京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

〈個人山行〉 安曇川水系八幡谷

二俣では左に巨岩から落ちるすっきりした滝を見て、右俣に入ると6m滝。この先の三段8m滝なども各段は小滝程度で高度感は少ない。

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個人山行 安曇川水系八幡谷

 

【メンバー】上坂淳一,長野浩三

【記録】上坂

【日程】2010年9月20日

【天候】曇

【タイム】8:35細川集落~8:45入溪~9:35ミズナラの巨木~10:20二俣~11:50武奈ヶ岳12:15~細川尾根~13:05細川集落

【記録】

 連休の最終日、予定のあいた長野氏と八幡谷へ行ってきました。

 この谷は小松さんが沢の個人練習に下降路の偵察などされていたところ、雨天のために中止となったままでしたので、少し横取りっぽくなりましたが、日帰りに丁度良さそうなので、いただいてきました。

 「細川休憩所」と看板のある空き地に駐車(降りて来たときに「ここは私有地なので駐車は遠慮してほしいと言われました(後述)」)して、林道を辿って堰堤の上から入溪。

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 しばらく人工林を左に見ながら平凡な遡行を続けると右手から枝沢が入る。右岸に立つミズナラの巨木が壮観。ここから本流は谷幅が狭くなり、すぐに4mのチムニー滝がかかる。この先も4m程度の滝がいくつかかかる。いずれも順層でヌメリもなく、快適に直登できるが、ゴルジュはやや不明瞭で、大きな滝もなく定位しづらい。

 二俣では左に巨岩から落ちるすっきりした滝を見て、右俣に入ると6m滝。この先の三段8m滝なども各段は小滝程度で高度感は少ない。

 

 やがて谷は明るく開け、水流も細り、源流部の溪相を呈してくる。水が切れるのではないかと思われる頃、左から13mの斜瀑が入る。多段になって全体では40mほどあるようだが、傾斜が緩く一気に登り切るとまもなく水が切れる。

 ガレた沢を足場の良いところを選んで登り、最後は右手の斜面を詰めて細川尾根に出ると、武奈までは5分程度で着いた。

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 お互いに勝手のわかったコンビでしたので、ロープも使わず午前中に武奈に抜けました。

 細川休憩所で出会った地元の男性によれば、細川休憩所の裏手は石垣になっていて、これは細川杣城の跡なのだそうです。

 何故ここに城塞があったかというと、この少し北側には葛川と朽木の境界(現在は大津市高島市の境界)があり、木材の伐採権で古くから境界紛争が絶えなかったとのこと。そのため今も葛川と朽木では婚姻、縁組などはもちろん、一切の交流は無いそうである。

 「安曇川を共有する上流下流の二村の仲違いはさぞ不便だったでしょう。材木の搬出などはどうされましたか?」と水を向けると「一割を朽木に払っていた」とのことでした。