京都西山はやっと紅葉本番、天気回復という予報を信じ小塩山に出かけた。1山だけでは物足りないので、西へ進み外畑から明神ヶ岳、黒柄岳を縦走し亀岡まで長距離を歩いた。
写真: 牛松山、後に地蔵山、愛宕山(西山より)
京都西山はやっと紅葉本番、天気回復という予報を信じ小塩山に出かけた。1山だけでは物足りないので、西へ進み外畑から明神ヶ岳、黒柄岳を縦走し亀岡まで長距離を歩いた。
【参加者】 48期 山本浩史(単独)
【行 程】 桂8:59-東向日=9:31南春日9:31~9:50花の寺~10:45小塩山10:54~11:18森の案内所入口~12:20明神ヶ岳12:41~13:27黒柄岳~14:34烏ヶ岳~14:52神昌寺~15:25竜ヶ尾山~16:09西山~16:33亀岡16:44-嵯峨嵐山-17:26桂
【登山データ】 天候:晴れ 歩行25.9㎞ 7時間02分 延登高 1,395m 延下降 1,405m 6座登頂
南春日でバスを下り大原野神社に向かうと紅葉に包まれた小塩山が目の前に見える。鳥居付近の紅葉は見事、花の寺の門前の紅葉は如何にも寺院らしく素晴らしい。今日は拝観せずに門前を右に折れ小塩山の電波塔群への作業道に入る。NTTの作業の車がゲートを開けて入って行った。京都市内と比叡山から音羽山が一望できる個所がありしかも快晴で素晴らしい眺めだった。道が急カーブで逃げて行く尾根の先端から山道に入り急登斜面を登りだすと展望は無いがこれも素晴らしい紅葉に包まれて気持ちが良い。標高が上がるに連れて落ち葉が多くなり紅葉の季節も里で最後の段階と云うことのようだ。林道を横断すると電波塔が現れる。小塩山(642m)山頂付近には多くの電波塔があり所狭しと建っている。その山頂の一番高い処には淳和天皇陵がある。最高所は山頂の陵の上だ。淳和天皇は平安京を開いた桓武天皇の御子で、物集女で火葬され散骨したと伝わるのでこの陵に遺体や遺骨は元々無いはずだ。一寸失礼して最高所に立った。
今日は西に縦走し明神ヶ岳を目指す。以前来た時は大原野外畑町に直接下りたのだが、今日は何処でどう間違ったのか、送電線に沿って南西に下ってしまった。下りてきた処は森林公園の入口、随分南に来てしまったものだ。プリンターをメンテに出しているので、2.5万図がなく昭文社の登山地図だけで歩いているので今一地形が読めなかった。車道を歩き外畑(とのはた)にある関電の巨大な西京都変電所の前を通り桜木林道を登り万寿峠に到る。歩き出しは快晴だったのに冬型の気圧配置になり時雨れてきた。西の空は晴れているのでもう少しの辛抱と雨具は出さずに通したが少々濡れてしまった。再び山道に入り明神ヶ岳を目指す。万寿峠からは京都・大阪府境で複雑に入り組み最初は境界上を必ずしもトレースしていない。小さなピークを幾つも越え明神ヶ岳(524m)に達した。小広い広場の山頂には3等三角点「明神原」があり小さなプレートが括り付けられていた。
昼食休憩を取り南西に進む。高槻市田能の府道樫田トンネル入口に飛び出した。NTTの作業道に入り延々3キロ余り歩き黒柄山(527m)を目指す。落ち葉の積もった一般車の通らない道、日曜日でNTT車も入って来ないだろう。180°折り返すようにして山頂部に到り作業道の切通しにより分断された東側の高所が山頂で3等三角点「渋谷」があり、傍らに小さな小さなプレートが置かれていた。
さて下りは何の確証もないが、北の方に下れるだろうと思っていたがお誂えむきに送電巡視路が北に向かっている。急斜面をジグザグに下りて送電線に達すると巡視路は此処まで下へは繋がっていない。仕方がないので尾根通しに藪を漕ぐ。両側から谷が迫り先端で谷へと入った。両側の谷には作業道なのか微かな踏跡がありこれ幸いと踏跡を辿った。府道6号線沿いの年谷川に到りるが、渡渉して谷から這い上がるのに苦労した。処は高槻市杉生で北上すると直ぐに府境を越え京都府亀岡市矢田町となる。10分余り歩くと左手に林道入口がありすぐ傍の怪しげな梯子を登り烏ヶ岳の東尾根に取り付いた。微かに古い踏み跡があるようだがほぼ藪漕ぎ状態で這い上がる。黒柄山の下りでダニが付いたようで体が痒い。おお強烈な痒みだ。
烏ヶ岳(439m)山頂には2等三角点「烏ヶ岳」があるが、全く登山の対象となる山ではなく山頂標識の類は設置されていなかった。展望もなく少し立ち止まっただけで西の尾根を下る。西側にも微かな踏み跡か獣道かがある。亀岡市神原の里、神昌寺の境内に下りてきて恐縮しながら庭を横切って門を出た。神原の里は静かな谷間に開けた集落で何んとも長閑な風景が広がっている。此処からは亀岡CCのゴルフ場の西側を回り込むように歩き正門横から竜ヶ尾山に取り付いた。標高差は20m余りで道は無いが特段支障もなく登れる。山頂には3等三角点「矢田」があり、私製の山頂標識が掲げられていた。直ぐ下はゴルフコースで最終組が出た後のようで柴の整備が行われていた。
正門前に戻り再び車道を歩く。京都縦貫道を越える手前に展望台があり、向側に平和台公園の丘が見える。その向こうに牛松山、更にその後ろに地蔵岳・愛宕山も望むことができた。京都縦貫を跨ぐと平和台公園の園内遊歩道に入り最高所の西山(206m)に到る。しっかりした展望台が築かれ亀岡盆地が一望できる。16時を過ぎると日は傾き夕陽を牛松山に浴びせ、地蔵・愛宕も美しい。山頂には磐栄稲荷があり東への下山路は稲荷の参道で、寄進された鳥居が伏見稲荷の如く幾つも連なって建てられている。安町の溜池に下りてきて後は車道歩きで亀岡駅に到る。時間があれば亀山城に寄ろうと思っていたがもう日が暮れそうだ。JR嵯峨野線に乗って嵯峨嵐山に到るとまだまだ多くの観光客でごった返していた。嵐山花灯路のイベントが12月9日から始まる。その準備なのか沿道には燈篭が並べられていた。満員の阪急で桂へ戻った。 《山紀行753》
写真2: 烏ヶ岳(左のピーク・神原集落より)