京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.2954 比良55-2 「ツェルト山行 堂満岳」

2009年9月12日(土)~13日(日)

雨が時折激しく降る中、イン谷口を出発。今回の山行目的は「ツェルト泊技術の基本」なので、雨もよい経験。

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【参加者】秋房伸一(CL)、上坂淳一、AT 会員3名

【天候】12日:雨のち曇、13日:晴

【行程】

12日15:30イン谷口~16:00ノタノホリ~16:55泊地 ※21:02T到着

13日6:50泊地~7:28堂満岳~8:04金糞峠~8:33北比良峠~神爾谷(懸垂練習)~10:32神爾滝~11:03イン谷口

 

【記録】52期 秋房伸一

 雨が時折激しく降る中、イン谷口を出発。今回の山行目的は「ツェルト泊技術の基本」なので、雨もよい経験。

 仕事を終えてから出発するTさんは、真暗闇の中単独で歩いて合流。待っている人がいると思うと全然怖くなかったとのこと。

 上坂さんに講師役をお願いし、ロープを活用したツェルトの張り方等を学ぶ。Tさんはツェルトの底面を地面に固定せずに天井にロープを通して張る簡便な張り方でやってみる。秋房はテント的なツェルトの張り方とタープ。クローブヒッチで立木にロープを固定するなど、基本的なやり方を一から学んだ。上坂さんはツェルトのフライをタープにしてツェルト本体にくるまって就寝。Tさんと秋房はツェルト泊初体験であったが、心配していた結露もなく、テントに似た快適さで眠ることが出来た。

 翌日は天気が回復し、堂満岳で爽やかな朝日を浴び、神爾谷で技術講習。スリングで簡易ハーネスを作り、環付カラビナのムンターヒッチで懸垂下降。Tさんも秋房も指定通りの120cmスリングではなく、勝手に「大は小を兼ねる」とばかり150cmスリングを持参していたので、そのままでは簡易ハーネスがブカブカで、大いに反省した次第。

 当初の目的を、密度濃く達成することができた。

 

 

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写真:張り綱とツェルトを固定:バックマンヒッチ(参考例)

 

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写真:堂満岳の朝日

 

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写真:スリングで簡易ハーネス

 

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写真:ムンターヒッチで懸垂下降

 

【感想】       48期 上坂淳一

 初秋の比良を歩き、気ままに一夜を過ごす、というまさに当会の最も得意とする企画に参加しました。

 メンバーもこのところ毎晩のように顔を合わせている三名で、一糸乱れぬ歩調でスケジュールどおりに行動できました。

 Tさんが後発参加だったので、理事長とCLが事前にランデブー失敗時の対応を決めておかれたことも適切なご判断と感心しております。

 午後の堂満東稜をCLと登りながら、夜だとわかりにくい道ですね、と心配していましたが、山慣れたTさんは、迷うところもなかったようで予想より早く泊地に到着されました。

 泊地はノタノホリと堂満岳の中間あたりで、水はありませんがテントなら5~6張は行けそうな平坦地です。雪がつくとさらに便利だと思われました。

 翌日は木漏れ日の中を一気に堂満まで登り、北比良峠、神璽谷を経由して早々にイン谷口に戻りました。

 企画、天候、仲間に恵まれてよい週末を過ごせたことを心より感謝します。

 

【感想】       51期 AT

 今回はツェルト泊を目的とした例会とのこと。

 自分はツェルトを持っていなかったので、ツェルトくらい持たなければ、と前々から思っていたところでのこの例会企画でした。

 これは良い機会だと思い、ロッジにてツェルトと細引きを購入。前日に荷物をパッキングしておき、当日は仕事を済ませてから夜に出発して合流することになりました。

 仕事をしていると外では結構な勢いで雨が降り始めたので「行きたくねえええ」との思いが正直なところでしたが、訓練的な意味合の例会である性格上、雨はむしろ有意義になりこそすれ、中止ということにはならないだろうな、と諦めて堂満に向かいました。

 比良駅に到着したのは少し遅れて7時。

あたりは真っ暗でしたが、暗い山道を歩くのは何回か経験があって、それほど戸惑うことはありませんでした。

ノタノホリのあたりに来ると、急に目の前に広い空間が開けたので

「これはノタノホリの池だな」と思い、池をヘッドランプでのぞいてみようと近寄ると、急に足がズボっと池にはまってしまいあわててのけぞりました。

 今回はツェルトのポールに使うかと思い、ダブルストックを持ってきていました。

 事前の打ち合わせで、秋房さん上坂さんは9時30分をまわると就寝するとのことでしたので、それまでに何とか着きたいと思い、ダブルストックを使って両腕の力でスピードアップを計りました。

 途中で、登山道が大きな沢から左にそれるところがあり、そこでしばし道を見失ってしまったので、辺りを探すことがありましたが、基本的に順調に登っていくことが出来ました。

 もうそろそろではないかという辺りで、声が聞こえないものかと何度か立ち止まりましたが、結局幕営地点の目の前に来るまでお二人がいることには気づけなかったので、これでは誰か遭難したときに発見するのは至難の業だなと思いました。(特に自分が歩くと歩いている音で周りの音が聞こえなくなる)

 ツェルトによるビバークなのでよほど悲壮な雰囲気でやっているのかと思ってみれば、タープにランタンを吊るして、その下でご飯を食べたりしていて、まるでピクニックの様な雰囲気のお二人。

 上坂さんにツェルトの設営をご指導いただき、木に細引きをくくりつけて設営。

 ツェルトが風にヒラヒラと頼りなく舞っている様を見て「これで寝るのかぁ…」と、なんとも心細いような心持ちになりました。

 ところが、エアマットをしいてシュラフにくるまると快適そのもので、快眠することが出来ました。

 冬だとこうは行かないのかもしれませんが、設営が簡単で撤収も簡単。

夏の縦走などでは積極的に使って、荷物の軽量化を計るのも良いかもしれないと思いました。

 翌日は実にさわやかな良い天気。

涼しい風が吹く稜線を歩いて 北比良峠から神璽谷へ。

神璽谷で上坂さんにムンターによる懸垂下降をご指導いただき、夜間登山、ツェルト幕営、ロープワークと、予想外に充実した収穫の多い例会となり、とても満足でした。

 企画していただきました秋房リーダー、ご指導いただきました上坂さんに感謝いたします。