京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

NO.3077 比良55-17 スノーシューハイキングinリトル比良寒風峠

2011年1月22日(土)

スノーシューで踏み跡のない雪を先頭で歩いた時の解放感と爽快感は今までに味わった事がないものでした。

 

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写真:雪中善哉は美味!

 

【参加者】L秋房伸一、松井篤、亀島文子、須河麻衣、酒井敏行、(体験)藤松 奈美、

(途中まで同行)小松久剛、本田勇樹

会員5名、会員外1名、同行2名

【天候】晴のち雪

【記録】52期 秋房伸一

烏丸御池7:30=JR山科8:00=小白谷除雪終点デポ9:30-10:00→林道分岐10:07→寒風峠12:15-13:05→665m小ピーク13:25→林道15:10→車道15:50→16:00デポ地

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図:GPS軌跡

 

 ガリバー旅行村に向かう道路の最終民家地点まで除雪してあり、そこに車2台をデポ。積雪が多いため、デポ地があるかどうか不安であったが、ちょうどよい場所があって良かった。小松の提案で「ご近所の皆様へ。登山のため駐車しますが、夕方には引き上げます」とダッシュボードにメモを置く。

現在地点を地形図やGPSで確認して、スタート。寒風峠への林道(除雪してない)分岐からすぐの動物侵入阻止のゲートでスノーシューを付ける。

 

 天気は良く風もない。気持ちの良いスノーハイクながら、沢沿いでは小さな渡渉を繰り返す。スノーシューを付けての渡渉は貴重な体験だ。雪の量は思ったほど多くない。特に危険な箇所も無いが、当然のことながらトレースはなく、地形図頼りのルートファインディング山行になった。林道では先頭交代しながら歩いたが、沢沿いになってからは酒井と松井が先頭を担当することが多くなった。

 

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写真:沢沿いの道を歩く

 

 寒風峠へは登山地図のコースタイム1時間20分のところ2時間ちょっとで到着。

 峠で亀島がやおら大きなアルミ鍋を取り出した。何かと思うと皆にぜんざいを振る舞うとのこと。手際よく準備をし、鍋を小松が支える。青空の下、純白の世界に皆の笑顔が広がる。

 

 

 釈迦岳方面にテント泊個人山行する小松と本田を見送り、嘉嶺ヶ岳方向へ出発。

計画では鵜川越の先の田上川沿いに下る予定であったが、変更して、寒風峠から尾根筋に歩いて最初にあるピーク(665m)から北北西の尾根を直下降し、林道鵜川村井線が南側に湾曲しているところに出るショートカットルートにチャレンジすることにした。

 

 ピークから降りるところのブッシュが煩わしく、降りてよいものかどうか若干躊躇したが、ブッシュが続くようなら登り返す覚悟でスタートした。ブッシュは行動を阻害するほどのものではなかった。

途中で松井のスノーシューが故障し、松井はツボ足で歩き始めたが、ツボ足で踏み抜くと脚が全部埋まり、さすがの松井でも行動に支障をきたすようで、応急処置をして再度使った。

かなり下ったところで傾斜が急なところがでてきて、トラバース気味に逃げて降りるかどうするか協議した。結果、忠実に尾根を下ることにして、念のためロープを3ピッチ使った。“ゴボウ”でバランスを取るのに使う程度のものであったが、初心者には有用であった。

結果、ドンピシャリで林道に出た。林道の下りは気楽なスノーシューハイクとなった。

 

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写真:寒風峠にて

 

 

【感想】53期 須河麻衣

今回山岳会に入会して初めて参加させていただきました。念願かなって嬉しい気持ちと、雪山が初体験だったので色々不安がありましたが参加した皆様の優しさや、サポートのおかげ安心出来、とても楽しい1日になりました。

スノーシューで踏み跡のない雪を先頭で歩いた時の解放感と爽快感は今までに味わった事がないものでした。寒風峠で亀島さんがご馳走して下さったぜんざいが、甘党の私にとって本当に温かく美味しかったです。ご馳走様でした。今回一緒に参加した皆様、本当にありがとうございました。今後も積極的に色々チャレンジしていきたいと思いますので宜しくお願いします。

 

【感想】体験 藤松奈美

6万2000円。

初の雪山、スノーシューハイクに臨むための費用だ。ヤッケ、スパッツ、タイツ、手袋、帽子、フリース、これは絶対必要ですと最後に渡された防水スプレー…。

「ハイキング気分でこれまでにない体験ができますよ」と秋房さんに誘われ、行きたい!と思ったのもの、同行者に迷惑かけては、と怖じ気づき、締め切りを過ぎても返事ができず、「大丈夫行けます」という言葉に甘えて参加を決めた。泊まり勤務明けの木曜日、徹夜を押して好日山荘(ロッジ派の方が多いみたいですみません)に行き、女性の店員さんを2時間連れ回して、買い物を終えた。

 

緊張の当日。真っ白な銀世界!に同じく初体験の須河さんと一緒に歓声を挙げ、つぼ足体験に、おお深く入ってゆく!と歓声を挙げ、スノーシューに履き替えラッセルをして、ああ、ふわふわの新雪!と歓声を挙げ、5分でしんどい、と根をあげた。すっかりハイキング気分。ところが数十分後。地図とコンパスを見て「どっちだろう」「方向的にはあっちですね」と真剣に相談する男性たち。そうか、銀世界に当然道はないのだ。

 

仕事柄、すぐに「無茶な登山で遭難」という見出しが頭に浮かんだ。でもその時。小松さんが「これは沢と一緒だ。道のある山なんか歩いてても面白くない!」ととても楽しそうに先頭に立った。わたしの中の不安がわくわくに変わる瞬間。ベテランの人たちばかりだから着いていけば大丈夫。それからは、川に滑り落ちそうになったり、木に引っかかったりしながらも、景色を楽しんだ。寒風峠で須河さんとはしゃいで写真を撮り、亀島さんお手製のぜんざいを頂き、心まで温まった。

 

ところが、下りに大きな困難が待っていた。30センチ間隔の藪の中をかき分けながら進み、さらに急勾配の(私には75度くらいあるのではと思えた)坂があり、恐怖で泣きそうな思いになった。秋房さんが「念のため」持参されたロープをつかみ、松井さんに励まされながら歯をくいしばって降りた。ほっと一息ついた時、「これ以上は急すぎて降りれない。引き返す?」と相談する声が。今来た道を引き返すなんて無理だと、内心青ざめる。ところが、秋房さんが「ここは人工林だから突然滝が現れたり切り立つことはない。降りられます」と冷静に分析し急降下を続け、林道に到着した。稜線をきちんと正確に歩いていていたことに感動した。地図を読むという意味を体感した。

 

みなさん、本当にありがとうございました。山を登る人は、山や自然と向き合っている、とこれまで思ってきました。それとともに、今回わたしが感じたのは、自分と向き合っているということでした。少し登れば暑くなり、急にお腹が空き、甘い物を食べて力を得て、急勾配に足がすくみ、励まされて勇気が出て、後ろから見てくれていることに安心する。欲求や、体の感覚や、感情が、とてもとぎすまされることに驚きました。

声も手も出さずにちょっと危ない時に立ち止まってくれた本田さん、下山して足手まといだったかもと落ち込んでた時に「いやあよくがんばりました」と言ってくれた酒井さん。私にとってはハイキング以上の冒険だったけれど、一人一人が自力で歩くしかないのに、助け合って、降り終える山歩きはいいなと、しみじみ思いました。

 

【感想】53期 酒井敏行

 天候にも恵まれ、雪の状態も良く、快適なスノーハイクでした。今回は無理に志願して先頭を多めにやらせていただきましたが、おかげでラッセルやルートファインディングのよい練習となったと思います。予定の行程こそ進めませんでしたが、665mピークからの尾根の下降はなかなかスリリングで楽しめました。リーダーの秋房さんはじめ、いろいろ実地に指導してくださった松井さんと小松さん、素晴らしいお昼のひとときを提供してくださった亀島さん、そしてパーティのみなさま、ありがとうございました。

 

【感想】53期 亀島文子

今日は絶好のスノーシューハイク

ガリバー近くの林道は歩き易く、白い雪に戯れながらウサギの足跡をみたり、時折枝から落ちてくる雪玉が背中に入りひんやり。楽しいスノーシュウハイキングだ!沢沿いの道に入り、川にはまりながら、寒風峠着。それなりに楽しい。

尾根から林道迄の下山コースでは、スノーシューでは滑りやすく、足で踏ん張りながら、時にシリセード、ロープでの下山となった。なかなか過酷なスノーシュー体験ができ楽しい一日でした。

 

【感想】52期 秋房伸一

 新しいメンバーが加わり華やぎのある例会となりました。プチバリエーションのようになりましたが、ベテランの松井さんにも助けられ、無事、帰還できました。善哉、美味しかったです。ありがとうございました。