山頂からは大山(だいせん)が神々しく遠くに屹立しているのが見えた。北方には扇ノ山、鉢伏山への「ぶん回しコース」も魅力的だ。南方は、山スキーヤーには、たまらない斜面が広がっている。
氷ノ山山頂から望む「大山」
[個人山行]氷ノ山 2011年2月19日(土)~20日(日)
52期 秋房伸一
【参加者】L米山佳秀、秋房伸一 会員2名
【天候】晴
【記録】19日:京都駅八条口8:00=(車)=氷ノ山国際スキー場駐車場11:30=(リフト)=スキー場12:00~東尾根取り付き12:15~東尾根稜線15:20~幕地(1290m)16:20、就寝19:30
20日:起床5:40、幕地出発7:40~氷ノ山山頂8:25-50~神大ヒュッテ手前9:07~幕地(撤去)9:15-55~東尾根休憩小屋10:45~11:30スキー場=(リフト)=駐車場12:00
加藤文太郎が何度も登った氷ノ山。「冬の氷ノ山と鉢伏山」という記録も文庫で読むことができる。
京都から播但道を通り、予定どおり昼前に氷ノ山国際スキー場に到着。リフトを2本乗り継いで、スキー場のレストハウスに登山届けを出してスノーシューで出発。下山届けも必ず出すようにいわれる。
積雪量が多く、スキー場のコンディションもよさそう。東尾根登山道の案内碑のところで男女の登山者が昼ご飯を食べており、挨拶をすると「変なトレースをつけてしまってごめんなさいね」
天気は良く、先行者のトレースもあり、時間的にも余裕で、楽勝気分で進む。
ところが、しばらくして先行者のトレースはUターン。稜線に出るのはすぐだろうと、気にせず登行を続ける。だんだん悪くなり、沢登りのシビアな高巻きのようになるが、積雪が多いので、恐怖感は少ない。とはいえ滑落すると危険なことは変わりないので、慎重にスノーシューを蹴り込む。
傾斜が急で雪が堅い斜面に出くわし、やはり雪山ではバイルかツアースキー用の軽量ピッケルは持参すべきだと反省。
無雪期ならロープ確保が欲しいような斜面でも、MSRのライトニングアッセントは蹴り込むとグリップが良く利く。スノーシューはストックと組み合わせるという思い込みがあったが、スノーシュー+ピッケルがベターな斜面であった。
地形図で現在地を推定しながら懸命に登ると正面に大岩が立ちふさがったが、左に逃げ、そこからの斜面を登ると稜線に出た。
結局、取り付きから稜線まで3時間を要した。
尾根にはスキーのトレースがあり、青空の下、眺望を楽しみながらスノーシューを進め、鉢伏山がよく見えるテント適地で幕営。夏道ではなく、雪がついているので直登ルート。
翌日も快晴。テントはデポしたまま、少量の荷物で山頂を目指す。雲海が広がり、標高の割にはアルパインな雰囲気を満喫。天然のスキー場といっても過言ではない、広がりのある雪面を進み、山頂へ。避難小屋には山スキーの2人組と、雪洞+ツエルトの人がいた。
写真:氷ノ山山頂
山頂からは大山(だいせん)が神々しく遠くに屹立しているのが見えた。北方には扇ノ山、鉢伏山への「ぶん回しコース」も魅力的だ。南方は、山スキーヤーには、たまらない斜面が広がっている。
展望をゆっくり楽しみ、下山。だだっ広い緩斜面でホワイトアウトすると危険だが、今回は快晴なので実に気持ちよく歩く。
しばらく下ると神大ヒュッテが見えたので、夏道ルートを下っていることになり、幕地方向へ軌道修正。
東尾根の下りは一部急斜面があり、凍結するとロープを用意した方が良い箇所もあるが、天気が良く気温も高いため雪がグズグズで問題なく通過。休憩小屋からの下りは、急斜面で結構歩き難い。林道を回った方が楽しいかもしれない。
スタートしてちょうど24時間後の正午ぴったりに駐車場へ帰着した。
写真:東尾根から望む鉢伏山
写真:東尾根直登ルートの米山
写真:氷ノ山山頂より、南方向を望む
【感想】52期 秋房伸一
標高の割にはアルパインな雰囲気で、因但国境の山域の魅力にとりつかれました。別ルートや扇ノ山など、今後、この山域には四季を通じて脚を踏み入れたいです。