2009年9月18日(金)~23日(水)
餓鬼岳へ
常念岳~餓鬼岳 縦走
51期 AT
【参加者】CL秋房伸一、SL豊田幸宏、(食当)田辺久美子、(記録)AT、(設営)向 昌宏 計5名
【天候】快晴(最終日、下山時のみ曇り)
【行程】
(18日)京都駅前20:00~南安タクシー豊科本社~一の沢(幕)
(19日)一の沢06:00~大糖沢6:27~大滝07:01~胸突八丁08:42~最終水場09:04~常念乗越10:05~常念岳12:25~常念乗越13:50(幕)
(20日)常念乗越05:55~横通岳(巻き道)07:18~東大天井岳07:59~大天荘09:01~大天井岳09:39~大下り12:01~蛙岩12:30~燕山荘13:05(幕)
(21日)燕山荘06:30~燕岳06:52~北燕岳07:20~東沢乗越09:12~東沢岳10:13~剣ズリ11:44~餓鬼岳小屋14:00~餓鬼岳14:22~餓鬼岳小屋14:40(幕)
(22日)餓鬼岳小屋06:13~大凪山07:46~最終水場08:51~魚止ノ滝09:32~紅葉ノ滝10:02~白沢登山口10:44~帰京
【記録】
《18日から19日》京都駅前に集合、中央道豊科ICより南安タクシー豊科本社よりタクシーに乗り換えて(回送サービスを利用するため車を預ける)、一の沢の登山口まで到着し就寝する。
このときタクシーの運転手に「ここでテントを張って寝るのがよい」との旨を聞いていたが、早朝、まだ日が昇らぬうちに小屋の番人に、ここで幕営することは禁止であるのですぐに撤収せよ、と大声で怒鳴られて一同起床する。はじめ、真暗であり夜中の一時二時頃かと勘違いし「こんな夜中に放り出されても困る。何の権限があってそのようなことを言うのか」とCL、SLが抗議したが、時間を確かめると四時であった。
予定より少し早い時間ではあるものの決して早すぎるという時間ではないため、けっきょく起床してテントを撤収、出発することになった。SLを先頭として、遅すぎず早すぎず程良いペースで常念乗越まで到着。
テント場にテントを設営して、必要な物だけを背負って常念岳に登る。常念岳山頂までの道は、大きな岩がゴロゴロしていて脚の筋肉を消耗する登りであった。
(写真:常念岳への登り)
テント場から見上げたときはガスがかかっていた常念岳であったが、我々が登りにかかると急に晴れていき、山頂へ到着するころには360度視界が良好になっていた。
その後一行は山頂に小1時間くらいもとどまって景色を堪能していたが(SLいわく「圧巻の長さ」)、その間も天候は雲一つない快晴であり、このタイミングは朝に小屋番にたたき起こされたおかげで、感謝するべきだという話になった。
下山してから炊事にかかる。CLの提案により、今回の山行はすべてアルファ米ではなく生米を炊いて共同の食糧とすることになっていた。CL自らが炊いた生米は格別の味であった。
(写真:常念岳より)
《20日》
朝6時ころに出発。この日も天候は雲ひとつ無い快晴で、さわやかな気候の中大天井から燕岳を目指す。東大天井岳の手前にある横通岳という山があるが、山頂へ至る道は無く(踏み跡はあった)、西側を巻いて通過する。
そこから大天井岳までの縦走路は巻き道のためとても平坦で歩き易く、「ハイキングのよう」だった。
大天荘に到着すると、荷物を下ろして少し休憩後、空身で大天井岳まで歩く。
大天井岳はとても展望の良い見事な山頂で、とくに裏銀座から槍ヶ岳のダイナミックな姿が印象的であった。(その後の縦走で、槍ヶ岳は少しずつフェードアウトしていくように小さくなっていった。)
燕岳までの縦走路を一気に下って高度を下げ、また少しずつ登り返してゆき、最後のほうでまた大下りを一気に登り返した。(「大下り」という名前だが、大天井から縦走する者から見れば反対に「大上り」となる)
大下りを登りきったところで、燕山荘も近くに見え、すぐそこにあるかのように見えたが、そのあとなかなか到着することが無かったが、三十分ほどでようやく到着。
到着も早い時間なので、テント場は我々だけなのでは?などと冗談を言っていたがとんでもない話で、テント場はすでにビッシリとテントが埋め尽くされており、我々のテントを二張り張ると、もうすっかり張る場所は無くなり、その後来た登山者はテント場横の斜面に幕営していた。
後にこの斜面に熊出没注意の張り紙を発見したが、彼等は無事に翌朝を迎えていた。
燕山荘で生ビールやワインを買って宴会したあとに就寝。
(写真:燕山荘テント場夕暮れ)
《21日》
天気は引き続き雲一つ無い爽快な快晴。
朝6時半ころ出発。
燕山荘からすぐそこの燕岳、そこからまたすぐの所にある北燕岳の山頂は大きな岩の上にあってとても居心地が良い山頂で、我々は記念撮影などして比較的長い時間を過ごした。
そこから東沢乗越まで降りるまでの稜線はとても快適な縦走路で、歩きやすく展望もダイナミックないかにもアルプスらしいものだったが、そこから先は一転して荒れた道となった。途中の急な下り坂でSLが手に負傷をしてしまうというハプニングがあったものの、何とか東沢岳まで到着。
燕岳の稜線側から見ていた餓鬼岳、東沢岳の稜線は同じくらいの高さに見えていたが、こちらから燕岳の稜線を見ると、明らかにこちら側のほうが低いということが見てとれた。また、向こう側から見ていて我々が餓鬼岳だと思っていたものは餓鬼岳ではなく、位置関係からして「剣ズリ」であると確認できた。
剣ズリのピークを西側を巻いて通過したあと、餓鬼岳まではハシゴの連続の比較的険しい稜線で、岩を上下に登ったり降りたりさせられるので、疲労が大きく餓鬼岳小屋までの道のりが長く感じられる。
餓鬼岳小屋まで到着するととても狭いテント場で、我々の大きなテントを二張りも張るにはいかにも不向きなテント場であった。無理矢理テントを張っていると、隣にテントを張っていた関西弁をしゃべる女性がテントを少しずらして場所を譲って下さった。
テントを設営したあと、餓鬼岳山頂まで空身で登る。小屋から山頂は目と鼻の先にあった10分ほどで着いた。餓鬼岳山頂からは唐松岳が見え、雲がかかって神々しく見えた。テント場まで戻って最後の宴会をしてから就寝。
《22日》
起床してみると今回の山行ではじめて、天気が曇っていた。しかし下山日なのでむしろ好都合であった。
餓鬼岳の下山路は急で危険な悪路で、白沢口まで気の抜けない道が続く。餓鬼岳はどちらの側から登っても険しい登山路をたどらなければならないようだ。
我々は白沢登山口から無事下山し、回送サービスで用意してあったマイカーに乗り込んで、途中温泉に寄ってから帰京した。
天候にめぐまれ、素晴らしい山行となった。
【感想】44期 田辺久美子
久しぶりのテント泊の縦走で、メンバーは若者だらけ。最近、めっきり老け込んできた感を感じていたので不安はありましたが、休みも取れたしこんなチャンスはなかなかないと思い、参加させていただきました。また台風接近も心配され、ほとんど雨かも?と不安いっぱいで当日を迎えました。ところが全日、夢のような好天に恵まれ、夢のような日々を過ごすことができました。
我ながら日頃の行いが良かったのでしょうか?私だけでなくメンバーみなさんの、ですね。常念岳の登りはきつかったけど、荷物は重かったけど、一歩づつ進めば必ず到達する!と言い聞かせてゆっくりだけど歩くことができました。これもみなさんが歩調を合わせてくださったおかげと感謝しています。
もう、テント泊縦走は無理かなー?と山小屋研究でも始めようかなーと思っていたところでしたが、やっぱりテントの魅力も捨てがたいなーと思いなおしました。これからもどちらも出来るよう、気を若く持ってもっと体力を付けていきたいなーと思います。リーダーをはじめ、ご一緒していただいた皆さん、
本当にお世話になりありがとうございました。(最後に…燕山荘のワイン、おいしかったです。)
【感想】52期 秋房伸一
天気は快晴、気候も温暖、余裕の日程、特に心配するような事柄もなく平和な山行でした。これも皆参加された皆さんのお陰です。ありがとうございました。
沢山の素晴らしいピークを踏んで、なんとも贅沢な山行でした。
穂高や槍ヶ岳、鷲ヶ岳から立山方面の「裏銀座」コース、北鎌尾根の全貌もずっとくっきり谷の向こうに見えており、次に行きたくなる山には事欠きません。
燕岳から北方は、登山道の具合や雰囲気もガラリと変わって、それまでの華やかな山域と好対照でよい締めになりました。
【感想】52期 向 昌宏
今回で2回目の縦走となりました。山3泊もできるだろうかと不安を抱えつつのスタートでしたが、幸いにもほぼ快晴との日が続き快調に歩くことが出来ました。燕岳までの道はよく整備されていて気持ちよく歩けました。燕から先は鎖場やはしごもあり、餓鬼岳に向けての剣ズリの巻道では体力を消耗し疲れました。
全体として特に問題なく楽しめたのですが、雨が降った場面を想像すると危険はものすごく増えていました。体力の消耗も全然違ってたと思います。日々のトレーニングが重要だと感じました。
また、今回の縦走では、ホシガラスがたくさんいて、ごく近くをかすめ飛ぶなど、見ごたえがありました。ライチョウもいたし、コマクサも枯れてましたがありました。来年は花時期に見に行きたいと思ってます。
最後にご一緒いただいたみなさまありがとうございました。
山で3泊もして楽しく過ごせたのはみなさんのおかげです。
これからもよろしくお願いします。
【感想】40期 豊田幸宏
今回1年ぶりのテント泊、アルプスの長期縦走は2年ぶりということで、体力が持つかどうか心配でしたが、幸い、パーティーの先頭を自分に無理のないペースで歩かせてもらったので、4日間乗りきることができました。
今回の山行は、最初から最後までずっと天気が良く、燕岳から餓鬼岳下山までは一部歩きにくいところもありましたが、アルプスの空中散歩を満喫できました。
私自身の圧巻は、常念岳のピークでののんびりした時間と、大天井岳からの北アルプスの全貌でした。
「燕山荘テント場夕暮れ」の写真、みんな本当にいい顔をしていますね。今回の楽しかった山行をすべて物語っています。皆さん、とても楽しい時間をありがとうございました。
特に秋房さん、全般の段取り、とても大変だったと思います。本当にありがとうございました。
その後、早速Tさんから次のアルプス縦走のお誘いを受けました(五色ヶ原~薬師岳)。野沢兄さん、富岡姉さんから特訓を受け、今から体力づくりをしていきたいと思います。