京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

[No.3138]  鬼退治の大江山縦走 《関西百名山シリーズNo.56》

時は平安京、一條天皇の御代、丹波の国に酒天童子と云う悪者が鬼を手下に従え悪事を尽くしていると訴えがあり左馬権頭源頼光を遣わせ退治させた。との鬼退治伝説、頼光の家来四天王の一人、坂田金時は足柄山の金太郎として此れも伝説。丹後与謝野町から大江山を縦走した。その時代の丹後は丹波の国に含まれていた。

20110911大江山2

写真: 千丈ヶ嶽山頂にて

[例会No.3138]  鬼退治の大江山縦走 《関西百名山シリーズNo.56》

   平成23年9月11日(日)

48期 山本浩史

時は平安京、一條天皇の御代、丹波の国に酒天童子と云う悪者が鬼を手下に従え悪事を尽くしていると訴えがあり左馬権頭源頼光を遣わせ退治させた。との鬼退治伝説、頼光の家来四天王の一人、坂田金時は足柄山の金太郎として此れも伝説。丹後与謝野町から大江山を縦走した。その時代の丹後は丹波の国に含まれていた。

【参加者】 奥野淳子L、葛城美知子、堤潤、亀島文子、出口まい子、鹿嶽眞理子、鈴木かおり、岡本泰子(体験山行)、永島佑樹(同)、中尾可奈子(同)、鶴田信介(同)、山本浩史TC 計12名

【行  程】 京都駅7:00=沓掛IC =(京都縦貫道・R27)=与謝天橋立IC =9:10奥手=加悦双峰公園=9:50奥手10:00=12:25鍋塚=13:55鳩ヶ峰=14:31大江山=15:30双峰公園分岐=16:00赤石ヶ岳=16:25加悦双峰公園16:43=17:00奥手=17:26クアハウス岩滝18:50=与謝天橋立IC =(京都縦貫道・R27)=沓掛IC =21:00京都

【登山データ】 天候:晴れ 歩行11.1㎞ 6時間25分 延登高 1,217m 延下降 827m 4座登頂

20110911大江山地図

先週の台風12号和歌山県に甚大な被害をもたらした。シリーズNo.56は護摩壇山を計画していたが国道371号線は3箇所の不通が解消せず、急遽行先を大江山に変更した。9月も中旬となったのに残暑は厳しい。急遽の変更にも拘らず皆の支持を得られ向った大江山、京都縦貫道の無料実験が終わり道は順調、京都駅から2時間少々で与謝野町温江の奥手集落に着いた。地元の小父さんに登山口を尋ねると、「こんな所から登る人はいないよ」と訝しがられたが、「この先の広場に車を置いていいよ」と言って頂いたので渡りに船とお言葉に甘えた。皆を下ろして下山口の加悦双峰公園に車を回送し、亀島車と堤車をデポし奥手集落に戻った。この間35分他の皆は炎天下に木陰を見つけて待っていた。

集落の外れから続く登山道は、広く明瞭で藪漕ぎは無いが暫く人がいていないようで蜘蛛の巣が多い。先頭を行く奥野Lはストックで払いながら進むが、主に女郎蜘蛛が巣を張っているようで糸が太い。登山道には色々なキノコが立派に笠を広げている。西田さんが来てくれていたらたちどころに名前を教えてもらえるのだが・・・(事後鑑定してもらった結果テングタケシロオニタケとの事だった)。

最初のミッションは鍋塚への尾根にある「P401を特定する」というもので、まずは上空を通る送電線に注意を促す。P313を過ぎた辺りで急に道が怪しくなった。少し戻ると右手に分岐があり乗り上がると予期しない林道が現れた。すぐ先で崩れているので機能はしていないがコンパスの方向に従ってしばらく進む。林道が谷をトラバースして方向外れになる頃右手にあった登山道へと入っていった。そしてミッションのP401だが、どうもしっくりこなくて疑問に思い帰宅後GPSで軌跡を確認すると西側を巻くはずが東側を巻いたようで林道の右手にあった斜面の上がP401だったようだ。ミッションは失敗!

今日は出口さん、鹿嶽さん、鈴木さんの3人が歩荷に挑戦している。唯歩くだけでも噴出す汗は半端じゃないのに15キロの荷物を背負っては大汗ものだ。主稜線の縦走路に達して小休止、鍋塚への登りは徐々に急登となって鈴木さんの足が吊り出した。ポカリスエットと何だっけ?鹿嶽さんの持っていた漢方薬で一息ついた。もう少し頑張れ! 翌週9月18日は“よさの大江山登山マラソン大会”が行われる。この縦走路を含む23.5㎞をランナーが走ると言うことで主催者が標識設置の作業をされているのに出くわした。HPによると10㎞、3.5㎞コースを合せて1,124名が応募しているそうだ。

鍋塚(763m)山頂に到着すると丁度昼時で大休止を取ることにした。炎天下で心配したが適度に雲が出て、風もあり快適に過ごせた。山頂は3等三角点「大江山」が置かれ、360度の展望がある。北東方向を見る綺麗な円錐形をした双耳峰、此れは臨時ミッションとばかり、皆コンパスと地図を駆使して青葉山であることを知った。この山は5月の例会で行った山で今日の参加者のうち4人が其のときに参加している。南西方向に目を向けると此れから進む大江山の山脈が見渡せ素晴らしい。

厳しい歩荷も此処で終わり挑戦した3人は歩荷ポイントをGetした。読図ポイントを目指す鈴木さんは此処から講習をしながら進む。まずは鳩ヶ峰との鞍部の鍋塚林道終点にコンパスを合わせ距離、標高差、地形の変化を読み取って進んだ。鍋塚林道終点には休憩舎とバイオトイレがあり車が2台停まっていた。トイレ休憩をして鳩ヶ峰へ登り返す。大江山の主稜線は近畿自然歩道として整備が行き届き道幅も広い。適度に階段もありハイキング気分で登れる山域だ。鳩ヶ峰(746m)山頂も360度の展望があり千丈ヶ岳は目前に近づいた。最終目的地赤石ヶ岳の姿も立派に見える。

山頂からミッション2「千丈ヶ嶽までの所要時間を予想」を行う。亀島さんの15分から鶴田さんの50分まで大きく幅のある予想が出ていざ出発、標高690mまで下って140m余りの登り返しで今回のメインである大江山に到着した。大江山連山最高峰で狭義的には千丈ヶ嶽(833m)と呼ばれており2.5万図にも( )書きで書かれている。南西側の展望が良く、ミッション3「東床ノ尾山の山座同定」を行う。東床ノ尾山は今年5月の例会で青葉山の翌日に行った山で、床ノ尾三山に属する関西百名山の一つである。読図ポイントの鈴木さんは此れが終了試験で地図とコンパスを駆使して課題をこなした。さてミッション2の結果は30分で奥野Lがぴったりだった。

千丈ヶ嶽からの下りはハイキング気分でろくに地図も見ずに進んでいると妙な所で林道に飛び出し右か左か迷わされた。堤さんが偵察に走りコンパスの方向が正しいことを確認してくれた。家に帰ってGPSの軌跡を見ると2.5万図の道と随分違っていた。そう云うことかと漸く腑に落ちた。本来の道と合流する辺りに案内看板があり林道を進み山河峠に達する。模型グライダーをいじくっている小父さんの車が1台止まっていた。

再び山道になり加悦双峰公園への道が分岐する所で休止した。予定時間を1時間ほど過ぎているので標高差200m弱の登り返しがある赤石ヶ岳へのピストンは希望者を募り自由参加とした。葛城さんと鈴木さんが断念し双峰公園に先行下山、残る10人で赤石ヶ岳に向った。登りに掛ると見通しよく下山路を歩く二人が良く見えコールするも聞こえず、やがて草木の間に消えて行った。赤石ヶ岳は最初急登で少しなだらかになり出すと岩が目立ち一寸他の山と様相が違う。

赤石ヶ岳(736m)山頂には3等三角点「赤石岳」がある。点名には「ヶ」が入らず、南アルプスの3,100m級の山の名前だ。少し下った所に東屋がある。三岳山の方向が開けるが、大江連山の展望は利かない。斜面の葡萄畑等によくある簡易モノレールの軌道が2本、何に使っているのかと思ったが、後で双峰公園に下りると1回500円で赤石ヶ岳に登れる観光用の乗り物だった。勿論鉄道事業法軌道法による正式なものではなく遊園地の遊具扱いで此れを利用すると全く労せず登頂できるという訳だ。

最後の記念撮影をして、来た道を戻る。亀島さん、堤さんが早い!中腹から見るともう鞍部の分岐にいる。2.5万図では標高600mの分岐まで上り返さなければいけないが、鞍部から短絡ルートで双峰公園へ下りることができた。立派な施設があるが日曜日の夕方で客は誰も居ず、管理人の小父さんだけが忙しそうにアイスクリームを売ってくれた。

デポした亀島車と堤車何れも7人乗りのホンダストリームに分乗し登山口の奥手集落に戻った。クアハウス岩滝に立ち寄り汗を流し軽く食事をして帰路に着いた。丹波道の駅マーケスで方面別に車を乗り換えて解散、京都駅、長岡天神、桂へと皆を送り届け山行を終えた。

【感想】 48期 葛城 美知子

暑さに負けて2ヶ月ぶりの山行、登りを心配していたがペースがゆっくりで楽しく歩くことが出来ました。最高の天気で鍋塚から360度の展望、特に青葉山の西峰・東峰が双耳峰で見え吃驚です。高浜海岸から見た青葉山は、まさしく若狭富士でした。体験山行の若者4人にボッカの3人、皆さんの体力が羨ましいです。

関西百名山シリーズ1回目から参加させて頂き、初めての山を沢山歩く事が出来ました。一つ一つの山行に思い出が残っています。有難うございました。

【感想】 50期 堤  潤

 久しぶりの例会の参加で、1日楽しく歩けました。大江山はバードウォチングで二度来たことがあったけど、縦走は初めてで、展望のいい気持ちいいルートでした。冬歩くのもお手軽でいいかもって思いながら歩いてました。みなさん、ありがとうございました。

【感 想】 53期 亀島 文子

とにかく暑い、中途半端でない。風が無い。登りだしてから直ぐに汗が流れる。鍋塚山で風が心地よい。昼飯を食べ秋を感じるが、まだ日差しがきつく直ぐに木の陰に逃げ込む。酒呑童子の山で知られ鬼伝説が有るが、熊出没の看板有り。今日は暑く、汗臭い身体を温泉で流し帰宅。

【感 想】 54期 出口 まい子

今回はボッカ15㎏で参加しました。頂上で水を配れて、ボッカした水が少しでも役に立って良かったです。お天気に恵まれて良かったですが、ボッカするには少し暑すぎました。たくさんでワイワイ登れて楽しかったです。ご一緒下さった皆様、ありがとうございました。

【感 想】 54期 鹿嶽 眞理子

歩荷をするには、思いのほか暑い日でした。15キロの荷物が肩にずしりと来て、最初の登りはかなりきつかったです。それでも一汗かいたら少し楽になってきました。おかげさまで、今回私の足はつりませんでしたが、たまにそういうこともあるので、いつもお供にしているのは、芍薬甘草湯(ツムラの68番)とアミノバイタルです。そして飲み物はポカリ系です。歩荷のミッションは鍋塚山まででしたが、まだ頑張れそうだったので続行することにしました。大江山で、水がほしいという希望があったので、どうぞどうぞとお分けしたら、ほぼ完売。皆さんのお役にたててよかったです。これにて私の歩荷は打ち止めでした。疲れた足に最後の赤石岳の急登はちょっときつかったですが、岩々のお山で楽しかったです。皆様、ありがとうございました。

【感 想】 54期 

とても暑くて、暑くて。たくさんの水を飲み、それ以上の汗をかいた1日でした。ボッカにあわせて、ゆっくり歩いていただき、ありがとうございました。あと少しのところで、右足がつってしまい、残り300Mの長かったこと! 海なら溺れてますね。「がんばれ、自分の足!」奥野さん、鹿嶽さんから、ポカリやサプリメントをいただき助かりました。今後の参考にします。山の上から海が見えて、皆でわいわい楽しく、月のきれいな日でもありました。

【感 想】 (体験山行) 永島 佑樹

大江山山行では企画から当日の取りまとめまで大変お世話になりました。初めての体験山行でしたが山本さんを始め参加したみなさんとの会話も弾み、楽しい時間を過ごすことができました。久しぶりの登山で疲れはしましたが、私よりもご年配のみなさんの元気さと頑張りにはただただ驚かされる一方でした。おそらく私の両親とそれほど年齢が違わないのに元気すぎます! ただやっぱり暑かったー 

もう一度体験に参加したいと思うので、興味ある山行があったら連絡しますので、みなさまよろしくお願いします。

【感 想】 (体験山行) 中尾 可奈子

今回体験で参加させて頂きました。普段運動不足の為ちゃんと付いて行けるか心配していましたが、皆さん親切に教えて下さり、ペースも配慮してもらい楽しんで過ごす事ができました。山頂からは周囲の山々や海が見え感動!でした。最後の赤石ケ岳の登りは少し(かなり?)しんどかったですが、山本さんにも声を掛け頂き何とかリタイアせず最後まで付いて行く事ができました。 ご一緒して頂いた皆さん、長時間運転をして頂いた方々有り難うございました。

【感 想】 (体験山行) 鶴田 信介

今回体験で、山岳会の山行に初めて参加させていただきました。また、初めての縦走登山経験でもありました。奥手から鍋塚~鳩ヶ峰~大江山とそれぞれのポイントを登り、景色をゆっくりと堪能しました。最後の大江山~赤石ヶ岳までの登りは個人的にも大きな達成感を得ることができたと思います。山行中は予想以上の暑さのため、用意していた水があっという間に無くなり苦労しましたが、ボッカの方の協力もありなんとか凌ぐことができました。皆様、ありがとうございました。とても楽しく、充実した山行でした。

【リーダー感想】 50期  奥野 淳子

私達は、岩を登ったり、花を求めたり、ただ歩いたり。山へ向かう形は違っても、山を愛する心は同じです。多くのヒラサン会員が参加して来た関西百名山シリーズが道半ばで幕を引かれることを惜しみます。

百の山に一つとして同じものは無し。それぞれの魅力を引き出す企画で楽しませ続けて下さった山本浩史TCに心より敬意を表します。ありがとうございました。

20110911大江山1

写真: 赤石ヶ岳と床尾三山(鳩ヶ峰より)

20110911大江山3

写真: 大江山(千丈ヶ嶽)(赤石ヶ岳中腹より)