と風雪に耐え生き抜いてきた逞しさを感じる。みごとだ。

  立ったまま小休止をとりくだりはじめる。駒倉集落があった方向に下り始める。今は廃村になっているとのこと。どうなっているか見てみたい気持である。熊笹をかき分けたり橋が落ちていたり歩きにくいところがあるが古い赤白青のテープものっこており前へ前へ進む。このあたりはわさび田のごとく一面わさび、わさび。わさび取りに精を出す者もいる。駒倉峠(556M)通過。今まで道理、前へ前へと進む。藪の中からポッと林道の出会いに出る。左に行けば駒倉廃村。右へ行けばブナ林入口。ここで初めて一台の車一人の人と出会う。彼も山菜とり?筍とり?ここには小学校跡の表示をした石柱がたっているが見る影もなく何もない。このころより雨は小降りとなる。が駒倉廃村までどれくらいかかるのかわからないためブナ林入口へ向かう。林道歩きのためのんびりと歩く。今までと違い緊張感がとれたためかお腹がすいたと感じる者数名。心はブナ林入口の駐車場へ。全員カッパを脱ぎ服装を整えて車の中で昼食をとる。

 これから細川ガラシャの碑を見に行きたい人、パス。ただの碑だけでわねー。成相山パノラマ展望台、パス。この天気でわねー。がしかし、元伊勢神宮の籠神に参拝。元伊勢とゆうだけのことはあり。荘厳としたたたずまいの建物。地元の人々にとってはこちらが伊勢神宮よりも古く元々の伊勢神宮との思いが強いのかもしれない。たくさんの方々が参拝に訪れておられるのがうなずける。

 このあとおいしい魚にも目をつむり、お風呂もあきらめ、緑の丹後路、綾部路をぬけ一路京都へ。

 雨、風の強い中での山歩きでしたが、新緑を体いっぱい受け止めることができた思い出深い2日間でした。

     山にありがとう。メンバーのみんなにありがとう。 

 

 

「感想」 井上 栄

 「山笑う」此の季節、京都府の秘境と云うにふさわしい世屋高原は、鮮やかに新緑が萌え、私たちを迎えてくれました。

 丹後半島最高峰、標高702米の[高山]頂上付近は、眩いほどの新緑のブナ林が生息していました。時期はずれの寒波で強風と雨の中、京都府最大のブナ・幹周り3.65米の堂々たる姿に感動しました。時折。強風のごう音と共に新緑の小枝が舞い落ちてくる。その小枝にはかわいいブナの実がしっかりついている。秋には動物たちにおいしい木の実をプレゼントするでしょう。

 

 

「感想」         谷 由美子

 

新緑の一番美しい季節。緑に目を奪われながらうっとりしていますと、海から吹く強い風に、リーダより 頭に枯れ木が落ちてくるから気をつけてとの声 あっそうそうと思いつつ足もとに生える人間の手が加わっていない楚々とした花々に心をうたれ楽しませていただきました。

昨年秋の植生調査の時よりレンタカーを利用してくださったおかげで目的地まで早く行けまた、資料館では丹後半島の古代史に触れることができました。二日間充実した日をすごすことができました。疲れていらっしゃるのに運転してくださったかたがた本当にありがとうございました。

                                            

 

【感想】      36期 辻野喜信

前回入口でUターンした所まで車で入った。丹後半島の最高峰高山(702m)まで1.4Kmの自然観察道を歩く。雨の中のブナ林は芽吹き始めの緑がきれいだった。近畿のブナは標高600m以上にあるが、ここでは450mから見られるという。昔は炭焼きや芝刈りなどで村民の生活と関わってきた里山だったのだろう。大きな「あがりこ」もあった。

以前世屋には7地区あったが浅谷、駒倉、東野は廃村になった。駒倉では昭和38年に5mを超える豪雪に見舞われた。その10年後には最後の家も離村し、廃村になった。駒倉峠から廃村駒倉の入口までの道は廃道に近い。ここはイカリソウが踏みつけるほど多かった。

駒倉峠から南の内山も廃村だ。廃村の多いこの辺りは京都府自然環境保全地域に指定されている。複雑な思いがした。

 

 

丹後半島観察会感想 

40期 西田和美

 昨年時間切れで行けなかった高山のブナ林を訪れることができ、冷たい風雨にさらされながらも、充実した二日間でした。葉裏まで紫色のシハイスミレや白花のキランソウなど、初めて見ることができた植物もありました。また、図鑑の写真級に美しいキクラゲの群れにも出会えました。アメ色に透きとおったガラス細工のようで、いつもながらこんなきのこを見ると心臓がドキドキします。写真を撮った後食べる分だけ採集し、その日の夕食の一品にみんなで頂きました。

 何より嬉しかったのは、消えた大フケ湿原に降雨の影響か水が少し戻り、黄色いサワオグルマの花が湿原の縁を彩っていたことです。10年先、20年先、この湿原がここにあるかどうかわかりませんが、このまま忘れ去られてしまうのはちょっと寂しい気もします。

    

 

第7回植生調査

 「丹後半島・世屋高原の山野草とブナ林」

        

(感想文 14期:安井一枝 )

左ひざ不調等のため山岳会の山行から遠のいておりましたが、うれしいお誘いに久方ぶりに参加させていただきました。低気圧2つものお天気でしたが2日共山に入れ、いろいろな花を愛で、山菜採りもおまけの楽しい山行でした。世屋高原は丹後の秘境の感があり、ブナの大木へ向かう時の尾根を吹く強風に、冬のすさまじさはいかばかりかと思いました。特に印象深かったのは峠からの下山道です。再三やぶこぎをし、大きな落とし穴?がかくれていたり木橋も落ちていたりと、廃道のようになっていましたが、イカリソウとゼンマイが一杯のすばらしい小道でした。あこがれのキレンジャク、美しい模様のツチグリ、珍しい白花のキランソウにも出会え、ルンルンでした。皆様のお世話になり、ありがとうございました。

咲いていた花:ムラサキケマン、キケマン、ウマノアシガタ、シャガ、タネツケバナ、カキドオシ、キランソウイチリンソウチゴユリイカリソウ、ヤマルリソウ、ホウチャクソウウワバミソウ、ネコノメソウ、エンレイソウムラサキサギゴケ、キジムシロ、クサイチゴ、ナガハノモミジイチゴ、チャルメルソウ、ホンワサビ、ヤマエンゴサク、マムシグサ、サワオグルマ、コイワカガミ、シハイスミレ、ヒゴスミレ、タチツボスミレ、ニオイスミレ、コスミレ?、ゴヨウアケビアケビヤマフジ、オオカメノキ、タムシバ、アオキ、ヨウラクツツジミツバツツジ、クロモジ、ツルシキミ、ササ

 

 

丹後について少し

                       25期 穐月 大介

丹後は気になりつつもほとんど知らない土地だったがこの機会に少し調べてみた。

丹後には日本三景の一つ天橋立大江山が有り、多くの文化人ゆかりの地としても知られる、細川幽斎雪舟与謝蕪村、与謝晶子、最近では比良山岳会の中尾諭氏が地域開発を手がけた地としても名高い。今でこそ第三セクターなイメージがあるが近年では丹後縮緬で栄え、古代には丹波(タニハ)の国として栄えた。しかし奈良時代丹波と丹後に分割される、分割しなければならないほど強国だったのだろう。大和朝廷成立当時、南九州、出雲、大和、尾張、などが連合王国を構成していたのだろうが丹波はなかなか連合に加わろうとはせず独自性を保とうとした、この地は朝鮮半島からの入り口にあたり大陸からのハイテク技術流入する先進地域で強気だったようだ。

そんな丹後に元伊勢と言われる神社がある 竹野神社 、皇大神宮、そして今回訪れた 籠神社 である。平安時代の神社の報告書に 雄略天皇の時、御饌神を丹後から伊勢に移した言う記録があり此が伊勢神宮の外宮(豊受大神)となるのだが、吉佐宮とされている此の神社がどこなのかハッキリしない、その候補地が上記三社だ。

前回RDBで訪れた皇大神宮豊受大神宮天岩戸神社と併せて伊勢神宮と同じ構成を取る、さらに円錐形の日室ヶ嶽と言う神山を奥宮に持ち、鬼伝説の大江山の麓という曰くありげである。一方今回の 籠神社は正一位丹後国一之宮とされ此処の宮司海部氏には国宝の日本最古家系図(平安の書写)がありきわめて格式が高い、実際大変立派な神社で皇大神宮と一歩も引かず元伊勢を名乗っておられる。この辺は多分長い長い**がありそうで××な文書や○○な記録やらがあるだろうからとても手に負えそうにない。

いずれにせよ成立当時の大和朝廷が出雲の大国主を三輪に奉り丹波豊受大御神と大王の祖神とした天照大神を伊勢に奉った難しい事情の一端を垣間見ることが出来る。

 

ところでこのあたりは信じられないくらい豊かな山菜の宝庫だった、流石は豊受大神(食料の神様)の土地、来年には是非山菜山行を実現させよう!!

 

 

「感想」

44期 山本憲彦

 昨年の9月27―28日に大江山の植生観察のあと、乗り込んだ上世屋―大フケ湿原。全員がある意味での「感動」と「失望」をもって帰還しました。そのときにどうしても行きたいと思っていたのは、辻野さん、井上栄さんたちが高山(名前が付いているのを今回確認できました)の登山口まで行ってくれたのですがどうしてもその辺りの植生が調査できなかったのです。「よーし、来年は行こう!」と心に秘めると共に、今にして思うとあのブナ林が我々を呼び戻したのかもしれません。

 25日に上世屋に行く前に、京都府丹後民族資料館に行きます。穐月さんが山城資料館でのボランテイア活動をされている関係でここの館員も快く説明をしてくださいました。

ただ見るだけでは古代史音痴の私などはちんぷんかんぷんだったことでしょう。穐月さん、ありがとうございます。おかげで、丹後の古代史がおぼろげながらもその輪郭が浮かんで来ました。歴史は一種の「勢い」で動いているのだ。これほど立派な「帝国」のような丹後王国も、大和朝廷の中央権力に屈してしまいます。特に古墳時代の遺跡として今でも残っている200mあまりの巨大な古墳がいくつか残っているといいますから、ここは植生観察ばかりでなく、歴史のフィールドワークにも面白そうなところのようです。保存にも力を入れているようです。雨が降りしきる中残念ながら資料館前の国分寺跡と民家は観察できませんでした。穐月さんは、RDBの会では木津川の河川敷調査以来の歴史講話担当をお願いしています。帰りの籠神社でのお話と合わせてご苦労さまでした。

さて、雨の中を上世屋集落まで上り、その集落にある「銚子の滝」あたりの植生を観察しました。カキドウシタネツケバナアケビキランソウ、シャガ、イカリソウイチリンソウ、などがいろいろな花が咲き誇る中を散策しながら観察できました。

泊まった宿は、「しおぎり荘」。夕食は辺りで採れる山菜尽くし。口の方も春の味を堪能しました。実においしい手作り料理で、ワラビ、ゼンマイ、タラノメ、ヤマウド、コシアブラなどのいろいろな調理方法での食事は、雨で濡れた体には暖かく、特に次々と皿にのせてくれる揚げたてのあつあつの山菜てんぷらは絶品でした。穐月さんの採集したヤマウドのスライスも絶品でした。

26日は、食事後すぐに宿舎の裏の岳山に登ります。展望台があるのですが雨で煙ってほとんど見えませんが、時折ガスの隙間に生みが見えています。前日は部屋から真っ正面に双耳峰の青葉山がくっきりと見える瞬間がありましたが、残念。

 さあ、今回のメインの「高山」に向かいます。しかし、昨年に全員がショックを受けたあの「大フケ湿原」をみないで行くことは出来ません。昨年は、下の方の「上世屋」バス停からテクテクと歩き続けて、やっとたどりついた夢にまで見た(私だけか?)「湿原」は消え失せていたのでした! 

 車で通るとただの過疎地の一姿として映るだけです。歩くという行為が感動を呼んだのだということに今回は気が付きました。けれども、昨年われわれがここに来てから、さまざまな団体が視察に訪れ、町もやっと湿原を復元しようとしているようです。まずは昨年との違いは湿原全体を覆っていたヨシを半分くらい刈り取っているという点です。それと、北面のアスファルト道路に遮断されていた水路(道路の下に埋めている)を掃除して、清水が湿田に豊富に流れ込むようになっていました。そのため、サワオグルマがかなりの量あり、いくつかが咲いていました。これを「侵入」と見るのかどうかは今後の課題でしょう。湿原の半分のヨシを刈り込んで様子を見ているように見受けました。ひょっとすると元の湿原に近い姿が戻ってくるかもしれません。

さて、いよいよ今回のメイン・イベント「高山」への登頂です。気温は山頂で5℃。風は北西の「北風」。なぜ今頃真冬並みの寒波が来るの?本会で雨嵐を呼ぶ率NO1のKさんは今日は来ていません。誰が呼んだのでしょうか?

新緑のブナがこんなに腰を曲げる姿、うずくまる姿、新芽を吹いた森がこんなに揺れる姿はめったに見られません。バリバリという音さえも消して北風が小枝や腐った幹を頭上から落としてきます。「上に注意!」と訳の分からないことを叫んでも、風の音にかき消されて後ろのメンバーの耳には届きません。

「高山」という穏やかなピークが702mの丹後半島最高峰ということでした。晴れていれば丹後半島全体、大江山青葉山辺りが見えたと思います。ムシカリの白い花が風で足下に飛んできます。タムシバも咲き残っています。笹の足下に咲くイカリソウやシハイスミレにほっとします。白いキランソウはめずらしい(茎が立ってはいなかったからニシキゴロモではないだろう)。かわいい。去年の秋の観察で真っ白なツリフネソウをみつけているので、これもそっとしておこう。踏みつけてはかわいそうだ。高山から北西方向に行くと「京都府最大のブナの巨木」が現れます。この春の嵐にも急斜面にスックとたたずんでいます。風で落ちてきたブナの実を井上さんが見せてくれます。今年は豊作かな?

帰りはそのあたりの広大なブナ林を堪能します。新緑でブナを観察するのには最高の季節です。この近くに「駒倉」という廃村があります。その近くに「味土野」(みどの)というところがあり、かつてそこに細川ガラシャが幽閉されていたというのです。歩くとさらに2時間ほどかかるので、今回は中止しました。これは穐月さんが来年は「テント泊例会」をやると言うことなので、そのときにぜひ行ってみたいところです。そのときは穐月さん、より詳細な歴史講話付きでよろしく。

高山から北北西方面に下りていくとブナ・ハウスがあります。私たちはここへ行かずに登山口へ廃道を経由して目指します。RDBにはヤブコギと底なし沼のようなところを通過する変な「癖」が付きつつあります。いつも次に何が出てくるか非常にワクワクしますね。こんなとき私がいつも頼るのは辻野さんと穐月さん。本日は辻野さんは長靴で怖いものなしのリードでした。いつもありがとうございます。キノコの西田SLは今回は運転もご苦労様でした。冷静な判断で我々を何かと助けてくれる小西春代さん。春代さんの横でいつもしっかり歩かれ、山菜をたしなまれる谷さん。私の観察を正確にフォローしてくれる井上栄さん。今回初参加の安井さんは読み合わせでは植物に加えて、鳥もやってくれました。穐月さんのお話と野草の味見は貴重でした。2日間風雨でしたが、これほど自然のままの姿を見られることはめったにないことですから、かえって、しっとりと濡れた新緑の森、美しさを雨で増した花々が見られたのは幸せなひとときだったかもしれません。

みなさん、お疲れ様でした。