京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3117 比良55-22 白滝谷遡行 ※オプション:夫婦滝完全登攀

2011年6月18日(土)

 梅雨の季節で、天気も期待できない中、9名ものメンバーが集まり、各人それぞれの達成感で終了できてなによりでした。

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【参加者】L)秋房伸一、SL)本田勇樹、長野浩三、寒川陽子、AT、須河麻衣、藤松奈美、鹿嶽真理子、(体験)藤田哲陽 会員8名、体験1名、合計9名

【天候】 くもり 時々 小雨

【記録】

7:30烏丸御池=(マイカー)⇒8:20明王谷林道駐車場

明王谷林道駐車場8:40→9:15牛コバ・入渓地点45→10:10 登山道出合(1つ目の橋)→10:40 登山道出合(2つ目の橋)50→11:15スベリ石→12:00白滝滝下→13:15白滝滝上→13:45二段二条18m滝下→14:25二段二条18m滝上→14:30ニシヤ谷出合・遡行終了15:00→16:00牛コバ→16:30明王谷林道駐車場17:10=(マイカー)⇒17:40京都市

《オプション・夫婦滝登攀》

登攀者:T、ビレイ:本田

14:45登攀開始、16:10登攀終了

 

 集合地点は小雨だが、一応行くだけは行ってみようと出発。坊村では雨は止んだが、牛コバで沢装束を身につけているうちに、また小雨となるが、水量は4月下旬に来た時よりも少なく、雨の降り方も小さいため、躊躇することなく入渓。

 9名と人数も多く、初心者も含まれるため、ユニットに分け、ユニット毎に適切なペースで進むことにする。先頭は長野・藤田、2番は本田・鹿嶽、3番はT・須河・藤松、その後で秋房、寒川は遊軍として自在とした。

 分厚い雲のため、谷は暗く、小雨も時折パラつくが、めいめい楽しそうに遡行。沢初心者の鹿嶽も本田らのフォローで、特に支障なく進む。

 

白滝では、秋房がリードに挑戦。残置ハーケンが3個あり、ヌンチャクをかけ慎重に登る。落ち口のところにハーケンを打つことを試みたが、ハーケンは打てなかった。それでもなんとかリードに成功し、セカンド以下はロープを固定しアッセンダーで登った。

最近、当会の沢登りではコングのDUCKが標準装備的に使われている。ダックに使う安環カラビナは、相性を考えるとコング製のオーバルが良い。安環部分が太い他社製のものだと、ダックの穴に干渉して不都合が生じることがある。

 

 最後の2段2条18m滝では、いつもは横を巻いているが、今回は中央の凸角を直登したく、先行して上で待っていた本田にロープを出してもらうよう頼み、本田が懸垂下降でセットした。最初に寒川がチャレンジするが靴のせいかヌメヌメに歯が立たず敗退。沢靴の後続は登ったが、想像以上にヌメリが強く、ロープがあって良かったと思った。

 

遡行終了後、例会オプションとして、Tが夫婦滝登攀に挑戦。ビレイは本田。

下見を十分にして、どうやって取り付くか検討した後、見事完全登攀を成し遂げた。登攀後、ロワーダウンでハーケン類を回収し、最後に深々と不動明王に頭を下げて、終了した。

 

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(写真:夫婦滝を登攀するT。ビレイする本田。)

 

【感想】 54期 鹿嶽真理子

 初めてのまともな沢登りでした。最初は水の深さがわからず、足探り状態でゆっくりしか歩けない。流れの激しいところでは、おっかなびっくり足を出すと、流れに足を取られそうになる。ホールドのしっかりしてない岩場では登れずにお助け紐を出してもらったり、手を引っ張ってもらったり、お尻を押してもらったり。

 白滝谷の登りは、かなりドキドキものでした。初めての登行器を使っての登りは、案ずるより産むがやすしではあったものの、最後はお助け紐に助けられやっとこさでした。登り終えたときは、大仕事を終え、もう今日の登りは終わったような気分でした。その後も小さな滝が一杯あり、ほとんどは巻いていましたが、ついていくのに必死でした。

 終わってしまえば楽しかったと思えましたが、登りの技術のなさを実感しました。お世話をかけた皆様、ありがとうございました。未熟者ですが、少しずつでも進歩していきたいと思います。

 最後に、ATさんおめでとうございます。夫婦滝を登られる快挙を見届けずに帰ってしまって残念でした。

 

【感想】 54期 藤松奈美

 蛇谷以来の沢行き。あの時の怖さがあったので、参加しようか迷いましたが、元越谷の楽しさを思い出し(落ちたけど)決めました。雨でしたが、新緑の森が守ってくれ、とても気持ちがよかった。増水のためなんどかおぼれて、ザックが浮き輪になることを身をもって体験しました。左ひざを少し痛めておりスピードが出ず迷惑をかけましたが、つづの先輩が歩き方や登り方を丁寧に教えてくれて、とても心強かったです。

 

 クラックスに数回行った成果が出たのか、岩を触ったときに安心感があり、登ることを楽しめました。

 印象的だったのは、つづの先輩がお助けひもを出してくれていても、登りたい意地でつかまない私に、秋房さんが「お助けひもを使うことは恥ずかしいことではありません。沢はなんでもありのチームプレーです」と苦言をくださったこと。その言葉に甘えて、秋房さんの背中を踏ませていただきました。

 

びっくりしたのは寒川さん。トレイルシューズで挑戦され、すべる所もあるのに完歩されました。下山で、合わせて歩いて下さいました。鹿嶽さんのがんばりは、始めて私が沢に行ったときに感じた難しさや怖さを思い出しました。パートナーの本田さんに惚れませんでしたか。長野先生と藤田さんは、すいすい過ぎて、背中も見られなかった。精進します。

 

 反省?は、かっぱを忘れたこと。蛇谷の印象でとにかく暑かったと思いながら準備をしてしまい、蛇谷は沢じゃなかったと、車の中で気付きました。まいちゃんがかっぱを貸してくれなかったらあの寒さはしのげませんでした。

 反省?は、痛めた足で無理に登ったため、次の日ひざがぱんぱんにはれて歩けなくなり、月曜に病院にいったら500ミリリットル以上の水を注射で抜かれました。自分の体をもっと知らなくては。

 反省?は、これが一番悔やまれますが、つづの先輩の偉業を見られなかったことです。まさか、本当に登られるとは思いませんでした。おめでとうございます。

 一緒に行ったみなさま、本当にありがとうございました。

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【感想】 53期 須河麻衣

 前回4月の例会に引き続き、二度目の白滝谷の沢でした。前回は初めての参加で恐る恐る、寒々といった感じでしたが今回は以前より景色を感じながら楽しみながら遂行出来たと思います。参加人数も多い中、ペアを組み安全に行けたのも良かったと思います。Tさんが夫婦滝を登るのを見られなかったのが唯一心残りです。ご一緒していただいた皆様どうもありがとうございました。

 

【感想】 48期 寒川陽子

 この谷に行くのはもう何度目だろうか、タカをくくってシューズ性能実験を行った。フェルト靴を持参の上、トレイルシューズ(モントレイルのハリケーンエッジXCR)を着用し行動した。なおハリケーンエッジXCRとは、トレイルランナーの間で圧倒的人気を誇るトレイルシューズのメーカー、モントレイルの定番商品。フィット感(靴内部に異物を侵入させない)、グリップ力、防水性が売りであり、「ウルトラマラソンからスピードハイキングまで対応するマルチ性が魅力」と謳っている。

 

 結論として、乾いた岩面や草付きではかなり信頼できる靴だが沢では無力であった。ソールが硬すぎるせいか靴底ないし岩が濡れているとほとんど効かなかった。一般登山の教訓として言われる「靴は濡らすな」の正しさを痛感すると共に、トレイルシューズの弱点を発見。全然マルチではないようだ。ただし、砂利や蛭は寄せ付けなかったのでフィット感については評価できる。

 

 何度ものスリップや登攀失敗。靴の違いは大きな要因だが、簡単に靴のせいにしてしまうのはよくない。装備の有難みを感じると共に、装備の悪さを技量でカバーできなかったと謙虚に受け止めたい。

 最後に、体験例会でありながら藤田さんは素晴らしいパフォーマンスを発揮されていたことを申し添えておく。

 

【感想】 46期 長野浩三

 久しぶりの沢でしたが楽しかったです。筋肉痛になりました。情けないです。ロープをだすタイミングや段取りについては要改良でしたね。なにはともあれ,秋房さん、大所帯のリーダーご苦労様でした。

 

【感想】51期 AT

 白滝谷は4月にいちど行っていたので、今回は行こうとは思っていなかったのですが、秋房さんよりお誘いいただき、では夫婦滝を登ってみようという目的で参加させていただきました。

 秋房さんの、2~3人で一組に分けるパーティーの組み方は、パーティーの隅々まで目が行き届くので、とても良いやり方だと思いました。

 雨が降っていたものの、白滝谷は新緑にもやがかかって綺麗でしたし、増水している沢につかるのは面白く、楽しんで遡行することができました。

 夫婦滝に着くと、みんな寒い寒いと言って帰ってしまいましたが、すごい帰りたそうにしている本田さんを何とか引き留めてビレイしてもらい、夫婦滝に登ることにしました。

 

 夫婦滝は、下から見上げた時には傾斜が緩く見えますが、少し上から見ると、今度は何故か急に斜度が立ってほぼ垂直の壁ように見える不思議な滝で(おばけ坂のような視覚的錯覚がある)、最初少し上に立ったところから観察していた時は、怖じ気づいたりしましたが、下に降りると「いややっぱり登れる」と見えたりして、ずいぶん躊躇しました。

 それで、じっさいに取り付いて少し登ってみると(取り付くまでがなかなか大変でしたが)、これは下から見上げた印象が正しかったことが解ったので、登ることにしました。

貴船滝もそうでしたが、大きな滝を登るのは怖いけどとても達成感があり、やみつきになりそうです。

 

【感想】 53期 本田勇樹

 今回三回目の白滝谷でした。前日にTさんが夫婦滝を登ろうとしていると聞いたのでビレイしなければとの気持ちで臨みました。

 貴船の滝と同様に様子を見てくると言って結局登ってしまうので気持ちの強い人だといつも感心します。去年の記録を前日に見ていると夫婦滝を登ろうとして周りが制止したようなことが書かれていたので念願を成し遂げたと思うと、僕も何か思うところを持たねばならないと思います。

 とかいって今回サブリーダーを任されていたのに十分に役割を果たせたかというと

全然ダメだと思うので貴重な機会を与えていただいたのになんだか申し訳ない思いです。秋房様、皆様、ありがとうございました。

 

【感想】 52期 秋房伸一

 梅雨の季節で、天気も期待できない中、9名ものメンバーが集まり、各人それぞれの達成感で終了できてなによりでした。本田SLの献身的なフォローでパーティーもうまく進めたと思います。

 みなさん、ありがとうございました。