荷継小屋跡で一本たてて,いよいよ,白出沢の雪渓へ。ピッケルとアイゼンを装着し,長い雪渓の登りとなった。結構斜度があるところもあり,途中ザックを降ろして休めない。
[No.3123] 梅雨の奥穂高岳へ-急な雪渓の上り下り有り テント泊ポイント
【メンバー】L長野浩三,秋房伸一,辻博史,酒井敏行
【記録】長野浩三
【天候】2日曇り時々雨,3日曇り
【タイム】
7月1日(金)
ロッジ前21:00=25:00新穂高温泉駐車場
7月2日(土)
駐車場5:35~ゲート6:00~6:40穂高平小屋6:45~7:30白出沢出合~8:40重太郎橋(未架橋)~10:05荷継小屋跡~雪渓10:30~12:45雪渓終了~14:25穂高岳小屋
7月3日(日)
穂高岳小屋6:00~6:50奥穂高岳7:00~7:35穂高岳小屋8:00~8:30雪渓~9:30雪渓末端~荷継小屋後9:45~10:35重太郎橋~11:40白出沢出合~12:35穂高平小屋~13:30新穂高温泉14:40=19:00京都市内
【記録】
梅雨で天気が心配だったが,何とかもちそうだったので,予定どおり,1日午後9時にロッジ前に集合して,新穂高温泉へ。
新穂高温泉では無料駐車場に何台か駐車車両があった。早々に就寝した。
2日は5時には起きて,身支度を調え,6時は出発した。林道を白出沢出合付近まで進み,そこから,奥穂への登山道へ進んだ。この登山道はよく歩かれており,気分がいい道だった。
重太郎橋がかかる徒渉点では大きな雪渓があり,まだ橋が架けられていなかった。慎重に徒渉し,岩切道へ。岩切道は慎重に通過すればなんということはない道だ。
白出大滝を巻くための登山道へのとりつきでは雪渓を徒渉した。この雪渓は翌日は徒渉したあたりが崩れ落ちていた。
その後,荷継小屋跡で一本たてて,いよいよ,白出沢の雪渓へ。ピッケルとアイゼンを装着し,長い雪渓の登りとなった。結構斜度があるところもあり,途中ザックを降ろして休めない。2時間くらいかかってやっと雪渓が終わった。
雪渓の登りではほとんどガスがかかっており,また落石も多数雪渓の中にあり,結構緊張した。
雪渓が終わったと思ったら,そこからがまた長かった。約1時間くらい登ってようやく穂高岳山荘に到着。一足早く到着していた長野は免れたが,他のメンバーは雨に降られた。
山荘に到着して,雨もあり,小屋泊まりにしようかという声がでたが,テント泊ポイントが問題となる辻は長野とともにテントへ。あとの二人は小屋泊まりとなった。夜中テントはかなり雨に打たれた。
翌3日は6時に出発して奥穂高岳山頂へ。山頂までも山頂でもガスがかかっており展望は全くなかった。
記念撮影をして,早々に下山した。下りの雪渓がこの山行のメイン行事で,それぞれ苦労しながらもなんとか事故もなく,降りられた。キックステップの慣れと,転んだ際には即座にピッケルで止めることが重要だ。
雪渓を下り終わるとそのまま下山し,温泉に入って帰京した。
今回の雪渓は数年前に白出沢を7月10日ころに下降したときより小さかった。雪が多いからと言って雪渓が大きいとも限らないようである。しかし,この時期の白出沢はピッケル,アイゼン必携で,アイゼン歩行の練習にはもってこいだと思う。
【感想】52期 秋房伸一
奥穂高岳に1泊で行けて感激です。直登の白出沢ならではです。
雪渓で単独行の人に抜かれただけで、他には誰一人出会うことなく、奥穂高岳の山頂も我々だけという、静かな山行でした。
翌朝から筋肉痛がひどくなりました。雪渓が終わってゴーロ帯になってからの酸素不足と思われる全身パフォーマンスの低下も印象的です。それだけハードな山行が出来たことに感謝しています。
【感想】53期 酒井敏行
GWの大喰岳西尾根で体力面とアイゼンワーク(特に下降)に不安を感じたので、そのトレーニングにと参加しました。雪渓の登りはかなり慣れたように思いますが、キックステップの下りでは力みすぎなのかすぐに足が疲れてしまい、もっともっと練習と慣れが必要だと感じました。特に急な雪面の下降では、たとえ転んでもピッケルで止められるという技術と自信が必要だと痛感します。次シーズンが始まる前には、ぜひこの点をもっと習得したいと思います。
残念ながら穂高の稜線はずっとガスの中。それでも奥穂のピークには素晴らしい風格とムードがあり、たとえ展望がなくても、やっぱり穂高はいいなあとしみじみ思いました。これからもいろいろなルートから穂高を登りつくしてみたいです。
体力的には、直前にボッカで自主トレしたこともあって何とか持ちましたが、標高差2000mのピストンはなかなかハードでした(下山後三日経っても筋肉痛が抜けません)。これくらい楽々登れるように、今後も経験を積んで行きたいものです。
標高2996mでの宴会も楽しかったですね! またぜひこのメンバーで行けることを楽しみにしています。
【感想】53期 辻博史
北アルプスへ一泊二日、雪渓登り下り。と魅力的な例会でしたので楽しみに参加しました。実際、山行は大変楽しいものだったのですが、体力不足、水分補給不足(軽い高山病になってしまった)、雪渓の登り下りの技術など、今後の課題も色々と分かり、大変有意義な山行となりました。また、奥穂山頂はずっとガスが出ており眺望がまったく無かったのですが、長野リーダーの「これはまた来いと山の神様が言っているのだ。」の言葉を聞き、その通り、また来るぞと強く思いました。