京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3135 比良55-23 納涼山行 武奈ヶ岳ピークハント(金糞峠集中)

8/27(土)

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(サギソウ/八雲湿原)

 

曇時々雨~28(日) 晴れ時々曇

<参加者>

*本隊 CL上坂淳一 AT 向昌宏 

酒井敏行 鹿嶽真理子

*奥深隊 L秋房伸一 小泉賀奈子

 (日帰り)小松久剛 高橋秀治 須河麻衣

 

<記録>

8月27日(土)

*奥ノ深谷隊 (計時:小松)

8:16  坊村駐車場発

8:50  入渓口着

9:20 入渓

9:32 F1

10:13 F1全員突破(秋房リード)

10:26 溝状の滝 小松登攀

10:28 CS滝

10:40 4段40m滝前、休憩

10:56 出発

11:20 核心の斜滝

11:50 核心の斜滝全員突破

12:10 悪い巻き

13:00 全員巻き完了

13:30 ヒョングリ滝10m

14:16 ラスト10mの滝

14:25 遡行終了点(登山道出合)

(秋房・小泉は大橋まで遡行)

15:50 金糞峠テン場(秋房・小泉)

14:50 日帰り組下山開始

15:30 牛コバ(日帰り組)

16:00 駐車場(日帰り組)

 

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<4段40m滝手前にて>

 

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(写真:奥ノ深谷隊:ステミングでガリーを突破する小松)

 

 

 

*本隊

16:40イン谷口~17:40青ガレ~

18:10金糞峠~18:15テン場(幕)

 

【27日 奥ノ深谷隊記録】秋房

 奥ノ深谷は、今回参加の小松と秋房が、山岳会に入会して初めて遡行した沢である。白滝谷とのWヘッダーでリーダーは、今回の本隊リーダーの上坂。

 

 その後、小松は今年だけで奥ノ深谷に3回入渓していて今回で4回目。秋房は初回以降の再登で2回目。

 経験を積んだ小松が後見人役で、秋房が奥深をリードできるかのチャレンジということでスタートした。

 水量は少ないが水温は予想外に低い。積極的に泳ぎたくなるコンディションではないが、水に入るのが苦痛というほどでもない。

 

 F1は秋房が途中でハーケンを打ち中間支点をとって無事完登。後続のビレイは、落口近くの立木は安定感に欠くため、少し奥の立木でとった。滝そのものの大きさはそれほどでもなくても、ビレイ点との関係から50mロープを持参した小松の判断は正しい。30mロープとの重量差を気にするほどシビアな沢ではないし、それくらいの重量差が気になるようでは駄目で、重量差を気にしないだけの体力を付けるべきであろう。

 

 3mガリー(溝状の滝)を小松がステミングで登攀。すぐ横を簡単に巻けるが、巻けるところがなければ、奥ノ深谷はこの場所で敗退が相次ぐ、難しい沢となっているかもしれない。

悪い高巻きで、ロープを出したのは大正解。

 

 参加者のうち小泉と秋房はテント泊で翌日縦走のため、宿泊テントフル装備+αで遡行。沢登りとしてはザックが重いが、宿泊遡行の大峰や台高を念頭におくなら、これくらいの荷物でネをあげていてはいけない。とはいえ、小泉にとってのハンデは大きいが、ハンデを感じさせることなく基本的には水線通しで遡行は進んだ。巻いたのは直登不可能といわれている8m滝のみ。一部悪い箇所では小松が安定感をもってお助けを出し、無事、遡行を完了できた。

 高橋と須河もパワーアップした姿をみせてくれた。

 

 

【27日 本隊記録】上坂

 予定より少し遅れてイン谷口を出発。動かなければ過ごしやすい気温だったが、歩き続けると汗が噴き出してくる。青ガレ下まで約一時間、さらに30分で金糞峠に到着。

秋房、小泉と合流し夕食。

 

8/28(日)

6:00起床、8:00出発(向を除く本隊6名)~9:00コヤマノ岳~9:30武奈ヶ岳~北稜~広谷~イブルキノコバ~11:00八雲ヶ原11:30~ダケ道~12:30大山口~12:45イン谷口→13:00比良とぴあ(解散)

(向のみ)幕地8:00~下山~イン谷口

 

【28日 本隊記録】上坂

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(武奈ヶ岳頂上にて)

 

 直登ルートを一時間でコヤマノ岳へ。休憩するとたちまち虫にたかられる。

 コヤマノ岳を出発すると、すぐ北側でヤマジノホトトギスが見られた。武奈から北稜、広谷を経てイブルキノコバで望武小屋跡を確認し、八雲ヶ原へ下りる。

 

 八雲湿原ではサギソウが咲いていた。通りがかった地元ボランティアの人の話ではここ十年でもこんなに咲いたのは珍しいとのこと。スキー場撤去後、自然状態の回復が進んでいることも考えられる、京阪はそれなりにけじめをつけてくれているが、昔の登山者のゴミがあちこちから出てくるのが悩みだそうである。

 また湿原には油膜状のものが見られるが、分析の結果、これは油汚染ではなく、湿原の水質を浄化してくれているバクテリアによるものであったとのことである。

 

 ダケ道を下降し、車に戻ると下界は炎暑。

 比良とぴあで汗を流して帰京。

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(写真:テン場の朝)

 

《追記》

 後日、八雲周辺でボランティア活動をされている方より比良での幕営について以下のご指摘を受けました。(取り急ぎ、ブログにお詫びのコメントは入れておきました)

*設営に使用した重石等は残さないこと。

*他の幕営者がいる時は就寝を早めに。

*キジ券は埋めるか持ち帰ること。

今後比良で幕営される方々には(当会会員及びお知り合いの方にも)ご周知ください。

 

【感想】52期 秋房伸一

 奥ノ深谷は、バラエティに富み、手応えのある谷でした。初遡行の記憶は不確かで、初めての沢と同じ感覚でした。リードするにはもう少し経験とスキルを上げないといけないと思いました。

 山行のテーマについては、この時期に比良で「納涼」が成立するのかと半信半疑でしたが、金糞峠の夜は涼しく、7人中5人は防寒のために雨具を身につけていました。翌日の武奈ヶ岳は暑かったですが。

 沢装束一式を背負っての登山でしたので重量が20kgを越え、よいトレーニングにもなりました。食事をフルセットでつくるのも、よい経験です。皆さん、ありがとうございました。

 

【感想】 54期 鹿嶽真理子

何度も行ったことのある比良ですが、ここでのテント泊は初めてでした。最初の登りは私には少し早目で、最後はちょっと息切れしていましたが、無事到着。

タープのおかげでザーザー雨が降っていたにもかかわらず、快適に夕食とその後のくつろぎタイムを楽しむことができました。あのタープは優れものですね。

納涼登山の名の通り、涼しいというより寒いくらいの夜でした。シュラフカバーで、少し震えながら寝ていました。

歩いている間は雨にも合わず、ヤマジノホトトギスとサギソウにも出会えて、楽しい山でした。

 

【感想】51期 T

皆さんとまたこうして山で変わらずキャンプをして、お酒を飲んで、山歩きを出来たことが嬉しかった。

夕食は、はじめ「キムチ鍋!?」と思っていたが、金糞峠は思っていた以上に寒くキムチ鍋がたいへん美味しくいただけた。(翌朝の冷やしうどんも暖かいものが欲しかったくらいであった)

沢からやってきた秋房さん、小泉さんは荷物が20kgくらいあって、とても重そうなのによく歩くなあと感心。

これから秋なので、また皆さんと山の上でうまいものが食べたい。

 

【感想】52期 小松久

 記録にもある通り、奥深谷は私が初めて沢登りを体験した谷で、初遡行の際には1mほど転落して肋骨を折ったり、高巻では恐怖におののいたりと、それはもう大変な思いをした場所であります。

 とはいえ、今年だけで諸事情あってすでに3回入渓しており、もうさすがに飽きたかなと思いつつ、参加いたしましたが、沢というのは不思議なもので何度来ても来るたびに少しずつ違った顔を見せてくれるので今回も退屈することなく楽しんで遡行できました。

 今回の課題は如何にリーダーをうまくサポートできるか、というところでしたが、自分が作業するのは簡単でも人のサポートはなかなかに難しいなと感じたのが実感です。とはいえ、難しいことはさておいて、美しい奥深谷を楽しめた1日でした。

皆様ありがとうございました。

 

【感想】52期 小泉賀奈子

 ボッカをしたいなあと漠然と考えていたところ、秋房さんからこの企画のお誘いを受けました。沢にも行きたいし、ボッカするならテント泊も…と安易に参加を申し出たのですが、これが私にとっては大冒険でした。全装備での沢は、ザックの重さで後ろに引っ張られてうまく岩を登れないし、翌日の山行では重過ぎて吐き気がしました。またまた足を引っ張ってしまってすみませんでした!帰宅してから計量すると25kあり、かつてない重さを背負っていたことにびっくりでした。でも、美しい渓谷美やサギソウの群生にも出合えたし、比良をボランティアで整備されている方のお話も聞けたのでとてもいい経験になりました。ありがとうございました。