君尾山には少し雪が積もっていて、雪と紅葉とイチョウを同時に楽しめました。光明寺のご住職には丁寧な説明と案内をして頂き感謝です。
[No.3163]「君尾山(光明寺)RDBの会 NO.33 」 2011年12月11日(日)
【実施日】平成23年12月11(日曜日)
【天 気】曇り
【記 録】 54期 中尾可奈子
【参加者】 CL山本憲彦 SL西田和美 安井一枝 井上純子 葛城美知子 岩坂 弘 中尾可奈子(7名)
[記 録]
駐車場発 10時12分
二王門 10時20分
光明寺 10時36分
大トチ入口 11時22分
大トチ 11時51分
休憩 12時27分~52分君尾山三角点 13時20分
駐車場着 14時30分
和知道の駅着 15時20分
京都駅レンタカー店着 17時6分
【感想】54期 中尾可奈子
君尾山には少し雪が積もっていて、雪と紅葉とイチョウを同時に楽しめました。光明寺のご住職には丁寧な説明と案内をして頂き感謝です。頂いた柿と奥野さんの手作りジャムは絶品でした!皆さん有り難うございました。
【感想】54期 岩坂 弘
君尾山は季節を選べばもっと楽しめる山だと感じました。ただ、君尾の大トチは感動しました。1500歳前後なのでしょうが、聖徳太子より年上かと思うと今現在頑張って生きていることに只々感動です。管理しておられる光明寺住職の楳林誠雄様のお話も聞けて価値ある山旅でした。
話は変わりますが、誠に楽しい忘年会でした。有難うございました。これからも何卒宜しくお願い致します。
【感想】48期 葛城美知子
少し雪が付いた「幻の大栃」、大きさと共に幹が洞穴になっても太い枝を伸ばしている姿に圧倒されました。光明寺住職に尋ねると「葉は出るが実を付けることは無い」との事です。寂しいですが、衰弱した所に雷の被害、それでも頑張っている生命力が凄いです。
案内して頂いた光明寺住職は、質問した事には全て答えてくださる親切な方です。国宝に指定された「二王門」の三間一戸二重門や栩葺(とちぶき)の説明も分かりやすく、歴史にふれることもできました。
【感想】48期 井上 純子
色々な出会いがあるから、山はやめられません。今回は「大トチの木を求めて」がテーマだったはずなのですが、心に残ったのは光明寺住職のお茶目なキャラ(全員記念撮影にしっかり収まる)と国宝指定書でした。低山といえども、四季の変化を感じさせる雪上の紅葉や銀杏の実もとてもカラフルで、心和ますものがありました。
【感想】40期 西田和美
幻の大トチまで道案内をして下さった光明寺ご住職より、資料としていただいた「丹波誌」からの抜粋に、今から100年以上前の明治41年、この大トチを観ようとこの地を訪れた人の観察記録が記されており、興味深く読ませていただきました。資料によると、100年前には既にこの大トチは心ない見物人によって樹皮を傷つけられ(樹皮を剥いで置物に持ち帰ったり、記念に名前を刻む)、悲惨な状態であったようです。「柵で囲い、保護しなければ!」とその惨状を訴えています。よくぞ今日まで、その命を存えてこられたものです。今では、もう花を咲かせることもないそうですが、雪深い深山で静かに天寿を全うしようとしている大トチの姿に感動しながら、雪の君尾山光明寺を後にしました。
※雪の君尾山でみつけたきのこ…ハチノスタケ、ホコリタケの仲間、キクラゲの仲間、ヒラタケ、ハリガネオチバタケ、カレバキツネタケ、ニガクリタケなど。
【感想】14期 安井一枝
全国第3位の「幻の大トチ(推定樹齢伝承2000年樹高23m目通り幹囲10.4m)」をたずねる山行でした。大トチへ下る道が山道かなーという超楽な山行でした。国宝の光明寺二王門は二重門で三間一戸、入母屋造、屋根は珍しいとち葺きで、かつて大寺院であったことが偲ばれるような立派なものでした。上から見下ろすと緑の中の赤い門が目に鮮やかでした。光明寺でおみやげにいただいた立派な柿は見事に熟していて、下山後の新年会で味わいましたが最上のものでした。ごちそうさまでした。
大トチを私の巨木めぐり歴に加えることができました。これまでのものは、焼尻島オンコの荘のイチイの自然林(高さわずか1メートル、その枝の広がりは直径10メートルを超える)、白神山地岳岱の400年ブナ(樹高26m幹周4.85m胸高直径約1.54m)、世屋高原内山の大ブナ(推定樹齢350年樹高 32m胸高幹周 3.65m)、芦生下谷の大桂(推定樹齢400年樹高38.5 m胸高直径 3.4m)、屋久島の紀元杉(推定樹齢3,000年樹高19.5m胸高周囲8.1m)、西表島仲間川日本最大のサキシマスオウノキ(樹高18m、板根地際の周囲は35.1m、板根の高さ最大3.1m)です。特記すべきは、マザーツリーの400年ブナのまわりに育っているブナの同じ樹齢の子供に顕著な差があること、また、大桂が16種以上の木を着生させていて春にはその中のヤマザクラがカツラの樹上で咲くこと、樹木に対し人間のように親しみを感じます。
<感想―前例会の感想の追加掲載>
「丹波富士」と呼ばれている弥仙山は、修験道の行場で女人禁制だったとは思えない、心がなごむような山でした。10月中旬に歩いた八甲田山、森吉山は紅葉真最中で花は少なかったのですが、弥仙山はいろいろな花が咲いていました。白いゴマナが道中ずっと雨の中に映え、咲き残っていたサラシナショウマが満開を想像したくなるすばらしい大群落、愛らしいコウヤボウキが初お目見えなど、楽しいルンルンの山道でした。おまけに栗が大豊作、ドングリやトチの実も落ちていて、岳岱自然観察教育林を案内していただいたガイドさんが嘆いていたのと違い、ここの動物達はしあわせでうれしくなりました。幹周4.85m樹高26mの400年ブナがシンボルのこの白神山地では今年たくさんのブナの花が咲いたのに実にならず、これで5年ブナの実の不作が続いているとのこと(ブナは成長が遅いため、地面に根を下ろしてから約50年から60年かけて初めて実をつけその後は5年に一度しか実をつけません)。北海道も今年は山の実なりが不作~凶作傾向なので、ヒグマによる人身事故防止【警報】が出され、「複数行動、音を立てて存在を周知、見張りの徹底、薄暮時を避けるなど基本事項を徹底し、危険を感じたら引き返すことも必要」と注意しています。お互いに不幸な事態にならないように祈っています。
弥仙山では他の季節にはイナモリソウ、コケリンドウ、ササユリ、セリバオウレン、センブリ、ベニバナヤマシャクヤク、ヤマジノホトトギス、アケボノソウ、ハグロソウなど魅力一杯の花も咲くようです。再び訪れたい山でした。お世話になりました皆様、ありがとうございました。
【感想】44期 山本 憲彦
今年の京都北部地域の植生観察の締めとして、「大トチの君尾山」(「RDBの会」第33回例会)を年初に選び、そして、日本海側で稀少な国宝を所有する光明寺を訪ねる企画で締めようと考えました。君尾山には、モミの木の保護林があり、京都府一のトチの巨木があるので、これを見るのも京都府北部シリーズの最終回にふさわしいと思いました。光明寺は古刹だと言うことは聞いていましたので、丁度登り口にあるので、これ幸いと思ったのです。
例会の数日前にかなりの雪が降ったので、まずは光明寺に連絡を取り、積雪の様子やトチの様子を聞こうとしました。同寺の住職の楳林(ばいりん)氏は丁寧に教えてくれました。
当日もこの辺りの山々の稜線付近は白く見えています。山門の下のPに駐車します。SLの運転も慣れたものです。身支度をして、登り始めると、いきなり山門。これが例の国宝だったのです。これを見に来ている数人の人に会いました。「ここで人に会うとは思わなかったわ」と言われました。
この山門の歴史は古く、このお寺の由緒を読むと、奈良時代からのお寺であることが分かります。山門は、堂々として、しかもこの辺りの年中の湿気に耐えているように見えました。私には直径30cmくらいの杉の丸い8本の柱が印象に残り、また、屋根は板で葺いています。仁王もなんとなく古さを感じさせます。帰りにまたゆっくり見ようとして、本堂に立ち寄って住職に挨拶をして(ご住職は我々を待っていてくれて、トチの案内もしてくれると言うのです)、そのまま林道を歩いていきます。
モミの樹林はお堂の上の修行堂の上の竹林のさらに上にあり、道は付いてなかったので断念しました。目の前に確かに大きなモミの木が数本見られました。
まだ赤い葉や実が木々に残っています。大きな赤い鈴なりの実のなった木は、ゴンズイだったのでしょう。40分ほど歩くと、道がやっと山道のように細くなり、けっこう滑ります。サイドのロープをつかみながら、急斜面をおりていくと、なんとそこにひっそりとトチの巨木がたたずんでいたのです。樹齢1500年か。幹の中は空洞になっています。幹周りは大人で3抱え以上はありそうです。RDBの会では、数年前に丹後半島の高山で京都府一のブナを見ましたが、これで京都府一の巨木を2本見たことになります。記念写真に収まった同住職には本当にお世話になりました。
いつも樹木を見て思うのです。「ゾウとネズミ」の時間のとらえ方について書いた本がありました。時間は誰もどんなものでも等しく来て過ぎて行くものだと何の疑問も持たずにいたのですが、この本に触れて、目からウロコでした。時間は身体の大きさや寿命に応じて対応するように作られているのです。だから、1年で命が終わるネズミと100年以上生きるゾウとでは同じ哺乳動物でも、時間に対する身体の対応が大きく異なるのです。子供向けの絵本で、大きな木に大きな目や鼻や口を描いて、下で遊ぶ子供達にやさしく話しかける場面があります。遊び回る人間の子供と巨木の生命とは、時間の流れが違うのですが、これを作家は、人間の時間感覚に翻訳して絵本として我々に見せてくれているのですね。このおおトチの姿はまさに、その大きな顔には深い皺を刻んだ仙人のような面影を感じました。おそらく、終戦直後の舞鶴港から聞こえてくる岸壁の母の嘆きも耳にしたのではないかとさえ思われます。幹の中は空洞ですが、上にはまだ大きな枝を伸ばして、葉も付いています。ただし、その大きな枝を支えるには残されている幹が薄すぎるのです。それでワイヤーであのように枝を支えているのだということが分かりました。いつまでも生き続けてほしいと願わずにはいられませんでした。
2011年では、RDBの植生観察で、京都府北部を巡る山々の自然の状態も大体ですが把握できました。大きな発見もありました。ここには書けませんが、絶滅危惧種もいくつかありました。2012年はRDBの会の植生観察は京都府東部の山々に再び入りますが、とりあえずは、京都トレイル・コースに再び植生観察に入り、1年かけて、全コースの植生観察ができればいいなと思っています。今年は年間計画を細かくは立てませんが、その都度予定を発表していきますので、ぜひご参加ください。動植物に関心があるメンバーならどなたでも歓迎します。